丹沢山・三峰・主稜

山キチどん
その他2人 - GPS
- 18:50
- 距離
- 37.6km
- 登り
- 4,140m
- 下り
- 3,912m
コースタイム
- 山行
- 7:42
- 休憩
- 2:08
- 合計
- 9:50
- 山行
- 6:56
- 休憩
- 2:08
- 合計
- 9:04
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2008年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
下山口:山北町中川の西丹沢BS |
| その他周辺情報 | 中川温泉\700 |
写真
感想
1日目(12/20)
青春18きっぷの季節の“ムーンライトながら”はいつも満席。夜行グッズ(空気枕・アイマスク)を取り出しすぐにお休みモードに入り、横浜直前までぐっすり眠った。茅ヶ崎まで引き返し相模線で厚木に入り1時間後までないバスは待ってられないのでタクシーを奮発(6,300円)したが一人で乗るときつい。厚木までのJR代よりも高くついてしまった。
宮ヶ瀬湖畔の宮ヶ瀬三叉路から200mほど南へ行くと登山口があり、パウチされた掲示には「6〜9月はヤマビルに注意」とあり定評のとおり蛭の“名所”であることを物語っていた。登山道はなだらかに高度を上げていき、地形図では稜線を通っているが実際は南東側に一段下に付いていた。木の間隠れに宮ヶ瀬湖が見え長丁場にピッチを上げた。御殿森ノ頭(580m)は縦走路から20mほど入ったところが山頂で分岐に「←御殿森ノ頭」の指導標があった。山頂には小さな祠が一つあるだけで山頂を示すものは何もなかった。巻き道の登山道は面白くないので無理やり稜線に出ると微かに踏み跡が付いていた。そのまま稜線を辿り高畑山(766m)に達すると3等三角点「金沢」が置かれ山頂標識の傍らには展望櫓まで備えた良い山頂だった。鞍部で巻き道の正規登山道が交差し今度は北側へ巻いて行った。
そのまま稜線道を進み送電線を上空に見ると鉄塔に達した。前後が刈払われ展望が利く。振り返ると今登って来た高畑山が望め、その後には宮ヶ瀬湖越しに仏果山(747m)の姿もくっきりしていた。送電線まではしっかりした巡視路があったがP844へは少々怪しくなってきた。金冷シ(約835m)は岩場を攀じ登り山頂に到ると展望が良く、南に大山(おおやま1,252m)の姿が素晴らしい。松小屋ノ頭(903m)には展望がなく序々に高度を上げるといよいよ丹沢三峰、本間ノ頭(約1,345m)、円山木ノ頭(えんざんぎのかしら1,360m)、太礼ノ頭(たれいのかしら1,352m)だが地形図には東峰、中峰、西峰と表示されている。本間ノ頭には3等三角点「鳥屋村」が置かれているが3峰とも展望は利かず欲求不満が溜まる。本間ノ頭と円山木ノ頭の間には無名ノ頭(約1,350m)があるが山頂標識はなかった。
瀬戸沢ノ頭(1,375m)を過ぎると丹沢山への最後の登りとなり、ここまで来て初めて人と出会った。メジャーな登山道である大倉尾根を登って来たというが随分早いものだ。標高1,250mを超えた辺りから薄っすらと雪が残り徐々多くなっていった。堂平からの登山道が合流すると丹沢山は近い。
