スキーシーズンラストに - 浄土山根城に御前沢、山崎カールは快適、大日岳は修行 -
- GPS
- 22:19
- 距離
- 32.2km
- 登り
- 2,552m
- 下り
- 4,004m
コースタイム
- 山行
- 5:48
- 休憩
- 3:04
- 合計
- 8:52
- 山行
- 9:19
- 休憩
- 2:02
- 合計
- 11:21
天候 | 3日とも晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
下山口称名バス停から乗り合いバスで立山駅へ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
御前沢、雄山谷は稜線から見える範囲は残雪十分、山崎カールは社務所少し下より雷鳥平まで雪がつながっている。浄土山カールも龍王カールも全面滑降可能。室堂標高辺りでは縦溝に注意。早朝はアイスバーンに注意。 室堂乗越-奥大日-大日岳間は急な雪面の登下行、トラバースがありアイゼンとピッケル又はウィペットが必携。大日小屋から大日平らへの下りは夏道露出7割位でスキー可能雪面は断続的に3個所ほどで合わせて500m程度。 |
写真
感想
土曜日休日勤務だが午後は早く終わり、月曜日には代休を取った。2泊2.5日で今シーズンBCスキーラストを飾るべく、浄土山を根城に、3000mからの滑降と大日岳へのロングツアーを組み合わせた。
21日 今日は夕方室堂に上がって、浄土山の小屋に着けばよい。シールを着けて一ノ越への明瞭なトレースを辿り、祓堂辺りから浄土山カールの沢に入っていく。沢筋は稜線までしっかりと、広々と雪が残っているが、一ノ越-浄土山間の尾根はあらかた雪が無く、沢の途中から尾根に上がっていくことも出来ない。沢を詰めると急になっていくのでクトー使用。稜線および南峰の小屋まで板を脱がずに行けた。
一人寂しく小屋に泊まるつもりだったが、S田先生ご一行4名が先着していて、宴会を楽しめた。
22日 中日のこの日は3000mからの滑降を楽しむ日。先ずは龍王カールを雄山谷まで滑り降りる。朝7時はまだ雪面は硬めで、最上部の急斜面は慎重に入るが、後は気持ちよくスラロームで雄山谷に出る。一ノ越までの標高差100mを登り返すが、どうせ上でシートラになるのでここから板を担いでアイゼンで登った。一ノ越から雄山三角点まではもう完全に雪が無く、雄山の社務所前でやっと雪が踏める。
御前沢はまだ完璧に雪の世界、東斜面に陽があたって適度に緩み始めたザラメ雪で急斜面も怖くなくなった。標高2700m位まで滑ったら後は緩くなって面白くないので登り返すことにした。滑降距離は長くなかったが、室堂側からは想像つかない広々としたカールの景観、ここを独り占めしている気分がたまらない。
小一時間で再び雄山、今度は反対側の山崎カールを下りる。こちらはもう何人も入っていて、ドロップポイントに僕が立った時も先行者一人が下りようとしていた。雄山山頂直下から、室堂山荘手前までの標高差600m、今日一番の大滑降を楽しんだ。
室堂からのブル道に出会ったところで登り返し、室堂山荘をやり過ごして室堂ターミナルへ。ここへ寄る目的はゴミ捨てとトイレ、そしてビール。しばらくまったりして、ほろ酔いが覚めて来たらさて、浄土山へ帰るとしよう。
今度は室堂山方面の西面から浄土山北峰に上がることにする。他のスキーヤー、ボーダーに混じって室堂山の台地へと登って行き、左に逸れて次第に急になる斜面を上がっていく。目印の大岩を左手に見て雪の切れ目の一番高いところを目指していくと、露出した夏道に突き当たる。シートラ一息で北峰に達し、シール付けたままのスキーを再び履いて、南峰の小屋に戻った。
これで今日は終わっても良かったが、目の前にある龍王岳へ夕食前のお散歩とした。ここも手前のコルの雪田を抜ければ、登山道には全く雪が残ってなかった。
23日 浄土山頂から楽しく滑るには、7時に出た昨日よりさらに遅い方が良いが、今日は長丁場なのでそんなことは言ってられず、5時前に出発した。雪は硬いし、荷物は重い、斜滑降多用で浄土山カールを無事に下りる。祓堂から先は雷鳥平までのロングトラバース、こちらは楽勝と思いきや、縦溝がかなり発達していてその振動衝撃を受け止め、バランスを保つことが結構足に来る。雷鳥平までが今日最初の修行だった。
