読売新道/北アルプス最深部を北上する
- GPS
- 29:54
- 距離
- 50.4km
- 登り
- 4,936m
- 下り
- 4,575m
コースタイム
- 山行
- 6:08
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 7:40
- 山行
- 6:08
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 6:31
- 山行
- 7:38
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 8:21
- 山行
- 6:13
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 7:19
天候 | 7/29晴れ 7/30小雨のち晴れ 7/31晴れ 8/1晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
【復路】黒部ダムより関電トロリーバスにて扇沢へ 扇沢よりバスにて信濃大町へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
【新穂高〜双六小屋】 ・小池新道入口付近に雪渓あり。ステップ、マーキングがあるので問題無し。 【双六小屋〜双六岳】 ・残雪があるが、巻き道にて問題無し 【双六岳〜三俣蓮華〜鷲羽岳〜水晶小屋】 ・鷲羽岳への登りがざれて歩きにくい。 【水晶小屋〜水晶岳〜赤牛岳】 ・水晶岳への登りは多少はしごあり。トラバースもあるので多少注意。 ・水晶〜赤牛間は、基本尾根道であるが、多少不明瞭な所があるので、間違えたと思ったら、直ぐに引き返すか、尾根へ戻ってルートを確認。 【赤牛岳〜奥黒部ヒュッテ(読売新道)】 ・基本一本道で踏み後が明瞭。 ・エスケープ、小屋が無く、水の補給が出来ないので、多めに持っておく。 ・赤牛からの下りはざれて滑る。 ・樹林帯からは、巨木根っこ、大石を乗り越える所が多く、歩きにくい。 【奥黒部ヒュッテ〜平らの渡し〜黒部ダム】 ・登山道の復旧はほぼ完了。数カ所の残っていると思われるが、概ね問題無し。 ・地図上、標高差は無いが、実際はかなりある。上ったら下りる、下ったら上るの連続。なめてかかると大変。渡しも過ぎても数カ所はしごあり。 |
写真
感想
前夜、新宿より毎日アルペン号にて新穂高に入る。アルペン号はちょっと贅沢をして3列シートのバスを選択した。リクライングが大きく倒せるので快適であった。
バスは上高地を経由し、新穂高に入る。準備を整えて出発する。左俣林道を歩き、わさび小屋に到着し、小休止する。軽く行動食を食べ直ぐに出発する。
小池新道手前には大きな雪渓が残っていた。雪渓は大きな段差があり登れないほどであったが、ステップが切ってあったので無かった。
登山道は斜度を増し、高度を上げていく。3年前に歩いたことのある道だったので、大体どうなっているのか判っていたので、気分的に楽だった。秩父沢、イタドリヶ原、シシウドヶ原を過ぎた位から森林限界が近づき、鏡平が近いことが想像できた。
鏡平で槍穂が見たかったが、2800m以上は雲に隠れ、稜線は見られなかった。小屋で小休止をし、いよいよ弓折乗越に向かう。
高度を上げ、乗越を過ぎる。やはり槍は雲に隠れ見えなかった。多少のアップダウンを繰り返し、鷲羽と双六露営地が見えたらゴールは近い。露営地に到着し、受付をすませ、テントを張る。生ビール、缶ビールを飲み、のんびりとした。夜食を食べた位から眠たくなったので寝た。
寒さで何度も目が覚めた。今回新調した#3のダウンシェラフであったが、やっぱり寒かった。私はどうやら寒さに弱い様だ。
3時になると周りが騒がしくなる。朝食を食べ、フライの夜露を拭き、テントの中でパッキングした位から、雨が降ってきた。せっかくフライをきれいにしたのだが、雨に濡れてがっかりだった。雨が激しくならない内に濡れたテントをザックに突っ込み、出発する。
