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Yamareco

記録ID: 7059422
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

槍ヶ岳 / 烈風!疾風!槍ヶ岳!!

2024年07月21日(日) ~ 2024年07月22日(月)
情報量の目安: S
都道府県 長野県 岐阜県
 - 拍手
clary hiruneri その他2人
体力度
7
1~2泊以上が適当
GPS
23:13
距離
36.6km
登り
2,461m
下り
1,962m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
9:38
休憩
2:24
合計
12:02
距離 14.0km 登り 2,179m 下り 130m
5:33
3
深山荘前
5:45
5:49
1
6:14
36
6:50
6:54
40
7:34
101
9:15
5
9:20
9:27
64
10:31
11:12
117
13:09
13:16
38
13:54
13:58
80
15:18
16:19
34
16:53
17:05
30
2日目
山行
9:26
休憩
1:35
合計
11:01
距離 22.6km 登り 282m 下り 1,832m
6:33
55
7:28
7:36
8
7:44
7:47
50
9:25
9:53
44
10:37
10:38
43
11:21
11:24
28
11:52
29
12:21
13:04
31
13:35
13:36
8
13:44
10
13:54
13:55
36
14:31
14:36
45
15:21
15:22
14
15:36
2
15:38
15:39
40
16:19
5
16:24
5
16:29
46
17:28
6
天候 ガス・強風 / 快晴
過去天気図(気象庁) 2024年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
深山荘前に駐車
コース状況/
危険箇所等
全体的によく整備された道。新穂高から白出沢までは林道歩き。
予約できる山小屋
槍平小屋
5時半に新穂高をスタート。
2024年07月21日 05:45撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 5:45
5時半に新穂高をスタート。
滝谷の架橋を渡る。
2024年07月21日 09:21撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 9:21
滝谷の架橋を渡る。
滝谷大滝のはるか上に北穂の滝谷ドームが厳めしい。
2024年07月21日 09:22撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 9:22
滝谷大滝のはるか上に北穂の滝谷ドームが厳めしい。
木道が出てきたら槍平小屋はもうすぐ。
2024年07月21日 10:26撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 10:26
木道が出てきたら槍平小屋はもうすぐ。
10時半、槍平小屋に到着。
2024年07月21日 10:32撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 10:32
10時半、槍平小屋に到着。
柿の葉寿司美味ぇwww
2024年07月21日 10:51撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 10:51
柿の葉寿司美味ぇwww
おっ?あれは焼岳ではありませんか?
2024年07月21日 12:37撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 12:37
おっ?あれは焼岳ではありませんか?
ようやく西鎌が見えてきた。
2024年07月21日 12:46撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 12:46
ようやく西鎌が見えてきた。
最後傾斜エグそうやけど西鎌へ登る。
2024年07月21日 13:18撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 13:18
最後傾斜エグそうやけど西鎌へ登る。
鏡平山荘が見える。
2024年07月21日 13:22撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 13:22
鏡平山荘が見える。
うひー、千丈乗越への急登きっつ!
2024年07月21日 13:42撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 13:42
うひー、千丈乗越への急登きっつ!
西鎌の千丈乗越に到着。飛騨沢から強烈な風が容赦なく吹き上がってくる。
2024年07月21日 13:56撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 13:56
西鎌の千丈乗越に到着。飛騨沢から強烈な風が容赦なく吹き上がってくる。
硫黄岳や鷲羽・水晶などがよく見える。
2024年07月21日 13:56撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/21 13:56
硫黄岳や鷲羽・水晶などがよく見える。
おお、剱岳も見えるぞ!
2024年07月21日 14:00撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/21 14:00
おお、剱岳も見えるぞ!
さあ槍へ向かいます。
2013年01月01日 00:00撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1/1 0:00
さあ槍へ向かいます。
西鎌尾根。ハシゴ地獄の東鎌とは違うがここもまた厳しいルートだ。
2024年07月21日 14:04撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/21 14:04
西鎌尾根。ハシゴ地獄の東鎌とは違うがここもまた厳しいルートだ。
大槍と小槍を見上げながら容赦ない急登を這い上がっていく。
2024年07月21日 14:09撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 14:09
大槍と小槍を見上げながら容赦ない急登を這い上がっていく。
さあ、いよいよ槍ヶ岳山頂へアタック!!
2024年07月21日 16:23撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 16:23
さあ、いよいよ槍ヶ岳山頂へアタック!!
クサリにハシゴの連続する急峻な岩場をよじ登っていく一行。
2024年07月21日 16:44撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 16:44
クサリにハシゴの連続する急峻な岩場をよじ登っていく一行。
うひー、高いなあ!
2024年07月21日 16:47撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 16:47
うひー、高いなあ!
ラストの2連ハシゴ。これを登りきれば山頂。
2024年07月21日 16:51撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 16:51
ラストの2連ハシゴ。これを登りきれば山頂。
槍ヶ岳(3,180m)登頂!!
2024年07月21日 17:00撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 17:00
槍ヶ岳(3,180m)登頂!!
何度登っても素晴らしい山です。
2024年07月21日 17:01撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 17:01
何度登っても素晴らしい山です。
小槍を見下ろす。
2024年07月21日 16:54撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/21 16:54
小槍を見下ろす。
ブロッケン現象に遭遇。
2024年07月21日 16:55撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
2
7/21 16:55
ブロッケン現象に遭遇。
名残惜しいが夕食の時間に間に合わないので降りる。
2024年07月21日 17:05撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/21 17:05
名残惜しいが夕食の時間に間に合わないので降りる。
