屋久島 楠川集落から縄文杉、永田岳、宮之浦岳、淀川登山口
- GPS
- --:--
- 距離
- 29.7km
- 登り
- 2,890m
- 下り
- 1,668m
コースタイム
- 山行
- 6:48
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 6:59
- 山行
- 8:40
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 10:20
天候 | 晴れ、曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
飛行機
そもそもは白谷雲水峡までバスの予定だったが緊急工事でストップとのこと。空港でガス缶を買うときに知って大いに焦る。 淀川登山口、または麓の楠川、永田を検討し、楠川からを選択した。 結果的に誰もいない白谷雲水峡を堪能するのとともに、白谷雲水峡の下の奉行歩道跡が途中から健在で趣があったため、却って良かった。白谷雲水峡の下側の方が雰囲気は魅力的だと思う。 帰り 紀元杉バス停より安房方面行き 1日2本のバスは後発が14:50発のため絶対に乗り遅れられない。 淀川小屋であったガイドのおやっさんに一時間で行けると助言頂き、気合いで急ぐ。結果紀元杉にあう余裕が生まれた。また、その人に尾之間歩道を控えるよう助言をいただいた。午後の雨予報、安房でのどしゃ降りを思うと正しい判断だったとは思う。Zeroに降りれず残念だったが、湯泊歩道の通行止めの件も含め、調査不足を露呈した。結果論だが先に宮之浦岳にして永田岳から下れば麓から麓までを達成できていたと思うとやや無念ではある。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ポスト 空港にあるらしいが分からず。白谷雲水峡、淀川登山口、荒川登山口、宮之浦港、安房港はあるようだが、楠川歩道にはなかった。 通行者ログを各所でとっているようなので、下山時に淀川登山口で提出し、予実が合うようにした。 コース 楠川〜楠川歩道入口 素直に山へ向かって直進すればいいのだが、本当に楠川歩道になるのか不安を覚える。標識か小さいケルンかピンクリボンがあるのでどうにかなる。舗装路がなくなるといよいよである。 楠川歩道〜白谷雲水峡 倒木、谷の崩れによる道の付け替えなどが多々あり不安あり。また、脆さを感じる。沢を登り詰めると平たくなり、切通のような門の基礎のような人工物があり、その先は基本石畳と途渉を繰り返す。しばらくすると白谷雲水峡のエリアに組み込まれるが、しばらくは人があまり来ないエリア。 以降は七本杉、くぐり杉、白谷小屋と雲水峡エリアに入る。ここまで来ると観光地なので仕方ないが手がやや入り過ぎている感覚を感じる。 白谷雲水峡〜楠川分かれ 辻峠を越えるとのどかになる。楠川分かれとなっている小杉谷こそ、かつて屋久杉を伐り出していた場。安房森林鉄道により小杉谷に住む必要がなくなったのだろう。 楠川分かれ〜大杉歩道入口 トロッコ道木道はやはり苦役だった。予想通りだが縄文杉帰りのガイドツアーの群れとの離合があまりに多く、また、暑さでこれまでの疲れがどっと出る。うんざりという言葉しかでない一時間だった。 大杉歩道入口〜縄文杉 木道ばかりで脚に堪える。意外とアップダウンがありしんどい。勿論麓からでなければ問題ないのだろうが。 縄文杉〜第二展望台先 アップダウンがきつい。 あまり見張らしはよくなさそうだ。 第二展望台先〜焼野三叉路 展望が良くなり、また植生も変わってきて変化を感じる。 平岩岩屋はお勧めである。 焼野三叉路〜永田岳 難路。薄い土壌に花崗岩で、どろあり、崩れあり、高すぎる熊笹あり。道はわかるが浸食されている。永田岳麓からはましになるが、今度は永田岳の岩への登りに、一般的な岩場への注意は必要。 焼野三叉路〜宮之浦岳 歩きやすい。山頂直下の大岩は岳参りの祠なのだろうか? 宮之浦岳〜花之江河 アップダウンが多い。稜線ではなくその脇をひたすら筑紫岳まで巻き続けるが、このみちが、水の滴る花崗岩をそのまま行かされるところが多く、苔がついているときも多く滑りそうで苦手である。筑紫岳から投入岩場、投入湿原と下って黒味の方に登り返す。以降は気づくと花の江河に至る。 花の江河〜淀川登山口 アップダウンをひたすら繰り返すので標高差の割に時間がかかるし疲れる。 淀川登山口〜紀元杉 車道でなだらかな下り一辺倒なので疲れは感じない。下山の車に轢かれないように。 |
