仙丈岳〜仙塩尾根経由〜間ノ岳〜北岳山荘(北岳は断念)
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- GPS
- 80:00
- 距離
- 25.8km
- 登り
- 2,642m
- 下り
- 3,145m
コースタイム
- 山行
- 2:25
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:25
- 山行
- 8:30
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 9:50
- 山行
- 6:40
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 7:50
- 山行
- 4:00
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 4:20
天候 | 晴れ間が少なく、2日、3日は暴風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り 広河原14:00→14:48芦安市営駐車場(入浴)17:30→18:20甲府 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・仙塩尾根は、人は少ないが思った以上に整備されている。しかし、ハイマツやシラビソなどが登山道にせり出しており、肌を露出しない方がよいと思った。 ・今回は稜線上で谷から吹き上げてくる強風に逢った。特に三峰岳の上りと間ノ岳の上りの際に下から突き上げられ体が浮くような感覚は経験したことがなく、恐怖を感じた。 |
その他周辺情報 | 帰りは時間があった事もあり、芦安市営駐車場で途中下車し、バス停脇の「白峰会館」に立ち寄り、温泉で汗を流すことができた。風呂はあまり大きくないが、露天風呂もあり満足であった。 バスの切符を買う際に窓口の方に相談し、「通しの乗車券」として購入した。このため、「途中下車」のように使用することができた。 ※ この日は16:30閉館であったため、次のバスが来るまで1時間待つことになった。営業時間は確認する必要があり。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
三峰岳と間ノ岳の分岐
先ほどの写真の直後に一帯がガスに覆われ、谷から強風が襲ってきた。レインウエア―を着用し、防風手袋着用。フードをかぶっていないと寒くて耐えられない
ここから間ノ岳への稜線を通過するが、「もし雨が降ってきたら」という恐怖に襲われる
感想
9月30日
・北沢峠から藪沢小屋までの歩行。地元の中学生の看板に心なごませながら登っていく。馬の背ヒュッテへの迂回路は歩きやすい道で、途中沢を渡る。
・藪沢小屋の宿泊は私一人。小屋はよく整理されており、布団、毛布、枕が20セットくらい準備されていた。夕方管理人の方がみえ、泊って行かれた。
・夜間小屋の屋根を叩く音と硫化水素のにおいが漂った時間があった。
10月1日
・早朝は小雨が降っていた。
・馬の背ヒュッテからはシカよけのネットの間に登山道がある
・仙丈小屋までの登りで汗が出てきたが、強風が吹きレインウエア―を脱ぐこともできず。
・仙丈岳頂上は、当初は展望がなかったが、徐々に晴れ間が見えてきた。
・大仙丈岳は晴天となり、周囲の山がよく見えるようになった。
・大仙丈岳からしばらく下ると樹林帯に入り展望が利かなくなった。
・両俣小屋への分岐は300mとはいえかなりの急坂であった。
・両俣小屋は私含めテント泊が2名のみであった。
10月2日
・小屋からの登りはかなりの急登りで、めげそうになるも途中甲斐駒ケ岳を発見しテンションを上げた。
・しばらく樹林帯の登りであったが、森林限界を超えると目指す三峰岳や間ノ岳の尾根が見えテンションが上がった。
・塩見岳が見えたところ、その背後に雲が多数あり。すごいスピードでこちらに向かってくる様は、さながら戦闘機が攻めてくるようであった。そしてあっという間にあたりがガスに包まれ、強風が吹き荒れた。本日このルートをたどっているのは私一人。あとという間に寒さに襲われ、この状態で雨が降り始めれば…と恐怖感に襲われた
・途中風に振られながらなんとか間ノ岳にたどり着き、ほっと一息つく事が出来た。
・北岳山荘までのルートも強風が吹く。今日の目標は「山荘に辿りつく事」とした。
・山荘に付近でも強風はやまず。テント設営を断念し素泊まりにした。
10月3日
・夜間小屋の窓から甲府市街の夜景が見えたが、文字通り「暗雲が垂れこめてきた」。ほどなくして強風が吹き始め、小屋泊りなのに風の音で何度も目が覚めた。
・パッキングを終え、まずは空身で北岳を目指すも、肩の小屋から来た方から「風が強く怖かった」との話を聞き、また、小屋の方から明日も風は強くなる予報である事を聞き、北岳頂上と白根三山縦走を断念し下山を決意した。
・下山途中の様子は写真のとおり。標高が下がるに従って晴れてきており、そのたびに下山を悔やむが、頂上付近のガスは晴れず、判断は間違っていなかったと自分に言い聞かせた。
・途中の温泉は入って正解であった。
【全体を通して】
今回は、仙丈岳から仙塩尾根を経由し、白根三山を経由し奈良田に抜けるコースを考えていた。
仙塩尾根は、仙丈岳から野呂川越まで約700m下り、また三峰岳まで700m登り返す。なお、両俣小屋に泊るにはさらに300mのアップダウンがある。難しい道はないが、南アルプスならではのスケールの大きさを感じざるを得ない。私はバテバテであったが、このような山道を楽しめる体力と精神力を持ちたいと思った次第である。
今回はとにかく天候に左右された。内容は以下の通り。
・温度調節においては、晴れれば暑く、曇って風が吹けば寒く、ウエアの調節に苦労した。
・遠くにあった雲があっという間にこちらにやってきて、下から突き上げるような強風にさらされた。体感温度も一気に下がり、この状態で雨が降れば、前進できないまま体温を奪われ、遭難するのではと真剣に考えざるを得ない状態であった(この時点で本日の目標は北岳山荘「生きてたどり着く事」にした)。
・北岳山荘での宿泊は、テントを持っていたが、この強風の中テントが飛ばされるのではないかと真剣に考え素泊まりとした。
・10月3日の朝、北岳山荘のスタッフの方から、「山は逃げないので、無理せずまた来てください」と話され下山の決意をした。その後の天候の事は不明だが、前日の恐怖に加え、強風の中で稜線上を歩く事の困難さを感じ一日早く下山をすることとした。
下山してみれば晴れており、北岳周辺の紅葉がとても素晴らしく、有意義な山行だったといえる。ただ、その地点から北岳を見上げるとガスに覆われており、風の状態を心配してしまった。
月並みにいえば「山の天気は変わりやすい」ということであるが、周囲に誰もいない稜線で、天候が急変して強風に吹かれ、雨の恐怖にとりつかれたのは初めての経験であった
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