本日泊まる槍ヶ岳山荘。
2024年07月21日 17:21撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/21 17:21
本日泊まる槍ヶ岳山荘。
生ビールが美味い!
2024年07月21日 18:00撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/21 18:00
生ビールが美味い!
自分へのお土産、槍Tシャツ衝動買い。
2024年07月22日 05:50撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 5:50
自分へのお土産、槍Tシャツ衝動買い。
新しい朝が来た。希望の朝だ。
2024年07月22日 06:25撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 6:25
新しい朝が来た。希望の朝だ。
周囲が何も見えない真っ白のガスと吹きすさぶ強風の中を下山開始。
2024年07月22日 06:26撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 6:26
周囲が何も見えない真っ白のガスと吹きすさぶ強風の中を下山開始。
風の勢いは凄まじく、時々耐風姿勢を取らないと飛ばされそうになるレベル。
2024年07月22日 06:35撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 6:35
風の勢いは凄まじく、時々耐風姿勢を取らないと飛ばされそうになるレベル。
短いが雪渓を渡る箇所あり。
2024年07月22日 07:13撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 7:13
短いが雪渓を渡る箇所あり。
少し風やガスも収まってきた。
2024年07月22日 07:20撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 7:20
少し風やガスも収まってきた。
播隆のポーズ!(?)
2024年07月22日 07:38撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 7:38
播隆のポーズ!(?)
おお、山頂晴れた!
2024年07月22日 07:47撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/22 7:47
おお、山頂晴れた!
ちょっと時間押してるけどこれは天狗原行っとかなアカンでしょ!
2024年07月22日 08:39撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 8:39
ちょっと時間押してるけどこれは天狗原行っとかなアカンでしょ!
これはチングルマかな?
2024年07月22日 08:53撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/22 8:53
これはチングルマかな?
天狗池に到着。
2024年07月22日 09:22撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 9:22
天狗池に到着。
水面に映る逆さ槍。まるで絵葉書のような光景。
2024年07月22日 09:38撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
2
7/22 9:38
水面に映る逆さ槍。まるで絵葉書のような光景。
なかなか穂先が出てかつ波がおさまるタイミングがない。
2024年07月22日 09:40撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 9:40
なかなか穂先が出てかつ波がおさまるタイミングがない。
ドッシリと存在感のある大天井岳。その左の方に見えるのは燕岳かな?
2024年07月22日 09:55撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/22 9:55
ドッシリと存在感のある大天井岳。その左の方に見えるのは燕岳かな?
大曲の登山道崩落ポイント。普段は美しい水の流れが一旦牙を剥くとすさまじい破壊力だ。
2024年07月22日 11:13撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 11:13
大曲の登山道崩落ポイント。普段は美しい水の流れが一旦牙を剥くとすさまじい破壊力だ。
県警のヘリかな?怪我人に救助に来ていた。
2024年07月22日 11:52撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
1
7/22 11:52
県警のヘリかな?怪我人に救助に来ていた。
槍沢ロッジでお昼にします。
2024年07月22日 12:23撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 12:23
槍沢ロッジでお昼にします。
槍サワー!?ダジャレかいなwww
2024年07月22日 12:37撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 12:37
槍サワー!?ダジャレかいなwww
美味かった。オススメ。
2024年07月22日 12:55撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 12:55
美味かった。オススメ。
崩落した登山道の上に急遽作られた桟道。山小屋の方々の尽力には頭が下がる。
2024年07月22日 13:32撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 13:32
崩落した登山道の上に急遽作られた桟道。山小屋の方々の尽力には頭が下がる。
横尾大橋と屏風岩。
2024年07月22日 14:38撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 14:38
横尾大橋と屏風岩。
立派なキノコが生えていた。若干形が卑猥な気がせんでもないが。
2024年07月22日 15:08撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 15:08
立派なキノコが生えていた。若干形が卑猥な気がせんでもないが。
明神岳。カッコいいな。
2024年07月22日 16:26撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 16:26
明神岳。カッコいいな。
梓川左岸が通行止めなので右岸の遊歩道を行く。
2024年07月22日 16:39撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 16:39
梓川左岸が通行止めなので右岸の遊歩道を行く。
遊歩道のすぐそばにお猿さんのファミリーが。子ザル可愛いな。
2024年07月22日 17:03撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 17:03
遊歩道のすぐそばにお猿さんのファミリーが。子ザル可愛いな。
ヘトヘトで上高地へ到着。
2024年07月22日 17:31撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 17:31
ヘトヘトで上高地へ到着。
無事登頂を祝して乾杯!
2024年07月22日 18:54撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 18:54
無事登頂を祝して乾杯!
飛騨牛の朴葉焼きステーキ。すこぶる美味。
2024年07月22日 19:19撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/22 19:19
飛騨牛の朴葉焼きステーキ。すこぶる美味。
深山荘の露天風呂。蒲田川の目の前にあって源泉かけ流しの湯は川へザバーと流れてゆく。ちなみに駐車場や吊り橋からは丸見えです。
2024年07月23日 05:08撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/23 5:08
深山荘の露天風呂。蒲田川の目の前にあって源泉かけ流しの湯は川へザバーと流れてゆく。ちなみに駐車場や吊り橋からは丸見えです。
お世話になりました。
2024年07月23日 09:03撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/23 9:03
お世話になりました。
飛騨大鍾乳洞を見学して帰阪する。
2024年07月23日 10:47撮影 by  DSC-RX100M2, SONY
7/23 10:47
飛騨大鍾乳洞を見学して帰阪する。
撮影機器:

