百高山コンプリート 赤岩岳と赤沢山 おまけに槍ヶ岳
- GPS
- 25:01
- 距離
- 66.1km
- 登り
- 4,335m
- 下り
- 4,308m
コースタイム
- 山行
- 7:09
- 休憩
- 2:07
- 合計
- 9:16
- 山行
- 5:39
- 休憩
- 2:33
- 合計
- 8:12
- 山行
- 6:28
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 8:53
天候 | 29日 晴れ時々曇り 30日 曇り時々晴れ、一時小雨 31日 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※ 赤岩岳と赤沢山は一般ルートではありません。百高山を推奨するものでもありません。 上高地〜大曲り:メジャールートなので省略 大曲り〜水俣乗越:分岐部が雪渓の下で指導標が判りませんでした。乗越沢と岩にペイントがあるところの踏み跡がルートのようです。 喜作新道:メジャールートなので省略 赤岩岳ピストン:草付きと灌木帯の境を登りますが、足下は非常に悪いです。 赤沢山ピストン:ハイマツ下の踏み跡とトラロープに導かれて概ねルートは見えますが、足場の悪い急坂の連続と、崩壊地脇の通過となります。無理は禁物です。 |
その他周辺情報 | 沢渡温泉の立ち寄り湯利用 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
ガイド地図
コンパス
笛
筆記具
ライター
ナイフ
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
雨具
防寒着
スパッツ
手袋
ストック
ビニール袋
替え衣類
ザックカバー
食器
水筒
時計
日焼け止め
非常食
|
---|---|
共同装備 |
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
車
|
感想
遠隔地の山も多い日本百名山に比べ、意外と百高山の方が進んでいるなと気付いたのは数年前。遠くはないのだがマイナーな山も入っていて、一般ルートが無い処もある。
登れそうなところから消し込んで、最後にのこったのはやはりここだった。
以前は全く情報が見つからなかった赤沢山も、最近ではネット検索で見つかるようになり、昨年の記録(ヤマレコではない)では写真も多く非常に参考になった。
今回は28日の夜勤明けに車で移動。車中泊をして上高地から2泊3日の計画。踏み残している東鎌尾根に赤線が引ければなおのこと良いが、天気次第で29年振りの穂先は踏まなくても仕方がないと考えてスタートした。
駐車場料金が歴日かどうか確認していなかったので、手前の道の駅で車中泊。この日は平日で5:40のバスが始発のはずだから、余裕を持って朝食と着替えをして沢渡へ移動した。ところが5時頃に第3駐車場に入れて準備を始めるとバスが来る?! 通りかかった人に聞くと、今日は5:10のバスが出るらしいとのこと。え? 一瞬諦めかけたが、30分待つのも勿体ないし、準備は・・・取りあえずパッキングはいい加減でも手にスーパーの袋もぶら下げて階段を走ってターミナルへ。係員の人に声を掛けて、切符を買うまで(1〜2分だが)待って貰って何とか始発に乗れた。売店クーポン付きの企画切符は買えなかったが、まあそれは無駄遣いにならなくて良かった。
水が入ったプラティパスを車に置いて来てしまったが、予備の百均折りたたみ水筒を入れてあったので事なきを得た。
上高地はまだそれほどの混雑ではなかった。横尾まではいつもの通りの単調な歩きで、その先はやり沢ロッジを経て大曲まで高度を上げて行く。雪渓を少し登ったところで右の涸れた沢筋に踏み跡を見つけて確認をする。岩にペイントで「乗越沢」とあり、GPS地図(Garmin)の分岐よりは手前のようだ。山と高原地図では細かいところは判らないし、地理院地図も30年前の古い物じゃルートの正否までは判らない。
本来、ここには指導標があるはずなのだがもしかすると雪渓の下なのかも知れない。取りあえずそのまま少し登って見て、GPS上の分岐を過ぎた辺りで折り返し、GPS地図を信じて荒れた沢筋を登って見る。割と最近に増水した形跡があり、もしかするとそれで踏み跡が消えているのかも知れないが、それ故に「乗越沢」の方に変更になっているのかも知れない。レコを書いている今なら思うのだが、「みんなの足跡」は間違いなくそちらになっていた。指導標があったり、下山方向なら間違いようが無いしね。
