合言葉「飯豊はイイデ」。本当に良かった 飯豊山縦走(石転び沢⇒弥平四郎)
- GPS
- 24:56
- 距離
- 48.3km
- 登り
- 4,510m
- 下り
- 4,490m
コースタイム
- 山行
- 7:42
- 休憩
- 2:18
- 合計
- 10:00
- 山行
- 7:39
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 9:02
天候 | 13日: 入山前日・曇り時々晴れ。夕方から小雨。風はほぼ無風。 14日: 曇り・薄曇り・曇り。(コレが幸いした。雪も落ちついて、落石の気配すらなかった)もし、快晴なら午後辺りの気温の上昇と、雪の緩みでガラ・ガラ・シャッ・シャッの攻撃は十分あり得る。 風は雪渓下部で特徴の吹き下ろし。(期待するほど寒くない)草付き取付き~上はほぼ無風。 15日: 薄曇りと高なびきの雲あれど晴天。この日の5時の予報「晴れのち雨。60%」。一応、最高峰の大日岳まではOKと読む。 大日岳を登頂し、360度の山座読みに明け暮れているうちに、南西方面から雨天雲を目視。 逃げるが勝ち。と速足で御西小屋へ戻るも、僅か20分ほどで立って居られない程の強烈な暴風雨。救いは風向きが完全フォローであった事。) 御西小屋で雨天装備装着も、本山直下では横向きになるとザックごと身体を持って行かれるほどのウルトラ級の風。 押されながらも、小屋へ入室して消灯まで荒れ荒れのお天気。 16日: 起床4時でもガス気味なくずった天気。予報は不安定な状況継続で午後から荒天の様子。 雨も程々に、風も程々に、たまに雷鳴のオマケつき。(距離にしてお腹に響く程度) 下山後も終日雨。 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山:弥平四郎よりデマンドバス。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
雪渓は何処でもそうだが、落石は気温・風雨に左右される部分多いので、とにかく前方注視で休まない事。 注意点は稜線にのれば、登山道の踏み外し位。 風の勢いは勇ましいので、それなりに吹かれる時は防風体制できれば上々。 動物についてはクマの気配を最も強く感じる山域。 |
その他周辺情報 | 山小屋情報(テントも含む) 梅花皮小屋:おひとり畳1畳で換算して収容25人程度。1500円。トイレは旅館顔負けの水洗トイレ。テン場は張り数15程。 本山小屋:おひとり畳0.7畳で換算して収容30人程度。2000円。トイレは管理人さんが自負するほどキレイ。テン場は張り数10程。 ※この山域。北アの様な背の有るハイマツ帯がある訳もで無いので、強風時は極めてフライ等が飛んでいく恐れあり。しっかりガイドロープ固定でもばたつきでフライの生地痛むの必至。 実際に2日目のウルトラ級の風にやられた時、平場のザック20Kg位が転がるような有様なので、テント建てたまま山行していても装備の飛ばされが心配で落ちつけないと思います。 何より、お世話になった管理人さんのご厚意を鑑みれば、1・2千円はお安いと思いますよっ(笑) |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ(1)
保険証(1)
飲料(2.6)
ティッシュ(1)
アイゼン(1)
タオル(2)
携帯電話(1)
計画書(1)
雨具(1)
防寒着(1)
スパッツ(1)
手袋(1)
ストック・またはピッケル(1)
替え衣類(1)
ザックカバー(1)
時計
非常食(1)
|
---|---|
共同装備 |
コンロ(1)
ガスカートリッジ(1)
コッヘルセット(1)
医薬品(1)
ラジオ(1)
カメラ(1)
1/50
000マップ(1)
|
備考 | 酒(特にビール。)あとで計算したらビールだけで5千円程に(笑) |
感想
良く他の登山者様のお話を伺っていても、「飯豊はいいでぇ。」とお褒めのお言葉ばかりを聞くこの山域。
何時かは行けるか・・・?と昔っからそう思っていて・・・アプローチの長い事。どんなに詰めても2泊を要するこの山(というか連峰)。タイミングは夏休みしかない。
そこへ日常お世話になっている。勤め先のリーダーが故郷に帰るついでに一緒にどう???と言われ、すっかりノリノリに(笑)。
今回、同伴者が必要な理由は、登り詰めが雪渓歩き。北アのように登山者ラッシュが無い代わりに、廻りに見ていてくれる目撃者を確保出来ない。
という事で今回は速攻旗手。参加同行をお願いしましたぁ。
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前日はすっかり観光気分。
ただ縦走ザックにピッケル何かを抱えて、幾らお盆時期とはいえ”ラッシュアワー”の通勤電車移動はイタかった。(よくもまあ、ダレも文句言わんなぁ。って辺りが正気な気持ち)
飯豊山荘さんに、登山者さん?と改められ、朝食をお弁当にしていただいたりと、配慮はありがたかった。
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初日。
ここは沢つたいな道(マップにない)と只管トラバースを強いられるコースがあって、石転び沢の出会いまでは、蒸し暑さとムシとの格闘。右肩上がりのトラバーズばかりなので目線がどうしても右がちになり、結局沢元の「うまい水」の水場を逃す結果に・・・(泣)。
持参の水量が2.6Lのみなので、雪渓終了までこの量でやりくり。出会いでお弁当タイム(ココではもうあのうざいムシも居ない)として、まるで上に昇天するような白竜なお姿の雪渓は実にダイナミック!!
