扇沢→針ノ木峠→蓮華岳→北葛岳→船窪岳→不動岳→南沢岳→高瀬ダム
- GPS
- 33:51
- 距離
- 29.0km
- 登り
- 3,326m
- 下り
- 3,444m
コースタイム
- 山行
- 7:52
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 8:35
- 山行
- 9:43
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 10:24
5:34扇沢-8:52針ノ木峠-9:59蓮華岳-11:09北葛乗越-12:07北葛岳-12:47七倉乗越-13:42七倉岳-13:52船窪小屋-14:12テント場
9月27日(土)
4:58テント場-5:20船窪乗越-5:35船窪岳-6:42船窪岳第2ピーク-8:52不動岳-10:20南沢岳-11:34烏帽子小屋-13:57登山口-14:12濁沢テント場(テント乾燥)-15:21高瀬ダム
天候 | 9月26日(金):晴れ後曇り、無風〜微風 9月27日(土):曇り後晴れ、無風〜微風 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
・高瀬ダムから七倉ダムを経由して扇沢駐車場まではタクシー利用。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全般的に良く整備されている。船窪岳付近から南沢岳付近まで見られる崩壊地は要注意だが、普通に歩いていれば問題はない。各ピークを除き、標高がアルプスとしては低く、夏は気温が高くて暑いだろう。また、各ピーク周辺や蓮華岳周辺を除き、ほぼ樹林帯歩きになる。その他各所で気付いた点は以下のとおり。 ・扇沢-針ノ木峠:全行程夏道を歩く。雪渓は見られるが、雪の上を歩くことはない。道標代わりに、鯉のぼりが立ててあり、大変良い目印になる。2000m付近に鎖場あり。峠に至る最後の登りは急傾斜でジグザグに登山道が付けてある。 ・針ノ木峠-蓮華岳:初めは少し急坂だが、以後はなだらかな稜線歩き。 ・蓮華岳-北葛岳:初めは緩やかな下りだが、途中から樹林帯に入り登山道も険しくなる。北葛乗越に至る最後の下り100mほどは、崖のような岩場に鎖が付けてある。ストックは仕舞ったほうが無難。 ・北葛岳-七倉岳:七倉乗越に向けて下り、再度登る。 ・七倉岳-船窪小屋・テント場:七倉岳から10分ほどで船窪小屋に至る。七倉岳からはテント場のほうが近いが、テント場から小屋は10分以上の登りになるので、受付を済ませてからテント場に向かうほうが無難。 ・船窪小屋-船窪岳-南沢岳:不動岳:小屋からしばらく歩くと左手側に崩壊地が見えてくる。この崩壊地はこの後南沢岳付近まで続く。登山道からわずか数十センチメートル程度離れると崖にになっているので、滑落などに要注意。途中には登山道の幅が狭い蟻の戸渡りもあり緊張を強いられる。ピークとピークの間には乗越があり、アップダウンがきつい。 ・南沢岳-烏帽子岳-烏帽子小屋:左手の崩壊地から離れ、日本庭園のような烏帽子田圃があらわれる。烏帽子岳に向かって一旦下った後、前烏帽子岳に向けて再び登る。 ・烏帽子小屋-高瀬ダム:急勾配の下りだが歩き易い。 ・船窪小屋のテント場:広くないが、整地は良い。10張り程度までなら張れるか?プレハブのトイレあり。テント場から下り5分登り10分ほどで水場に至るが、水場はほぼ崖なので、行き来は両手が空くようにしたい。また、サンダルでの往復は控えたい。携帯はドコモ・フォーマは感度大変良く、使用に不都合は全くなかった。 |
写真
感想
北アルプスの稜線で残った区間をこなしに出掛けたつもりだったが、予想以上にきつい登山道に苦しみ、想像以上にきれいな紅葉に癒される山行だった。
9月26日(金)
