素晴らしき哉、白馬岳。 [蓮華温泉→小蓮華山→白馬岳→鉱山道→蓮華温泉]
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.4km
- 登り
- 1,824m
- 下り
- 1,824m
コースタイム
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 10:25
下り:蓮華鉱山道(白馬岳頂上から)3:49
天候 | はれ→くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
22kmで蓮華温泉駐車場に着きます。 駐車場は70台収容です。水洗トイレあり(男女別/ペーパー有り)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆蓮華温泉〜白馬大池◆ 樹林帯の中、緩やかなつづら折れを繰り返し、標高2,000mを越えたところで展望が開けます。通称「天狗の庭」。雪倉岳や朝日岳方面が見渡せる岩のテラスで、休憩の適地です。ここからはまた樹林帯に入り、傾斜が増したゴツゴツした大岩の上を歩きます。木々の背が低くなり、森林限界を超えると間もなく、白馬大池小屋(キャンプ指定地)に到着します。 ◆白馬大池〜小蓮華山◆ 白馬大池を左手に見ながら、展望の良い緩やかな坂(雷鳥坂)を登ります。登り切ったところが船越ノ頭です。ここからは小蓮華山の美しい稜線を望むことができます。NHKドラマ「坂の上の雲」のスタッフロールの背景としても有名になったところです。一旦高度を下げ、小蓮華山に到着すれば、富山側の山々が目に飛び込んできます。この日はガスで全貌は明らかになりませんでしたが、左手には白馬岳が、そして右側に黒部峡谷を隔てて剱岳や立山、清水尾根の向こうに駒ヶ岳〜僧ヶ岳、そして清水岳と旭岳の鞍部から毛勝山(西北尾根)が見えます。 ◆小蓮華山〜白馬岳◆ 小ピークをいくつか越えると、砂礫の中の鞍部に「三国境」(さんごくざかい)があります。富山県、新潟県、そして長野県が境を接しているところです。ここから砂礫の緩やかな坂と黒っぽいザクザクした礫のピークを越えると、いよいよ山頂です。山頂には新田次郎の「強力伝」で有名な展望盤と一等三角点を示す標石、そして山頂標 があります。山頂より南側に10分程下ったところに白馬山荘があります。 ◆三国境〜鉱山道分岐◆ 三国境から雪倉岳方面に進路を取ります。白い礫の坂を下り、ケルンやペンキマークを頼りに広い尾根上を進みます。砂礫の白、池の群青、ハイマツの緑、ウラシマツツジやミヤマダイコンソウの草紅葉の赤、そして空の青のコントラストがとても美しく、なかなか足が進まないところでもあります。三国境から30分程で鉢ケ岳との鞍部の手前にある鉱山道への分岐に到着します。 ◆鉱山道分岐〜蓮華温泉◆ 最初は一面の礫の中をペンキマークを頼りに沢に向けて下りていきます。踏み跡は不明瞭ですので、間違えて高山植物を踏まないように注意が必要です。沢沿いは草付きの斜面ですが、ここは遅くまで雪が残るところで、初夏〜初秋の花が一度に見られる植生の上でも非常に貴重な場所です。数か所渡渉の場所がありますが、増水に備えて道は高巻きに付けられており、片方が切れ落ちているところが多いですので、通行には気を遣います。また、涸れ沢の中を進むところもありますので、雨天時のエスケープルートとしてはお勧めできません。鉄パイプの橋を渡ってしばらく進めば、道は遊歩道となり、キャンプ場を経て蓮華温泉に到着します。 「蓮華鉱山道」と称されるこの道は、かつて銀山としてのちにモリブデン鉱山として整備されたもののいったんは鉱山の閉山に伴って廃れていたものを登山道として復活させた道です。ペンキマークやピンクテープが随所にはあり、刈り払いなど一定程度の整備はされているものの、通る人は非常に少ない道です。また、この日は20か所以上で熊の糞を見かけました。まだ新しいものもありました。この時季は冬眠に向けて熊の活動が盛んになり、遭遇する確率が格段に増します。少しでも不安を感じる場合は通行を控えることをお勧めします。 |
その他周辺情報 | 下山後は「道の駅 小谷(おたり)」に併設の「深山の湯」に立ち寄りました。JAF割引あり(大人620円→520円)。 http://www.otarimura.co.jp/original3.html |
写真
感想
五指に入るか。
なぜ、いままで白馬岳を登らなかったのだろう?
気付くのに遅かった。
小蓮華山への稜線を歩いていて、この白馬山系は凄いな。
百名山とは言わず、ひょっとしたら五指に入るかも、と思いました。
なんというか、後立山は白馬以南は瘠せた稜線が多いという印象ですが、
白馬以北のデンとした稜線はほんとうに気持ちがよいです。
しかも砂礫夥しく、二重稜線が交差して見える具合はなんとも美しい。
展望も素晴らしい。
信州側の切れ落ちた面は終始ガスがかかってみえなかったし、大雪渓も歩いていない。大お花畑の季節は過ぎた、ということでまだ魅力の半分それ以下しか知ることができなかった山行かもしれません。
そういうわけなので四季折々のシロウマの魅力を見つけてみたいと思いました。
◆自然と人との因縁とは…永遠のテーマ◆
「癒しを求めて山に行く」
人が山に行く動機としては至極もっともなものだろう。
師匠は展望が好きだ。
山々の稜線や谷、雪渓が描く造形美について語らせれば右に出るものはない(と思う)。
私は動植物が好きだ(ただしG様を除く)。
一面の花畑も路傍に楚々と咲く花も。
森の中で木々が放つ独特の甘い香り。
鳥や獣、昆虫たち。
ところが、どんなに手つかずの自然を求めても、否、求めれば求めるほどに不思議と人の活動の痕跡が見えてしまうものだ。登山道などはその最たるものである。
純粋に登山のために拓かれた道がある。
一方で、今回通った鉱山道のように、鉱石の採掘のために整備された道がある。それとともに精錬所跡や飯場跡、かつては荷車やトロッコが通っていたことを思わせる痕跡も残っており、往時の賑わいを感じ取ることができる。
閉山とともに道は一旦は廃れたが、登山道として現在も整備が続けられている。通る人はメインルートに比べれば圧倒的に少ない。それでも道を維持されていることに敬意とともに執念のようなものを感じた。
この道の整備に尽力されている方々は、道を通じて人と自然の関わり方について何を訴えようとされているのだろうか。
そんなことをつらつらと考えながら、これからも山を歩くのだろう。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
NHKの「坂の上の雲」のエンディングのひとコマですね♪
この稜線は、稜線フェチにはたまらないですね!
あと、ここはお花もいいよ、温泉もいいよって聞いたことがあるのですが、
まだお会いできておりません。
稜線フェチの引きだしに入れて置きます
素敵なレポートありがとうございます!
kaoritreeさんコメントありがとうございます。
稜線フェチなんですね。
わたくしも「坂の上の雲」放送時から気になっていましたが、
今秋まで時間がかかってしまいました。
蓮華温泉〜小蓮華山からがおすすめです。
大雪渓もいいのでしょうけれど。
kaoritreeさんのお花の季節のレポートをぜひ読んでみたいです。
私たちも再訪しなくてはならないお山だと思っています。
お花ばかりか、蓮華温泉も時間切れで入れなかったもんで。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する