取り付いて傾斜もきつくならないうちにせっせとアイゼン・ピッケルで高度を稼ぐ、草付きまで休めないのでいわばマラソンレースみたいなもん。隊長は傾斜がきつくなって落石の痕跡からノーマークな辺りでアイゼン装着。最終的に草付きで30度は超えてくるけども、直登する分時間は少なく、高度は稼げる。
で、草付きになってからお空がご機嫌。暑いのなんの。って。途中まで隊長の後だったけど、ペース配分から私がリードする事に・・・。梅花皮小屋に6:30(CT7:30)で何とか到着。
流石にバテ気味だったので、ビールを頂き(コレクーラーBOXに詰め込んだ雪渓の雪で冷やしてあってキンキン)。暫しのお昼寝。
夕方に北股岳(2025)を目指しPH。この山。ホント見事な山で北側の側面を削ぎ落したら白馬岳にそっくりな山容。山頂からの眺めは本山・大日共々ガスに覆われ眺望はイマイチだったけども、山頂の醍醐味を存分に楽しんで下山。入室となってご飯タイム。
18時にはヒトも多くなり賑やかな談話が・・・。流石に指折りの名山だけあって、様々なスタイルだけれども皆・一物ありそうなヒトばかり。この日は早々に就寝と相成りました(19時)。
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2日目・起床3:40。
お空はガスガス散々の様子。皆・いい感じに寝ているので、チマチマ朝食を頬張り、マット・シュラフ等々をしまっている内に、皆で御食事モ−ド。
出立は4:56.
お天気もお宜しく、正に天空の街道。お花の数も数知れず、実に多彩。まして正面に本山をあがめ、右手に重鎮の大日岳。背面は白馬似の北股岳。コレが実に一つ一つが堂々としていて大きく、本当に2千m級の山々なのか???と錯覚になるほどの豊かな山容。
稜線の具合も北アのそれに引けを取らず、たおやかで優美ある傾斜に、はつらつモード炸裂。このままトコトコ座数を稼ぐべくこの日の本山目指してルンルンっ♪♪
最高峰の大日岳に詰めるのに余りに上機嫌な状態が重なった慢心から、ほぼ空身(水・三脚・カメラ)を持参でCT3:40をこなしていきます。山頂の眺めこそ雄大で尾瀬や会津駒・吾妻・磐梯・鳥海・・・・と。山座同定に忙しくあっという間に数十分が経過。そのうちはるか遠方に雨を降らせている雲々を発見。風向きから判断して突かれる。と思いさっさと撤収。しかし歩調より風の方が断然速く、掴まって風は荒れて行く一方。
御西小屋到着20分前にはずぶぬれになる始末に・・・。風向きがフォローだったのが幸いし、カメラやGPSはそんなに直撃受けずに済んだのがラッキー。
ツアーな10名程の登山客を余所眼に、きゃききゃきと雨装備で本山へ。その距離CT1:40なれども、クライマックス時にはマトモに立てない横向きになれば身体ごと廻される状態(><)。
こういう時には身ぐるみ、はためくもの剥いで山頂へ。(PHの写真は足で踏ん張って道標にがっちりみたいな・・・。)
小屋へ入室した時には、そういう荒天だから当然逃げ込む人多し。管理人さんと三言・五言会話を交わしてヒトを裁きます。(どうも登山客に該当する方は2Fへという感じです。)
と思いながらココでは詳細を避けますが、いわゆる想定外の厚遇で、更に楽しませていただきました。
消灯は20時で、時間厳守なので利用する時は気をつけましょう。
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3日目・起床4:00。
入室のルールで起床は4:00です。天気予報は曇りのち雨。不安定な気象条件は引き続きの様子。(しかしよ。何たって8月に前線が停滞するんだ???)
この日は下山を念頭に置いている為に、行程は逆引き計算です。基調下りで速度が稼げても足場が前日の降雨で悪いでしょうからその辺の按分が難しい処です。
隊長の判断で5時に出立。CTは7:40。荒れないうちにせっせと距離を稼いでいきます。
しかし、コノルート。切合小屋までの2時間位が昔からの修験者の道で古くからの歴史を感じさせるモニュマンやら地名がつけられ、至るところが恐らく縁の修験者の野営になっていた事を伺わせるような平場が見受けられました。
その後は只管右上左下のトラバース。おまけに雨天でご劣悪な足場の悪さ。滑ってスベって廻ってマワッてを繰り返しながらの下山となって・・・。
廃校のテラスで後仕舞をしてデマインドバスで里に降りました。
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総評。
緊張はしり気のおけない雪渓。ステップ踏ん張って打たれる暴風雨。バランスに気遣いまんてんのドロンコ祭り。と、あらゆる楽しみがいっぺんにある印象強い山行になりましたよぉ。
何より、この山域の安全を守る「飯豊朝日連峰の登山者情報」をご覧ください。
計画書を提出して、救援隊長から直々お返事を頂き、安全を管理する真摯な姿勢には感銘を受けますねぇ。
連携を共にして常に最新情報を発信し、今後の登山者をも見守っていただけることはとってもありがたい限りでっす。
↓↓↓
http://www.ic-net.or.jp/home/iide/
飯豊は総じて山容豊かでたおやかな稜線。お花の数は底知れず、それに何より稜線から360度の山座同定がこんなに楽しめる。豊かな山域ですねぇ。また季節を変えてトライしたいと思いまっす。
「想い出の山」写真&レポートコンテスト 「山行記録部門」 by モリパーク アウトドアヴィレッジ(MOV)
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