小渋川ルートから、赤石岳・悪沢岳へ。


- GPS
- 25:14
- 距離
- 37.9km
- 登り
- 4,529m
- 下り
- 4,532m
コースタイム
- 山行
- 10:31
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 11:24
- 山行
- 9:21
- 休憩
- 2:21
- 合計
- 11:42
天候 | 15日、晴れ時々曇り 16日、晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
朝3時の時点で4台駐車していました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◎小渋川から広河原まで 広河原までは登山道の無い河原を遡行する上級者向けのルート。 渡渉回数は14回前後、榛沢の手前から高山ノ滝までが10回、その後はゴーロ歩きが多くなり、4回程度でした。 多雨期、降水後の入谷は水量が増し非常に危険です。 実際に死亡事故も起きています。 危険を感じたらすぐに引き返す事。また、安全確保のザイルに加え、バランス保持と川の深度計測のためのストックの携行が望ましいです。 ストックのバスケットは水の抵抗を受けるので外した方が良い。 渡渉個所の水深は膝下から太腿程度です。 お盆休みのこの時期が、一番水量が少ないと思われます。 福川との合流部分の中間の樹林帯から広河原小屋へ向かいますが、福川は水量は多いが川幅が狭く、右岸側を歩いていると広河原小屋への看板を見逃してしまいそうです。 林道を七釜橋まで30分くらい歩く。橋を渡り左岸工事用道路をしばらく通り榛沢手前から遡行開始。リボン、ケルンなどあるが、水深が浅く流れが緩やかな場所を探して渡る。キタ山沢出合までは両側が切り立った廊下状になっているので増水時は全く逃げ場がない。キタ沢出合で沢が広くなります。 ◎広河原から大聖寺平 小屋左から緩やかな日本庭園の様なコケが生い茂った林の中を500m歩き、「6.0M」のプレートがある右の急斜面の尾根に取付きます。倒木や不安定なところを超えますが、すぐに明瞭な尾根筋になります。大聖寺平までの距離表示プレートが0.5km毎にあるのでペース配分の参考になります。 全体的に急斜面の登り一辺倒で、視界もなく、ただひたすら登る尾根です。 大聖寺平まで残り「1.5K」の「船窪」を過ぎるとダケカンバが生い茂りルートが不明瞭な個所もあります。森林限界近くになるとガレ場の崩落した急斜面に注意し、そこから先は、肩くらいの高さがあるハイマツが登山道に覆いかぶさり歩きにくい。 また下山時は、大聖寺平から小渋川ルートへの案内はなく、ガスなど視界不良時はルートや踏み跡を見つける事が難しくなりそうです。 ※広河原から大聖寺平までの距離は6.5キロと表示されていますが、GPSログだと4.2キロです。仮に4.2キロだとすると標高差1280mなので 平均勾配30%越えの急斜面です。 ◎赤石岳から悪沢岳までの稜線に関しては、多くの方の記録がありますので割愛します。 |
写真
広河原から大聖寺平まで標高差1280m、距離は6.5キロと表示されてますが、実際は4.2キロくらいでした。
ウェーダーは帰りはただの荷物になってしまいました。
行きよりザックが重いし・・(g)
感想
小渋川から赤石岳へのルート
このコースはW・ウェストン(1861-1940)が赤石岳登頂(1892年)に利用したことで知られ、赤石岳への最短の登路です。以前は赤石岳に登るメインルートでしたが、小渋川の遡行は20回近い渡渉が必要で、膝上から腰まで水に浸かりながら歩かなくてはならず、特に、榛沢からキタ山沢間は狭い廊下状になっており増水時は逃げ場がなく、渡渉も深い。その先、広河原から大聖寺平への尾根歩きは展望のない急登が標高差1300m弱も続く。そして何といっても登山口までのアクセスの悪さもあり、近年では椹島からの縦走コースに、その地位を奪われています。
しかしながらこのコースは渓谷美が素晴らしく、広河原周辺から見上げる荒川前岳の姿は雄大で、他のルートでは味わえない景色である。
一般的にはお勧めできないルートですが、 沢経験があり健脚の人なら1泊2日で赤石岳や荒川岳を往復できる貴重な一般ルート。百名山登山の中でも静かな山旅を好まれる方にはお勧めです。
と、この様な記録をWEBで見つけて、小渋川ルートへの憧れを持ちました。時期としては、水量が少なく濡れても寒くない、夏休みの時期しかないと決めていました。
