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Yamareco

記録ID: 577636
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波

中倉山(足尾アルプス 石塔尾根)冬季

2015年01月20日(火) [日帰り]
 - 拍手
GPS
06:05
距離
7.8km
登り
862m
下り
865m

コースタイム

中倉山(足尾アルプス 石塔尾根)冬季

07:15 銅親水公園 駐車場
07:25 中倉山石塔尾根取り付き
08:10 1016.8m(横場山)
09:15 1146m
10:05 石塔
10:45 中倉山

11:00 中倉山(下山開始)
12:50 仁田元沢林道合流地点
13:20 銅親水公園 駐車場

天候 晴れ
稜線:気温(−10℃) 強風(20〜25m/s)
過去天気図(気象庁) 2015年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
【駐車場】
 銅親水公園
コース状況/
危険箇所等
【道の状況・危険箇所】

※今回のルートは全て一般登山道ではありません。
『中倉山』の登山に於きましては、ヤマレコに登録されている地点
仁田元沢林道『中倉山取り付き点』からの入山が一番安全だと思われます。


《中倉山石塔尾根取り付き〜1016.8m(横場山)》
銅親水公園を出発し水道管橋を渡ると『水神』様を祀った石碑と祠があります。橋を背にして右側の法面の切れた箇所から尾根の末端に取り付きます。尾根は草付きのザレ場で鹿・猿・人により踏み固められた箇所を歩けばそれほど大変ではありません。やがて『鹿食害防止柵』にぶつかるので、しばらく柵にそって登ります。小高いピークに立つと前方の視界が開け、進むべき1016.8m(横場山)への尾根が明瞭になります。山頂に積雪があったため三角点などは確認できませんでした。

《 1016.8m(横場山)〜1146m 》
この区間が今回のルート『石塔尾根末端〜中倉山頂』の核心部となるキレットになります。1016.8m(横場山)から支尾根に乗らないよう方角を確認し尾根を下ります。尾根は狭まりナイフリッジ状の岩尾根となり難易度が増します。登攀の技術的には難しくはないと思われますが、岩が脆すぎるため置く手足を一点一点慎重に見極めながら通過しました。巻くことも可能ですが、どちらにしても落石や滑落に十分注意してください。核心部を通過すると足尾の山々を眺めながらの最高の岩尾根歩きとなります。

《 1146m〜石塔〜中倉山》
1146mから石塔直下まではガレ場になります。これまでの過程からガレ場の直登でも登れると思われますが、今回は緩やかな傾斜の斜面を選び、すぐ隣の尾根までトラバースしました。中倉山へ最も登られているルートと合流すると赤テープなどの目印もみられました。この時期の積雪は、くるぶしから股下まで。稜線は深雪やアイスなど箇所により雪質は様々。風は強かったもの山頂では素晴らしい眺望が楽しめました。

《下山》
ヤマレコで登録されている地点『中倉山取り付き点』へ下山を推奨。
季節・天候によりますが、体力のある方や日程の取れる方は、石塔尾根を『庚申山』へと縦走するのがおすすめ!と言うか自分もいつかやろうと思います!


