阿能川岳〜小出俣〜爼倉山稜〜トマの耳〜天神平
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 1,901m
- 下り
- 1,422m
コースタイム
- 山行
- 7:36
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 8:33
- 山行
- 8:54
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 10:19
天候 | 3日間晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
・水上駅から仏岩までは3500円くらい。水上駅のタクシーは2台、18時になると帰ってしまうそう。予約するのが確実です。私は予約していませんでしたので1時間くらい待ちました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・三岩山付近はトラバースする記録が多かったですが、稜線伝いで通過しました。トラなどありますが、あまりいい感じではありません。でもトラバースの密灌木帯は、どうやって越えるんでしょうか? ・三岩山〜阿能川岳 雪庇があり、クラックが多く樹林側を歩くことが多かったです。降った直後だったのでヒドゥンも多かった。 ・阿能川岳〜小出俣山 同じ感じの箇所があります。広い稜線で気分良し。爼倉方面が常に見えている。どちらの頂上も最高のビューポイント!阿能川岳は夜景、小出俣は国境稜線の朝夕景狙いって感じですか? ・小出俣山〜川棚ノ頭 赤谷源流は最高のマイルド雪面、稜線都合悪ければ谷筋に降りれば、万太郎にもオジカ沢ノ頭でもあり。川棚は本当に登れるのか、どこを登るのか不安に満ちたままとっつきに。見た目よりも怖くはなかった。落ちるなら赤谷川側です。 ・川棚ノ頭〜オジカ沢ノ頭 風がなくて良かった…群馬側は切れているので赤谷源流側の片斜面を歩く感じで越えてきたので、左足がやけに疲れた…思いのほかアップダウンがありました。小屋は埋まっておらず、扉は空きました。 ・オジカ沢ノ頭〜肩の小屋 3月後半にスキーで来た時、トラバースしやすくクラックをうまく使って通過できましたが、今回は雪面の柔らかさと隠れたクラックがあったので、稜線伝いに通過。ここも結構怖いですね。 |
その他周辺情報 | 湯テルメ 燃料費高騰のあおりで開店時間が昼からになっていました。 水曜日は休館の温泉施設が多く、安めのいいところを探さないとならないですね。 |
写真
感想
2年前だったか4月第1週に仏岩TNまで訪れると、まったく雪がない!スキーの道具も持ってきていなかったので、赤沢橋付近で谷川岳を眺めつつ車中泊し、いじけて何もせず帰宅してきた。
岳人BNでいつか行ってみたいルートだった。小出俣山の肩で天泊し、ド快晴の爼稜線を歩いている写真は自分的には衝撃的だった。あそこって歩けるんだ、行ってみたいと思いつつ20年くらいたってしまった。今ではネットでいろいろなコースが検索でき、便利になった反面、雑誌を買うこともなくなり、岳人で紹介されるマニアックなルートに思いをはせることもなくなってしまった。
現在の自分ならたぶん行けるだろう。積雪期しか行けないこのルート、リベンジ山行となった。
前夜、新車となってスタックすることが考えにくくなり、水上ICは雪が降っていても全く気にならない。起床してみてビックリ、道に雪が残っているものの異常なまでの寡雪状。またTNで敗退か?などと思いつつ駐車スペースに到着すれば、心配ないくらいの積雪量。逆に踏跡が見当たらず取り付きがわからなかった。地図で適当に植林の斜面に取り付くと、積雪後でも少し窪んだ林道と道型を発見、大して潜りはしなかったが、はじめからかんじき対応で登る。ジグザグ登って赤谷越に到着。稜線に雪はしっかりついている。
はじめは狭く、水上側に雪庇をかわして歩く。2つ目のピョコあたりからシャクナゲが出現、ややアスレチックとなる。積雪はスネあたり。P1117に山名表示があった。少し下って切り開きのある送電鉄塔へと向かう。この辺の尾根は広い。その先でブナ交じりの雰囲気の良い尾根が続く。晴れていてよかった。次のピョコで休もうと思いつつ進むけれど、登りが途切れないので適当なところで休憩。
さらに進むと千曲平からの尾根が合わさるところで、雪庇を越えなくてはならなくなる。まるで吹き曝しでもないのに、登っている尾根の正面に雪庇が出てくる不思議な地形だ。切り崩して登っている脇で雪庇が崩れた。
越した先で水上側から尾根が入る。相変わらず気分の良い尾根が続く。再び赤谷側から尾根が合流してくる場所があるが、ここも主稜線を行っているはずなのに再び雪庇越えだ。先ほどの所よりもこちらの方が容易。次に水上側から合わさる尾根は針葉樹林のいかつい尾根だ。このあたりから主稜線は瘦せて行き、ルートどりに悩む。細いシラビソの密藪で、巻いて通過している記事が多いものの、一体どこを巻けば?という感じだ。稜上はトラなどが残っており、通過はできるものの結構やせている。2つ目のPは割と大変でアイゼンにチェンジして通過して正解、結果、三岩山の塊は本峰のみ赤谷側から巻いた。
三岩山本峰から先はまた雰囲気の良い尾根歩きとなり、阿能川岳分岐のPに到着すると空身で阿能川岳を往復した。なぜかPには樹木がなく、平坦な最高の展望台となっていた。爼瑤正面に見え、振り返れば前橋方面なのか素晴らしい眺めだ。高速道路が足元でくねくねしており、泊まったら夜景も素晴らしかったろう。明日のことを考え、先に進んでおいた方がいいと判断し、斜光で風紋が美しい山頂を後にして荷物に戻る。間に合えば小出俣山の肩までたどり着きたがったが無理そうなので、最低鞍部から一つ登ったピョコを越えたところで幕営。夕焼けがとてもきれいで、それほど寒くない。もう春だな。
/28
天気は快晴、朝は冷え込んだので雪面は氷化していたのでアイゼンで出発。小出俣山の肩までは少し急斜面、登りきったところで衝撃が…スノーシューの跡があるではないか!赤谷川本谷方面から登ってきているようだ。どこ経由で来たのだろう?
