ペテガリ岳 〜令和5年山の日 遥かなる山への挑戦〜
- GPS
- 17:23
- 距離
- 32.9km
- 登り
- 2,945m
- 下り
- 2,953m
コースタイム
- 山行
- 12:04
- 休憩
- 2:03
- 合計
- 14:07
- 山行
- 2:27
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 2:38
天候 | 1日目…曇 一時 雨 後 晴れ(暑い!!) 2日目…晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
船
・そのまま元浦川林道に入りペテガリ岳登山口(林道終点)にアクセス ・林道終点の駐車スペースは10台弱が駐車可、お盆休み中ため明け方までに駐車スペースは全て埋まっていました ・元浦川林道は約20kmの未舗装路。かなりと悪路という噂を聞いていたが、路面は重機でフラットに踏み固められていて未舗装路としてはかなり走りやすい方だった。林道入口から登山口までの所要時間は約50分。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
[啼蚕点からすぐにニシュオマナイ川の渡渉。深いところで膝上の水深、少し下流側に水深が浅く流れが緩やかなポイントがあった(写真のコメントに記載した通り、林道工事用の重機搬入時に仮設の橋(鉄板)が架けられて運良く渡渉を免れる場合があるようだが、仮設の橋は重機の搬入が終わると速やかに撤去されるようなので注意) ▲戰奪團螢イ乗越に向かって目印のテープを頼りに1時間ほど沢筋を遡る。高巻きの踏み跡を辿りながら渡渉を繰り返しながら普通の登山靴で歩けるという意見もあるようだが、個人的には沢靴でジャブジャブと沢の中を歩いた方がずっと楽だと思う。 沢の分岐でどちらに進むべきか悩むポイントが何ヶ所があるので、不安になったらGPSと照らし合わせたりテープを探すなどして冷静に対処すること。 ベッピリガイ乗越の直下は上り下りとも超急斜面。しかも、足場は粘土のようにドロドロでとにかく滑る。補助ロープがあるが、それでもとにかく滑りまくる。岩場ではないので滑っても重傷にはならないと思うが、全身泥まみれになること間違いなし…。また、乗越の前後は藪がかなり深くて大量のマダニが潜んでいるので注意。 ぅ戰奪團螢イ乗越から沢筋を下り、その後はしばらく平坦な草原地帯を行くとやがてベッピリガイ沢川渡の渡渉点。ニシュオマナイ川に比べて川幅が広いが、水深は膝下〜踝程度で流れも速くないので難易度は低い。 ゥ戰奪團螢イ沢川を渡渉すると林道に出る。ここからペテガリ山荘まで約5kmの川に沿って林道歩き。途中、林道崩落個所を迂回するため再びニシュオマナイ川を渡渉するポイントがあるがここも難易度は低い。 ペテガリ山荘の手前1〜2kmの地点にヒグマの巨大な💩が落ちていたが、実際ニシュオマナイ川沿いではヒグマの目撃が多いらしい。 Ε撻謄リ山荘から1050m峰まで急登が続く。時々藪っぽいものが登山道に覆い被さったりしているが、ベッピリガイ乗越の藪に比べたら全然楽勝。踏み跡もしっかりある。ただし、引き続きマダニだらけであることに変わりはない。 1050m峰を過ぎると急登少し落ち着いて、C沢コルにかけてアップダウンを繰り返す尾根道になる。途中、名の無い2つのピーク(1293m峰、1301m峰)を越えていくが、晴れていれば間近にペテガリ岳の姿を望めるので感動すること間違いなし。 C沢コルまでは引き続き踏み跡のしっかりした道で歩きやすい。 C沢コルを過ぎるとペテガリ岳山頂まで標高差500mを直登で一気に登る。直登ゾーンの前半は深い笹の藪道、後半は植生が変化してハイマツの藪道が容赦なく襲い掛かる。戸蔦別岳のハイマツ地獄に比べたらマシかもしれないが、急登も相まってとにかくキツい。 ラスボスのハイマツ+直登ゾーンを攻略すればめでたくゴール(登頂)になります😊 |
写真
感想
(第13次北海道遠征)
8/9 0日目…所沢夕方発〜八戸港まで移動
8/10 1日目…八戸港〜[フェリー]〜苫小牧港〜ペテガリ岳登山口
8/11 2日目…ペテガリ岳登山〜ペテガリ山荘泊
8/12 3日目…ペテガリ山荘泊〜下山〜アポイ岳登山
8/13 4日目…旭岳登山
8/14 5日目…羅臼岳登山
8/15 6日目…苫小牧港〜[フェリー]〜八戸港〜所沢着
令和5年・山の日、遂に遥かなる山ペテガリ岳の攻略に成功!!!
