針ノ木谷古道を往く 【まったりテント山行 後編】
- GPS
- 102:00
- 距離
- 54.9km
- 登り
- 5,074m
- 下り
- 6,068m
コースタイム
時間は本文をご参照ください。
天候 | ピーカン |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
船
平ノ小屋発は6:00、10:00、12:00、14:00、17:00 扇沢からバスと電車で帰りました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
五色ヶ原ー平ノ小屋・・・五色ヶ原の平原を抜けた後、急降下します。ゴロゴロしているので意外と時間はかかると思います。 針ノ木谷・・・地図上は実線で記載されていますが、バリエーションルートだと思って行った方がよいでしょう。 ルートファインディングに自信がない人は単独では入ってはいけません。 また降雨後は控えるべきです。 単純に考えれば沢をそのまま忠実に辿れば良いだけなので、沢登り感覚で濡れる覚悟があれば難易度は低くなります。 大きな滝などもありません。 しかし一般登山者として登る場合、靴を濡らさないのはかなり大変ですし、ルーファイには経験が必要になります。 渡渉の連続で結構水流があるところを石から石へ飛び移りながら渡らねばなりません。 高巻きも結構面倒です。 特に船窪乗越への分岐を分けたあとはペンキも最小限で殆ど沢登り状態になります。 蓮華 針ノ木岳・・・特に危険箇所はありません。 針ノ木峠 扇沢・・・この時期は雪渓が崩落しているので高巻き道になります。 |
その他周辺情報 | 五色ヶ原 テント 1泊 500円 針ノ木峠 テント 1泊 700円 水1リットル 200円 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
旅の前半は以下をご参照ください。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-726104.html
【4日目】
天の川のもと五色ヶ原のテン場を出発です。
時刻は午前3時を少々まわっています。
今日は今回のメインイベント針ノ木谷
午前6時の平の渡しになんとか間に合わせるために早起きをしました。
前日山小屋でテン場の手続き中に行先を針ノ木峠と書いたら、親父にここから針ノ木まで行く人は初めてだと変態認定されてしまいました。
そりゃそーですよね。
わざわざ大下りしてまた登り返すんですから。
テン場から遠ざかってから熊鈴オンです。
暫くは原っぱ、昼間なら雄大な眺めなのでしょう。
ヘッデンの光に草が白く輝いています。
よく見ると霜がついているんですね。
吐く息も真っ白です。
やがて急降下が始まります。
足下は悪いので慎重にゆきます。
沢音が響くようになってくると空が白んできました。
2時間少々で平の小屋に到着しました。
船着き場は3分ほど下ったところです。
寒さに震えながら始発の船を待ちます。
6時丁度船が出ました。
対岸までは10分ほどのプチ船旅です。
乗客は自分を含めて3人のみ。
一人は散策でまた船で戻るパターン。
もう一人は船窪小屋を目指すようです。
対岸には奥黒部ヒュッテに泊まっていた登山者が10人くらいたまっていました。
読売新道とは逆方向へ歩を進めます。
最初はよく整備されています。
これが噂に聞くような道になるとはとても思えません。
そうこうしているうちに最初の渡渉ポイントにつきました。
水量は結構あります。
トラロープが渡されていますが石の間隔が遠すぎです。
川の中にザブザブ入ってしまえば楽なのでしょうが靴を濡らしたくありません。
とりあえず水没している石もスタンスにして注意深く渡ります。
ここから先はそんな渡渉ポイントが連続します。
背中には20Kgのザック、エイヤッと跳ばないと渡れないところも。
常に川に落ちる恐怖との闘いです。
これでも渡渉ポイントにはトラロープがあったり、対岸にリボンやペンキがあるので注意深く見てゆけば道に迷うことはありません。
少々険しいですが高巻きもあります。
これらは船窪小屋の関係者の方々が整備されたようです。
ということは船窪乗越への分岐を過ぎるとどうなるか行く前から予想がつきました。
針ノ木峠から降りてきたという方に一人だけ出会え、情報を仕入れることが出来ました。
アドレナリン出まくり、道が無い、登るスペースが無くなったら対岸に渡渉するべしという有り難いアドバイスを頂戴しました。
行ってみればその通り。
案の定、船窪との分岐を過ぎるとどこが道だかさっぱりわからなくなりました。
ペンキもリボンも急に無くなり、殆んど勘で歩くようになります。
それでも事前に地形図を見ていたので左からの沢の出合いを目印にその沢沿いに登ることはわかっていました。
本谷を渡渉して支沢側に移るとケルンがあってその裏側にこのルート唯一の道標がありました。
これで勘が間違っていなかったことがわかりました。
支沢も渡渉を繰り返します。
かすかにペンキもあって、それが何故か沢のど真ん中の石に矢印が描かれていたりします。
要は素直に沢の中を登りなさいってことか。
時にザイルが渡されており、対岸に渡るとそのまま土手をよじ登らされます。
そんな行程に背中のザックの重さを忘れていたのですが、やがて涸れ沢となり針ノ木小屋が見えるようになってくると急に子泣きジジイになってきました。
更に道は普通の登山道に変わり今までのあの沢道は何処といった感じになってきました。
そうなると忘れていた疲労が一気に吹き出してきます。
針ノ木峠を目前に何度も休憩を繰り返しなんとかたどり着きました。
結局14時前に到着。
そのままテントを設営して日溜まりのなか昼寝に突入しました。
【最終日】
ゆっくり起床、テントを干してからたたみ、ザックを小屋前のベンチにデポして身軽に蓮華と針ノ木をそれぞれピストン。
山頂からの名だたる峰々をゆっくり眺めます。
越えてきた立山、劔、五色ヶ原は勿論のこと、槍穂高、後立山、薬師、水晶など過去に登ってきた山もよく見えます。
山を満喫したら扇沢に下山しました。
参考タイム
蓮華、針ノ木 登り各40分 下り各20分
針ノ木峠 扇沢下山 3時間
eno隊長
ゆるく秋を満喫されたご様子、お疲れ様でした
後編のルートはとても興味深く拝見しましたが、私では遭難しそうなのでこのレコを観るだけになりそうです
それにしても雷鳥沢でfreさんに遭われるとは!山は広いのに世間は狭いですなぁ
フルグラ、スキムミルクでもイケますか?
