大雪山(旭岳〜トムラウシ山)縦走
- GPS
- 23:04
- 距離
- 46.2km
- 登り
- 2,338m
- 下り
- 3,280m
コースタイム
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 6:09
- 山行
- 9:39
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 10:41
天候 | ●8月2日(土):晴れ/ガス ●8月3日(日):快晴! ●8月4日(月):曇り→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
タクシー:旭川市内〜旭岳ロープウェイ(10,990円) ロープウェイ:大雪山旭岳ロープウェイ(片道1,650円) ●帰り タクシー:トムラウシ温泉〜新得駅(14,150円) 電車:新得〜旭川(2,810円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 旭岳ロープウェイ姿見駅にあり。 【コース状況】 ●姿見〜旭岳 ロープウェイ姿見駅(標高1600m)から旭岳(標高2291m)まで、 高低差およそ700mの登りとなります。 姿見駅から旭岳に向かって遊歩道を歩くと10分程で姿見の池に到着。 遊歩道はここでまでとなり、ここからガレ場の本格的な登山道が始まります。 9合目までは尾根を直登しますが、金庫岩を過ぎると 登山道は進路を北にとり、ほどなく旭岳山頂に到着です。 9合目付近から、登山道はザレていて下りは特に滑りやすそうでした。 ●旭岳〜北海岳 旭岳から間宮岳との鞍部へ向って下ります。 旭岳からの下りはザレザレで注意が必要です。 ザレ場を通過すると旭岳東斜面の下部にはまだ大きな雪渓が残っていました。 雪渓を越えると鞍部付近の平坦な道となり、 裏旭キャンプ指定地を左手に見ながら通過します。 この辺りからガレ場にお花畑が出てきます。 鞍部から登り返すと左手に熊ヶ岳のお鉢の縁に到達し、 お鉢の縁に沿って進むと間宮岳分岐に到着です。 ちなみに縦走路は間宮岳の頂上標よりわずか南を通っているので、 頂上標を見たい人は中岳方面に少し戻る必要があります。 間宮岳分岐からは巨大な御鉢平を進行方向左手(北側)に見ながら、 広く緩やかな稜線を進んでいきます。 荒井岳、松田岳は明確なピークとは気づかないような小ピークを経て北海岳に到着です。 ●北海岳〜白雲岳キャンプ指定地 北海岳は縦走路の分岐点となっており、ここから右手(南側)に折れて、 白雲岳に向かいます。 北海岳からは前方に白雲岳を見ながら、北海平という風衝地へと緩やかに下っていきます。 この辺りも登山道の両脇にお花畑が広がっています。 風衝地を過ぎると白雲岳に向って緩やかに登り返しますが、 白雲岳の壁面の前まで近づくと登山道は大きく左側(東側)に巻き、 花ノ沢源頭付近の雪渓を通過後、もうひと登りして白雲岳分岐に到着です。 白雲岳分岐から白雲岳までは荷物をデポしてピストンします。 分岐からしばらくは岩稜帯を進みます。その後、白雲平を進行方向左手に見て、 白雲岳の南側の山腹をトラバースしながら高度を上げると白雲岳山頂に到着です。 白雲岳直下は大きな岩が積み重なった岩稜帯となっており、 姿は見えませんでしたがナキウサギがしきりにチーチー鳴いていました。 白雲岳分岐に戻りl20分ほどハイマツ帯を下り、 雪渓から雪融け水が流れる沢を通過すると小高い丘の上に白雲岳避難小屋と キャンプ指定地があります。 白雲岳避難小屋は6〜9月は管理人が常駐しています。 【白雲岳避難小屋】 収容人数:60人 素泊まり:1000円 テント:300円/人 水場:OK トイレあり(使用後の紙は持ち帰り) ●白雲岳キャンプ指定地〜忠別岳 白雲岳避難小屋(1990m)からは高根ヶ原分岐(1770m)までは、 天気が良ければ正面に忠別岳とトムラウシを見ながらお花畑が広がる登山道を 緩やかに下っていきます。 高根ヶ原分岐を過ぎると左手(東側)が断崖となった平坦な風衝地を進みます。 