丹沢山(1,567m)は日本百名山の山で総体山名であるとして最高峰の蛭ヶ岳を百名山の山とする人もいるがそのままの山名の山でしかも1等三角点「丹沢山」があるのでやはりこの山を百名山の山とするのが正当であると思う。現地に行くと百名山の標識もあった。10数人の登山者が思い思いに場所を占め昼食中。大倉尾根から登って来た人達だ。みやま山荘の小屋もありここを目的地として引き返す人が多い。今季2度ほど降雪があったそうで山頂部では10冂積もっていた。気温は高いが風は強くゆっくりはしていられない。快晴の澄んだ空の下、西の方には裾野まで遮るものもなく雄大な富士山が見えた。南アルプスや奥秩父からだと富士山は南に位置するため日中ほぼ逆光となる。その点、丹沢は東隣の山で日の光を背負って富士を望むことができる。
丹沢山から西は丹沢主脈となり核心部の山域に入った。この稜線は樹林に混じり笹原の部分があり展望が良い。前方には不動ノ峰が大きく構えている。不動ノ峰山頂直下に東屋風の休憩舎があり、壁の後で風を遮り昼食を取った。不動ノ峰(1,614m)山頂も展望が良く富士山はもとより、愛鷹山、箱根山、伊豆半島の山々も確り見えた。棚沢ノ頭(約1,600m)、鬼ヶ岩ノ頭(1,608m)を通り下りだしたところの岩場は“鬼ヶ岩”と名付けられ鬼の角の向うに蛭ヶ岳が聳えていた。蛭ヶ岳(1,673m)は丹沢の最高峰、蛭ヶ岳山荘があるがひっそりしていた。ただ一人居た男性は、塩水橋に下ると言っていた。山頂には3等三角点「蛭ヶ岳」があったそうだが現況は「亡失」とされている。
蛭ヶ岳からは“丹沢主稜”となり私にとっては処女ルート、ひと気は全くなく静か。急斜面を下りだすとすぐに雪はなくなった。鞍部は1,400mを切り振り返ると蛭ヶ岳が厳しい山容で聳えていた。登り返してミカゲ沢ノ頭(1,421m)から振り返ればやはり蛭ヶ岳は素晴らしい。次のピークは臼ヶ岳(1,460m)、縦走路から100mほど南に分岐した所がピークとなっている。この山域では登山地図に名前のある山も殆ど山頂標識がなくあっけない気がする。他の山域なら私製のプレートがいくつもありそうなものだが・・・
200mほど下降し神ノ川乗越(かんのかわのっこし・約1,255m)に到った。蛭・檜の最低鞍部で檜洞丸(ひのきぼらまる)へ向けて登り返しとなった。次の金山谷ノ頭(約1,360m)も縦走路から外れている。ロープで通行止めされているが乗り越えてピークに立ったが、やはり標識はなく展望も利かなかった。金山谷乗越(約1,300m)に下り、檜洞丸へ向けての最後の登りとなるが疲れた体にこの登りは辛い。山頂直下にある山小屋“青ヶ岳山荘”が今日の宿だ。
扉を開けるとなんと人がいっぱい。20人ほどだろうか、この季節にこんなに沢山の人が居るとは予想しなかった。団体かと思ったが皆常連さんでこの日行われるクリスマスパーティーが目当ての人達だった。このパーティーは常連さんがシャンパンや食料を持ち込み一見さんも含めて楽しい一夜を過ごそうと言う企画で、一度参加すると常連さんにならなければならないようで、私も来年は酒をボッカしてという運命に嵌ってしまったようだ。
16時頃かパーティー? 飲み会? が始まり、夕陽の時間の檜洞丸登頂を挟んで延々22時過ぎまで続いた。18時頃にはメインディッシュのチキンが出て、昭和世代の皆は歌声喫茶よろしく“館長”のギターに合わせ懐かしの歌で盛り上がった。そして小屋番“トンボさん”の怪しげな司会で手作りキャンドルのオークションがあり、クリスマスケーキと、この日誕生日だと言う小屋の女性ヘルパー、ダテちゃんのバースデーケーキも出て最高潮に達した。そして忘れてはいけないのは、この宴会の途中で見に行った夕陽は、富士山の左肩に吸い込まれるように沈む壮大な眺めだった。
2日目(12/21)
