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Yamareco

記録ID: 92739
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

八ヶ岳縦走(観音平〜麦草峠〜にゅう〜唐沢鉱泉)

2010年10月16日(土) ~ 2010年10月18日(月)
 - 拍手
GPS
52:45
距離
33.3km
登り
3,363m
下り
3,066m

コースタイム

●10月16日(土)
5:55観音平〜7:00押手川〜8:00編笠山8:10〜8:30青年小屋8:40〜9:55権現岳10:30〜11:30キレット小屋12:00〜13:30赤岳14:00〜14:30地蔵ノ頭〜15:05行者小屋

●10月17日(日)
6:10行者小屋〜7:10地蔵ノ頭〜8:00横岳(奥ノ院)8:20〜9:05硫黄岳、火口壁南縁9:25〜9:55夏沢峠10:15〜11:25東天狗11:35〜11:45西天狗11:55〜12:05東天狗12:15〜12:55中山峠〜14:10高見石小屋、高見石14:35〜15:20麦草ヒュッテ15:35〜16:00青苔荘

●10月18日(月)
6:35青苔荘〜8:00にゅう8:25〜9:15黒百合ヒュッテ、擂鉢池展望所9:35〜10:40唐沢鉱泉
天候 10月16日 晴れ
10月17日 晴れ(薄曇り)
10月18日 晴れ
過去天気図(気象庁) 2010年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 自転車
観音平の駐車場(無料、約30台収容)は出発の6:00前ごろには20台くらい車がありました。路上駐車のスペースもまずまずありました。トイレはあったと思います。