早朝5時、まだ暗い扇沢の無料駐車場に到着。好天予報は出ているが平日のため閑散としている。それでもこれからどこかを目指すのか、準備をしている人も見られる。こちらは今日は10時間以上の長丁場なので手早く朝食と身支度を調えて出発。1泊の予定だが、ザックには3日分の食料を詰めた。
歩き始めは時々車道を横切るが、30分もすると本格的な登山道のみになる。1時間ほどして今シーズンは既に営業を終えた大沢小屋に到着。ここまで全くひとけがない。小休止後に歩き始め、雪がある時期ならば雪渓の末端あたりに到着してびっくり、上の方がいい感じに紅葉していたのである。例年なら10月初旬が見頃と思うが、今年は寒くなるのが早かったためか、針ノ木雪渓の上の方は赤や黄色の紅葉が見られた。紅葉のシーズンは、とにかく混むのが嫌で避けてきた自分だったが、思いがけずベストタイミングで訪問できたようだ。標高2000メートル付近までくると鎖場が出てくるが、登りに関してはあってもなくてもこなせる程度だった。道標代わりの小さな鯉のぼりを目指して歩くが、行けども行けども登山者は見えない。登りの人も下りの人も皆無で、結局針ノ木峠に到着してしまった。平日とは言え少し静か過ぎである。扇沢からのコースタイムは5時間となっていたが、3時間強程度だった。かなり良いペース。
針ノ木小屋の前のベンチで休憩をした後に蓮華岳への登りに取りかかる。登り始めてすぐに4名のパーティとすれ違う。針ノ木小屋から蓮華岳をピストンしていたようだ。これがこの日最初の登山者との遭遇。蓮華岳は以前一度訪問していて、その時の印象は、見えてからが遠い山だったが、果たして今回も大体そのとおりだった。花の季節であれば様々咲いているのであろうが、9月も終わりのこの時期であればそれも期待できない。蓮華岳の山頂に到着すると、先客が1名。折立から縦走してきて、今日下界に下るとのことである。長期縦走が羨ましい。
蓮華岳からの下りは、最初はなだらかだが徐々に険しい登山道になっていく。蓮華岳周辺は快適な尾根歩きだったが、ここから先は標高を一気に500mほど下げるので、再度樹林帯に入ってしまう。但し、この樹林帯も赤や黄色に色づいていてきれいなことこの上なし。北葛乗越を視界に捉えた後、急な岩場が現れる。鎖も設置してあるし、距離も長い。だいぶ下ってからこれはストックはザックにしまえば良かったと少し反省。乗越で少し休憩した後に北葛岳への登りに取りかかる。このルートはピークと乗越がいくつもいくつも繰り返されるのだが、北葛岳への登りはその最初だった。途中、雲が出て涼しくなったりしたため、それほどへばることなく北葛岳山頂に到着。山頂付近は森林限界を越えるので展望もあるが、山頂を過ぎて次の乗越(七倉乗越)を目指すと再び樹林帯に入る。七倉乗越は通過して七倉岳の登りに入る。相変わらず登山者は全く見掛けないので貸し切りの登山道である。樹林帯から出ると七倉岳の山頂に到達。さらにしばらく行くと、針ノ木峠を出発したころからずっと視認できていた船窪小屋が目の前にあった。ここまで実に長かった。
七倉岳からは小屋よりもテント場のほうが近いが、一度テント場に行ってしまうと小屋までは盛大に登り返さなければならないので、遠回りでもテント場の受付を先に済ませることにした。小屋には宿泊の人が何名かくつろいでいたが、テント泊の人はいないようだった。テント場まで下り場所を決めた頃に逆方向から人の声、今日烏帽子小屋から来たという。結局この日は自分含めて2パーティ、3名がこのテント場を利用した。船窪小屋のテント場は、以前から聞いてはいたが、水場かかなり特殊な場所にある。テント場から下って5分くらいかかるが、最初は普通の登山道、後に崖に出る。水量は豊富で美味い水だったが、サンダル履きや両手が塞がるような状態では来たくないと思った。水場まではロープも這わせてある。午後からテント場付近は雲の中に入ってしまって何も見えない状態だったが、日没少し前になって突然雲が切れ始め、きれいな夕日とその後の夕焼けを目にすることができた。また、このテント場からは南の方角に槍ヶ岳も見ることができた。
