東京都最高峰雲取山 三峰ルート
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- GPS
- 27:10
- 距離
- 19.9km
- 登り
- 1,907m
- 下り
- 1,895m
コースタイム
09:00三峰観光道路駐車場(標高1040m)⇒09:25妙法ヶ岳への分岐⇒10:00妙法ヶ岳への二つ目の分岐⇒10:05炭焼平⇒10:40地蔵峠⇒11:00霧藻ヶ峰(1523m)⇒11:15お清平(昼食)11:45⇒12:30前白岩の肩⇒12:50前白岩山(標高1776m)⇒13:15白岩小屋⇒13:55白岩山(標高1921.2m)⇒14:00芋ノ木ドッケ⇒14:45大ダワ⇒15:15雲取山荘⇒15:45雲取山(標高2017.7m)⇒16:30雲取山荘(宿泊)
7月4日
06:00雲取山荘⇒06:20大ダワ⇒06:50長沢山への分岐⇒07:10芋ノ木ドッケ⇒07:25白岩山⇒07:45白岩小屋⇒08:15前白岩山⇒08:25前白岩の肩⇒09:00お清平⇒09:30霧藻ヶ峰⇒09:45地蔵峠⇒10:10炭焼平⇒10:15妙法ヶ岳への分岐⇒10:40東屋⇒11:00妙法ヶ岳(三峯奥宮-標高1329m)⇒11:20東屋⇒11:45妙法ヶ岳への一つ目の分岐⇒12:10三峰観光道路駐車場
天候 | 7月3日曇り 7月4日霧雨のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
大型・貨物4t以上…1,500円、マイクロバス・貨物2〜4t…1,000円、普通・軽…500円、自動二輪・バイク…200円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
7月3日 埼玉県秩父市の国道140号線を車で進み、秩父湖二瀬ダムを渡り三峰観光道路に入りました。つづら折りに上がり、広々とした三峰観光駐車場(有料)に着きました。梅雨時期の曇天のためか、駐車場はガラガラに空いていました。この時季特有の少し蒸す感じでした。 駐車場内で登山の準備をして駐車場の階段を登り出発しました。三峰ビジターセンターの前を通り過ぎて、奥宮参道に入りました。鳥居のある登山口に向かい、登山口で登山届に記入し投函してから登山を開始しました。 登山道を緩やかに登り、間伐を施し整備された桧の人工林を左手に見ながら登ると右側は広葉樹の中に石南花を植栽された「三峰千年の森」になっていました。桧の人工林の中に木製の鳥居があり、妙法岳への分岐を通過しました。分岐を過ぎた付近は、ブナ・ミズナラ・イヌブナ・クリ・カエデなどの冷温帯広葉樹林になっていました。二つ目の妙法ヶ岳への分岐を過ぎて、炭焼平には一休みできるベンチがありました。登山道横には炭焼釜の跡があり、説明板も設置されていました。 平坦な登山道を過ぎて、小さな地蔵が祠に収まった地蔵峠に着きました。峠を東に下がれば太陽寺への登山道になります。南に登って行くと標高1523.1m地点の登山道には三等三角点がありました。植栽地復元の為に立入を制限された所があり、昭和44年5月9日に出火した和名倉山森林火災の記録をのせた表示板がありました。 少し下がって行くと、岩壁に埋め込まれた秩父宮両殿下御尊影レリーフがありました。過ぎるとすぐに、国立公園奥秩父ー秩父宮殿下御命名-霧藻ヶ峰-標高1523と書かれた標示板がありました。あいにくガスで展望は効きませんが、晴れた時には景色が良さそうでした。霧藻ヶ峰休憩所があり管理人も居ました。少し離れた所にトイレもありました。休憩所内はきれいに整頓されていて、暖房用のストーブもありました。バッチやジュースなどの販売もしていました。霧藻ヶ峰からは、造林などされていない、手付かずの天然林になっているそうです。 お清平のコルに下がって昼食を採りました。ここから勾配が急で狭い尾根の登り坂になりました。樅や米栂の針葉樹になり前白岩の肩を過ぎて、標高1776mの前白岩山に着きました。 下がって行くと白岩小屋がありました。今は使われていないようで、外部は荒れていました。入口を開けて中の様子を見ると、緊急時の避難小屋として充分に使用できる状態でした。小屋の西側は展望台になっていました。覗いてみましたが、和名倉山方向はガスではっきり見えませんでした。パーティーの二人が小屋から南西方向に下がり、水場から冷たい水をペットボトルに汲んできました。どこからとなく一頭の鹿が現れました。私達が写真を写そうと、そばに近づいても遠くに逃げず、人慣れしていました。 40分程登って標高1921.2mの白岩山に着きました。山頂標示と三等三角点が、西側の少し奥まった所にありました。 原生林の中を芋ノ木ドッケに下がって行くと冬季の登山者のために「路面凍結時期の滑落注意」の看板がありました。 標高1946m峰を巻いて下がって行きました。木製の階段があり、谷側はかなりの勾配で切れ落ちていました。大ダワまで下がり、ここから男坂を登って行きました。閉鎖されている雲取ヒュッテの横を通り、今日の宿泊地雲取山荘に着きました。 山荘付近からから見上げた空はどんよりして、今にも雨が降りそうでした。山荘にザックを預け空身で雲取山山頂を目指しました。ガスがかかって、標高2017.7mの雲取山山頂からの展望はありませんでした。