中ア/天竜川大田切本谷〜空木岳
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- GPS
- 21:13
- 距離
- 32.2km
- 登り
- 8,063m
- 下り
- 7,894m
コースタイム
- 山行
- 9:17
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 9:47
- 山行
- 10:16
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 11:27
天候 | 8/12 晴れ, 8/13 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
菅の台バスセンター駐車場を利用。(600円/回、1日でも2日でも同額) ◆バス 菅の台から檜尾橋までバス利用。(410円)時刻表は以下のリンク先にあり。 https://www.chuo-alps.com/fare/ 菅の台始発バスは5:15となっているが、5時過ぎから随時臨時バスが運行されていた。3番バスに乗車し5:21菅の台発、5:35檜尾橋着。乗車前に途中下車する旨、係員に伝えておく。 ◆タクシー 池山尾根登山口でタクシーを依頼し菅の台バスセンターまで帰着。(メーター金額2,700円+迎車料金180円=2,880円)タクシーが登山口に来るまで30分掛かるのでタカウチ場位で依頼するとちょうど良いようだ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山ポスト 菅の台バスセンターに登山ポストがある。檜尾橋には無い。 ◆道の状況 ・大田切沢 水量が非常に多く威圧感があった。水量のせいもあろうがガイドブックの記述よりも数段難度が高く感じられた。ロープは30mでは不足気味、40mを持参して良かった。 ・木曽殿越〜空木岳 木曽殿越周辺の稜線は非常に風が強く(10m/s以上)汗冷えもあり消耗させられた。また岩稜帯なので雨天等コンディションが悪い時には注意を要する。適所に赤ペンキでルートはマーキングされている。マーキングが見当たらなくなったらルートミスを疑うべき。 ・空木岳〜池山尾根登山口 小地獄、大地獄の難所があるが、鎖、橋が設置されているので注意して通行する。池山尾根は非常に長い上に水場が無いので、水分補給には配慮を要する。 駒峰ヒュッテで500mLのPETボトルを200円で入手できる。 |
その他周辺情報 | ◆登山後の温泉、食事 菅の台バスセンタに隣接する「こまくさの湯」に立ち寄った。駒峰ヒュッテで入手した食事と入浴セット1020円コースでミニソースカツ丼等が食べられる。 食事処のラストオーダーは19:30、閉店は20:00と入浴よりも早いので要注意。 時間のせいもあるがかなり空いていてゆったりと(時間は余り無かったけど)疲れを癒すことができました。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
長袖インナー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
着替え
登山靴
ザック
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
トポ
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ナイフ
カメラ
ハーネス
ヘルメット
8環
ATC
カラビナ×4
スリング×4
渓流シューズ
シュラフ
シュラフカバー
個人用マット
|
---|---|
共同装備 |
テント/テントマット
コッヘル
ガスコンロ×2
ザイル40m
ハーケン×数枚
ハンマー×2
|
備考 | 持って行って良かったもの: エアサロンパス 持って行けば良かったもの: トランシーバー |
感想
折角の夏休みと言うことで久し振りに宿泊沢山行に行って来た。中央アルプス天竜川大田切本谷、流石にアルプスの沢らしく大きな渓谷でダイナミズムに溢れていた。水量も多く予想以上に困難さもあったが、冒険を感じさせる素晴らしい渓だった。