奥大日岳へと今度は登っていくが、雪がまだ相当硬いので初めからシートラにした。しばらくはアイゼンがよく効いて、新室堂乗越から室堂乗越を過ぎるまでは辛くも難しくもなかった。
室堂乗越から先、1420mピークを巻き、2511mピークを越えて行くが、急な雪面のトラバースと登り、雪道と夏道のつなぎ目といったプチ難所が出てくる。一番緊張したのが奥大日岳最高点直下のトラバース。ここを滑落したらどこまで落ちていくだろうか、あ、想像しない方が良かった。最高点の平坦地に辿り着いて一安心、一息歩いて三角点の山頂へ。剱岳と対峙して一休み。
奥大日岳から大日岳の間は大きなたわみがあり、鎖、ロープ、梯子の急坂が下りにも上りにもあり、雪に覆われていれば危険個所となる。雪道が随所で切れるので夏道を外さないルートファインディングも大事。雪庇は大分落ちてはいるが、まだ注意は必要。雪道で視界が効かないと間違った尾根に行く危険もあるが、その点は今日は大丈夫だった。中でも一番の難所が、七福園に上がる所の鎖場で、ここは行く度に雪の残り方が違うので戦略も様々となる。今回は鎖場の上半分は見えていて、下には雪の壁が残っていた。一番の弱点と見えた場所にトレースも残っていたのでそれを辿った。アイゼンフロントとウィペットのダブルアックスで。傾斜は60度位と思った。
七福園を北寄りに巻くように進んでいくと、大日小屋の赤い屋根が見え、そこまで雪がつながっているようだ。そこでスキーを履き、中大日はパスして下降気味にトラバース、あっという間に大日小屋のすぐ下に到達した。今度はシールを着けて大日岳へ登る。ここで大日平から登って来た先行者に遭遇し、しばし歓談。自転車も山もBCスキーもやると言う、僕と共通点の多い人で、若干僕よりご年配の様だった。
大日小屋に戻るまでが、本日最後の楽しい滑降、小屋より下100m位で夏道露出で歩かされることになる。途中2個所ほどはスキーが使える斜面がかろうじて残っていたが、藪が出始め、楽しい滑りにはならなかった。そして長い長い下り道、所々は雪が残り、崩壊、踏み抜きで下は沢の所も。途中で兼用靴は脱いで、持参したトレランシューズに履き替えた。これが正解でプラ靴のままでは辛く、より危険でもあっただろう。
大日平山荘手前の木道地帯まで来て、最終バスには間に合うだろうとの見通しが立った。一応急ぐが辛くないペースで良い。大日平の木道歩きを過ぎて、一段急に下ると牛ノ首。そこから下が急坂地帯、スキー、兼用靴を背負った重荷では慎重さが大事。木の枝にスキーが引っかかるのも煩わしい。猿が番場を過ぎると次第に道は緩く歩きやすくなり、淡々と頑張って遂に称名滝鑑賞道の登山口に出た。
最終バスには余裕があったので重荷はデポして称名滝展望台を往復。陽が大分傾いていたので見事に虹が出来ていたのが期待以上の収穫だった。荷物を取り戻してバス停へ。只一人の乗客となって運転手さんと会話を交わして立山駅に戻ってきた。大日小屋からの、スキーを背負っての下りもまた修行だったが、心地よい疲労感で終わることは出来た。
コメント
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てっきりDちゃんとマッタリツアーかと思っていましたが、かなりガッツリですね。
僕も行きたかったんですが、立山は滑り納めに…と思い、今週末にとっておきました。
内蔵助を狙ってたんですが、レコ拝見する限り御前谷も山崎カールもいい感じ。
テン泊で滑りまくるべきか悩んでます(笑)
結局今年も大日岳は滑れませんでしたが、来年ぜひ連れていってください。
Dちゃんドタキャンだったのと、月曜を代休に出来たのでしっかりツアーにしました。
立山周辺の標高の高いカール、沢はまだ楽しく滑れるでしょう。雷鳥平野営場ベースなら真砂沢なんかも。
大日岳はまともに滑れる時に是非行きたいですね。大日平への南斜面でも、早乙女岳への西尾根でも。
ニシデンさん、お疲れ様でした。
今シーズンのラストスキー、ご一緒できなくて残念でした。
ホタルイカの化身は、探索されたんでしょうか?
