八ヶ岳縦走(観音平〜麦草峠〜にゅう〜唐沢鉱泉)
- GPS
- 52:45
- 距離
- 33.3km
- 登り
- 3,363m
- 下り
- 3,066m
コースタイム
5:55観音平〜7:00押手川〜8:00編笠山8:10〜8:30青年小屋8:40〜9:55権現岳10:30〜11:30キレット小屋12:00〜13:30赤岳14:00〜14:30地蔵ノ頭〜15:05行者小屋
●10月17日(日)
6:10行者小屋〜7:10地蔵ノ頭〜8:00横岳(奥ノ院)8:20〜9:05硫黄岳、火口壁南縁9:25〜9:55夏沢峠10:15〜11:25東天狗11:35〜11:45西天狗11:55〜12:05東天狗12:15〜12:55中山峠〜14:10高見石小屋、高見石14:35〜15:20麦草ヒュッテ15:35〜16:00青苔荘
●10月18日(月)
6:35青苔荘〜8:00にゅう8:25〜9:15黒百合ヒュッテ、擂鉢池展望所9:35〜10:40唐沢鉱泉
天候 | 10月16日 晴れ 10月17日 晴れ(薄曇り) 10月18日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
唐沢鉱泉への道路は最後の約3.5kmが未舗装道で、自転車で下るのは恐怖でしたが車で行くには問題無いです。駐車場にトイレはありました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
権現岳、赤岳の周りは崩れやすい岩質なので、落石(どれも小さいですが)に注意したほうが良いです。 その他、危なそうなところにはクサリが付いているので特に問題無いと思います。 |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
感想
●10月16日(土) [観音平〜編笠山〜権現岳〜赤岳〜行者小屋(テント泊)]
日が昇る頃に観音平を出発。
編笠山への登りは樹林の下に岩がゴロゴロとした道で歩きにくいが、後ろを向けば、ところどころで南アルプス北部の秀峰が見える。
木々が低くなると急に岩に覆われた編笠山の山頂に出る。これから向かう権現岳、赤岳〜阿弥陀岳が見える。富士山に、南、中央、北アルプスも見渡せ、実に良い天気だ。
青年小屋まで少し下ったら権現岳まで再び登り返し。信玄が構築したといわれるノロシバの辺りから山肌はゴツゴツとしてくる。権現岳からは東側の裾野と奥秩父の山並みも見える。
権現岳から長いハシゴを下り、3つのピークを越えるとキレット小屋に着く。「キレット」と聞くと急峻な岩の稜線を思い浮かべるが、ここには木が生え小屋が建ち、コマクサが咲く砂礫地がある、という何の危険もないところだった。
キレット小屋を出て灌木帯を抜け、岩々のルンゼを登る。ここが今回のコースで一番の難所のような気がするが、写真を見て思い出すくらいなので、そう大したことはない。
岩々を登りきり赤岳山頂に出ると、人で賑っていた。さすがは八ヶ岳の主峰だ。権現岳の背後に南アルプスの山々が聳える姿が素晴らしい。
赤岳からは北へ稜線を下り、さらに地蔵尾根を行者小屋へ向けて下る。小屋でテント泊の受付を済ませた後、中山乗越展望台へ行ってみる。静かな場所で、赤岳や横岳の展望が良い。座っていると眠たくなったので、小屋に戻ってテントを張った。
●10月17日(日) [行者小屋〜横岳〜硫黄岳〜天狗岳〜麦草峠〜青苔荘(テント泊)]
地蔵尾根を登って縦走を再開する。稜線は風が強くて寒く、ニット帽を持って来なかったことを嘆く。今日は雲海あり、上にも雲ありなのだが、遠望は利いていて、後立山連峰は前日よりもはっきり見える。高曇りというのか、薄い雲が空を覆っていて日差しが弱い1日。