【1日目】
菅の台バスセンターには4:05に到着したが、既にバスの待ち行列が出来ており60-70人が並んでいた。我々もいそいそと準備をして列に並ぶ。夜明けは5時前位だが、4:30には稜線がはっきりと見えるほど明るくなって来る。始発バスは時刻表では5:15だが、適宜臨時便が増発される模様で、1番バスは5:07に出発していった。我々は檜尾橋で下車するがそうした途中下車の乗客を係の方が声を掛けてピックアップしてバスの前席に座れるようにアレンジしてくれる。我々は3番バスに乗車でき、5:21に出発し、檜尾橋には5:35に到着した。
ここでは未だ沢装備は身に付けない。檜尾橋を渡り右カーブする頂点からそれとなく保守道が延びているのでそれを辿って行く。保守道は要所要所に橋、トンネル、固定ロープ等で安全が確保されている。沢を2つ渡り、8つ目のトンネルを越えると吊橋に出逢う。しばらく行くと左岸に取水口設備が見え、右岸側には悪沢が合流してくる。
取水口設備の上流で沢に降り立つともうゴルジュ帯の入口だ。ここで沢装備を身に付ける。先ずは水量の多さに驚かされる。ちょっと徒渉をためらう位だ。大した落差が無いのにゴーゴーとした音を立てて水が流れて行くのには圧倒される。本当にここ行けるの?と言う感じだ。先ずは徒渉して右岸に渡り最初の滝に相対するが、水量が多くてとても流芯には取付けない。左側の巨岩との隙間はどうかと見て行ったがホールドスタンスも無く、取りつく島も無い。流木が引っ掛かっているのであれにロープを投げて引っ掛けてごぼうで行こうか、と言ってはみたが即座に却下。巨岩の裏側に回ると鋼製のフィックスロープもあり容易にクリアすることが出来た。いきなりここで撤退かとふと頭をよぎったけど後でAki-CLさんも同じことを呟いていた。
次の3m魚止め滝もナメ滝とは言え深い釜とこの水量では直登不可能で、残置ロープも見える大岩の間を登攀する。しかしハングしておりザックを背負っては無理があり、先ずは13Kさんが空身で残置ロープでごぼうで登り、下からロープを投げてAki-CLさんが続き、3個のザックを引き上げてから最後にtadomasaが登ると言う案配だ。卦蘊紊噺世Ε譟璽謄ングがガイドブックにあったがその通り難しい。残置ロープをアブミにして漸く登ることができた。登った後は右岸の卦蕕隆笋鯏个蝓更にトラバースして再び沢に降りるがこれもそう楽ではなかった。この時点でもう8:30近かった。この辺りが初日の核心部と言った所だろうか。
この後は乗越せる滝は難度は高く無いもののルートファインディングと腰まで浸かる徒渉の繰り返しが続く。確かにここまでくれば滝見ハイキングと言えなくもないか。糸ダル沢、雨ダル沢、梯子ダル沢、大地獄沢等が豪快な滝を掛けている。梯子ダル沢辺りからだんだんと明るくなってきて、稜線も望めるようになってきた。熊沢岳だろうか、四角いゴツゴツとした峰が遠望できる。更に進むと空木岳本峰のスカイラインも左手に仰ぎ見れるようになった。幕営地として好適とされていた西熊沢出合はそれと気付かずに過ぎてしまい、空木沢の目印となる巨岩に当る。その界隈で良さそうな幕営地を探して空木沢の更に上流までも行ったが余り見当たらず、巨岩の下、水流から2m程高い土手に倒木と石をどかして今宵の宿を設営した。
【2日目】
夜半からポツポツとした雨音が聞こえていたが、降ったり止んだり、幸いにそれ程酷くもならない様子だ。出発は明るくなってからと決めていたので4時20分起床、出発は6時ちょっと前となった。Aki-CLさんがテントを担ぐが雨に濡れて重さが随分と増えている。水量はそれ程増えてはいない。
昨日空木側の上部に雪渓らしきものが見えたが本谷も少し登ると雪渓に行き当たった。空木沢を越えると水量は大きく減るが、雪渓で更に減る。Aki-CLさんは軽アイゼンを準備良く持参していたが結局歩いているうちにゴムバンドが外れることが多く使い難いものだったようだ。13Kさんとtadomasaはノーアイゼンで進んだが問題は無かった。雪渓の途中で右から沢が合流するが沖熊沢かと思われる。その前方に二俣があり状況的にはガイドブックに記述されている「右はCS状の4m滝。左は草付きながらも素直なルンゼ」に見えなくも無いのでここで左に進路を取った。が後でトポと照合するとこれは殿越沢だった様だ。本来は更に右から2本の沢を合わせてからの二俣で左に進むべきだった。