感想

「5年後に剱岳に登りたいです!」
義妹の友人、残念嬢のこの言葉からスタートした我等がにこさわ山岳会(仮称)。今年は5ヶ年計画の3年目にあたる。1年目は初心者の残念嬢に合わせて白馬に行く予定が山小屋スタッフにコロナ陽性が出て白馬山荘に泊まれず五竜岳に変更、去年は槍の予定が予約合戦に敗れて穂高に変更と、なかなか希望の山へ登らせてくれない。
今年こそは槍に行くと万全の体制で臨み、何とか槍ヶ岳山荘の予約が取れた。やれやれと胸をなで下ろしていると今度は大雨で槍沢の登山道が崩落したり滝谷の橋が流されたりして大変やきもきさせられる。
どうにか登山道も通れるようになり、ようやく槍ヶ岳行きが叶うこととなった。山小屋の方々の尽力に頭が下がる。

槍ヶ岳は標高3,180mを誇る日本第5位の高峰であり、登山者なら誰もが憧れる北アルプスのランドマークだ。6年前に東鎌から登った時以来の登山となる。今回は1泊2日の日程なので、新穂高温泉から飛騨沢を詰め、槍沢から上高地に下山するルートを採用した。
土曜の23時半に堺を出発、SAで休憩を取りながら東名・東海北陸道を爆走し、高山で前泊していた義妹・残念嬢と3時半に合流、すき家で朝メシを食って新穂高へ。登山者用駐車場は満車で、係員に鍋平へ行けと言われたが、深山荘の宿泊者ですと告げたら宿の駐車場に停めさせてもらえた。助かった。装備を整えて5時半に出発する。
新穂高から飛騨沢経由での槍は8年ほど前にも来たことがある。あの時は大キレットとパノラマコースを歩く計画だったのだが、途中から天候が急変し大キレットどころか山頂の1つも踏めずに這う這うの体で下山したのだった。今回も週間天気予報には一喜一憂させられたが、まあ最悪登山道が無事に通過できて山頂に登れれば文句は言うまい。
新穂高センターで登山届を提出し、右俣林道を進んでいく。本来なら笠ヶ岳がよく見えるはずなのだが、上空には濃いガスが立ち込めていて稜線の上はうかがい知れない。
2時間ほどで林道終点に到着。木々の中に白い帯が見え「こんな低い場所に雪渓が?」と思っているとそれは白い岩だった。白出沢とはよく名付けたものである。さらに1時間半ちょいで滝谷へ到着。沢に架かっている木製の橋を渡る。見た目よりも安定していて渡りやすい。沢の奥には轟々と流れ落ちる滝谷大滝、その上に雪渓、そしてはるか上には北穂の厳しい滝谷ドームが聳えている。超絶カッコいい。