風衝地にはところどころにケルンで積んでありますが、 この辺りとてもだだっ広い場所なので濃霧時は道迷いに注意が必要です。 平ヶ岳の脇を通過して忠別岳へと緩やかに登り返し小ピークを一つ超えると 忠別沼まで標高差にして40mほど下りとなり、忠別沼付近は木道が敷設されていました。 忠別沼から標高差およそ200mを登り返すと忠別岳に到着です。 忠別岳はゆったりしたピークですが、頂上標より一西側は断崖絶壁となっています。 ●忠別岳〜化雲岳 忠別岳からは忠別岳避難小屋分岐点のある鞍部まで250mほどいっきに下ります。 忠別岳避難小屋は縦走路より東側に外れたところにあります。 忠別岳避難小屋分岐から五色岳へは背丈よりも高いハイマツ帯を 若干薮漕ぎ気味に登っていき、視界が開けたところが五色岳(1868m)山頂となります。 五色岳山頂からはトムラウシの全貌が見え、ようやく射程圏内に入ります。 五色岳から登山道は進路を進行方向右手(西側)に変えます。 平坦なハイマツ帯の道をしばらく進むと化雲平と呼ばれる広い平坦なお花畑に出ます。 化雲平付近は池塘などもある湿地帯となっており、木道が敷かれています。 この美しい場所を進むとやがて化雲岳への分岐が現れ、 化雲岳山頂と巻き道とにルートが分かれます。 巻き道のお花がスゴいことになっていたので、巻き道の方に進み、お花を楽しんだ後、 山頂ルートとの再合流地点まで行って化雲岳を往復することにしました。 ●化雲岳〜トムラウシ山〜南沼キャンプ指定地 化雲岳からすぐにヒサゴ沼分岐となり、 ヒサゴ沼を経由せずに真っすぐ進むルートを取ると120mほどヒサゴのコルまで下り、 50mほど登り返すと平坦な広場に出ます。 登山道は木道となり、しばらく大きな岩の間を通り抜けるとやがて天沼、 そして日本庭園を続けて通過します。 日本庭園を過ぎると登山道は巨岩地帯となり小さなピークを越すと、 広い平原に下り目の前にロックガーデンの急登が立ち塞がります。 ロックガーデンの急登は岩に印されたペンキ類もあまりないため、 登山道がはっきりしないところもあります。 ロックガーデンを通過すると前方に広い緩やかな丘が広がり、 トムラウシの山頂部がチョコンと見えるようになります。 この緩やかな丘を登りきるとトムラウシの双耳峰と北沼が見え、 北沼の畔まで緩やかに下っていきます。 北沼分岐でトムラウシ山頂経由で南沼キャンプ指定地に向うルートと トムラウシの山腹をトラバースして南沼キャンプ指定地に向うルートへと分かれます。 最初はトラバース道と並行するように岩場をトラバース気味に登り、 最後に巨岩帯を北側から回り込むとトムラウシ山頂に到着です。 トムラウシ山から岩場を下るとすぐに南沼キャンプ指定地に到着です。 トムラウシから南沼までの下りは、安心感と疲れが出ているので慎重に下る必要があります。 【南沼キャンプ指定地】 携帯トイレブースあり。 水場:OK ●南沼キャンプ指定地〜トムラウシ温泉 南沼キャンプ指定地からトムラウシ公園に向かって下っていき、 トムラウシ公園から高低差50mほど岩場を登り返します。 その後、岩場の谷を下ると前トム平に到着します。 この付近もナキウサギの鳴き声がたくさん聞こえました。 前トム平から、引き続き岩場の急登を下り、 露岩帯となった谷を渡って対岸の樹林帯に入るとほどなくコマドリ沢分岐に到着。 コマドリ沢分岐からしばらくはカムイサンケナイ川に沿って下ると いきなり進路を進行方向右手に変え、ここから高低差100mほど登ります。 (以前はカムイサンケナイ川沿いにカムイ天上分岐まで沢沿いに 旧道が付けられていましたが、立ち入り禁止となり、2004年からは 尾根上を辿る新道が付けられたとのことです) 新道はひどい泥濘化が進んでいるとのことでしたが、 登山道の端を歩きながらうまく泥濘を除けて進めば靴が汚れるほどではありませんでした。 カムイ天上分岐を過ぎると緩やかな下りとなりしばらく進むと、 トムラウシ温泉と短縮コースとの分岐が現れます。 ここからトムラウシ温泉までは3.3km。 前半〜中盤はなかなか高度を下げずにひたすら平坦な道を進み、 後半でいっきに標高を下げトムラウシ温泉登山口に到着です。 ※エキノコックス感染防止のため、全行程を通して水場の水は基本要煮沸となりますが、 いちいち煮沸するのはたいへん面倒なので携帯浄水器(スーパーデリオスなど)を 持参するのがよいかと思います。 |