【8/18追記】
下記のレコの写真によると8/13時点では指導標が立っています。残雪に埋もれていたわけではなく、積雪期は撤去されていた可能性がありますね。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail.php?did=697845&com_id=1108542&com_rootid=1108542&com_mode=flat&com_order=0#comment1108542
一苦労した後に正規ルートと合流。水俣乗越までの急登をゆっくり詰める。今日は晴れて暑いし、これまでの暑い日々で消耗しているせいか、熱中症気味の苦しい登りだ。水俣乗越では僅かな日陰を求めて休憩。残り1時間半程度なので雷雨の心配も少なくなった。大休止のあと西岳に向かい登ってから一度下って、また登り返す。バテバテになりながら、14時過ぎにはヒュッテ西岳に到着した。
体力的にも時間的にも赤岩岳はちょっと厳しかったので、西岳に登って翌日のルートを確認した。
小屋に戻って缶ビール。しかしレギュラー缶1本で十分に飲んだ感じがして、持参した焼酎とつまみは断念。こういう状態で飲んでしまうととんでもないことになりかねないのは過去に学習済みだから。
翌日の天気は途中でやや崩れそう。雷雨の可能性もあるので目的のピークを早めにこなして、その先の計画は場合に寄って変更も覚悟した。3日目は良さそうなので、少々の雨ならば頑張るけど。
2日目(30日)
昨夜は隣の人の歯ぎしりが気になり耳栓を使用。アラームはセットしたのに気付かず(これって回りの人に迷惑ですね、ゴメンナサイ)、10分程寝過ごした。
取りあえず朝食は昨日食べ残したパンとジュースで繋いで、早々にサブザックで縦走路を大天井方面へ向かう。小ピークを越し、赤岩岳の山頂付近を確認して進む。大天井ヒュッテからの1パーティーとすれ違った後、GPSで位置を確認しながら取り付けそうな場所を探す。標識が出て来たら50mほど戻れば良いと考えていたが、ピーク直下を過ぎて少々行っても標識は出てこないので引き返してポイントを検討した。初めは右側のハイマツ境を上がってみたがちょっと難しそう、もう少し戻って草付きの左端に行くと、明らかに近日の踏み跡があったのでそこから取り付いた。
滑りやすい急坂を灌木に捕まりながら注意深く詰めていく。直近で人が通っているし、GPSで山頂位置も確認出来ているから間違えている心配は無いが、降りるのは怖そうだ。直下のコルに出て、左にややハッキリした踏み跡を辿るとすぐに山頂に出た。過去の記録では三角点の標柱が倒れて落ちそうになっていたとこのことだったが、割としっかり立っていたので記念にタッチ。百高山にいよいよリーチとなったが、残念ながらガスが上がってきて見晴らしは何も無くなってしまった。山頂は狭く、北側はガレが迫っている。この先は崩落が続いて今の山頂(三角点位置)も削れてしまうかも知れないな。
ルートを折り返してヒュッテ西岳に戻る。小屋の裏手のベンチで遅めの朝ラーメンを食べながら天候の状態を見る。さっきよりはやや良くなって、すぐに崩れるような気配はないから予定通り赤沢山のピストンを実行することにした。昨日、ポイントの岩まで行って下降点を確認していたから、そこまで行ってヘルメットを装着し気合いを入れる。岩の右手の踏み跡を辿って基部に回り込み、薄い踏み跡を急降下する。(詳細は写真のコメントを参照して下さい。)
トラロープ云々のところは事前情報もあったので思ったより判りやすく、慎重に見極めればルートは外さない。足場が悪いところは多々あるので、そこは特に慎重に通過する。赤沢山への登りは基本的に稜線伝いで、岩やガレ場など時々右側(梓川側)を巻くように進む。1箇所だけ岩の左を通るところがあるが、登りでは迷わない(下りでは間違えそうになったので注意)。
山頂直下では雷鳥の親子にも遭遇し、穂高方面はそこそこの展望もあって、感動の百高山フィナーレとなった。暫しは余韻に浸り、記念写真を楽しんで往路を戻る。登り返しは殊の外きつく、テン場の端まで戻ってきてやっと一息ついた。
