憧れの稜線を歩く 白峰三山,塩見岳 テン泊縦走(広河原~鳥倉)
- GPS
- 96:55
- 距離
- 40.3km
- 登り
- 3,916m
- 下り
- 3,640m
コースタイム
- 山行
- 4:09
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 4:27
- 山行
- 4:06
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 5:42
- 山行
- 7:00
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 8:48
- 山行
- 8:21
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 10:36
天候 | 18,19:雨後曇,20:曇,21,22:晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
4:35甲府-(山梨交通バス1950円)-6:28広河原 復路:9:10鳥倉登山口-(南ア登山バス 鳥倉線2630円)-11:00伊那大島駅前-11:05松川IC 17:02松川-(信南交通高速バス4770円)-21:45大阪(梅田) ※鳥倉線は、2015/07/18(海の日)〜2015/08/30運行、予約不要 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【広河原〜北岳】 標高差を一気に稼ぎます。稜線に乗るまで、頑張りましょう。 雨天時は、右俣コースが無難かと思います。 【北岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜広河内岳】 気持ち良い稜線歩き。 ガスガスの場合、広い尾根の間ノ岳等で登山道をロストせぬように注意。 【農鳥小屋〜熊ノ平】 大きな間ノ岳を巻く。 【熊ノ平〜塩見岳】 北荒川岳までは樹林帯を進む。北荒川岳からは急坂を登りつめる。 【塩見岳〜三伏峠小屋】 2箇所の岩場は注意して下りましょう。 【三伏峠小屋〜鳥倉登山口】 判りやすい標識有り。 |
その他周辺情報 | 登山届:広河原インフォメーションセンター2Fで提出 温泉:日帰り温泉 信州まつかわ温泉 清流宛(松川ICバス停より徒歩約30分) ・時間:10:00〜20:30 ・料金:大人400円 GPSログ:データ取得できていない箇所は、手書きで修正 |
写真
感想
夏山シーズン、到来!
今年初となる夏山遠征は、白峰三山,塩見岳です。
北岳から続く憧れのカッコ良い稜線をいつか歩いてみたいと考えていました。
前半は、稜線の雨と強風で、厳しいテン泊となりましたが、
中白根山,広河内岳,北荒川岳,そして塩見岳から眺めた南アルプスの大パノラマは
心に焼き付き、忘れられないものとなりました。
以下、道中記録です。
(出発、前日)
今回は甲府まで高速バスで入り、広河原に移動する計画を立てたが、
台風11号の影響で、南アルプス林道が雨量制限超過のため通行止めとなっており
甲府~広河原のバスが運行していない。(戸台からも北沢峠までしか入れない)
バックアップ案として、北沢峠から仙丈ヶ岳に登り仙塩尾根を歩いて塩見岳に抜けるコースを計画したが、夕方の時点で通行止めは解除され一安心。
ただし、ここからが大変だった。夕方に会社を出て、一旦家に戻り、大阪発の高速バスに乗る予定が、台風の影響でダイヤが乱れJRが動いていない。
「今日はバスの時間に間に合わないかもしれない」と家にメールを入れたとき
JRが動き出した。家に帰って、瞬速で着替えて、阪急の駅まで
送ってもらい大阪へ移動して、ギリギリ甲府行き高速バスに飛び乗ることができた。
(あ~、疲れた)
◆1日目 広河原BS〜二股(右俣コース)〜北岳肩ノ小屋(テント泊)
広河原インフォメーションセンターでトイレを済ませて、いざ出発!