針ノ木谷は一度行ってしまえば何のことはないのですが、初めてだと戸惑いますねぇ。
沢水で入れたスキムミルクにフルグラ、いくらでも食べられます。
簡単なのに美味しくて軽くて栄養満点で完璧です。
こんにちは
たくさんのことを掌中に収められたようで
素晴らしい山歩き敢行
10日の休日をいただいても考えられないドM度ですね
グラノーラは我家も常備食 最近は昼食でいただいています
時短で摂取でき栄養価も高く便利ですよね
お天気が味方してくれて良かったです
○っと最高のスタートではないでしょうか
mermaidさんまいどありがとうございます。
前半は観光登山、後半は硬派に攻めてみました。
フルグラ&スキムミルクは今回からの導入ですがなかなかいいですね。
冬場はちょっと駄目ですが今の時期ならシェラカップだけで食べられるので軽いしなかなかいいです。
これに乾燥野菜、海苔、ラーメン、餅、卵などを組み合わせて次回の食料計画を練ってみようかと思ってます。
針ノ木のテント場の写真を見てびっくり。私のテントが写っているじゃん
隣でテントを張られている時には、私は旦那とすっかりビールで出来上がってました。
enoshimanさんのすごい山行はちょっと真似できないですが、平の渡しには一度乗って山登ってみたいですね〜。
フルグラのお昼 私も参考にします〜
あれーお隣さんだったんですねー。
おくつろぎのところ石を戴きに伺ったえのしまんです。
お騒がせしました。
針ノ木谷は正直疲れました。
沢歩きは意外と楽しんでいたのですが、小屋が見えてからが本当にキツかったです。
いやぁ〜 凄いルートがあるもんですねー!
こんな恐ろしいルートを通れるのも、登山スキルが高い
えのしまんさんだからなのでしょうね。
お疲れさまでした。
あっ、私はフルーツが一切食べれないので
玄米フレーク辺で試させていただきます(笑)
いえいえ、初回はスゲーとこ来ちゃったなと思うかもですが、実際はとにかく沢沿いに歩けば良いのでそれほどエグいところではないです。
ただ靴を濡らさない前提だとそれなりの気合いが必要です。
20kg背負ってのジャンプはなかなかゲーム的な緊迫感がありました。
enoさん こんばんは
ビ−だけは豊富なんて山では無理ですね。
遠い昔、逆コ−スで真砂沢に行ったことあります。
グラのスキム割行動食にいいですね 今度行動食に追加します。
ワタクシの場合い煎餅マョかけでしたので・・・
フレフレ殿に会いましたか
ワタクシといいフレ殿といい中高年しかめぐり逢いませんね
真砂沢滑りに行きたいです。
雷鳥沢で魔道会合宿ってどーですか。
長次郎とかもいけるかも。
山のなかでテンさんやフレさんに会ったので次はガンコさんかバウさんかもしれません。
あ、劔のてっぺんで女性の知り合いに逢ってツーショット写真撮りました
針ノ木谷古道、噂には聞いていましたが、
こんなリアルに写真で見せていただいて、改めてその凄さがわかりました。
このレコを見れば軽い気持ちで入るひとはいないでしょうね^^;
剱岳登頂はFB某部で拝見していましたが、こんなに具だくさんな山行とは想像もしませんでした。
充実したシルバーウィークでしたねっ♪
おつかれさまでした!
あちゃーFB某部で見られてましたか。
あまり匿名得意じゃないんで色んなところで顔晒しまくってます。
SWは前半と後半で全く雰囲気の異なる山歩きだったのでなかなか楽しめました。
単にアルペンルートを片道ケチったともとられそうですが。
junpieさんならパワフルなんで針ノ木谷古道も余裕で行けちゃいそうな気がします。
一度通ってしまえば実際のところそんなにややこしいコースじゃないんです。
前半楽をし過ぎたんで、後半は汗をかいてみました。
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