欅平〜唐松岳〜不帰キレット〜天狗山荘〜猿倉
- GPS
- 18:36
- 距離
- 33.6km
- 登り
- 4,079m
- 下り
- 3,430m
コースタイム
- 山行
- 12:03
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 13:42
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 4:52
天候 | 12日: 晴れ,13日: (午前のみ)曇り稜線は強風、ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
帰路は猿倉からタクシーで八方、バスで白馬駅、大糸線で糸魚川、北陸新幹線で黒部宇奈月温泉駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
祖母谷から南越峠まで道細く、ヤブ化の進行、足幅の狭いトラバース、倒木によるルート切断など多し。餓鬼山避難小屋は山と高原地図にある標高1826mの場所より東、標高1900mにあり、1826mと思われる場所には避難小屋0.4kmの標識がある。 |
写真
感想
黒部峡谷の欅平から後立山の稜線へは白馬岳への清水尾根と唐松岳への餓鬼山ルートの二つの登路があり、どちらも長大な健脚ルートである。清水尾根は2010年の7月に登ったが、餓鬼山ルートに今回挑戦した。あわよくば清水尾根から欅平に戻って来ようと考えていたが、最終日天候判断で猿倉へとエスケープする結果となった。
11日: 金曜日午後休にして北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅の駐車場までドライブ、新黒部駅から富山地方鉄道で宇奈月温泉へ。下校する小学生がランドセルに熊鈴を付けていてジャランジャランと車内を歩く。宇奈月から黒部峡谷鉄道のトロッコ列車で欅平へ。30分余り歩いて祖母谷温泉小屋へ、露天風呂付きのテン泊である。
12日: 未明に祖母谷温泉を出発、祖母谷、祖父谷の橋を戻って南越沢の山道に入る。いかにも通行量の少ない細い道で、藪が被った場所、足幅だけのトラバース道が多く、倒木で寸断されたルートを見つけるにも暗闇では骨である。
南越峠に達して稜線の道になるとはっきりした迷わない道になった。ここから上は唐松頂上山荘の方から刈り払いに来ているらしい。避難小屋を経て餓鬼山に達する。ここで初めて唐松岳が堂々と聳えるのを眺め、背後に剱、立山も良く見える。ここから大黒銅山跡まで250mほど下りて、唐松岳へと標高差800mの「馬鹿下り」を登る。このルートは唐松岳という一つの山に登る道なのではなく、餓鬼山というひとつの立派な山を越えて唐松岳に達する縦走路なんだと実感した。ここの後半で少し疲れを感じてペースが落ちた。どうも腸の調子が少し良くないようで、水を飲んでも吸収が遅く、疲れを誘発した感じである。正午までに唐松岳に着きたかったが少々遅れた。
頂上山荘と唐松岳山頂の間だけは銀座にいるような人口密度だったが、不帰への道に入ると再び静寂の一人旅に戻った。唐松山頂から不帰キレットを越えて天狗の大下りに至るまで、「破線」の道になっているが、奥穂-西穂間や槍穂の大キレットのように延々と鎖場や三点支持の必要な岩場が続くのではなく、散発的である。核心部は二峰の南峰-北峰間と一峰の周辺位か。唐松に向かう人たちとは時々すれ違う。僕と同じ方向、北へ天狗を目指す登山者は、僕が二峰北峰にいる時に3人一峰に取り付いてるのが見えた。僕より後は多分もう誰もいない、そういう時間帯だ。先を行く人には、普段なら追いつくペースかと思われたが、僕の方がヘロヘロペースになっていてむしろ引き離されてしまった。二峰、一峰と登り下りしてキレットに達し、標高差300mの「天狗の大下り」のガレを、これで最後と孤独の辛抱登り、太陽が大分西に傾いて来たがまだ日没には余裕はある。風が西から吹き、稜線の東斜面から巻き上がる渦に霧が立つ。その霧に自分の影が映る様に稜線に立つと、そこに出来るのがブロッケン、発生条件が大変良く理解できるシチュエーションだった。