台風の影響で大樺沢は水量が多かった。二俣まで来ると、左俣に雪渓が見えた。周囲はガスガスで八本歯のコルすら見えない。
ここで雨がパラついて来たので、早めにカッパを羽織って、右俣コースを進む。
雨で所々泥でぬかるんでおり、滑りながらも長い急登を上り詰めた。
小太郎尾根分岐で稜線に出る。さすがに稜線にでると風が強い。強風に耐えながら進んだ。なんとか午前中に肩の小屋に到着できた。
雨の中、テントを設営。テン場にも強風が吹いておりペグを打たずにテントを立ち上げ、いきなりテントを飛ばされそうになり焦った。初日は、雨で強風という、なかなか厳しい条件の中でのテント泊であった。(実際に、設営中にテントを飛ばされ、回収に走る人もいた)
早めに到着したので、テントは2張り目で良い場所を確保できたが、連休で人が多く、後にテン場は激混み状態となった。疲れたので早めに就寝。
◆2日目 北岳肩ノ小屋〜北岳〜間ノ岳〜農鳥小屋(テント泊)
朝起きてテントから顔を出すが、相変わらずガスガスで日の出は拝めそうになかった。テントを撤収し、北岳に出発。山頂もガスガスで何も見えない。残念!
早々に、北岳山荘に下りた。北岳山荘で大休止。湯を沸かし、スープを飲んで体を温めた。休憩中に、ガスがどんどん引いて視界が開けた。嬉しかった。
中白根山に移動し、小休止。しばし、360度の大パノラマの眺望を楽しんだ。
次に間ノ岳に向う。山頂ではまたしてもガスガス。何も見えない。
しばらく粘るがガスが切れそうもないため、農鳥小屋へ下山した。
テントの受付をして、雨の中、テントを設営。この日も2張り目で良い場所を確保できたが、どんどんテントは増えて通路も無くなるほど激混み状態となった。
昨日に引き続き、雨天で強風という厳しい条件。しかも地面が軟弱でペグが刺さらない。この日は、夜中に飛び起きることになった。
夜中(24時過ぎ)に大きな音がして目が覚めた。強風に煽られてテント前室のペグを抜かれ、前室に放置していたコンロの風防が飛ばされて、テントの周りを転がる音であった。早くしないと風で崖下に飛ばされる。急いで靴を履いてテントを飛び出し回収に向った。無事、数張り先のテント脇で回収できた。たかが風防一つといえど、火が使えなくなるので、旅が続けられなくなる。回収できたことに一安心し、大きな石で前室のペグをしっかりと固定して眠りについた。
◆3日目 農鳥小屋〜農鳥岳〜広河内岳(ピストン)〜熊ノ平小屋(テント泊)
朝起きてテン場から日の出を見た。晴れたことが嬉しかった。今日は良い一日になりそうだ。
食事を済ませて、広河内岳に出発。荷物(日帰り装備のみ)が軽いと足取りも軽い。気持よく稜線を歩いた。農鳥岳で小休止後、広河内岳に向う。大門沢下降点からハイマツの間の縦走路を歩くと、ほどなく辿り着いた。ここで大休止。コーヒーを沸かして休んでいると、初めはガスガスだった周りが嘘のように晴れた。しばし絶景を堪能した。ここから農鳥小屋へ戻る道は、気持ち良い稜線歩きを楽しんだ。本当に良い稜線だと思う。
農鳥小屋のテン場に戻る。久々のお日様に、寝袋を天日干し、濡れたフライシートもすっかり乾燥させた後、テントを撤収。
「のろまなテントは、君か?」と小屋のおやじさんに声をかけられる。おやじさんは神戸の住吉に住んでいたこともあるらしい。小屋主はもう50年にもなる、とのこと。(私の生まれる前から!)