そして決行の前日。goechanが沢靴ではなく、ウエダーで行くと言い出した。きっと水に濡れるのが嫌なのだろう(困)。ウエダーの難点は水の抵抗が大きく流されやすい、動きが悪くゴーロでは歩きにくいなど。
そして不安は的中した。ウエダーが快適だったのは最初だけ、あっと言う間に中が蒸れて、汗で全身濡れてしまったようだ(笑)。さらに膝上くらいの水量だと、立っているのも辛い程の水圧をうけていた。念のため持ってきた簡易ロープで確保しながらの遡行となった。渡渉は一人ずつなので時間もかかり、体も冷え切って体力を消耗。結局下山時はウエダーはやめて、登山靴のまま渡渉しました。でも沢靴じゃないと岩の上ではツルッツルだったらしく、下山時も苦労しました。持ってきたウエダーは重くてガサばるだけのお荷物となった(笑)
広河原小屋で濡れた服などをデポし、軽くなった装備で楽できると思っていたが、甘かった。広河原から大聖寺平までの尾根は標高差1280mもある急斜面で、しかも展望が期待できない。ただひたすら黙々と登るだけ。丹沢の大倉尾根は、単調な登り一辺倒なところから「バカ尾根」と呼ばれているが、大倉尾根には山小屋があったり景色が広がったり、それなりに楽しめる。でもこの尾根は目標となるものがなく、登りながら味わえるご褒美がない。ようやく森林限界が近づき展望が開けた!と思ったら、背丈ほどあるハイマツが行く手を阻む!(チクチクと痛い)。高山病の症状と加え、大聖寺平の稜線に着いた時はもうヘロヘロ。赤石岳登頂はやめて、テント張って休みたいとさえ思いました。
そして下山時の長い降り、その後、再び14回を超える渡渉。駐車場に戻ってきたときには、今までに無い疲労感たっぷりだったが、やり切った達成感も今までにないものだった。
正直に言うと、小渋川ルートにはもう二度と来たくないと思った。
でも後日、考えるのは辛かった小渋川の事ばかり、しかもなぜか今となっては楽しく感じる(笑)。そしてまた行きたくなった!この感覚は丹沢の蛭ヶ岳南稜を初めて歩いた時と一緒だった。
苦しんだ分だけ得られるものが大きかった。
今回、赤石岳〜悪沢岳の稜線歩きは、天気にも恵まれ、お花畑もちょうど見ごろを迎えていて、本当に素晴らしかった。
南アルプスは一つ一つの山のスケールが大きくて山容もワイルドでかっこいい。アクセスが悪い事もあるからか、日帰りの人はほとんどいなく、3、4泊している人が多い印象です。今回は一泊しかできなかったけど、4、5日かけて縦走してみたい山域でした。
それと悪沢岳について
冊子によっては荒川三山の東岳と紹介されているが、その存在はあまりにも大きく中岳から眺める存在感は抜群。コルからの200mの登り返しは本当にきつかった。「お主も悪よのう」と何度もつぶやきながら登ったものだ。
東にあるから東岳の様な山名にはして欲しくない。是非とも悪沢岳であってほしいと願います。
南アルプス南部は我家からは遠いイメージ。行きたいなぁと思っていてもなかなか実行されずでしたが、「いつか行ってみたい」と思っていた小渋川ルートからの赤石岳+悪沢岳。天気も安定しているので決行しました。
「ウェーダー着用の方が濡れないし、沢ぐつも不要。着替えもしなくていいじゃん!私はウェーダーにするから」(isはホントにいいの?と思ってたようです)
確かに朝一番の冷たい水には濡れずに済みましたが、渡渉後の長いゴーロ歩きは辛かったです。そしてこの時期はとっても蒸れて、汗だく。結局全身濡れてしまいました。
大聖寺平までは展望なしの急坂の連続。テン泊の重荷に何度も「やっぱり小屋泊にすれば良かったかも」と久々につらい登りでした。
でも稜線に着きいい山容を見ているとつらさも忘れちゃう!山の力って凄いです(笑)
赤石岳にも無事登頂。空身って楽〜。途中お花もたくさん見れて大満足でテン場へ。
翌日は朝から悪沢岳へ。日の出には間に合わずでしたが、山頂では私達以外1人だけ。富士山がとっても綺麗で贅沢な時間でした〜
帰りの渡渉は濡れてもいいのでそのままの姿で。今回私は軽量化のためトレッキングシューズを着用しました。苔の付いた石は氷の上状態。ツルッツルに滑ります。
足の置く場所をしっかり探しながらの渡渉でかなり怖かったです。
やはり沢ぐつが必要だと感じました。
行程が長くて大変でしたが憧れのルートを歩けて大満足。
南部の魅力を充分味わいました(*^^*)
コメント
この記録に関連する登山ルート