宴会疲れで宿泊者はまだ誰も起きない。仄々と白みだした6:15一人小屋を出発した。丹沢山の方角から日が昇り、檜洞丸山頂では東方向の展望が利かないのでご来光を求めて先に進んだ。富士山方向は比較的開けているが東側は全くダメ。熊笹ノ峰(1,523m)でも展望がなく日の出の時間(6:42)が迫り焦ってくるがどうしようもない。大笄(おおこうげ1,520m)手前で神ノ川ヒュッテへの下山路が分岐しており、ザックが置かれているが主はなし。不審に思いながら大笄に登ると、ここにも展望はなく西の斜面を下りだしたところで荷物の主が三脚を立てていた。
日の出の時刻となったので東側の展望は諦め、このカメラマンと並んで朝日に染まる富士山を待つことにした。雲ひとつない快晴、写真写りには適度な雲が欲しいところだが贅沢は言えない。20分ばかり粘り刻々明るくなる富士を撮り、東京三鷹に帰るというカメラマンと分かれ先に進んだ。300m近く下り少し登り返すと小笄(ここうげ1,288m)で、山頂は少しだけ展望が利いた。標高1,060mまで下り切ったところは犬越路(いぬこえじ)の峠、小綺麗な小屋があり中に入ると昨夜ここで忘年会をしたという6名のグループが朝食中、もう8時だと言うのに地上の生活そのままのようだ。6年前にここを通ったときはこんなに綺麗な小屋はなかった。このグループに聞くと3年ほど前に建ったそうだ。
風は強くじっとしていると寒い。しかしここからは大室山への500mの登り返し、シャツ1枚になって出発! 10分ほど登ると3等三角点「イノコイシ峠」が傍らにあり見送ってくれた。中腹に達する頃、あれだけ晴れていたのにガスが出て視界が閉ざされてしまった。峠から1時間で大室山の稜線に乗り、山頂に向けて歩くとテントが2張、丹沢山域は全面的にテント禁止なのだが・・・こんなのは無視して大室山(1,588m)山頂に向かった。山頂は樹林帯で展望はないが山梨百名山の標識が立っていた。2等三角点の点名は「大群山」、なぜこんな点名になるのだろうか?
再び不法テントを横目に見て分岐に戻り加入道山への縦走路を行く。P1543を過ぎた頃、ガスの下に出て再び青空が顔を出した。破風口(1,345m)の鞍部から登り返して前大室(約1,420m)に到ると右に道志へ下る道が分岐しているが、道志からのバス便はこのところ特に悪くなったようで帰るのに苦労しとの話を聞いた。
加入道山(1,418m)山頂には3等三角点「加入道」があり、2人の登山者が憩っていた。西丹沢から登ってきたと言う。この後南に600mほど行ったところにある白石峠で西丹沢から登って来るF澤さんとN川さんと合流する予定だが、8:30に出発しコースタイムで来ると11時になるはずだ。登山地図のコースタイムは辛目で短縮することはできないだろう。先ほどの2人は7:30に登りはじめたそうだ。時刻は10:10、山頂に避難小屋があり時間調整をして峠に下りよう。
10:54に白石峠に着くと二人は10分ほど前に着きコーヒーを飲んで待っていた。少し見込みが違ったが再会を喜び合った。少し休憩してF澤さんを先頭に歩き始めP1307を越し水晶沢ノ頭(1,278m)、シャガクチ丸(1,191m)と続くが山頂標識もなくF澤さんは顧ることもなく通過して行った。尤も地形図を見ながら歩いていないと山頂だとは分からないことだが・・・
平成19年1月に歩いた鳥ノ胸山から山中湖への尾根に縦走路を繋ぐためモロクボ沢ノ頭から先にある大界木山へのピストンを目論んでいた私はバン木ノ頭(1,180m)の手前で2人から先行した。モロクボ沢ノ頭(約1,190m)の縁台のようなベンチにザックを置き、空身で縦走路を西へと進んだ。急ぎ足で2人組を追越し忘路峠(約1,120m)からは120mの標高差の登りで結構きつい。