広河内岳をピストンしてきたことを伝えると「あそこは良い山だ。笹山への縦走路も一部判りにくい所もあるが注意して歩けば問題はない。」と笑った。でも最近は笹山を山梨100名山に指定されたこともあり、人が多く入るようになったことを嘆いていた。人の余り入らない静かな山歩きが好きなようだ。
「午後から天気が崩れる。雷注意報も出ているはずだ。早く行きなさい。」と背中を押されて、出発した。個性の強い人だが、根っからの山好きなのがよく判った。
ここからはデカイ間ノ岳の巻き道を通って、熊ノ平へ抜けた。
熊ノ平は、落ち着いた良い山小屋だった。なにより小屋前から見る農鳥岳がカッコ良かった。既に雨も止み、強風もなく、久々の平和なテント泊を楽しんだ。
なんだか少し頭痛がする。もう3日目だというのに高山病か?明日に備えて早めに就寝。
◆4日目 熊ノ平小屋〜塩見岳〜三伏峠小屋(テント泊)
朝起きて、満天の夜空を見た。南アルプスはこうでないと、と思った。
2時半起床で、4時出発。今日は長い行程となる。暗いうちから歩き始めた。
(心配していた頭痛も治まっており、体調は良かった)
直ぐに日が昇る。しばらく樹林帯の中を進む。北荒川岳でようやく視界が開けた。
同時に塩見岳が目前に迫る。ここで大休止を取り、しばし眺望を楽しんだ。
【北荒川岳からの眺望】
ここからは塩見岳への急登を登る。山頂は目前であり、自然と足が早くなった。
山頂(東峰)で1時間ほど時間を取り、飽きることのない絶景を堪能した。
ここからの眺めは忘れられないものとなった。
今まで歩いてきた白峰三山のかっこいい稜線、大きな裾野を広げる富士、でっかい山容の荒川岳、中央アルプス、北アルプス、甲斐駒・仙丈ヶ岳に囲まれて、幸せな時間を過ごした。山頂でお会いした方は、鳥倉登山口から日帰りで塩見岳に来たとのこと。先週は、荒川岳から赤石・聖・光岳を3泊4日で回ったとのこと。やはりアクセスが限られる南ア最深部は何度も行けるものではない。長期の休みをなんとか確保して、できれば一度に縦走するのが良い、と思った。
その後、名残惜しくも下山開始。三伏峠小屋まではまだ大分距離を残している。余りゆっくりもしていられない。急な岩場を注意して下り樹林帯に入った。
本谷山で、休憩中にお話した方は、今日塩見小屋まで行くとのこと。聞けば、御年70才(山を歩いているせいか、全然若く見えました)。車をキャンピングカーよろしく改造して、山歩きをしているとのこと。登山口(or トイレの有る道の駅等)に泊まり、宿は山小屋のみを利用とのこと。山で遊ぶため、いろいろ工夫されていると、感心した。
その後、三伏峠小屋に移動した。ガラガラかと思いきや、夕方のテン場には多くのテントが並んだ。塩見岳はそれだけ人を惹きつける魅力有る山であった。
◆5日目 三伏峠小屋〜鳥倉登山口BS
今日は下山するのみで、バスの時間に間に合えば良い。皆が出発した後、テントを撤収して下山した。鳥倉登山口はお花畑が広がっていた。バスを待つ間、しばしお花畑の散策を楽しんだ。松川ICからは、お風呂へGo!
「町営まつかわ温泉、清流庵」は結構遠い(徒歩約30分)のだが、時間はたっぷりとある。久々の下界の美味しい食事を平らげ、お風呂に入って5日間の汗を流した。(高速バスの乗り継ぎに時間が有る方にお薦め)
台風の影響で天気が安定しない中、憧れの縦走路を無事歩くことができて良かったです。次は、南ア最深部を歩いてみたい、と強く想うのでした。
今日も良い山でした。
(1日の消費量 水1.5L(行動中のみ、食事除く)、燃料80ml(夜30ml+朝30ml+昼20ml)
荷重15kg、アルファ米 11/12食、行動食 500ml×1/3本)
kickeyさん、こんばんは。そしてお疲れさまでした。台風は大丈夫だったみたいですね、ちょっと心配してました。素晴らしい旅レコ有り難うございます。いつかは子供たちと行ってみたいです。
初めて歩いた白峰三山ですが、大満足の山歩きとなりました。
初日、頑張って標高を稼ぐ必要がありますが、一度稜線に乗ってしまえば、
右を見ても、左を見てもカッコイイお山に囲まれた素晴らしい稜線が続いています。
何度でも歩いてみたいと思える最高の稜線ですね。
いつか、笹山へと続く白根南嶺の稜線(農鳥小屋のおやじさんお薦めコース)も
歩いてみたいと思います。
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