大倉尾根―丹沢主稜
- GPS
- 15:19
- 距離
- 22.9km
- 登り
- 2,413m
- 下り
- 2,202m
コースタイム
- 山行
- 4:28
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 5:42
- 山行
- 7:17
- 休憩
- 2:07
- 合計
- 9:24
天候 | 【25日】晴れのち曇り(雷雨あり)【26日】晴れ(雲量多し) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■丹沢山〜蛭ヶ岳と比べ、蛭ヶ岳西側は急斜面で要注意。下り切った辺りで痩せ尾根が崩れかけています。 ■地形図を見ると分かる通り、丹沢山以西の主稜は厳しいアップダウンの連続で体力を要します。 ◇みやま山荘は要予約(丹沢は他の山小屋も宿泊予約制をうたっています)。大繁盛でした。4月と7月がピークとのこと。 ◇青ヶ岳山荘は原則週末営業ですが、宿泊は予約さえ入れてくれれば平日もOK。 |
写真
感想
【25日】 いつもの日帰り山行より1時間以上遅く渋沢駅へ。それでも今日は大倉尾根から丹沢山までの片道だけだから余裕がある。駅の小田急OXスーパーでお握りを仕入れ、バスに乗り込んだ。好天の土曜だが、ピークを過ぎた時間なので3人とも座ることができた。
大倉からおしゃべりしながら舗装道路を登る。東海地方に住むOKさんは初めての丹沢だ。前回ご一緒した浅間山はガスと強風であいにくの天気だった。塔ノ岳からの富士山をお見せしたいが、今日の雲行きだといささか微妙だ。
最初の観音茶屋前のバイオトイレが完成していることを確認し、無風の植林帯でひと汗かいて雑事場ノ平。見晴茶屋の見晴らしは、ふもとの集落くらいまでだった。最初の急登をこなし、新緑の美しい一本松付近を過ぎて一休み。所々で山桜やツツジの中では早咲きのミツバツツジらしいピンクの花を見かける。緩く下って登り返した所が堀山の家。休憩中の人もいれば、既に下山して来る人もいる。
ここから花立までが大倉尾根の登りの核心部。堀山の家のすぐ上のミツバツツジの前で記念撮影し、岩の目立つ急坂に取り組んだ。空は雲が広がり、直射日光に炙られないのはありがたいが、蒸し暑く感じる。とこうするうち、遠くで「ゴロゴロ」という音が。雑事場ノ平付近で聞いた自衛隊演習場の大砲の音とは明らかに違う。まさか雷?
頭上の木々がなくなり、花立山荘直下の木段にたどり着いたあたりで稲妻が光った。まだ遠いようだが、遮るもののないこの辺りで雷雨にやられたくはない。ポツポツと雨が来たころ、ようやく花立山荘に転がり込んだ。
豚汁を頼んで持参のお握りで昼食とする。幸い雨は本降りまで至らずに上がり、雷鳴も徐々に遠のいた。満開のマメザクラに見送られて大倉尾根最後の登りをクリアして花立へ。雷雲の下に明日踏破する丹沢主稜の稜線が遠望できた。雷雨で空気が入れ替わったとみえ、ぐっと涼しくなった。
さらに100m余り標高を稼いで、相変わらず大人気の塔ノ岳でひと休み。富士山は全く姿を見せてくれなかったが、明日に期待することにして目指す丹沢山に出発した。尊仏山荘わきのトイレは工事中で、仮設トイレが並ぶ脇を回り込んで北へ向かう。
崩れかけた急な木段を伝い、100mほど下った所が鞍部。そろそろ脚が疲れてきたが、3人で話しながら歩くと日高の登り返しもさほど苦にならない。竜ヶ馬場で9人の年配グループを抜いた。同じみやま山荘泊とのこと。そこからは一投足でほぼ予定時刻に無事丹沢山頂へ到着した。
びっくりしたのが、みやま山荘の繁盛ぶり。既に大勢が到着しており、我々は「個室で布団2枚に3人」と案内された。アコーディオンカーテンで仕切られた2畳ほどのスペースだが、低い2層構造の「大部屋」よりは優遇されたと言えるかもしれない。一か月前に早々予約したおかげだろうか。夕食後、混雑を緩和するため2、3人が食堂に布団を持ち込んで寝ることになったと聞いた。
夕食はなかなか豪華でおいしかった。ヘリを使わず、水を含めて物資は林道から担いで上げているそうだが、大したものだ。こうしたサービスを維持する以上、丹沢の各小屋が予約制というのは仕方ないかもしれない。
【26日】
外が明るくなった頃、例によって誰かが無遠慮にレジ袋をガサガサやる音で目が覚めた。やがて年配者の大きな話し声が加わると、さしものよく寝るalps165ことDr.もお目覚めに。幸いOKさんもたっぷり眠ることができたようだ。ただし、窓の外は霧。おまけに窓辺の棚においたリュックが結露で濡れている。朝食は夕食同様3回に分けて呼び出しがあり、我々は2回目の5時半だった。