9月27日(土)
夜のうちに気温は下がらず、持ってきた服を着込んで寝ても寒さを感じることはなかった。3時30分に起床して支度をし、4時30分前頃にテントの外に出ると外はガスがかかっていて、ヘッドライトの灯りも遠くまで届かない。テントはフライシートがびっしり結露していて、水気を払い落とすことはとてもできそうにない。何度か振って水気を切っただけでパッキングする。出発少し前になってガスが晴れてきて星空が見えるようになった。5時少し前に出発。
今日のルートは左手側に崩壊地が続くルートで気が抜けないが、早朝はくらいので登山道のすぐそばの状態が分からない。テント場からしばらく下って船窪乗越に到着するがまだ真っ暗なのでそのまま通過する。日の出の10分くらい前になってようやく明るくなってきたのでヘッドライトをしまって肉眼のみで歩き始めるが、どうもガスの中を歩いているようで、視界は50メートル程度しか得られない。水気の多い、湿気た登山道なので足下注意である。この日も乗越とピークが続く行程。船窪岳の山頂を過ぎた後、登山道の幅が50cm程度の蟻の戸渡りが現れる。ロープが一本渡してあるが、それ以外に身を守る物はなにもない。距離が短いのが幸いだが、こんなところで間違って落ちたら上がってこれないと思うと緊張する。樹林帯の中は風もなく、標高も低いので歩いていると汗が止まらない。時折吹き抜ける風が冷たくて心地よい。船窪岳の第2ピークも過ぎると徐々に雲が取れ始めて青空が広がりだした。が、樹林帯なので視界も限られる。時折登山道の左手側は崩壊地に接近しているので気を抜かずに歩くしかない。不動岳の登りに取りかかっているときにこの日最初の登山者とすれ違う。烏帽子小屋からだろう。
不動岳山頂に到着する頃にはガスはすっかりなくなって、縦走路の先のほうまで見渡せるようになっていた。この先の南沢岳までも相変わらず崩壊地があるのでそちらには落ちないように歩を進める。南沢乗越付近で5名ほどのパーティとすれ違う。南沢岳に到着すると、この縦走の終わりが見えるようだった。烏帽子小屋はさすがにみえなかったが、形が特徴的な烏帽子岳は見えるし、遠くには槍ヶ岳や裏銀座の山々、水晶岳・赤牛岳なども見られた。南沢岳から下ると日本庭園のようなエリアに入る。ちょうど紅葉の盛りと見え、特にここは赤がきれいだった。が、どうもこのエリアは獣臭というか、登山道ははっきりしているし整備もされているのだが、それよりも動物が多いような気がして早足で通り過ぎることにした。烏帽子岳に近付くと、烏帽子小屋泊と思われる軽装の登山者とすれ違うようになる。
この日は登山地図のコースタイムとほぼ同等程度で歩くのがやっとだったが、何とかそれよりは少し速いペースで烏帽子小屋に到着。時間は正午前で、ブナ立尾根を上がってくる登山者とちょうど時間が同じ頃だった。もう既に7時間近く歩いているので、今日はここでテントを張って休息しても良いかと思ったが、翌日の予定を思い出して下り始める。しばらくは登りの登山者とすれ違うが、それも次第に疎らになる。1時間ほどかけて6/12の札まで降りてきてここで大休止。さらに下って烏帽子小屋から約2時間で登山口に到着。下りで1人に抜かれた他は誰も抜かなかったので、この時間にここを下っている人は少ないようだった。トンネルの手前に吊り橋があり、その袂には濁沢のキャンプ場がある。天気良く風も穏やかなので、びしょ濡れのままパッキングしたフライシートとボトムシートを取り出して乾燥させることに。テントも若干湿っていたのでここで乾かす。1時間ほどでほぼ乾燥したので再び歩き始めたが、この間登山者は誰も通らず、タクシーは1人で使用しなければならなかった。日曜日であれば、誰かとシェアできたかもしれない。高瀬ダムから大枚はたいて扇沢の駐車場にタクシー戻る。道中眠くて仕方なかったが、ここで寝たら最後と思い寝ずに通す。
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