その他周辺情報 | 【温泉】 トムラウシ温泉東大雪荘(500円) |
写真
感想
今年の夏休みの一大イベントは北海道遠征。
まずは3泊4日で旭岳から十勝岳までを縦走で抜ける山旅です。
1日目2日目と天気が良くて最高の縦走を楽しむことができました。
それにしても大雪山は大きくて果てしがなくて度肝を抜かれました。
雄大なんて言葉は実際にその足で歩いてみると霞んでしまうほど。
3日目の昼過ぎから4日目にかけて天気は大荒れの予報。
南沼で縦走を続けるかトムラウシ温泉に降りるか選択を迫られます。
十勝連山方面へは一度進んでしまうとエスケープルートはありません。
komemameの疲れも予想以上に溜まっており、
しかも3日目の南沼から美瑛富士避難小屋までは今回の縦走で一番キビしい行程。
もし午後から雨が降り風も出始めたら歩き切る自信がないと言う。
翌朝。天気もあまり優れず、ここで下山という苦渋の決断を下しました。
悔しくて悲しくて涙が出そうになりながら黙々とトムラウシ温泉に下山。
下山後すぐに予報を確認すると、
翌日は風速27mと冬でもめったに見ないほどの強い風と雨の大荒れの予報。
これでスパッと諦めがつきました。正しい決断だったと。
予定よりも短い行程となりましたが、今回の大雪山の縦走は、
これまで自分が持っていた縦走の概念が覆されるほどの体験でした。
大雪はまた必ず再訪したいです。
この日に新得から旭川まで戻り、予定が空いた4日目は雨の中ですが、
旭山動物園に行ってきました。
この動物園が楽しくて楽しくて大人げなくはしゃいでしまいました。
5日目からはレンタカーを借りて道東の山を巡る旅へと出ます。
待ちに待った北海道遠征です。
第一弾は縦走からスタート。
トムラウシはほんとうに遠かった。
ときどき見える「王冠」は歩いても歩いても近づかない。
でも道中の景色がすごすぎて、感動しっぱなし。
ここは山なのか、どこなのか分からなくなるほど。
北沼の直前、トムラウシが間近に見えたときは、
「やっときた」と、思わずじ〜んとしてしまいました。
でも、ここで気持ちも体も力つきてしまいました。
このあとさらに十勝岳へ縦走の予定がありましたが、
翌日崩れそうな天気予報を前に、すっかり気持ちが萎えてしまいました。
トムラウシ温泉へと下山していると、なぜかお天気は良くなって、
なんと太陽まで…!!!
後ろから歩いてくるがっかり顔のdanyamaにかける言葉もなく、
もくもくと無言でおりました。
今回の縦走を楽しみにしていたdanyamaには
本当に申し訳ないことをしてしまいましたが、
私にとっては充実感でいっぱいの縦走でした。
今までの山登りのなかで、ナンバーワンの思い出深い山となりました。
おしまい。
danyamaさん、komemameさん、こんにちは!
拍手もコメントも一番乗りさせてもらいました
北海道の長大なルートの遠征お疲れさまでした!さらに長大なその先は悪天候で残念だったみたいですが、その分北海道の観光を満喫されてるんでしょうねー
北海道の山は、アルプスほどに高いわけではないですが、火山の風景・一体となった山系のひろがり、高山植物、特有の動物などが折り重なって、本当にいい雰囲気になりますね☆
2年前の北海道連戦遠征のきつさを思い出します。もっともとにかくきつかったのは山と山の間の運転で地獄のような眠さが懐かしいです。でももう既に北海道に行きたい病も発症していて、トワイライトエクスプレスが取れればこのお盆に行く予定でした。。。
ところで、カムイ天井付近の足下は泥でグチャグチャということはなかったですか?ちょっと気になります
espritさん
こんばんは〜。拍手&コメントありがとうございます
ほんとうに北海道の山はすごいですね!
特に今回の旭岳〜トムラウシは私のこれまでの山行の中で
ナンバーワンに変わる山になりました!!!