昨年夏の北海道遠征では大雨による沢の増水を警戒して泣く泣く断念したペテガリ岳。今年は100%万全とまではいかないものの、安全性には支障がないレベルの天候は保証されている状態だったので北海道に上陸して真っ先にペテガリ岳に向かいました。
行程はペテガリ山荘後泊の1泊2日。いろいろと下調べをしながら覚悟はしていたものの、道のりがとにかく遠い・長い・果てしない…。
4月の笈ヶ岳攻略の時も似たような感想を抱きましたが、ここまで登頂までの道のりが長いと登山と言うよりも冒険。登山口へのアクセスから登頂まで全てが冒険に思えてくるのです…😇
元浦川林道の未舗装路20kmの運転、初めての沢靴を体験しながらのベッピリガイ乗越、マダニが潜む藪との格闘、ペテカリ山荘までの長い林道歩き、1050m峰まで続く長い長い急登、1293m峰・1301峰と連なる果てしなく長い尾根道、そして最後にやってくるラスボスが標高差500mの直登&笹とハイマツの激藪。数多もの難敵を攻略してやっとたどり着けるリアル体験型RPGがペテガリ岳なのです。
そんな緊張と苦労の連続の果てにペテガリ岳に登頂した瞬間は最高に感動的でした。秘境の中の秘境を感じさせる南日高の奥深い山なみと、遥か彼方に見える青い太平洋のコントラストは一生忘れることは無いと思います。いやもう本当に9時間歩き続けた甲斐がありました🥺
朝のうちは小雨が時々パラつく微妙な天気で実は山頂からの景色は半分諦めていたのだけど、登頂の1〜2時間前から一気に晴れ上がってくれました。やっぱり山頂で景色が見えるのと見えないのでは感動のレベルが違うし、日高山脈の晴天率の低さを考えるとペテガリ岳で晴天を引き当てられることはもう一生無いかもしれない(そもそも本州の人間が簡単に二度も来れるような山ではない)。
いろいろ考えていると、遥かなる山から下山をするのも本当に名残惜しくなり、逆算して日没までにペテガリ山荘に下山できるギリギリのタイムリミットまでずっと山頂に居座ってしまいました。。
ちなみに、難敵の連続だったペテガリ岳で総合的に一番苦しめられた敵は「暑さ」です。朝からジメっとした蒸し暑さがずっと不快でしたが、特に午後からは日差しも加わって地獄のような暑さに…。
近年の北海道の夏は本州と比べて特段涼しいわけでもない上に、標高500〜1,500m(奥多摩レベルと同じ標高)を歩くので真夏の北アルプスと比べても暑さが格段に厳しく感じられます。藪がマダニだらけで本当は半袖絶対NGと言いたいところですが、あまりの暑さとても我慢ならなくなり、結局はTシャツ1枚+タオルでマダニを振り払いながら歩いてしまいました(;´∀`)
ペテガリ岳に登頂した日の夜はペテガリ山荘で1泊。
ちなみにペテガリ岳登山で山荘に1泊する場合、いろんな記録を読み漁ると登頂前日にペテガリ山荘に泊まる前泊型が圧倒的に多いようですが、自分は2日目の行動が計画より遅れてベッピリガイ乗越で日没を迎えるようなことがあるとヘッデンで渡渉を繰り返すのは困難と考えていた(その場合はペテガリ山荘に2泊することを選択せざるを得なくなる)ので、万が一下山が遅れてもヘッデンで行動の遣り繰りが可能な後泊型の計画を選択しました。
お盆休みということでペテガリ山荘の宿泊者はテン場の方と合わせて10人弱くらい(おそらくペテガリ山荘としては最大レベルに賑わっている方なんだと思います)。
お盆休みのペテガリ山荘はやはり本州からの遠征組、二百名山・三百名山完登を目指す同志の方が多くて山談義が楽しい夜になりました。お会いした方の中には60代後半でソロ遠征、そしてペテガリ岳を下山したらすぐにカムエクに向かう予定の方もいらっしゃってあまりのバイタリティーの凄さには圧倒されるばかりでした…💦
(自分はペテガリ岳だけで精神的に極限状態で、同じ遠征でカムエク挑戦などとてもじゃないがメンタルが持ち堪えられません😅)
そして翌日はベッピリガイ乗越を越えて遥かなる山から無事に生還。元浦川林道を抜けて1日半ぶりにセイコーマートの標識を見た時には何とも言えぬホッとした気持ちに(笑)
厳しくも楽しかったペテガリ岳攻略。令和5年山の日の忘れられぬ思い出になりました😊
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