一等三角点や展望案内盤があり、一等三角点の横には明治16年に埋設された「原三角測点」と埼玉県の雲取山山頂標示板があり、標高は2017.1mになっていました。山頂を独占したものの天気が心配になり、早々と宿泊地の雲取山荘を目指して下りました。 7月4日 野鳥の鳴き声が聞こえ、ガスがかかり生憎の霧雨の天気なか宿泊した雲取山荘を出発しました。カッパの上衣を羽織って、昨日来た登山道を戻りました。芋ノ木ドッケに近づく頃から天気が急に回復して青空が覗いてきました。カッパを脱ぎ収納してから、太陽が差し込んだ樹林帯の中を下がりました。 妙法ヶ岳分岐から妙法ヶ岳(奥宮)へ向かい、桧の人工林の中を登り尾根に出ました。尾根を越して巻くように下がって行くと、東屋があり奥宮への参道に出ました。鳥居があり鳥居の横にはブナの巨木がありました。 参道の木のハシゴや急勾配の石段を登り、最後はクサリの付いた急勾配の岩場を登ると岩場の上には石の祠の奥之宮神社がありました。神社横に秩父宮殿下御登山記念碑がありましたが、妙法ヶ岳の山名標示は見られませんでした。 クサリ場を慎重に下がり東屋まで戻り、更に下がり雲取山登山口に到着しました。 |
写真
感想
東京の雲取山に登ろうと誘われた時には、都会の山ということで高尾山を連想し正直あまり興味がありませんでしたし、登山意欲もわきませんでした。しかし調べてみると東京都・埼玉県・山梨県の境界にあり標高が2,017mで百名山にも名を連ねているということで俄然と登りたくなり仲間に入れていただくことになりました。
当初は山梨県の後山林道から入り林道終点から登山を開始する三条の湯ルートの計画でしたが、山行間近になってリーダーから埼玉県の三峰観光道路を経由して雲取山を目指す三峰ルートに変更するとの連絡がありました。
登山地図を買い求めて雲取山へのルートをあらためて調べてみると、驚いたことに当初の計画の後山林道は車両通行止になっていました。
パーティーで山行する時には全てリーダーの計画通りに行動すればいいのですから、今までは事前にルートを確認したり、ルートタイムを検討することはありませんでした。しかし、山行計画は立案者の技量、情報の収集力に左右されるばかりか、古い資料を使う場合もあるし、間違いもあるので参加者全員がルートや装備について各自がよく検討する必要があり、独りよがりの計画はいけないことを痛感しました。
また登山は計画を練る段階から楽しむべきで、今回ほど計画の重要性を認識したことはありませんでした。
当日の現地は朝から空一面が鉛色の梅雨空で、蒸し暑い陽気でした。この時季ですから雨に降られることは覚悟の上で通常の山行よりも着替えを多めにザックに入れました。
行動中の上着はTシャツ一枚と軽装でしたが、昼食時も寒さを感じることはありませんでした。ただし2千mを超える雲取山山頂では、休憩中にはさすがに少し肌寒く感じました。
三峯神社からのルートは、樹林帯の中を歩く登山でした。桧の人工林は間伐をしてあり、きれいに手入れがされていました。広葉樹の緑の葉は下から見上げると透き通って、とてもきれいに見えました。
霧藻ヶ峰からの天然林は登るにつれてブナから針葉樹の大木に変わっていきました。
霧藻ヶ峰山頂には霧藻ヶ峰休憩所があり、管理人から霧藻ヶ峰の名前の由来を聞かせていただきました。秩父宮殿下が登山されたおりに、通称燕岩とよばれていた所で霧の中に揺れるサルオガセを見て「霧藻ヶ峰」と命名されたそうで、サルオガセとは樹皮に付着して懸垂する糸状の地衣を言うようです。現在はサルオガセをこの周辺で見ることはできなくなったそうですが、一目見てみたいものです。
また休憩所のすぐ脇の桧の木にクマが登って爪で木の皮を剥いだ、まだ新しい爪跡を教えてもらいました。想像していた以上に高い所まで登った跡が明瞭にあり、熊の生態を再認識すると同時に私達の社会のすぐ近くにも生息していることに驚きました。
宿泊した雲取山荘は山頂から三峰コースに向かって約700m下った所にありました。木造2階建ての山小屋の雰囲気が漂う雲取山荘は宿泊料金が、指定された山岳保険の加入者には1割引になりました。部屋には豆炭のコタツがあり、寒くない夏でも室内の湿気防止のためにつけられていました。
庭を挟んだ別棟にある夏用のトイレは、水洗トイレでステンレスの便器と衛生的になっていました。冬用は別にあり、水場は山荘の外にあり水量が豊富にありました。
現在の皇太子殿下が数度の雲取山登山のおりに雲取山荘にお泊まりになられたそうで、雲取山は皇室との御縁が深い山のようです。
下山後には登山口の三峯神社の境内を散策しました。杉の巨木に囲まれれシンシンとした静けさで改修された社殿はきらびやかでした。神水やここでしか手に入れることができないお酒が境内の民芸風の売店で販売されていました。時間の都合でゆっくり散策することができませんでしたので改めて訪れたいものです。
帰路は国道140号線沿いにある「道の駅大滝温泉」に立ち寄りました。日帰り温泉「遊湯館」を中心にお食事処や特産品販売センター歴史民俗資料館が併設されていていました。
美肌効果があるといわれる「遊湯館」の1階には桧風呂、地階には岩風呂があり、料金は600円、入浴し登山の汗と疲れを流しました。岩風呂はぬるめの湯で肌に柔らかく感じました。
山の良さは登ってみないことには理解できません。
百名山の雲取山に登って再認識しました。
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