10時半に槍平小屋に到着。お腹ペコリンなのでここでお昼にする。毎度おなじみ多賀SAで購入した柿の葉寿司。いやー山の中で食うとまた一段と美味い。
槍平から先がしんどかった。徐々に傾斜がきつくなっていくのに反比例して足は上がらなくなっていく。歩くペースを少し落としてノロノロ進む。
飛騨沢が右へと折れ曲がると前方に西鎌尾根が見えてきた。おおう、高いな。カッコええな。ちょっとテンションが上がって元気が出る。13時すぎに千丈分岐に到着、以前大キレット敗退の際はここから大喰の飛騨乗越へ向かったので今回は目の前にドーンと立ちはだかる西鎌へ登ることにする。足元の悪い高度感のある急登を45分ほど登りきり14時前に西鎌の千丈乗越へ。うっわ西鎌めっさ風キツい!飛騨沢からとんでもない強風がゴーゴー吹き上げてくる。目の前には硫黄岳や鷲羽・水晶などの眺望が素晴らしいが、あまり写真を撮るのに夢中になっていると風に背中を押されて千丈沢へ落とされそうだ。
ガレ場、ザレ場の急登を強風に煽られながら進んでいく。すると、それまで稜線上に滞留していたガスが徐々に取れはじめ、やがて目の前に槍ヶ岳がその姿を現した。おおう、槍ヶ岳かっけーぜ!やっぱ槍は格が違うよなあ。
西鎌から槍ヶ岳に向かう場合、山頂の左手前に小槍を見上げながら登って行くことになる。
一部に子ヤギと混同されながらもあの歌によって全国的に有名な岩、小槍。まあしかしアルペン踊りが如何なるダンスかはわからないが、あの上で踊るのはちょっとハードル高いなあ。ところで1尺は3cmなので、一万尺とは3,000mのこと。標高3千mの日本アルプスを歌っているわけだ。ちなみに標高1,500mの上高地には「ホテル五千尺」という施設がある。どうでもいいが。

最後に向けてどんどん急登っぷりが酷くなる西鎌尾根を登りきり、15:15槍ヶ岳山荘の建つ槍の肩へ到着。さっそく山荘にチェックインする。荷物を降ろして喫茶コーナーで温かい飲み物を注文して一息つく。すると義妹が「個室空いてない?」と言う。確認すると確かに個室に空きが複数ある。予約の時は満室だったのに何故だ。思うにツアー会社などが先に押さえてしまって、その後キャンセルしまくったりするのだろうか。部屋を変更してもらい荷物を個室へ移す。奮発して4〜6名用の広い部屋にしたがこれが大正解。大変快適な山小屋泊となった。
一息つけたのでいよいよ山頂へアタック開始。槍の穂先はさながら大人のアスレチック。何度来てもめっさ楽しい。濃いガスがあたりを覆っているが、時折風がガスを吹き飛ばしてはるか下に現れる槍沢登山道が高度感を演出してくるのもたまらない。クサリや鉄杭を掴んで上へ、上へ。楽しい楽しいと思っていたらもうラストの2段ハシゴに来てしまった。

16:55、登り始めて30分で槍ヶ岳(3,180m)登頂。
山頂付近はガスに巻かれたり晴れて眺望が開けたりと目まぐるしい。他の登山者と交代でお互いの写真を撮りあう。さらには下には濃いガス、逆側から強い日差しという好条件が重なり、くっきりとブロッケン現象が起こる。何度見ても神秘的な光景だ。まさに如来光臨といったところである。
山荘へ戻ると徐々に天候が悪化してきた。夕食の時間帯には若干降雨があったのか外のテーブルなんかは濡れているようである。これは星空は期待できそうにないなあ。
部屋に戻ってウイスキーで乾杯し、義妹が持ってきたハンディマッサージャーで足をほぐして床につく。ぐう〜すかぁ〜ピースまた明日☆