さて、ここからは喜作新道(東鎌尾根)の縦走路。昨日のハシゴ等を今度は下って水俣乗越から登り返す。だんだんとガスが上がり、乗越での休憩中には霧雨となってきた。先の状況が不安なのでここで雨具を装着する。30年前(日航機事故の前日)、雨に降られてここでエスケープしたときのことが思い起こされるが、それほどの風雨ではないし、テントではないので荷物は(若干?)軽い。数人と前後しながら登って行くと雨は酷くならずに止み、時折薄日も射して程なく雨具を脱ぐことが出来た。ヒュッテ大槍には11時半頃に着いたのでここでパンを食べる。水もそれほど無いのでコーヒーでも飲もうかと思ったが、ドリンクバーのインスタントが500円で(生ビールグラス900円の方が魅力的!)、それなら槍ヶ岳山荘まで我慢することにした。槍ヶ岳山荘に確認の電話を入れると布団1枚は十分確保出来るというので安心した。
槍ヶ岳山荘まではCT若干プラスの1時間。最後の登りで足が止まり気味だった。山頂はガスっていたし、足が残っていないので取りあえず小屋に入って休憩。1時間程度してかなりしっかり雨が降ってきたのですぐに登らずに正解だった。ただ、予報通り晴れてきた夕食後に登った人は綺麗なアーベントが見られたらしい・・・・まあ、それくらいは仕方がないか。
今日もビール1缶で満足し、持参の焼酎とつまみ(缶詰とソーセージ等)はそのまま持ち帰り。こんな山行は久しぶりだなぁ。暑さ? 下界での夏バテ? あるいは高度の問題も? まあ、普段のトレーニング不足が一番かな。夕食後は疲れもあってゴロゴロして早めに就寝。
3日目(31日)
寝たのは良いが目が覚めたのはまだ21時、その後も暑さ・寒さ、近隣の鼾などで熟睡とは言い難い。とにかく身体だけは休めて明日への備えをする。3時ころから動きが感じられ、トイレに起きた際には既に出発しそうな人も居たので予定よりも早めにザックを持って外に出る。穂先に向かって点々とヘッデンの明かりが見える。ペイントがしっかりしているので間違えるようなところはないし、前後に人が居ないのは落石リスクも少なく暗くても安心して登れる。ただ、疲れが残っていることもあり、若いときよりもキツイ・怖いという感覚はあった。最後のハシゴを登り切るとお疲れ様と声がけがあって、奥の社の近くまで進んで夜明けを待った。
概ね良く晴れているが、地平線には雲があり、日の出は5時近くになった。この頃からは続々と人が登ってきて山頂も混雑したので写真を撮り終わったら早々に下山する。ただ、下りは若干の渋滞になった。この程度は仕方がないか。
小屋前で朝食。天気が良くて今日の縦走路は素晴らしいだろうが、先は長いので槍沢から上高地へ真っ直ぐ下る。3日目の疲れがあるからそうそうスピードは上がらず、焦ることはないと言い聞かせながら写真を撮りつつ降りていく。槍沢ロッジで最後のパンを食べ、徳沢園では定番ご褒美のソフトクリームで祝い、あとはひたすら上高地BTへ。目標の13時よりは30分早く到着し、12:40の臨時シャトルバスで沢渡へ。
近くの温泉で汗を流したら食事が出来なかったので、往路でもお世話になった道の駅風穴の里で遅めの昼食&お土産購入。14時半頃帰路に付く。波田町を通りかかるとスイカの幟が目立つ。そう言えば合戦小屋のスイカは波田産だったっけと思いだし、農家の庭先の店舗で大きなのを丸ごと1個買って帰る。
帰りも一般道利用。道の駅白州で南アルプスの天然水をタップリ汲んで、帰宅は22時丁度。帰りも休憩込み7時間半かかったが、平日にも関わらず中央高速の渋滞表示が出たままだったので、まあ、節約してよかったかな。運転を入れて総行動約19時間でした。
私もこの2山を残しているので参考になりました。といってもまだ17座も残っているのでいつになるやら。
赤沢山のルートはちょっとタフそうですね。
最後にガスだと悲しいので晴れて良かったです。
お疲れ様でした。
MATSUさん、コメント有難うございます。
私が百高山を意識し始めたのが残りがそれくらいになった頃だと思います。
ここはMATSUさんなら中房からの日帰りピストンも可能かも知れませんね(過去レコにありました)。
コンプリートおめでとうございます。
自分には・・チョット難しいですね!!
とりあえず目指しますが
umetyanさん、コメント有難うございます。
一区切り付いたので、これからは好きな山への再登も含めてやっていきます。百名山〜三百名山や、信州・山梨・関東などの百名山も機会が有れば完登に拘らずチョコチョコとやりますが。
今回の2山のように(気分的にも)非常に行きづらいところがある一方、飛行機を使わずに縦走でかなりこなせるので、チャレンジ出来ると思いますよ。取りあえず槍から穂高ですか?