その他周辺情報 | 安房 やしま 山の後は地物の飲み屋に限る。 ここは希望をしっかり満たしてくれた。 バスに間に合い、タクシーにならず すんだ差額以上の価値はあると思う。 民宿とまり 素泊まり3500 風呂、洗濯オッケーで安房バス停から見えると交通至便。 安房の港近くのテント場でテント泊のつもりだったが、バス停到着と共にあったスコールに萎えてネゴリ倒した。 平内海中温泉 屋久島の名物温泉 干潮の前後二時間のみ。この日は干潮が10時なのでピッタリでした。 無人なら全景を撮りたかったけど結構いて無理でした。 安房 れんが屋 ヤクシカを食せます。山でいっぱいあってますが、ここも食害が厳しいようで、食して協力することとします。美味しかったです。 宮之浦 益救神社 御岳参りの起点。山道具屋の大将の発起で近年再興したようです。ということで自分は時間潰しを兼ねてお礼参り 鹿児島 グリーンハウス ドミトリー 平日1800円、休日2000円でまだ、二年程度と至極きれい。港湾沿いの臨港道路辺りにあり、屋久島高速船乗り場から程近いのもありがたいし、繁華街の天文館周辺にも近めと使いがってはいいと思う。 鹿児島 さえ幸 薩摩料理屋にして、メインは魚系かと思う。やや裏手のエリアにひっそりある。 天文館は休日の夜とあってかとてつもなく込み合い、有名店は軒並み満員と店探しに苦労したが、その苦労にも見合う美味しさだった。 |
写真
装備
備考 | 登山道閉鎖は眼中になかった。また、車道通行止めに伴うバスの終日運休も誤算だった。しかし、結果的に天気のいいうちに下山でき、その日の晩で美味しい食にありつけたのは淀川でやめて安房泊とできたからでもある。 また、楠川から登ったことで既知だった区間の登山を楽しめたとも言えるので、これはこれで良かったとも思う。 主要ルートは観光地化が否めない。一方、その他のルートは荒れが厳しくピンクリボンがないと無理な所が多い印象。山登りらしさは後者にこそ見出だせるがもう一息人が入って整備されないと厳しいかと思う。 自然豊かで良いともいえるが、道迷いした場合に予備の時間が足りなかった。 最初に予定していた4日間フルに屋久島滞在ができていればトライできたことではあるが、また来る機会があればその際の宿題としたい。 (湯泊歩道の崩落箇所の突破、尾之間歩道が大増水している場合の対応へのリスク、永田岳へ折り返しての鹿の沢小屋から永田、大川の滝への下山などこれかを加味した場合、宮之浦に3日目の夕方16時の船に間に合わない可能性もなくはないため。やってやれないことはなかったかもしれないが…。これが飛行機利用のリスクでもある。) |
---|
感想
屋久島には以前、白谷雲水峡と縄文杉を見に行ったことはあり、今回は日本百名山行脚の一環にして九州最高峰たる宮之浦岳、ならびに第2峰の永田岳が目的地。今回で夏にしか行けない北海道、並びに噴火警戒レベルの影響で登頂が禁止された阿蘇山を除き日本百名山は全て登頂したこととなる。よって90座登ったこととなる。
本格的に山登りに取り組みだして約一年半。
早いのか遅いのかはなんとも言えないが、年初に掲げた北海道以外の全座登頂は無事果たすことができた。
今回はそういう位置付けで挑んだのもあり、ベタに淀川登山口から宮之浦岳ピストンは避けたかった。次に多い淀川登山口から入って荒川登山口、または白谷雲水峡へ下山も多いと睨んで、逆ルート、すなわち白谷雲水峡から縄文杉、縄文杉から淀川小屋、または石塚小屋、そこからヤクスギランド方面への下山を当初計画とし、二泊三日を山中で過ごすこととしていた。
