TJARルート北アルプス区間の試走
- GPS
- 27:10
- 距離
- 109km
- 登り
- 8,565m
- 下り
- 7,067m
コースタイム
- 山行
- 7:01
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 7:37
- 山行
- 9:20
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 9:43
- 山行
- 9:35
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 9:46
天候 | 晴れ/晴れ/晴れ→ガス(霧雨&強風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り: 上高地→バス |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ズボン
靴下
靴
行動食
飲料
日焼け止め
携帯
ヘッデン
予備バッテリー
|
---|
感想
友人が剣沢小屋に泊まって剱岳に登る計画を立てていたのでそれに合わせて前からやってみたかったTJARルートの北アルプス区間の試走に行くことにした。
1日目
夜行バスで富山に行き、トイレを済ませて東滑川まで電車。車内で軽い朝食を済ませてスタート地点までジョグ。夜行バスではかなりよく眠れたが、左足の足底筋だか筋膜が張ってる感じがあり少し不安。
ミラージュランドを7時前に出発してまずは30km程度のロード区間。google mapが算出した最短経路で向かっていたが途中の橋が一箇所通行止め(工事中と書いてあったが工事してる感じでもなく多分廃道)で1ヶ月前の南アルプス遠征を彷彿とさせる。今回は容易に迂回可能だったので問題なかったが通行止めの情報はgoogle mapで見れるようにしてほしい。
馬場島には9時半過ぎに到着。トイレと給水をするだけなのだがここでトラブル発生。携帯浄水器(カタダイン)のソフトフラスクに小さな穴が空いていた。確かに4年くらい使ってるしそろそろ買い替え時なのかもしれない。馬場島の水は生では飲めないと書かれていたので浄水器を通してまずは他のボトルに給水。で、カタダインにも多少の水漏れを覚悟の上で補充。水量1.4lで9:45に「試練と憧れ」の碑を出発。
早月尾根は斜度がかなり一定で登りやすかった。この日は薄曇りで比較的涼しく、稜線に出てからは寧ろ肌寒いくらいだったが、山頂に着いたら晴れてきて気持ちよかった。最後の岩場はカニの縦ばい横ばいほどではないがやはり剱岳らしい岩場でスリルがあった。結局石碑から山頂まで3:10かかった。
山頂からこれまで通った早月川、これから行く立山、薬師、黒部五郎を眺めて20~30分休憩して下山開始。カニの横ばいはやっぱり怖い。何が怖いってみんなが通って岩がツルツルになっていてグリップしない。しかしよくこんなところに道を付けたものだ。剣沢小屋に到着して友人たちと会って1日目終わり。
2日目
3:45起床、4:20出発。すでに前劔くらいまでライトアップされていた。みんな早いなぁ。自分は剱岳方面ではなく立山に向かう。こっちのルートはまだほとんど人がいない。真砂岳のあたりでご来光をみながら朝食。
雄山に着いて参拝。前に来たときは門が閉まっていたので初参拝。立山の最高峰は雄山ではなく大汝山らしい。登っておけばよかった。ここから薬師に向かうのだが今年は例年にない水不足で五色ヶ原の水も枯渇しているとのこと。道中の水場はスゴ乗越、太郎平のみ。早朝に出発したのは水の消費を抑える意図もある。
五色ヶ原は初めて見たが美しい。雲ノ平といい北アルプスの絶景は魅力的だ。ちょうど雷鳥も現れていい写真が撮れた。五色ヶ原通過後越中沢岳の次のピークでスゴ乗越小屋を見ながら一休み。水の消費ペースはちょうどよいが、万一スゴ乗越で給水できないとかなりヤバめ。このピークから小屋まで意外とアップダウンがあった。スゴ乗越の水場は生きていたのでここで補給して薬師に向かう。北薬師に着く頃には不穏な雲が前後に現れていたが薬師からの眺望はかなり良かった。ここから黒部五郎小屋まで行くと5時を過ぎそうなのでこの日は太郎平小屋に宿泊。もう1時間早く出てれば黒部五郎まで行けたので残念。でも太郎平小屋に泊まったおかげで雲海に沈む夕日を見れたので満足。