唐沢鉱泉への道路は最後の約3.5kmが未舗装道で、自転車で下るのは恐怖でしたが車で行くには問題無いです。駐車場にトイレはありました。
コース状況/
危険箇所等
権現岳、赤岳の周りは崩れやすい岩質なので、落石(どれも小さいですが)に注意したほうが良いです。
その他、危なそうなところにはクサリが付いているので特に問題無いと思います。
予約できる山小屋
黒百合ヒュッテ
観音平にあった案内板
2010年10月16日 05:54撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 5:54
観音平にあった案内板
綺麗な樹林帯を行く
2010年10月16日 06:36撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 6:36
綺麗な樹林帯を行く
山頂手前で展望が開け、登ってきた樹林帯と登山口の観音平を振り返る
2010年10月16日 07:49撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 7:49
山頂手前で展望が開け、登ってきた樹林帯と登山口の観音平を振り返る
編笠山山頂。
後ろに権現岳、赤岳と阿弥陀岳
2010年10月16日 08:00撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 8:00
編笠山山頂。
後ろに権現岳、赤岳と阿弥陀岳
間近に見える南アルプス
2010年10月16日 08:03撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 8:03
間近に見える南アルプス
入笠山がある南アルプス北稜、奥には中央アルプス、御嶽山も見える
2010年10月16日 08:05撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 8:05
入笠山がある南アルプス北稜、奥には中央アルプス、御嶽山も見える
西岳と諏訪盆地。
北アルプスも見える
2010年10月16日 08:07撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 8:07
西岳と諏訪盆地。
北アルプスも見える
西ギボシ付近から見る編笠山
2010年10月16日 09:22撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 9:22
西ギボシ付近から見る編笠山
西ギボシを巻く辺りで
2010年10月16日 09:22撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 9:22
西ギボシを巻く辺りで
西ギボシから見た東ギボシ。
右端は権現小屋
2010年10月16日 09:25撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 9:25
西ギボシから見た東ギボシ。
右端は権現小屋
東ギボシの淵
2010年10月16日 09:33撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 9:33
東ギボシの淵
権現岳と小屋。
東ギボシより見る
2010年10月16日 09:38撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 9:38
権現岳と小屋。
東ギボシより見る
権現岳山頂
2010年10月16日 10:00撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 10:00
権現岳山頂
小淵沢と南アルプス
2010年10月16日 10:04撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 10:04
小淵沢と南アルプス
甲府盆地と富士山。
手前は三ツ頭
2010年10月16日 10:07撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 10:07
甲府盆地と富士山。
手前は三ツ頭
野辺山高原と奥秩父の山並。
2010年10月16日 10:02撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 10:02
野辺山高原と奥秩父の山並。
権現岳名物、61段のハシゴ
2010年10月16日 10:30撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 10:30
権現岳名物、61段のハシゴ
ハシゴの手前から望む赤岳、中岳、阿弥陀岳
2010年10月16日 10:29撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 10:29
ハシゴの手前から望む赤岳、中岳、阿弥陀岳
ツルネ北峰から見る赤岳
2010年10月16日 11:19撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 11:19
ツルネ北峰から見る赤岳
キレット小屋へ下って行く
2010年10月16日 11:20撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 11:20
キレット小屋へ下って行く
キレット小屋からの登りでは中央右のルンゼを通る
2010年10月16日 12:35撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 12:35
キレット小屋からの登りでは中央右のルンゼを通る
ルンゼを抜けた辺りで
2010年10月16日 12:53撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 12:53
ルンゼを抜けた辺りで
赤岳山頂まであと少し
2010年10月16日 13:25撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 13:25
赤岳山頂まであと少し
赤岳山頂
2011年05月29日 00:26撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
5/29 0:26
赤岳山頂
南アルプスをバックに権現岳
2010年10月16日 13:37撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 13:37
南アルプスをバックに権現岳
阿弥陀岳
2010年10月16日 13:38撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 13:38
阿弥陀岳
南八ヶ岳の核心部、奥に天狗岳や蓼科山。
赤岳頂上山荘の前にて
2010年10月16日 14:06撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 14:06
南八ヶ岳の核心部、奥に天狗岳や蓼科山。
赤岳頂上山荘の前にて
地蔵ノ頭から見る日ノ岳
2010年10月16日 14:28撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 14:28
地蔵ノ頭から見る日ノ岳
地蔵尾根の下り口。
上部は足場の悪い岩場
2010年10月16日 14:30撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 14:30
地蔵尾根の下り口。
上部は足場の悪い岩場
行者小屋から見上げる赤岳
2010年10月16日 15:06撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 15:06
行者小屋から見上げる赤岳
中山乗越展望台へ向かう道で
2011年05月29日 00:26撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
5/29 0:26
中山乗越展望台へ向かう道で
中山乗越展望台から見る赤岳
2010年10月16日 15:21撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 15:21
中山乗越展望台から見る赤岳
行者小屋のテント場
2010年10月16日 16:28撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/16 16:28
行者小屋のテント場
2日目。
地蔵尾根を登って行者小屋や美濃戸中山を振り返って見る。
北アルプスも良く見える。乗鞍岳の肩に見えるのはおそらく白山〜別山
2010年10月17日 07:06撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 7:06
2日目。
地蔵尾根を登って行者小屋や美濃戸中山を振り返って見る。
北アルプスも良く見える。乗鞍岳の肩に見えるのはおそらく白山〜別山
野辺山高原は雲に隠れ、その上から奥秩父の山々が覗く
2010年10月17日 07:07撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 7:07
野辺山高原は雲に隠れ、その上から奥秩父の山々が覗く
日ノ岳辺りから見た赤岳
2010年10月17日 07:32撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 7:32
日ノ岳辺りから見た赤岳
大権現から見る横岳
2010年10月17日 07:45撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 7:45
大権現から見る横岳
横岳奥ノ院。
後ろは富士山
2010年10月17日 08:03撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 8:03
横岳奥ノ院。
後ろは富士山
赤岳、阿弥陀岳、権現岳、編笠山。
奥は南アルプス
2010年10月17日 08:02撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 8:02
赤岳、阿弥陀岳、権現岳、編笠山。
奥は南アルプス
大同心
2010年10月17日 08:04撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 8:04
大同心
台座ノ頭から硫黄岳を見る。
青い屋根は硫黄岳山荘
2010年10月17日 08:34撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 8:34
台座ノ頭から硫黄岳を見る。
青い屋根は硫黄岳山荘
稜線伝いに見る横岳と赤岳
2010年10月17日 09:00撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 9:00
稜線伝いに見る横岳と赤岳
硫黄岳の爆裂火口
2010年10月17日 09:10撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 9:10
硫黄岳の爆裂火口
硫黄岳の爆裂火口
2010年10月17日 09:21撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 9:21
硫黄岳の爆裂火口
硫黄岳を下り始める。
正面に天狗岳、蓼科山など
2010年10月17日 09:27撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 9:27
硫黄岳を下り始める。
正面に天狗岳、蓼科山など
夏沢峠の辺りから樹林帯に入る
2011年05月29日 00:26撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
5/29 0:26
夏沢峠の辺りから樹林帯に入る
樹林帯を抜けると根石岳が現れる。
根石山荘の前で
2010年10月17日 10:46撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 10:46
樹林帯を抜けると根石岳が現れる。
根石山荘の前で
根石岳から見る西天狗
2010年10月17日 10:54撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 10:54
根石岳から見る西天狗
こちらは東天狗
2010年10月17日 10:54撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 10:54
こちらは東天狗
荒々しい東天狗の山頂直下にて。
左は西天狗
2010年10月17日 11:18撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 11:18
荒々しい東天狗の山頂直下にて。
左は西天狗
根石岳、南八ヶ岳の核心部を望む。
東天狗より
2010年10月17日 11:23撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 11:23
根石岳、南八ヶ岳の核心部を望む。
東天狗より
北に黒百合平、中山、北横岳や蓼科山を望む。
東天狗より
2010年10月17日 11:30撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 11:30
北に黒百合平、中山、北横岳や蓼科山を望む。
東天狗より
西天狗より見る東天狗
2010年10月17日 11:45撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 11:45
西天狗より見る東天狗
東天狗〜中山峠間にて。
正面は中山
2010年10月17日 12:42撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 12:42
東天狗〜中山峠間にて。
正面は中山
中山峠付近より東に広がる樹林帯を見渡す
2010年10月17日 13:06撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 13:06
中山峠付近より東に広がる樹林帯を見渡す
中山山頂から少し北西へ進んだところにある展望台。
2010年10月17日 13:30撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 13:30
中山山頂から少し北西へ進んだところにある展望台。
西側の展望が良い。
2010年10月17日 13:32撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 13:32
西側の展望が良い。
高見石小屋へ向かう下り道で
2011年05月29日 00:26撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
5/29 0:26
高見石小屋へ向かう下り道で
高見石より見る白駒池
2010年10月17日 14:23撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 14:23
高見石より見る白駒池
白駒の奥庭
2010年10月17日 15:47撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 15:47
白駒の奥庭
青苔荘のテント場
2010年10月17日 16:38撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 16:38
青苔荘のテント場
白駒池湖畔にて
2010年10月17日 16:44撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/17 16:44
白駒池湖畔にて
3日目。
テント場近くの木道
2010年10月18日 06:37撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/18 6:37
3日目。
テント場近くの木道
白駒湿原
2010年10月18日 07:01撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/18 7:01
白駒湿原
にゅう
2010年10月18日 07:56撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/18 7:56
にゅう
樹海の広がりが印象的な、にゅうからの大展望。
前日立ち寄った高見石や丸山も見え、その後方には北アルプスの山並みも見える。
2010年10月18日 08:05撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/18 8:05
樹海の広がりが印象的な、にゅうからの大展望。
前日立ち寄った高見石や丸山も見え、その後方には北アルプスの山並みも見える。
黒百合ヒュッテ付近の木道
2011年05月29日 00:27撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
5/29 0:27
黒百合ヒュッテ付近の木道
擂鉢池の展望所より天狗岳を見上げる
2010年10月18日 09:24撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
10/18 9:24
擂鉢池の展望所より天狗岳を見上げる
黒百合平からの下り道で
2011年05月29日 00:27撮影 by  EX-Z40 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
5/29 0:27
黒百合平からの下り道で