しかし、屋久島空港に到着しガスカートリッジを購入すると、宮之浦から白谷雲水峡への車道が緊急工事で閉鎖と言われ、頭から計画が崩れる。ここで、白谷雲水峡ではなく、更に下の空港から程近い楠川からの入山というレコを思いだし、これを実行した。白谷雲水峡、荒川登山口からの縄文杉トレッキングを事前に済ませており、白谷雲水峡までで遅くなれば白谷小屋まで、早く行ければ縄文杉裏の高塚小屋まで至れるはずという読みである。
永田からの入山も考えたが、麓スタートが12時になり、不案内な道を夕暮れ以降も歩いて鹿の沢小屋まで行くのはやや無謀に思えたし、せっかく早く入島したのに安房一時すぎのバスまで待ちぼうけして淀川小屋までとするのも勿体なく感じた。
そういう訳で楠川から麓からの登山を期せずして敢行することととなった。
果たしてあまり使われなくなった楠川歩道の山麓側はそこそこ案内はあるものの、いわゆるバリルートの様相。ピンクリボンと全体の雰囲気で道を探すルートファインディングの旅となる。
とはいえ、この道は安房からの森林鉄道、車道が整備されるまでは屋久杉積み出しの重要な交通路であった経緯があり、中腹の切通のような、関門跡というかがある平たい土地を抜けると道が途端に良くなり、石畳が道を示してくれた。一ヶ所ダミーのピンクリボンのせいで尾根を突っ切る箇所を見逃すが足元の緩さに気づいてその尾根を突っ切って裏側を観察すると尾根を峠越えして、裏側をトラバースするルートを発見。やはりかつての交通路、小杉谷までひたすら高度を極力落とさないように極力真っ直ぐ辻峠を目指す道だった。
この道は前述の関門跡?から白谷雲水峡エリアまでの区間が古道歩きの風情で面白い。熊野古道伊勢路にも似てはいるが、人がより通らないこと、豪雨地帯ゆえに石畳への苔の繁茂が尋常ではない。ゆえに、こちらの方で屋久にいだくイメージの苔むす、通称もののけの世界をより堪能することができた。
普段山に行かない人には道迷いや前半でのガレなどお勧めできないが、山になれている人にはお勧めできると思う。縄文杉までで実は最も美しく、樹海系の風情はここがいいのではと思う。
初日は誤算はあったが高塚小屋に夕方到着でき、大杉歩道、見所のウィルソン株、縄文杉を一人で堪能でき、結果的に快適ではあった。七時間で上がって来たので大杉歩道に出た辺りからはひたすら辛かったが夕日の縄文杉は荘厳でこれまた良かったと思う。
トロッコ道が急いであがってきた身としては辛かった。
高塚小屋は嫌な噂もあり悩んでいたが、ガイド付きで四人パーティ一組と、二人組の青年と、ソロが一人の計七名しかおらず、私を入れて定員18名に対し8名のみ。新築とあって極めて快適だった。
水場はないが道中数多あるのでしっかり汲んでいけば問題ない。
そして、せっかく麓から来たのだから麓まで別の麓まで降りて見たいと考えた。
二日目、7時には寝たので3時前には目覚める。ゆっくり支度したが手持ち無沙汰なので、4時に出発。これが吉と出る。
道中森で景色がとれなかったのだが、平岩岩屋という宮之浦岳、永田岳などが見え、稜線に包まれた熊笹が広がる風光明媚な地で日の出を迎える。この地は御来光ポイントとしてもお勧めである。岩の上に登ってしばし宮之浦岳、永田岳他の豪快な白岩の稜線を堪能した。
通過する人が多いなら勿体ないので、是非ここからの眺めを堪能してほしい。
ここまで、大して見えない分より良さが際立つ。
以前来たときだったか、登山としての面白さは永田岳こそと聞いていたのもあり、永田岳は必ずやいくべき所としていた。
そして、山自体の魅力は永田岳の方が数倍いいと思う。焼野三叉路の分岐から永田岳直下までの稜線、巻き道の崩れぶり、熊笹の高さを除けば。
永田岳は全体岩岩のお山でイメージとしては瑞牆山がしっくり来るだろうか。白岩の山々でも一際異彩を放ち凛々しい。山はここが楽しかった。ここはそのまま西へ進めば永田集落に至るし眼下に永田、その先に噴火活動著しい口永良部。結果論だが時間を鑑みると先を宮之浦岳に踏んで、折り返し、永田岳から永田へ降りれば良かったと後悔。永田岳を10時には下山開始でき、麓まで降りれたからである。結果論としてということではあるが。