大界木山(1,246m)は昨年、道志の唐沢から秋葉山、鳥ノ胸山、平指山を通り東海自然歩道の稜線に上がり、縦走路を飛び出して山頂に立った山で今回も同じようなやり方でこの山に来て、縦走路を繋ぐことができた。展望のない山なので長居は無用と、すぐに折返しモロクボ沢ノ頭に戻る。さっきの2人組みとは大界木山と忘路峠の間のピークで出会った。モロクボ沢ノ頭に戻ると、2人は先に行って畦ヶ丸避難小屋で待っているはずだ。ザックを背負うとヤケに重く感じるが、ピッチは緩めるわけに行かない。畦ヶ丸山頂稜線に達し避難小屋の扉を開けるがひと気なし。さては畦ヶ丸(あぜがまる・1,293m)山頂だな。果たして2人は山頂で待っていた。20分ほど前に着いたそうだ。コースタイムで往復1時間の大界木山なのでお待たせは許容範囲だっただろう。
3等三角点「アゼガ丸」に挨拶し、今日のハイライトコースに入る。登山地図にない権現山尾根を下る。通常畦ヶ丸からは善六ノタワを通り西沢へと下りるが、畦ヶ丸の南西尾根の先に権現山があり、地形図でも大して急な感じもなく、もしやルートがあるのではとネットで検索するとそれほど苦労せずに歩いているようだ。それでは権現山に行かない手はないだろう。
地図読みが必要になるとF澤さんはトップに立とうとせず、私がコンパスを合わせ先頭に立った。微かな踏み跡があるが所々不明瞭になり、要所にある赤テープも頼ればまず問題ない。尾根の屈曲点で権現山が見通せるところに出て写真を撮った。馬ノ背の尾根もあり慎重に進むと、軈て西沢からの一般道が合流した。権現山までは600m。ザックをデポし権現山にアタック、標高差は110m途中に小ピークもあり結構登り応えがある。今朝から違和感を覚えていた左膝に痛みが増し、登りがきついが下りはさして痛まなかった。
山頂からは谷峨駅の北にある大野山が良く見えた。横浜のN川さんによると山頂は牧場になっているそうだ。分岐に引き返し西沢へと下った。地形図では凄い等高線の詰まり方で難路を予想したが樹林帯のなかジグザグに道が付き問題なく西沢に達し畦ヶ丸への正規登山道と合流した。道の真ん中に看板があり振り返ってみると「この先行き止まり登山道でない」と書かれていた。登山地図には登山道として記されているのにどういうことだ?
登山道は西沢沿いに渡渉を繰り返し(といっても立派な丸木橋で)、1.4卻發、河内川の長い吊橋を渡ると西丹沢自然教室のバス停だ。逗子に住むK野さんが待っていた。彼女もF澤さんたちと一緒に登るつもりだったがギックリ腰で大事を取り断念し、お迎えにだけ来てくれた。しかし転んでも唯では起きないK野さん、権現山にピストンしてきたと言う。人に道を聞くと「登山禁止」だと言われたが「はいはい」と言って登ったそうだ。
車があるとありがたい4.5卞遒涼羸邁浩瑤卜ち寄り汗を流した(\700)。この後は反省会? 忘年会? 何でもいいからビールが飲みたい。お酒は1滴も呑まないK野さんに甘え国道沿いにお店を探すが何故か反対車線にばかり見つかる。途中渋滞もあり2時間近く走り相模川を渡り茅ヶ崎市へと入ったとき反対車線に居酒屋風のお店を見つけた。2時間余り飲んで食って、茅ヶ崎駅で皆と別れ今夜の宿である青梅線の河辺に向かった。
後日談、この山行の記事を京都比良山岳会のHPに掲載していたところ、“岳人”記者の目に留まり平成25年12月号の「登れいい山」の企画で4ページに亘って掲載された。
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