目標達成ですね。おめでとうございます。
中国地方にも百名山ありますが!! 一座だけでは?なので、どこか(四国あるいは近畿)と組み合わせでしょうか? 東京からは遠いですが。
宿泊は 民宿mikuniがあります。「辛い」料理はだしませんので、ご安心を。
Mikuniさん、コメント有り難うございます。
大山は早ければ今年か来年には行きたいと思いますが、休みの日程上、四国や近畿と絡めることはありません。組み合わせるとすれば蒜山かな。
カミさんを連れて出雲へ回るというアイデアもありますが、そうなると民宿でのご馳走を諦めなければなりませんね。
単独の場合は夜行高速バス利用の貧乏プランも頭にあります(w
fireboltさん、こんにちは。
まずは百高山達成おめでとうございます。
何だか普通はメインであるはずの槍が、ついでみたいな感じですね(笑)
でも槍からの下りは早い!さすがです。
徳澤のソフトクリームが食べたくなってきました。
お疲れ様でした。
ダン之助でした。
ダン之助さん、コメント有り難うございます。
はい、槍も本当に久しぶりなのですが、天気次第では西岳に連泊してでも2ピークに登りたかったのが本音です。
結局、東鎌ルートにも赤線を引けたので、槍周辺も充実してきました(昔の記録はヤマレコに載っていないので見えませんが)。
次に行くときは新穂高ルートと、氷河公園にも足を伸ばしたいところです。
fireboltさん、こんばんは
百高山コンプリート、おめでとうございます。
ついに来ましたね。
近々、この赤岩岳&赤沢山は行く予定だったので、大変参考になります。
やはり手応えありそうな2山ですね。
特に赤沢山はかなり慎重に行く必要がありそうです。
私も百名山よりは取っ掛かり易かったので始めた百高山ですが、
人が少ない百高山は自分には合っているようです。
いよいよ最後だと思うと、うれしいやら寂しいやら。
(まだ登ってもいないのに)
次の目標はなんですか?
hirokさん、コメント有り難うございます。
最近やっと情報が増えてきましたが、百高山に興味のない人は絶対に行かない2山なので、まだ情報は少ないですね。ヤマレコ以外では昨年の記録に詳しいものがあり、かなり参考にさせて貰いました。
天気が良ければ静かで楽しめると思いますよ。
次の目標は、百高山の対象外ではあるものの、個人的にも入れて欲しいジャンダルムを考えています。百名山は登りたい・登れる山は割と先に登ってしまったので、残り20強は遠隔地が多くなっています。むしろ最後に何処を残すか?で考えてしまいます(笑。
既に登ったものの、天気が悪かったり、ピストンだったりした宮之浦岳や幌尻岳にはまた行きたいですね。
達成すばらしいです。百高山を改めて見たら結構難しい山が、、、。私にはちょっと無理かもしれませんが、私も少しづつ増やそうかなあなんて思っております。
本当に山はいいですね、、。
GLENNさん、コメント有難うございます。
確かにわざわざこのために行くか? っていう山も入っていますが、GLENNさんなら技術的に難しいことは無いと思いますよ。
取りあえず3000m峰の完登から始まって、次の目標がこれになった感じです。
面倒だったのは日数が必要な南ア南部や赤牛岳かなぁ(現職場に来る前に行って置いて良かった!)。白根南嶺もダイレクトルートが出来て行きやすくなりましたし、本当に殆どの方は今回の2つが最後になるようですね。
百高山達成おめでとうございます。
日本の高い山ベスト100!素晴らしい!!
これまで楽しい思い出や、ときには困難もあったことでしょう。
徳沢園でソフトクリームでお祝い(*´ω`*)
槍ヶ岳山荘でお会いして祝杯を上げたかったところです。
LArcさん、コメント有り難うございます。
30年以上前に登ったきりの山も入っているので、詳細全部は覚えて居ない のですが、やっと一区切り付いた感じがします。
百名山は最後までやるかどうかも判りませんが、ボチボチやっていきます。
直近ではアルプスの未踏峰やルートを消し込んで行こうかなぁという感じです。
餓鬼岳とか霞沢岳とか、ジャンダルムとか、仙塩尾根とか・・・・。
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