天気が良くないので「双六から見える槍」が見られないと思っていたが、一応巻き道を使用せず、山頂に向かう。何度も振り返り槍を確認したが、穂先はちょっと見えただけでほとんど見えなかった。山頂で写真だけを撮り三俣蓮華に向かう。
たぶんカールが見えるはずだが、霧で視界が悪く、全く景色が見られない。雨も強くなり、ただただ歩いていた。
良くわからないピークの三俣蓮華の山頂に着く。写真だけ撮り山荘に向かう。雨足が強くなってきたので雨具の上とザックカバーをつける。
もったいないが高度をぐんぐん下げていく。途中で「何か方向が間違っているような気がしたので、地図とコンパスで方向を確認する。間違っていないことを確認し歩く。しばらくして山荘に到着する。更に雨足は強くなっているので雨具の下を着る。今度に鷲羽に向かう。
山荘を出発する。すると登山道が急になる。恐らく鷲羽の登りを歩いていると思われるが、視界が悪く、全く判らない。すると霧が晴れ、鷲羽への道が見えた。かなりの登りであり、まだまだ登ることが確認出来ると、急に苦しくなった。
ゆっくりと登り、ようやく山頂についた。苦しい登りであった。行動食を食べゆっくりした。
鷲羽を超えれば比較的緩やかな稜線が続く。ワリモのトラバースが多少やっかいだが、概ね問題無い。鞍部から水晶への登りに差し掛かり、しばらく歩くと水晶小屋についた。
本日は久しぶりの小屋泊まりである。入り口には「本日混雑しています」との表示があった。平日なのでそんなには込んでいないと思っていたが、布団1枚に2人であった。
時間も早かったので昼食を食べる。小屋前でウイスキーのお湯割を飲みながらのんびりとする。単独者が多くおり、楽しく談笑した。
ここで読売新道、及び奥黒部ヒュッテから平ノ渡しまでの登山道状況について情報収集する。一人読売新道を上がってきたとの人がおり、話を聞くと「問題無い」とのことであった。
目の前に見える野口五郎もすてきであり、高瀬ダムに下りるルートも良かったが、明日は予定通り、読売新道を下ることにした。
夜食の時間となり、小屋に戻り、夜食を食べて布団に戻る。ここからが地獄であった。昔、白馬山荘で小屋泊まりをした際、布団2枚で3人であり、二度と小屋泊まりはしたくないと思い、テント泊に移行したのだが、それ以上であった。周りの人に押しつぶされそうになりながら、強烈なイビキに耐えながら、ようやく夜中3時くらいから寝ることができた。途中で出発しようかと思う位であった。
朝になる。さっさと布団を出て外に出る。東の空はうっすらと赤みを帯びており、日の出は近い。星もでており、すばらしい天気である。朝日も見て朝食と取る。パッキングを済ませ出発する。
水晶小屋から読売新道に向かうのは、私と室堂から来たと言っていた写真好きの単独男性、同じく写真好きで太めの単独男性、テント泊の単独男性、中年夫婦の2名、大阪から来た友人2人組の中年女性2名の7名程度と思われた。
水晶小屋からの稜線はすばらしく、前には水晶が聳え、左手には雲の平ら越しに薬師の稜線、右手は野口五郎の稜線が見える。振り返ると槍が見える。北鎌と奥穂の稜線がカーテンの様に見え、かっこいい。
水晶岳は昔、水晶が採れたことに由来するらしい。登山道をよく見るとキラキラとするものが落ちており、たぶん水晶だと思った。1円玉程度のキラキラとした水晶が混じっている小さな石を見つけたので、後ろを歩いている中年女性にあげたところ喜んでいた。本当は持ち帰りは禁止なのであるが、1円玉程度の小さな石なのでOKと勝手に解釈した。
水晶岳に到着する。山頂は狭く、写真だけ撮り下る。下る際に水晶を上げた女性に小声で「さっきは有り難う」と挨拶された。ちょっと気持ちが良かった。
多少のアップダウンを繰り返すと奥に赤い山が見える。赤牛である。ようやくここまで来た。2.5日掛かっている。黒部から来れば1日で来られるが、とんでもないコースタイムで歩くか、途中でビバークの必要がある。
赤牛までの道は基本、稜線歩きであるが、巨石などで稜線から外れる場合が多く、思ったより歩きにくい。踏み後も不明瞭なところが多く、2回ほど道をロストした。
【続く】
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