しかし、3日目の奥大日、大日あたりは、総合格闘技の様相に思いますが、ボクには無理だったように思います。下りの歩きがとっても速いニシデンさんが、シートラ修行してさらに強くなったら、とっても困るんですがねえ!
クマ
浄土山で流したスキー板は見つかりませんでした。ハイマツ帯にでも突き刺さっているとしたら雪が消えても出てきそうにないですね。
あの黒い板がホタルイカのイメージですかね?僕にはホタルイカは茶色としか見えませんが。茹でる前も後でも。イカスミのイメージか、ホタルイカの沖漬けなら大分黒っぽいからでしょうか。
大日連山縦走は大半シートラで大変でしたが、藪こぎがなかったので綜合格闘技には及ばないですね。スキーが引っ掛かる頭上の枝とやり取りした位で。
大日の下りは相当な修行だったようですね。Nishidenさんが修行とういうからにはとても大変だったことが窺えます。
今シーズンは不完全燃焼のままスキーを納めたのにこのレコを読んだらもうひと滑りしたくなりました。
去年はシールを出しっぱなしにしていたらベトベトとになったので今は冷蔵庫に入ってます(笑)
立山稜線から下りる沢ならまだまだ滑れますよ。カールならなお良し。
浄土山のカール、竜王カール、雄山谷、御前沢カール、内蔵助カール、真砂沢、剣沢、沢山あるでしょ。南向きの雷鳥沢は大分割れ目が出来てるとは聞きました。尾根状の大走りなんかは全然だめ。
シールの夏越え、僕のは冷蔵庫なんかに入れなくて大丈夫ですけどね。30年前の古いシールはべとついてますから、糊の違いでしょうか。
シーズンラストにふさわしい充実したBCスキーツアーですね!
アルペンルート開通の時は浄土山の櫓がまだ隠れていましたがかなり露出していますね。
室堂から上はまだまだ滑るには問題なさそうですね。僕はブーツが壊れるという中途半端な幕切れだったのでブーツの修理が早く終われば最後に・・なんて考えてしまいます。
浄土山の小屋も、4月の時には冬季用窓からしか出入りできませんでしたが、今回南側の玄関扉が完全に露出して雪かきなく開いていました。
早くスキーブーツ直ると良いですね。高所のカールはまだ十分滑れますが、期限切れまで秒読み段階にはあるのでしょうね。
最高ですね!
雪の少ない今年といえど、室堂から大日岳への稜線歩きは厳しい部分もありそうですね。
僕の場合、積雪期のソロはピストンにしといたほうが良さそうです。縦走だといざという時の撤退が難しくなりそうですし。
にしでんさんはじめ皆さんとちょいちょい同行させてもらいながら経験値上げて行けたらいいですね。
とりあえずスキーシーズン終了とのことですので、無雪期山行でまたご一緒させてください!
大日岳周辺を自分でも修行と言ったのは、スキーで滑れずに背負って延々と下ることになったからで、身軽な装備で歩けばそんなに大変じゃないですよ。室堂方面から一日ではちょっと長いし、残雪終期では雪の切れ目など臨機応変対応が要りますけど。
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