感想

●10月16日(土) [観音平〜編笠山〜権現岳〜赤岳〜行者小屋(テント泊)]
日が昇る頃に観音平を出発。
編笠山への登りは樹林の下に岩がゴロゴロとした道で歩きにくいが、後ろを向けば、ところどころで南アルプス北部の秀峰が見える。
木々が低くなると急に岩に覆われた編笠山の山頂に出る。これから向かう権現岳、赤岳〜阿弥陀岳が見える。富士山に、南、中央、北アルプスも見渡せ、実に良い天気だ。

青年小屋まで少し下ったら権現岳まで再び登り返し。信玄が構築したといわれるノロシバの辺りから山肌はゴツゴツとしてくる。権現岳からは東側の裾野と奥秩父の山並みも見える。

権現岳から長いハシゴを下り、3つのピークを越えるとキレット小屋に着く。「キレット」と聞くと急峻な岩の稜線を思い浮かべるが、ここには木が生え小屋が建ち、コマクサが咲く砂礫地がある、という何の危険もないところだった。

キレット小屋を出て灌木帯を抜け、岩々のルンゼを登る。ここが今回のコースで一番の難所のような気がするが、写真を見て思い出すくらいなので、そう大したことはない。

岩々を登りきり赤岳山頂に出ると、人で賑っていた。さすがは八ヶ岳の主峰だ。権現岳の背後に南アルプスの山々が聳える姿が素晴らしい。

赤岳からは北へ稜線を下り、さらに地蔵尾根を行者小屋へ向けて下る。小屋でテント泊の受付を済ませた後、中山乗越展望台へ行ってみる。静かな場所で、赤岳や横岳の展望が良い。座っていると眠たくなったので、小屋に戻ってテントを張った。


●10月17日(日) [行者小屋〜横岳〜硫黄岳〜天狗岳〜麦草峠〜青苔荘(テント泊)]
地蔵尾根を登って縦走を再開する。稜線は風が強くて寒く、ニット帽を持って来なかったことを嘆く。今日は雲海あり、上にも雲ありなのだが、遠望は利いていて、後立山連峰は前日よりもはっきり見える。高曇りというのか、薄い雲が空を覆っていて日差しが弱い1日。