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isさん、goeさん、こんばんは。
丹沢以外でも一般道は歩けない、やはり性なんでしょうか。
私は一般的な距離では満足出来ない性です。
ロープを出してる写真、いいなと思いました。お互いの信頼感が詰まってますよね。
66,67の写真、最高ですね。
荒川カレー、強烈に食べたくなりました。
餃子はちょっと遠慮しとこうかな・・・・
41枚目の写真の方の脹脛にうっとりです。凄い。
millionさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
南アルプス南部は山が深いですね〜。一泊二日ではなかなかコースが組めず私達らしいコース設定になりました。ツライツライと歩いてましたが、終わってみると楽しかった〜
また行きたい!!と思ってます
餃子!遠慮しないで下さいよ〜。味は良かったですよ〜
(まぁ、私が味付けしていないので当たり前なんですけど
millionさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
一般道は歩けない・・・そうなのかも知れません
ピストンが嫌で、高山(2292)や小日陰山(2505)経由で周回できないかと、地形図とにらめっこしてました。濡れた沢道具デポしてなかったら実行してたかもです(←危険なのでやめましょう
66,67.富士山ってどこから見ても富士山でイイですよね。
41枚目の方、こちらに向かってくる歩きが「只者ではない!」と思い声をかけましたが、本当に只者では無かったです。自分もこの方やmillionさんの様な脚力があればもっともっと遠くへ縦走したいなって思ってます。
荒川カレーも美味しいですが、millionさんがいつも下山後に食べてるお魚も美味しそうです
このルート前から気になっていたのですが、詳細なレコありがとうございます。
参考に致します。
HIDEJIICHANさん、はじめまして。
人も少なく静かに山を楽しめるコースだと思います。
私もまた行きたいなぁと思ってます。
コメントありがとうございました
HIDEJIICHANさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
拙いレコですが参考にしていただけたら嬉しいです。
後日、小渋川の状況がわかる写真を追加しておきます、
水量が少な目で暖かい今の時期がベストかと思います!
是非とも行ってみてください。
おはようございます。
クラシックルートで歩く赤石岳〜悪沢岳
is隊らしい南あるぷすの山旅ですね。
シーズン最初のテン泊装備で
沢、激急登といきなりハードな山歩き凄いです
そんなハードな山行なのに山飯も
ドライフーズじゃなくて餃子、肉とびっくりです
餃子、山のフライパンだと淵が高くてひっくり返すの大変ですよね。
私もけっこう崩しちゃってました
最近は鍋ごと蓋がわりのアルミ箔にひっくり返してから
クッキングシートをべりべり剝してます。
でも崩れても餃子は餃子!ビールには最高です
お疲れさまでした
赤石岳〜悪沢岳の稜線歩き素敵
歩きたくなりました(椹島からです
823さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
久々の重荷にホントにフラフラでしたが、初の南アルプス南部、素敵な山容に魅了されました(^^)v
会う人会う人みんなザックがでかっ
出かける前からビールのお供、「餃子餃子!!」と楽しみで
味は◎だったのでビールすすみましたよ〜(すっかり
小屋泊も楽しいのですが、今回「やっぱりテントっていいなぁ!」と実感しました
ロースターも購入済み!!次回はSABAくんも試してみたいと思ってます
823さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
我隊らしくクラシックなルートで登ってみました
でもちょっと実力&体力不足でした〜
展望のない尾根歩きは辛いので、次は福川から百間洞へぬける廃道となったグレー破線ルートを歩いてみたいと思っています。(相変わらずマニア好きの変態です
823さんの山飯をマネしてみましたが、ツマミの種類も少なく、見た目も残念な結果になってしまいました
椹島からの周回は人気がありますから是非とも行ってみてください
goeさん、isさん、お久しぶりです。