天狗の大下りを登り切って標高2700mに達すると緩斜面になってだらだらと登って2800mの天狗の頭、そして100mを緩く下って天狗平、天狗山荘のある今日のねぐらに着いた。ほっとした。長かった。本日歩行距離は20kmを越え、累積獲得標高は3100mに達していた。
13日: 起床して夜空を仰ぐと、星は見えるがしばしば霧が視界を塞ぐ。天気が良ければ白馬岳から清水尾根を下って欅平へ戻りたいのだが、天気予報は長野側が曇りのち雨、富山側が朝から昼まで雨と微妙である。ともかく白馬岳を目指して歩いてみることにする。
天狗山荘のテン場から稜線に上がっていくと、風が強い。西から強く吹き付け、飛ばされるほどではないが、まともに風上に顔を向けられない強さ。辛抱して鑓ヶ岳に達して北の方が見えてくると、白馬岳はかろうじて見えているがガスに取り巻かれている。西の方、立山連峰方面は黒い雲に覆われている。そちらでは雨になっていて黒部の谷を渡って吹き上がってくることでこちらでは雨になっていないと考えられる。この先稜線を進んでガスに突入すると、風だけでも濡れるしいつ雨になっても可笑しくないと思われた。そしてこの風がどうにも辛い、ということでエスケープの決断をした。
鑓ヶ岳から引き返して鑓温泉への分岐に戻り、大出原の坂を下りる。稜線を離れると途端に風は収まって穏やかな山歩きになる。下から見上げる稜線は一貫してガスがかかるようになった。鑓温泉でまた高人口密度になる。鑓温泉からは下る登山者が多く、のんびりペースのグループの割合が多いので、抜かせてもらいながらひたすら歩いて、朝9時過ぎには猿倉荘に到着。バス停を捜すまでもなく、直ぐにタクシーの運ちゃんがやって来て乗らないかと。乗客5人集まって皆八方までと言うので僕も八方まで、八方の湯前で下してもらった。バスなら930円が1人600円で済み、10時には湯につかる人になっていた。
Nishidenさん、祖母谷温泉からの縦走、おつかれさまでした。
計画を拝見し、実は自分も金曜日休みだったので計画に相乗りさせてもらおうか・・・と随分悩んでいました。
日曜日の天気予報がどうにもイマイチな感じだったので日帰りで八ヶ岳に逃げてしまいましたが。
唐松を裏側から登るというのも新鮮だし、当初の計画の通り白馬から清水尾根を周って戻るというのも理想的ですね。
そのうち機会があったら行ってみたいと思います。
不帰キレットの2峰北峰の写真を見て緊張感がよみがえりました。
それと鑓温泉下のミヤマキンポウゲ。
去年の同じ時期に同じようにミヤマキンポウゲを見て違和感を感じたのを覚えています。
話はそれますが、tekapoさんのレコのコメントでayuhoさんの結婚パーティー?の話を知りました。
ぜひよろしくお伝えください。
あれ、Sanchan、ちと残念。
欅平から登るのに朝一のトロッコだと9時くらいになっちゃうので避難小屋までしか行けない。1日で稜線に上がるために金曜日に祖母谷温泉まで入ったんですよ。
稜線の泊まり場も水場のない唐松より天狗にしたかった。
金曜休みで丸々3日使えれば餓鬼山-清水尾根周回も大分無理なくなりますね。健脚コースの範囲内ですけど。次の機会にぜひどうぞ。
ayuhoさんの件承知しました。登山家と空手家の異分野アスリートのカップルです。どんな彼氏か楽しみ。
二日目の累積標高3000mですか・・・
おまけにキレット越えですもんね。
nishidenさんがヘロヘロになるなんて聞くだけでハードさがわかります。
普通の人ならこんな行程は思いつかないでしょうねぇ〜
でも、チャレンジしてみたい気持ちも少しはあったりして・・・
祖母谷から天狗平まで14時間近くかかっちゃいましたからね。標準コースタイムから1時間しか縮めてません。
体調も万全ではなかったようですが、こういう難コースのコースタイムは誤差が大きいという気がします。コースタイム基準が想定しているレベルの人だと歩き切れないところですから。
ナイトハイクではペースが上げられない整備状況だったこともありますね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する