月曜の朝。山荘周辺は真っ白けのガスにゴーゴー吹きすさぶ強風。ご来光などは望むべくもなし。昨日のうちに登頂しておいてよかった。
喫茶コーナーで温かいココアなどを飲んでから山荘を出発。槍沢へ向けて下っていく。風はますます強く、身体が吹き飛ばされそうになるほどの突風がたびたびパーティーを襲う。耐風姿勢をとって飛ばされないようにしながら下りていく。雨が降ってなくて不幸中の幸いではあるが、これ稜線じゃなくて本当によかった。西鎌だったら誰か落ちてるよこれ。
しかし下っていくにつれて徐々に天候は回復し、殺生ヒュッテ分岐に着くころには風もやみ、ヒュッテ大槍分岐に差しかかるころには山頂付近のガスも晴れてきた。おや?当初はこの天気では天狗池は行ってもしゃあないと思っていたが、これなら逆さ槍が見れるんじゃないか?
最初の強風のせいで割と時間は押していて、この上天狗池に行っていてはかなりスケジュールはタイトになりそうではあるが、今このメンバーで天狗池に行かなければもう一生行かないかも知れない。強行することにする。

天狗原分岐に荷物をデポって天狗原へ向かう。槍沢の右岸に取りついて再び標高を上げていくと、東鎌尾根の向こうに大天井岳が姿を現してくる。おお、ここから大天井が見えるんか。やっぱドッシリしていて雄大やな。
40分ちょいで天狗池に到着。天狗池越しに眺める槍ヶ岳は超絶カッコいい。なかなか山頂のガスが晴れる&風が凪いで池の水面の波がない状態の両条件がそろう瞬間がなく、シャッターチャンスを待ってだいぶ長居してしまった。
再び登山道に戻って上高地に向けて下りていく。先日の大雨で登山道が水に抉られた箇所を通過する。この美しい水の流れがひとたび牙を剥くとこのような破壊力を生むのだなあ。
大曲を少し過ぎたところで沢の水にネッククーラーを浸していると、下にいた兄ちゃんに立ち止まるな、早く通過しろと言われる。どうやら兄ちゃんは山岳救助隊員で、要救助者を介抱しているようだ。察するに今からヘリが来るのだろう。果たして槍沢キャンプ場に差しかかるころにヘリが上空に現れた。後で報道で知ったところによると下山中に1mほど滑落して足を骨折したそうだ。無事登頂も果たして大曲まで下りてきて残りは上高地までほぼ平坦な道というとこで滑落・骨折か。他山の石としよう。

槍沢ロッジで昼メシ。槍サワーがナイスネーミング。しかも美味い。
その先も登山道が崩落している箇所がいくつかある。急ごしらえながら立派な桟道がつくられていたりして山小屋の方々の土木力の高さに驚くとともに尽力に感謝せざるを得ない。
横尾、徳澤とペースは上がらないながらも通過していく。明神から先は登山道がまだ通行止めらしく右岸の遊歩道を歩く。サルがめっさいてて笑う。子ザル可愛い。
17時半、ようやく河童橋に到着。うへえ、超疲れた。タクシーに乗って深山荘へ戻り宿泊。温泉で汗を流し、飛騨牛ステーキに舌鼓を打って泥のように眠る。
3日目は快晴。平湯でお土産を買い、飛騨の大鍾乳洞を見学して帰阪。
ハードな山行ではあったが西鎌や天狗池にも行くことができ、山頂からはブロッケン現象も見ることができた。思い出に残る槍ヶ岳への旅となった。疲れたけど楽しかった。
来年はどこ行こう。北岳とかかな?




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この記録に関連する登山ルート

積雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
槍ヶ岳/飛騨沢ルート/新穂高温泉起点槍平経由
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [3日]
槍ヶ岳北鎌尾根/上高地・水俣乗越ルート
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
5/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
上高地から横尾経由槍ヶ岳ピストン!
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [3日]
槍ヶ岳 〜新穂高から双六、西鎌経由〜
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
新穂高〜上高地
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5

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