昨年逆回りでこのコースを歩いた時に大聖寺平に標識がありましたがこんな激しいコースなのですね。
沢靴、ロープと恐れ入りました。
荒川小屋のカレー美味しそうでした。
我々もテントでしたので南部の激しい高低差には参りました。
今年はまだ思ったような山行が出来ていませんが夏山の終盤に向けて良い山行が出来たらと思っています。
またどこかでバッタリしたいですね。
hakkutuさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
hakkutuさんが歩いたコースはゴールデンコースですね。しかも4日間だなんて、相変わらず贅沢で羨ましいです。
南南アは標高差があってテント縦走はキツイですよね。
荒川カレー、小屋番さん曰く、朝早い時間から用意できるそうなので、立ち寄った際は是非とも!しかも味噌汁付きです
丹沢で2回会っているので、またお会いできると思ってます。hakkutuさんはいつも仲間とワイワイ楽しそうにしてるので、すぐに見つけられると思うので今度は声かけます
Hakkutuさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
南部は皆さん長い工程で縦走するのですね〜
なかなか思うように休みが取れずいつもバタバタです
冬期は遠出が厳しいので、もう少しあちらこちら出かけてみたいと思ってます。
二度あることは三度ある❗またお会いできたら嬉しいです
こんにちは、is隊さん!
小渋川懐かしく拝見しました。私は沢靴+ランパンで徒渉しましたが、ウエダーだと中が蒸れるし、流れが速いので大変だったと思います。私もウエダーを考えましたが、暑いので水浴びを選択しました
レスにあった「次は福川から百間洞へぬける廃道」...私も気になっています
日帰りでは難しいルートなので、先になると思いますが、レコ楽しみにしています
お疲れ様でした
Hottenさん、コメントありがとうございます。
レコを参考にさせて頂きました(^^;
道中、日帰りなんて考えられない❗とず〜と話してましたが
やはり夏はウェ―ダ―はいらないと思います。
今回、行きは辛さばかりでしたが、来年は福川をつめたいとも思ってます。
南部の魅力なんでしょうか(^-^)v
hottenさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
hottenさんのレコ、とても詳しく書いていましたので、とても参考になりました。いつもありがとうございます。
でもコースタイムは全く参考になりませんでした
小渋川の渡渉も朝は冷たく感じましたが、帰りは気持ちよかったです。
福川から百間洞へぬける廃道・・・やはりhottenさんも気になっていましたか?
我が隊の技術じゃ、雪渓が無くなってからじゃないと行けませんし、いつになるかわからないので、hottenさんのレコ楽しみにしています!
is隊、行きましたね〜小渋ルート
初冬でもウェーダーはムレムレでしたからね〜。お盆過ぎとはいえまだまだ暑いですから、さぞかし
それにしても、お二人とも健脚ですね〜
mikipomさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
行ってきましたよ〜憧れのルート
ウェーダーが快適だったのは朝イチだけでした。(上もびっしょり
何度も小屋泊にするべきだった〜と嘆いてましたが、終わってみればこの疲れも心地よい感じ
南部、とってもいいですね〜
まだまだ行きたいコースがあるので楽しみたいです(*^^*)
mikipomさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
去年mikipom隊のレコ見て、行きたい!と思いました!どうしても今年中に行きたくて行きたくて仕方なかったんです。水量の少ない時期でも大変な渡渉でした。mikipom隊はよくぞ初冬の厳しい時期に行きましたね。
goeのウエダーは完全にmikipom隊の影響です。暑い時期なのに、蒸れる事は全く考えていなかったんですかね
餃子のコゲコゲも美味しく感じました、よっぽど疲れていたんでしょう。
いつもドライフーズなので生肉焼くのは珍しいのですが、美味しかったです。
これからは山飯にも力を入れていきたいです!
追加のお酒
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