今まで見たことのない景色がどこを見渡しても延々とつづいていて…
広大さはもちろんのこと、火山による独特の色に、そこに生息する生き物、お花たち。
自分がその場にいるのが不思議な感覚に陥りました。
そして歩いて歩いた先に、目の前に現れたトムラウシ!
これぞ頑張って歩いてきたご褒美といった感じで、うるっと感動しました。
思い出すたび、恋する乙女のように「はぁ〜、また会いたい」とため息をついてしまいます。
espritさんと同じように、すでに私も行きたい病でたいへんです〜。
遠くて深くてなかなか気軽に行けるところではないですが、
いつか必ずまた行きたいです!
移動では、私もほんの少しだけ運転しましたが、
景色にかわりばえがなくて、5分もしないうちに猛烈な眠気が…
結局運転はほとんどdanyamaに任せて、まったく私は役立たずでした。笑
カムイ天上あたりは、全体的にぐちゃぐちゃしていましたが、
気をつけて歩けば、靴が汚れてしまうほどではなかったですよー。
どうもnurupoです(´・ω・`)
しばらくレコがなかったので海外の山にでも行ってると思ってましたが、北海道でしたか!
大きく雄大な自然が一杯の北海道!
苦渋の決断で下山は残念でしたが、正しい判断ですねー(゜∀゜)
まさにでっかいどーな雰囲気が伝わってきて自分も行った気分になりました(*´ー`*)
さて次は東方面行くみたいですが、百名山完踏も近々では?
nurupoさん
こんばんは
大事な大事な夏休み、北海道に行ってまいりました〜!
今回のこの縦走は前半は天気にも恵まれ、
荷物が重くてカラダはキツかったですが、見るものすべてがスゴすぎて、
この景色にどれだけ元気をもらったことか!
後半戦は私の弱気で下山をすることになり、
がっかりするdanyamaを見て、申し訳ない気持ちでしたが、
結果的には翌日の天気はすごいことになっていたようで、ほっと胸をなでおろしました。
たぶんあの天気で歩いていたら、私はきっと動けなくなっていたでしょう…
この縦走後も天気が微妙だったりしましたが、
毎日天気予報とにらめっこしながら、北海道登山を楽しんできました。
コメントありがとうございました
昔話で恐縮ですが、私の初めての北海道遠征のスタートがこのコースでした。
1978年8月18日、旭岳から入り6日かけて十勝岳に抜けています。
天候は比較的良かったのですが、トムラウシから先が難コースでヒグマの脅威に怯えながら、ビバークしたことが懐かしく思い出されます。
貧乏学生でもちろん飛行機などは使えず、上野から夜行列車で出かけました。
大雪・十勝の後は利尻をやり、その後道東に移動して雄阿寒・雌阿寒、斜里岳、羅臼岳を登りました。
当時知床横断道路などはもちろん無く、岩尾別からヒグマの縄張りと言われた羅臼平に登り着いたときは本当に遠くまで来たと感慨にふけったものでした。
羅臼岳に登ったのが9月9日、その後日高に向かい幌尻を狙ったのですが天候が悪く断念して1ヶ月渡る北海道遠征を終えました。
移動は鈍行列車とヒッチハイク、宿泊はツェルトでたまに贅沢でユースホステルに泊まる、青春を絵に描いたような旅でした。
その後何度も北海道は訪れ、一時期は転勤で札幌に住んだことも有りましたが、最初の大雪・十勝縦走が今でも一番印象に残っていて、北海道と言えば真っ先に思い浮かびます。
あまりに懐かしく、うれしかったので長々と昔話を書いてしまいました。
北海道遠征、後半戦のレポート楽しみにしています。
なんて壮大な旅!!!青春だぁ♡
私も若いころこんな旅がしたかったなぁ〜。
体力も時間も有り余っていたはずなのに、、学生時代なにしてたんだろ〜(笑)。
yamayaさんは若い頃からいろんな山経験をされていてうらやましいです。
yamayaさんのお話を聞くたび、もっと早く山の魅力に出会っていたかったと、
心から思ってしまいます。
でもこうやってお話を聞くと、時代は違えど、山は変わらないものなんだなぁと実感します。
私たちがふだん暮らす下界は、あっという間に移り変わっていってしまうけど、
山の時間は、下界で流れている時間よりゆっくりなのかもしれませんね。
yamayaさんのコメントを読んでいたら、
そんな山のすばらしさに気付かされました☆
どうもありがとうございました
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