日ノ岳の辺りからは赤岳北面の眺めが良い。縦走路がはっきり見えるためか理由は分からないが、この豪快な風景は気に入った。まもなく横岳山頂(奥ノ院)に着くと、浅間山と前週に行った頸城山塊が見える。風が依然として弱まらず、寒さでパンを噛む力が弱くなっていたので、ここで衛生用マスクを着用する。

横岳から緩く下って登り返し、硫黄岳の広い山頂へ。よく見渡すと、標柱のあるところよりも東側の爆裂火口の火口壁のほうが高く、道もついているので行ってみる。最高点と思われるところには何も無く、火口壁の縁が崩壊するので近づかないようロープが張られていたので、火口壁の見えなかったところが少し見えた、という以外に収穫はなかった。

それから、未踏の領域へ向けて硫黄岳を下る。先に見える天狗岳以外はほとんどが樹林帯だ。夏沢峠を過ぎ、根石岳へ。根石岳では360°の展望が得られ、間近の東西天狗の眺めが良い。赤岳はだいぶ遠くに感じられる。
さらに北へ緩く下り、東天狗の岩々を登ると、またまた360°の展望。標高が少し高い西天狗へも往復したが、目と鼻の先で展望も似たようなもの。どちらかと言えばゴツゴツ感がある東天狗のほうが気に入った。

さて、再び北へ歩みを進め、中山峠へ。にゅうを経由して白駒池に入るつもりだったが、樹林間の一本道で分岐を見落として直進してしまい、そのまま中山、高見石を経由して麦草峠へ向かうことにする。高見石は大きな岩々が積み重なった展望台で、白駒池、蓼科山方面が良く見渡せる。
北八ヶ岳は樹林帯というイメージが強かったが、こういう岩々で「火山地形の上に形成された樹林帯」という認識ができた。登山道も岩がゴロゴロしているところが多く、樹林間も下は緑なのだが、苔が付いた岩が多かった。

さてさて、丸山から最後の下りを麦草峠へ下って、縦走のフィナーレを迎える。ちょうど茅野駅行きのバスが停まっていて、それに乗れば下界に下れるのだが、白駒池とにゅうへ行きたいので再び入山。

きれいな樹林帯を30分ほど歩いて白駒池北岸の青苔荘に着く。高見石の小屋でもテントは張れたのだが、青苔荘が湖畔ということと、3日目の行程を楽にするため、どうしてもここに泊まりたかった。
青苔荘の旦那は「日曜日だから小屋を閉めて下りるよ。明日は君一人だけで淋しいよ。」と言う。
すぐそばのテント場(周辺の案内板にはキャンプ場と書いてあった)は樹林間で整地されて板付の区画もあり、木々の間に池が見える、といったロケイション。一人でこの静寂の地を貸し切りだ。


●10月18日(月) [青苔荘〜にゅう〜唐沢鉱泉]
起きてフライシートの結露を確認しようと触ると水滴が凍っていた。水道の蛇口も凍っていて、これには笑うしかなかった。
昨日も飛んで来ていたルリビタキが木に停まって鳴いている。住み着いているのだろう。トイレに行って帰って来ると、草の中から出てきたリスが木を駆け上がって停まり、他の木にジャンプする。生でこんな光景を見られるとは何と幸せなことか。

さてさて、冷痛に耐えながらテントを片付け、池を回ってにゅうへ向かう。池の周りは木道で良く整備されているのだが、霜が付いて滑る。樹林間の岩がゴロゴロした道をひたすら歩くと、岩が積み重なった展望の良いにゅうに到着。この「にゅう」という名前は、刈り取り後の稲を円筒状や円錐形などに積み上げた稲藁のことらしい(ヤマケイ・アルペンガイドより)。ここ1ヶ月間、信州の田園地帯でそれを何度か見たのだが、形は似ていない。まあ、名前の由来が「乳」でなくとも、山名がひらがなで珍しいというだけで良いのだ。

最後のピークを後にして、中山峠へ向けて歩く。黒百合ヒュッテから斜面を少し登って、天狗ノ奥庭という溶岩台地と天狗岳を眺めたら、唐沢鉱泉へ向けてついに下山。

駐車場に着くと、僕の折り畳み自転車が悪戯を免れて残されていた。観音平までは、茅野駅まで下りて電車+徒歩にするか、山麓をトラバースして観音平の入口から徒歩にするか迷ったが、体力が残っていたのでトラバース+徒歩にした。観音平の入口の近くに喫茶店があったので、自転車とザックを置いて軽身で歩けた。結局車の回収には4時間近くかかったが、喫茶店で山行の余韻に浸りながら食べた白桃ソフトクリームが美味しかったので良しとしよう。

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無雪期ピークハント/縦走 八ヶ岳・蓼科 [3日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
ハイキング 八ヶ岳・蓼科 [日帰り]
技術レベル
2/5
体力レベル
3/5

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