頭の上を見るとうっすら青空が覗く時もあるが、周囲はガスに包まれている。天気予報は快晴なのに・・・。ガスが晴れることを願いつつ、丹沢山頂を後にした。まずは一気に木段を下り、不動ノ峰に登り返す。昨日の9人グループを再び追い抜いた。主脈伝いに青根に下りるのだという。時折ガスが晴れて向こうの峰が見えるが、すっきり消えずに南から新手の雲の塊が押し寄せてくる。
小学1、2年生数人と保護者らという元気な一団とすれ違う。蛭ヶ岳山荘に一泊したそうだ。軽めのアップダウンを経て鬼ヶ岩が近づいたころ、ようやく前方の蛭ヶ岳が全身を現した。いったん下ってまたかなり登るコースがよく見える。
自称高所恐怖症のOKさんを励ましつつ記念撮影し、鎖場を下る。子供たちがよく越えてきたものだと感心せざるを得ない。登り返して丹沢山から1時間半余、やっと丹沢最高峰に辿りついた。蛭ヶ岳山荘のベランダでコーヒーを頂く。辺りはガスに包まれ、風が当たると寒いくらいだ。
さて、この先は一段とルートが険しくなる。まず、イバラが目立つ急斜面を一気に300mほど下る。もったいないが、仕方ない。鎖場もあってOKさんはダブルストックがいささか邪魔のようだ。無事下り切って、やせ尾根が若干崩れかけた所を通り、すぐまた登りにかかる。
そそり立つような蛭の西斜面を背にしばらく歩いて臼ヶ岳。ようやく雲が開け、昨日歩いた塔ノ岳方面が望めるようになった。人影はめっきり少ない。ベンチで一休みして右に直角に曲がり、西にそびえる檜洞丸を目指して平たい斜面をゆるゆると下る。初め鹿柵が左に並行するが、道標や目印が少なく、ガスが深いと迷いそうだ。
やがて木段が見え、無事に神ノ川乗越を経て金山谷乗越へ。たまに行き会う人はハイカーよりランナーの方が多い。崩壊の進む金山谷乗越の桟道に若干ひるんだOKさんだが、なんとか立ち往生せず通過。そろそろ高所に免疫ができてきたのかもしれない?
道は小さなアップダウンを繰り返しつつ徐々に標高を下げ、最後の檜洞丸への登り返しポイントに至った。頂上までは約330m。心肺の弱い当方はそろそろリーダーを取れなくなり、2人に先を譲ってノロノロ登っていると、思いのほか手前で青ヶ岳山荘の案内看板が現れてホッとした。
青ヶ岳山荘前のベンチで3人分持ってきたフリーズドライのパスタとスープ、コンビーフの昼食とする。物足りない時に備えてパンもある。わずかだがリュックが軽くなるのでありがたい。ボランティアで小屋番しているという相模大野在住の男性が出てきて、話しかけてきた。山談義するうちに、ひょんな事で男性が鉄道ファンと分かり、Dr.を中心に話が弾んだ。
食後に温かい紅茶も入れたのだが、風が冷たいので体が冷えてきた。そろそろ出発しようと思う。男性に小屋の前で記念撮影してもらい、ひとアルバイトして檜洞丸へ。山頂では十数人が休んでいた。晴れてはいるものの、あいにく富士山は全く見えないので早々に山頂を辞してツツジ新道に向かった。
木道の尾根道をしばらく歩いて分岐から木段の続く新道に入る。登ってくる人が多いが、かなり急で標高差もあるので、ツツジに釣られて軽いハイキングのつもりで歩くとえらい目に遭いそうだ。そのツツジは5月のシロヤシオが良いらしい。
今はまだ早く咲くミツバツツジの季節で、新緑と山桜がアクセントとなっている。下りは心肺の負荷が少ないので再び先頭に立ったが、一気に1000mほど下るのだから楽ではない。風がやみ、正面から照らす午後の太陽が暑いくらいだ。木段がなくなってからも、むしろ道の傾斜は増すほどで歯ごたえがある。
近くの峰しか見えない展望台はちょっと立ち寄っただけで先を急ぐ。やがて沢の音が聞こえ始め、最後の鎖場の難所を過ぎると階段が現れて、ゴーラ沢出合に到着した。5年前の記憶を頼りにまず南へ支流を渡り、堰堤の手前で本流の渡渉地点を探す。ここしかない、という飛び石がすぐ見つかった。半ば水に没した石もあり、気を付けないとはまりそうだったが、なんとか3人無事に渡り切った。
水が底をついたので補給していると、「急がないとバスの時間が」とDr.。ここからバス停まで30分余、バスは3時40分発。あわてて出発した。歩きやすい登山道だが、ところどころ桟道が現れてOKさんの胆を寒からしめる。既に免疫ができていたのか、それとも無理して我慢してくれたのかは定かでないが、幸いにも立ち往生するようなことはなく、道が小さな沢に下りた所で無事に車道の登山口に辿りついた。
ピッタリ(ぎりぎり?)のタイミングでちょうど満席のバスに乗り、山北駅を目指す。駅裏のさくらの湯に入り、「ポッポ駅前屋」で本山行の反省会に臨んだ。
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