【登山ポスト】
銅親水公園 駐車場 入口

目指す中倉山の稜線が朝日に染まる頃『銅親水公園』を出発
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目指す中倉山の稜線が朝日に染まる頃『銅親水公園』を出発
『銅親水公園』は石塔尾根・松木渓谷・社山・大平山など、これから何度でも訪れてみたい登山起点になります
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『銅親水公園』は石塔尾根・松木渓谷・社山・大平山など、これから何度でも訪れてみたい登山起点になります
これから登る『中倉山石塔尾根』の末端がみえます
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これから登る『中倉山石塔尾根』の末端がみえます
水道管橋を渡ります
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水道管橋を渡ります
水道管橋を渡ると『水神』様。法面のきれた右側から尾根に取り付きます。※今回のルートは全て一般登山道ではありません
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水道管橋を渡ると『水神』様。法面のきれた右側から尾根に取り付きます。※今回のルートは全て一般登山道ではありません
草付きのザレ場を登り、ふりかえると出発した銅親水公園が見えます
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草付きのザレ場を登り、ふりかえると出発した銅親水公園が見えます
草をかき分けながら登っていくと『鹿食害防止柵』と思われる柵にぶつかります。しばらく柵にそって登る
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草をかき分けながら登っていくと『鹿食害防止柵』と思われる柵にぶつかります。しばらく柵にそって登る
ふりかえれば赤倉山の尾根から朝日が。青空が期待できます
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ふりかえれば赤倉山の尾根から朝日が。青空が期待できます
とりあえず、あの木のあるピークに向かってみますか
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とりあえず、あの木のあるピークに向かってみますか
前方の視界がひらけ、これから目指す『中倉山』の登場です!
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前方の視界がひらけ、これから目指す『中倉山』の登場です!
右をのぞめば『松木川』。山並みは足尾『大平山』
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右をのぞめば『松木川』。山並みは足尾『大平山』
左をのぞめば足尾『備前楯山』。特徴ある双耳峰
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左をのぞめば足尾『備前楯山』。特徴ある双耳峰
『1016.8m(横場山)』を踏んだあと、石塔尾根の核心部となるキレットにむかって尾根を下ります
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『1016.8m(横場山)』を踏んだあと、石塔尾根の核心部となるキレットにむかって尾根を下ります
尾根はしだいに痩せていきます。このあたりは序の口
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尾根はしだいに痩せていきます。このあたりは序の口
キレットのこのあたりの通過から難易度が上がります。アイゼン歩行に細心の注意をはらいます
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キレットのこのあたりの通過から難易度が上がります。アイゼン歩行に細心の注意をはらいます
全ての岩が脆く、落石や滑落に注意です!
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全ての岩が脆く、落石や滑落に注意です!
ここも緊張する場面。左側に巻き込みながら登ったような
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ここも緊張する場面。左側に巻き込みながら登ったような
このキレットの先(写真左)が個人的に最大の難所でした!岩が脆すぎて一点一点慎重に岩を選びながら三点支持で通過!
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このキレットの先(写真左)が個人的に最大の難所でした!岩が脆すぎて一点一点慎重に岩を選びながら三点支持で通過!
先ほどの難所を通過し振り返って。本当に脆い岩が多くアイゼンの刃先にまで神経を尖らす登攀でした
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先ほどの難所を通過し振り返って。本当に脆い岩が多くアイゼンの刃先にまで神経を尖らす登攀でした
『1016.8m(横場山)とキレット』をふりかえる。積雪の石塔尾根の核心部は危険度が高く感じました。今後事故がないよう祈るばかり
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『1016.8m(横場山)とキレット』をふりかえる。積雪の石塔尾根の核心部は危険度が高く感じました。今後事故がないよう祈るばかり
核心部を越え、見据える先には貫禄の『中倉山』。ここまで来ると引き返すほうが危険!目指すは山頂!
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核心部を越え、見据える先には貫禄の『中倉山』。ここまで来ると引き返すほうが危険!目指すは山頂!
右に足尾『大平山』などを眺めながらの尾根歩き
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右に足尾『大平山』などを眺めながらの尾根歩き