3日目
2:45起床、3:23出発。今までで最も早い出発。剱岳と違ってこちらはこの時間に歩いている人は皆無だ。ナイトハイク経験ほぼゼロ(前日の立山が2回目)だがここは序盤木道だし基本登りなので足場は良く、クマが来るような場所でもなさそうなので経験を積むのにちょうどよい。黒部五郎まで誰にも会わなかった。山頂には5:45着。東の空が曇っていてご来光は見れなかったが山頂で食べる朝食は美味い。後方には剱、薬師。前方は笠がきれいだ。三俣蓮華〜槍の稜線は雲がなだれ込んでいて見るからにヤバそう。いっそのこと双六から笠に向かいたいところだが残念ながら今回の目的はTJARルートの試走なので槍に行かなくてはならない。この絶景ともここでお別れか。
10分ほど休憩して小屋に向かう。カールは秋に向けて色づき始め、一瞬日が差して色鮮やかに光る。と、目の前の岩にイワヒバリが飛んできて糞して飛び立っていった。手を付くのにちょうどいい岩だったのに。何してくれてんだ。
小屋から少し登るといよいよガスの中へ。強風と霧雨の中をひたすら走る。三俣蓮華周辺が特に荒れていた。双六小屋に下りるとだいぶ穏やかになっていたので行動食を摂取して樅沢に向かう。この一帯が穏やかなせいか雷鳥ファミリーが2組くらいいた。
西鎌尾根はずっとガスの中で真っ白だったが一瞬だけ山々が雲の合間に姿を現した。それも束の間、いよいよ霧雨が強まり、メガネに水滴がついて前は見えなくなり、槍が近づくにつれて気温も下がりなかなかハードな山行になってきた。低地のクソ暑いのに慣れているせいか体の表面から体温が奪われる感覚が心地よく、動き続けている限り排熱と冷却が平衡状態になっていて登りは寒いとまでは感じなかった。
槍の肩を越えて下りに入る。前が見えないのだけは本当に勘弁してほしかった。そういえばTJAR戦士もつば付きの帽子かぶってた気がするがこういうときの備えなのか。下りは流石に少し寒いが標高を下げれば良いだけなのでさっさと下る。肌感覚では100mにつき1℃近く変わる気がした。多分風速も標高が下がると弱まるのでその影響か。さらに樹林帯に入った途端に生暖かくなったが今度は雨が強まってきた。登山道は水たまりだらけ。ここまで来ると楽しい山行とは言い難い。横尾から上高地へ向かう間に雨は止み、徳沢からは穂高も見えた。
13時過ぎに上高地に着き、その時点で取れる最も早いバスを予約。50分ほどあるので近くの風呂を探したところ1.5km先の上高地温泉ホテルが日帰り入浴できるようなので大急ぎでひとっ風呂浴びてきた。風呂からバス停まで人通りの多い道を小走りで向かっていたら前方20mくらいのところを黒くてデカイやつが後ろにちっちゃい補助輪みたいのを従えて横断していった。山では一度も会わなかったのにまさかここでクマに会うとは。人間がたくさんいる環境に慣れてる感じのクマだけどこっちはクマがナチュラルに歩いてる環境に慣れてないんだよ。とは言えバスに遅れるわけにもいかないのでクマがたった今横切って行ったところを通過してバス停までひとっ走りして無事帰還。最後の最後まで気の抜けない山行だった。
というか…この行程を休憩無しでぶっ通しで走り続けるTJAR戦士、マジでヤバい。TJAR戦士がヤバいのは前から分かっていたつもりだったが今回実際に走ってみてヤバさが実感できた。睡眠も食事もしっかり取って3日に分けて走ったのにトップ選手と同じかそれ以上に時間かかったしすでに体力的に結構きつい。ここから先さらにロード区間を走って中央アルプスと南アルプスを越えて太平洋まで走るとか…いや、上高地に着いた時点ですでにお腹いっぱいなんですが。兎にも角にも今回この区間を走ったことでTJARをより楽しく観戦できるようになったので山行の目的は十分果たせたと思う。来年のTJAR楽しみにしてます。
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