肩はほとんど傾斜のない斜面で、ここもテント張り放題の広さだ。万太郎と赤谷川源流の眺めが最高だ。出発時間を頑張ってここで泊まりたかった。Pまでは往復30分強、空身で往復するが樹林と雪面の境が結構割れており、それをかわして登らなくてはならず、ほとんど北側の樹林内を歩いた。一周して赤谷方面に下る記事も見たけれど、結構嫌な感じの雪庇が続いていた。どこ歩くんだ?
戻って谷川乗越を目指す。スノーシューのトレースは乗越方面に向かっていなかった。ここの下りはガスだとわかりにくそうで、赤谷川方面に引き込まれそうだ。かといって赤谷川源流の方が危険性はないと思うので、エスケープとして考えてもよさそう。こちら稜線も雪庇の亀裂が多く、樹林内を進んだ。思っていたよりかなり時間がかかっている感じ。昨日見ていた爼瑤茲蠅眇看曚世辰燭里川棚ノ頭の登りで、一体どうやって登るのだろうかと不安を感じながら進む。小Pが続き尾根がだんだん痩せて行き、ついに川棚ノ頭直下に到着する。落ちるなら赤谷川側、川棚はエビノシッポの張り付いた急登で、アイゼンもよく効いた。頭からは痩せて谷川本谷方面は怖くて見られなかった。風がなくてよかった…
若干下ると広くなり爼瑤療个蠅箸覆襦爼Pは思ったよりも幅広いが雪庇は注意、あの安っぽい道標がいい味を出していた。念願の爼堯∈Fは360度最高の眺めだ。写真だけ撮って先に進む。赤谷川側の片斜面を歩いていたので、足裏にまめができてしまった。下ってゆくとどんどん稜線の幅が広くなっていき、雪庇がなくなる鞍部に到着したときは、体力もそうだが気持ちも疲労困憊。振り返るとあんなところを本当に歩いてきたのかと自分を疑いたくなる。
いつもスキーで滑っている快適斜度の斜面であるオジカの避難小屋までの登りが苦痛だった。こんなに急だったかな? オジカ避難小屋は入口に積雪もなく、少し風があったので小屋内で休ませてもらった。ここから先は何度も通っているから平気と思っていたけれど、思いのほか緊張させられた。もう少し遅くなると稜線の脇に付いた雪に亀裂ができ、その亀裂沿いに登ってくるとさほど怖くないのだが、一昨日の積雪と時期が少し早いことから亀裂がわからず、結果稜線上を歩くことになった。風がなくてほんとによかった。ここは落ちたらオジカ沢か万太郎谷へハイチャラバイだろう。中ゴー尾根の分岐コルでやっと危険地帯を抜け、ここから肩の小屋までがえらく長かった。
肩の小屋に荷物を置き、けじめと思ってトマの耳へ向かう。当然こんな時間に誰もいない。一日晴れてくれてありがとう。計画は茂倉新道で土樽だったので、肩の小屋に泊まるということも考えたけれど、ここの山にはロープウェーという魔物が住んでいる。頑張った自分にご褒美ということで天神平に下ることにした。
最終便が終わっているので熊穴沢避難小屋で幕営、いったい何人で泊まったんだという規模の巨大雪洞があったけれど、ラジオが聞きたかったので使わせてもらわなかった。泊まっとけばよかったかな?当の避難小屋は相変わらずの埋没度、入口探す人、すごいな。
3/1
田尻尾根下山と迷ったが、やっぱり魔物は自分に取り付いており、遠慮なく文明の利器を使わせてもらったけれど、片道1800円ってなんだ?前からそうだったっけ?下山後、バスで水上に向かい、タクシー待ちをする。バスの運ちゃんが『今さっきすれ違ったからもう少しで来るんじゃないか』と言っていたので余裕ぶっこいていたが、戻ってきたタクシーは『迎車』表示で駅前を通過してゆく。再び戻ってきたときに『あと30分くらい待ってて』と言われ待つことにした。乗車後、駅には2台しかないこと、18時過ぎるときは予約しないと沼田からの呼び出しになることなどの情報をもらった。ロープウェーの値段が上がったことを話すと『今は上がってないもの見つける方が大変でしょ』と言われ、ごもっともと思ったのは言うまでもないのでした。
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