永田岳から焼野三叉路へ折り返すが、やはりしんどい。焼野三叉路に戻って荷物を回収し宮之浦岳に登頂。10時前の登頂となった。新高塚、淀川登山口双方からつける時間のためか、百名山だからか二十名程度はいたかと思う。
こちらを先にすれば間違いなく独り占めできて違う感じ方ができただろうが、とにかく九州最高峰登頂である。三角点が一等でやたらでかく、これだけ黒づんでいて不思議な感じがした。
雲がかかりそうな時間もあったが幸いどちらの山とも雲も霧も掛からず美しかった。
後はとにもかくにも花之江河へ。ここまでピークは数多あるのだがどれも巻き道。にもかかわらずアップダウンがきつく、ここまで二日間飛ばしてきたせいもたたり、案外きつい。唯一登れる黒味はガスがかかってきたのもあり、この時点では湯泊歩道へ行くことしか頭になかったので、時間のロスを避けたかったのもある。
花の江河についてひとまず座り込み軽食とりつつ小休止。
きれいな湿原でまったりし、いざ湯泊歩道へ向かうと、台風のため当面通行止めの一字。
突っ切ろうかとも思ったが楠川歩道の状況を鑑みると従わざるを得ないか。
この時点で12:20、紀元杉からの下山バスは14:50。尾之間歩道は増水すると悲惨と専ら言われており、湯泊歩道がだめならこちらも同様の可能性も高く…。午後の雨予報もあり、やはりリスキーである。
当初計画の泊地 淀川小屋には13:15に到着。
泊まるには早すぎるが、バスには微妙と悩んでいると、いあわせたガイドさんから、荷が軽ければ淀川登山口まで40分、紀元杉までは更に20分で一時間とのこと。25分の余裕がある計算になる。悪天候が見込まれる以上可能ならば下山するに限る。
そうとなればとにかく登山口まで急いで突き抜けるのみ。きつかったが30分で登山口に到着。事後だが入山した記録を記載して下山。紀元杉を見に行き、着替える余裕まであった。
果たして安房まで降り、ここにあるキャンプ場に行こうと試みるや突然のスコールに見舞われ、バス停脇の民宿素泊まりに変更。服を洗え、風呂に入れて、そばの飲み屋でがっつり食べて、屋久島の街を堪能した。
なかなか豪快な山旅になったと思う。
3日目は屋久島観光と鹿児島でしこたま飲んで、4日目に鹿児島から帰ることとした。
3日目はひとまずは山行か、バス移動かのいずれかで必ずや来ようと思っていた平内海中温泉へ。幸い干潮の時間にいい湯を満喫できた。安房に戻ってヤクシカを食し、宮之浦で益救神社にお礼参りし、宮之浦港でまったり出港を待って屋久島を後にする。
鹿児島の街へ経由したい場合は高速船利用の方が使い勝手が良い。
港湾から繁華街である天文館まで歩いて15分ほどでついてしまうからである。
しかし三連休の中日の夜の天文館一帯は所狭しと激込みで店探しに難儀。
結果的には薩摩料理を出してくれるお店で美味しい食にありつけて安堵。
島の3日間の後の街ゆえ、人の賑わいに圧倒された。
4日目はまだ疲れが溜まっているらしく寝坊で起きたのは8時半であり、山では絶対にありえない時間となってしまった。
飛行機に間に合わない危険がなくもなかったがどうにか事なきを得た。
総じて良い旅になったと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
百名山90座
まずまずの天気で屋久島の山旅をやりとげごくろうさまでした
永田岳にも登頂して達成感多い山行でしたね お疲れ様でした
ありがとうございます。
ゼロへは下りれなかったけどゼロから登りきれて達成感はありますね。
意図せずタイムアタック的な渾身の山行となり、二日たっても疲れが癒えず、羽田に戻りましたが筋肉痛がきついです。
山行のインとアウトな時間を気にしなければいけないなど、公共交通を使わざるを得ない離島山行の難しさを感じました。
北海道は雌阿寒の警戒レベル引き下げにともない、現状維持なら来年全座登頂可能の見込みになったようです。
これを以てひとまず百は閉じれる目処が立ちました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する