そうは言っても最初のうちはむしろ歩きやすい草付きルンゼであったし、ザックカバーだか雨具だかの端切れも落ちていて、先に歩いているパーティが居ることも確かだ。が更に二俣状になる所で右側の支尾根に取り付いてダケカンバの林の藪漕ぎになるとこれが辛い。掴まる枝や幹はそこここにあるが傾斜が急で場所によっては枝に頼ってぶら下がるしか無いような所もある。全身を使って一歩一歩登って行く。やがてシャクナゲが混じりだし、ハイマツが現れると向こうに稜線が見えてきた。ハイマツ帯に沿うように薮をかき分けて進み何とか稜線に届いた。相当に長い時間薮と格闘していた気がしたが時間にすると1時間程度のようだ。だけどその時間で進んだ水平距離はGPSログで見ると200m程度、200m/hとはまるでカメ並みだ。
全身汗でぐっしょりになったがそれまで風下の渓にいたため無風だったが稜線に出たらいきなり強烈な西風に煽られる。コースタイムでは木曽殿越から空木岳まで1h30mだから何てことは無いのだが、冷風に体温を奪われて行くのを感じこれがもっと気温が低く強風であれば気象遭難になりうるのかと思うところもあった。ともあれ第1岩峰の影に入った所で風を避けて補給することができて復活出来た。そこからは風速も弱まって行き、空木岳山頂に出た。百名山なのにここまで誰にも逢わない。まあこんな天候だからかもしれない。山頂でも周囲はガスで真っ白で展望が得られる訳でも無いので早々に駒峰ヒュッテを目指して下山する。
駒峰ヒュッテは地元の駒峰山岳会が運営している小屋だそうだ。取り敢えず暖かい所で着替えをさせて貰おうと入ったが小屋番さんは不在とのこと。木調の内装は小綺麗で居心地の良さそうな小屋だった。沢装備を解いていると来訪者があり、小屋番さんであった。更に単独行の登山者が立ち寄って行った。この辺りでは熊の出没が多いとのこと。鉈とヘルメットを装備していた。我々は先に下山の道に着いたものの疲労の色も濃くペースは漸くコースタイムをキープできるかと言う程度。むしろ遅い。足取りの軽い日帰り山行の登山者がズンズン先に下って行ってしまう。と思ったら駒石の上に立っている。駒石の上に立てるとなれば踏んで行きたいもの、と重いザックは降ろして空身になって登ってみた。晴れていればさぞや絶景かなと思わせる所だ。
この辺りはまだ森林限界より上で展望もガスがありながらも楽しめるが、樹林帯に入ってから一層下りの距離が長く感じる。空木平避難小屋分岐、迷い尾根、小地獄、大地獄とランドマークを数えながらマセナギまで降りて来ると後はもう池山小屋と気が楽になる。3人共もう足腰グラグラだ。池山小屋までコースタイムを上回る程の時間で降りて来られたがこれでもう安心したのか登山口までは貯金を掃出したような状態で到着。当初計画では菅の台まで歩く筈であったが、既定路線であったかのようにタクシーを呼んで菅の台まで戻った。
「こまくさの湯」でガチガチになった身体をほぐし、食事でエネルギー補給をして何とか気はしっかりとすることが出来たが、1日経っても未だ身体中ギシギシしている。テント山行と言うこともあり、荷の重さも加わって3人共疲労困憊した。先の岳沢ではビール6缶担いで行った僕だが、あそこは上高地から3時間。今回は軽量化に留意して酒もウィスキー180mLのみとし、パックも50Lに圧縮したけど、2泊3日となるとどうなることやら。
2003年ナルミズ沢以来12年ぶりの宿泊沢登り。
稜線に至る最後の藪漕ぎ、空木岳までの登りでの強い風、空木岳からの長い下り。
荷が重いこともあり疲労困憊した。
簡素な食事1泊2日(3人)でガスの使用量48g
ガスカートリッジ新品NET230gなので夏なら1個で4泊可能か?
メニュー 8/12夕食 レトルトカレー レトルトご飯 味噌汁 (水1.2L沸騰)
8/13朝 マルタイ棒ラーメン(水1.8L沸騰)
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