ふりかえれば社山と半月山のあいだに『男体山』も登場!
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ふりかえれば社山と半月山のあいだに『男体山』も登場!
鹿さん発見!どーこだ?
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鹿さん発見!どーこだ?
となりの尾根も歩いてみたいな。奥に『備前楯山』
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となりの尾根も歩いてみたいな。奥に『備前楯山』
鹿さんのトレースを辿っての尾根歩き。尾根の先にこの尾根のシンボルの『石塔』が見えてきました
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鹿さんのトレースを辿っての尾根歩き。尾根の先にこの尾根のシンボルの『石塔』が見えてきました
石塔尾根シンボルの『石塔』をアップで!
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石塔尾根シンボルの『石塔』をアップで!
『1146m』付近からふりかえり眺める、歩いてきた道のりと足尾・日光の山々
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『1146m』付近からふりかえり眺める、歩いてきた道のりと足尾・日光の山々
風にさらされながら岩稜を行く。まだ先は長い
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風にさらされながら岩稜を行く。まだ先は長い
鋭い線ばかりの登山道に、雪と風の柔らかい線に癒される
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鋭い線ばかりの登山道に、雪と風の柔らかい線に癒される
尾根には鹿と自分の足跡だけ
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尾根には鹿と自分の足跡だけ
『石塔』が近づいてきました。このあたりから木々が目立ちはじめます
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『石塔』が近づいてきました。このあたりから木々が目立ちはじめます
樹林帯に入る前に歩いてきた道のりを眺めます。まるでアルプスを縦走しているような尾根でした
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樹林帯に入る前に歩いてきた道のりを眺めます。まるでアルプスを縦走しているような尾根でした
ガレ場を直登してもよかったのですが、鹿さんトレースに導かれ少しだけトラバース
ガレ場を直登してもよかったのですが、鹿さんトレースに導かれ少しだけトラバース
となりの尾根にのると赤テープの道標
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となりの尾根にのると赤テープの道標
マークも出てきました。バリエーションルートもここまでか
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マークも出てきました。バリエーションルートもここまでか
ノートレースのもふもふの尾根を登っていきます
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ノートレースのもふもふの尾根を登っていきます
ついに『石塔』と同じ標高に!眼下にのびる歩いてきた『中倉山石塔尾根』!(石塔にケルンがあります!ツワモノがいますね!)
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ついに『石塔』と同じ標高に!眼下にのびる歩いてきた『中倉山石塔尾根』!(石塔にケルンがあります!ツワモノがいますね!)
『石塔』より上部は、さらに雪深く
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『石塔』より上部は、さらに雪深く
やっとのこと中倉山稜線にのる!のった瞬間から強風に煽られる!顔が痛くてバラクラバ装着!
やっとのこと中倉山稜線にのる!のった瞬間から強風に煽られる!顔が痛くてバラクラバ装着!
雪質は一部アイスのところもあり
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雪質は一部アイスのところもあり
つぼ足では膝から股下まで埋まるところも多い
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つぼ足では膝から股下まで埋まるところも多い
頂上のほうは見えても遠く(汗)ときに腰まで埋まり身動きとれず(あぁ浮力系山道具を使うべきだ)
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頂上のほうは見えても遠く(汗)ときに腰まで埋まり身動きとれず(あぁ浮力系山道具を使うべきだ)
ついに『中倉山』山頂が目の前に!山頂は風の影響をもろに受けるのか雪は少ない
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ついに『中倉山』山頂が目の前に!山頂は風の影響をもろに受けるのか雪は少ない
中倉山石塔尾根より冬期『中倉山』に初登頂!強風でまともに立っていられませんが、しばらく山頂からの景色を楽しみました!
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中倉山石塔尾根より冬期『中倉山』に初登頂!強風でまともに立っていられませんが、しばらく山頂からの景色を楽しみました!
西の石塔尾根の先には『沢入山』と『ヲロ山』左あまり写ってないけど『庚申山』へと続く道。足尾の名峰『皇海山』も
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西の石塔尾根の先には『沢入山』と『ヲロ山』左あまり写ってないけど『庚申山』へと続く道。足尾の名峰『皇海山』も
北に松木渓谷の対岸の山々。足尾『大平山』が雄大な山容です
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北に松木渓谷の対岸の山々。足尾『大平山』が雄大な山容です
北東には『社山』『半月山』。社山の奥には日光の名峰『男体山』
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北東には『社山』『半月山』。社山の奥には日光の名峰『男体山』
見下ろすと『松木川』や『松木集落跡』
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見下ろすと『松木川』や『松木集落跡』
南東に『備前楯山』奥に『地蔵岳』
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南東に『備前楯山』奥に『地蔵岳』
南西には『庚申山』からのびる『塔ノ峰のある仁田元沢右岸尾根』ここも歩いてみたい。奥には袈裟丸連峰も
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南西には『庚申山』からのびる『塔ノ峰のある仁田元沢右岸尾根』ここも歩いてみたい。奥には袈裟丸連峰も
厳冬の『皇海山』は今の自分には遥か遠く…
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厳冬の『皇海山』は今の自分には遥か遠く…
当初お昼までは行けるところまで歩いてみようと思っていましたが、強風とラッセル疲れと石塔尾根の満足感などで、今日は無理しないで引き返すことにし下山します
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当初お昼までは行けるところまで歩いてみようと思っていましたが、強風とラッセル疲れと石塔尾根の満足感などで、今日は無理しないで引き返すことにし下山します
下山途中の尾根から、中倉山と沢入山の間の稜線に唯一立つ1本の『ブナの木』を目にしました。次こそは必ず会いに行くから!
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下山途中の尾根から、中倉山と沢入山の間の稜線に唯一立つ1本の『ブナの木』を目にしました。次こそは必ず会いに行くから!
下山に今日のコンディションの石塔尾根は危険すぎるので、適当な尾根をルートファインディングしながら下りていきます
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下山に今日のコンディションの石塔尾根は危険すぎるので、適当な尾根をルートファインディングしながら下りていきます
標高を少しずつ下げながらトラバース気味に歩いて中倉山に一番登られてる踏み跡と合流する考えでしたが、林道との標高差200mくらいで砂防堰堤めざして真下に下りました
標高を少しずつ下げながらトラバース気味に歩いて中倉山に一番登られてる踏み跡と合流する考えでしたが、林道との標高差200mくらいで砂防堰堤めざして真下に下りました
上から見ていてヤブもヤバそうな岩場も少なそうなところを選んで下りたらここに出ました
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上から見ていてヤブもヤバそうな岩場も少なそうなところを選んで下りたらここに出ました
上から見えた砂防堰堤にドンピシャのところに下りてこれました。ラッキーだっただけか!?
上から見えた砂防堰堤にドンピシャのところに下りてこれました。ラッキーだっただけか!?
あとは銅親水公園の駐車場を目指して林道を歩きます
あとは銅親水公園の駐車場を目指して林道を歩きます
今朝に渡った水道管橋が見えてきました。ゴールはもうすぐ!
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今朝に渡った水道管橋が見えてきました。ゴールはもうすぐ!
『銅親水公園』に到着!今回の登山はやりたいことが叶った半分。宿題になったこと半分といったところでしょうか。とにかく無事下山できてよかったです!おつかれさまでした!
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『銅親水公園』に到着!今回の登山はやりたいことが叶った半分。宿題になったこと半分といったところでしょうか。とにかく無事下山できてよかったです!おつかれさまでした!
足尾には『文明の繁栄と自然との共存』ができなかった負の歴史があります。その反面この山域・山容を好いてしまっている自分がいます。今を生きる世代として東日本大震災を経験し、共存の難しさや、しわ寄せ、考えさせられるものがあります。未来にむけて小さくとも自分ができること…これが本当の宿題ですね
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足尾には『文明の繁栄と自然との共存』ができなかった負の歴史があります。その反面この山域・山容を好いてしまっている自分がいます。今を生きる世代として東日本大震災を経験し、共存の難しさや、しわ寄せ、考えさせられるものがあります。未来にむけて小さくとも自分ができること…これが本当の宿題ですね

感想

2015年01月20日
中倉山(足尾アルプス 石塔尾根)冬季


足尾の山は、ご存知のようにかつて精錬による煙害や山火事により荒廃地と化した。

皮肉なことに、この荒涼とした景色には少なからず惹かれるものがあった。
今回歩いた石塔尾根はその象徴で、剥き出しの岩尾根はいつか歩きたい対象となり、敢えて、より際立つ冬季を選んだ。

ここに訪れ、より一層惹かれていく。
松木渓谷を中心に足尾山塊にはこれから何度も訪れることになるだろう。

また、治山やボランティアの活動により足尾の緑が徐々に蘇っていることも感じとることができた。

山を踏むことと緑化には、相反するものありジレンマは否めない。
最低限、緑化に配慮した歩きはしていきたいと気付かされる。

自分が年老いた頃か、或いはその先か、緑豊かな森と生命にあふれた未来を願わずにはいられない。

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