日ノ岳の辺りからは赤岳北面の眺めが良い。縦走路がはっきり見えるためか理由は分からないが、この豪快な風景は気に入った。まもなく横岳山頂(奥ノ院)に着くと、浅間山と前週に行った頸城山塊が見える。風が依然として弱まらず、寒さでパンを噛む力が弱くなっていたので、ここで衛生用マスクを着用する。
横岳から緩く下って登り返し、硫黄岳の広い山頂へ。よく見渡すと、標柱のあるところよりも東側の爆裂火口の火口壁のほうが高く、道もついているので行ってみる。最高点と思われるところには何も無く、火口壁の縁が崩壊するので近づかないようロープが張られていたので、火口壁の見えなかったところが少し見えた、という以外に収穫はなかった。
それから、未踏の領域へ向けて硫黄岳を下る。先に見える天狗岳以外はほとんどが樹林帯だ。夏沢峠を過ぎ、根石岳へ。根石岳では360°の展望が得られ、間近の東西天狗の眺めが良い。赤岳はだいぶ遠くに感じられる。
さらに北へ緩く下り、東天狗の岩々を登ると、またまた360°の展望。標高が少し高い西天狗へも往復したが、目と鼻の先で展望も似たようなもの。どちらかと言えばゴツゴツ感がある東天狗のほうが気に入った。
さて、再び北へ歩みを進め、中山峠へ。にゅうを経由して白駒池に入るつもりだったが、樹林間の一本道で分岐を見落として直進してしまい、そのまま中山、高見石を経由して麦草峠へ向かうことにする。高見石は大きな岩々が積み重なった展望台で、白駒池、蓼科山方面が良く見渡せる。
北八ヶ岳は樹林帯というイメージが強かったが、こういう岩々で「火山地形の上に形成された樹林帯」という認識ができた。登山道も岩がゴロゴロしているところが多く、樹林間も下は緑なのだが、苔が付いた岩が多かった。
さてさて、丸山から最後の下りを麦草峠へ下って、縦走のフィナーレを迎える。ちょうど茅野駅行きのバスが停まっていて、それに乗れば下界に下れるのだが、白駒池とにゅうへ行きたいので再び入山。
きれいな樹林帯を30分ほど歩いて白駒池北岸の青苔荘に着く。高見石の小屋でもテントは張れたのだが、青苔荘が湖畔ということと、3日目の行程を楽にするため、どうしてもここに泊まりたかった。
青苔荘の旦那は「日曜日だから小屋を閉めて下りるよ。明日は君一人だけで淋しいよ。」と言う。
すぐそばのテント場(周辺の案内板にはキャンプ場と書いてあった)は樹林間で整地されて板付の区画もあり、木々の間に池が見える、といったロケイション。一人でこの静寂の地を貸し切りだ。
●10月18日(月) [青苔荘〜にゅう〜唐沢鉱泉]
起きてフライシートの結露を確認しようと触ると水滴が凍っていた。水道の蛇口も凍っていて、これには笑うしかなかった。
昨日も飛んで来ていたルリビタキが木に停まって鳴いている。住み着いているのだろう。トイレに行って帰って来ると、草の中から出てきたリスが木を駆け上がって停まり、他の木にジャンプする。生でこんな光景を見られるとは何と幸せなことか。
さてさて、冷痛に耐えながらテントを片付け、池を回ってにゅうへ向かう。池の周りは木道で良く整備されているのだが、霜が付いて滑る。樹林間の岩がゴロゴロした道をひたすら歩くと、岩が積み重なった展望の良いにゅうに到着。この「にゅう」という名前は、刈り取り後の稲を円筒状や円錐形などに積み上げた稲藁のことらしい(ヤマケイ・アルペンガイドより)。ここ1ヶ月間、信州の田園地帯でそれを何度か見たのだが、形は似ていない。まあ、名前の由来が「乳」でなくとも、山名がひらがなで珍しいというだけで良いのだ。
最後のピークを後にして、中山峠へ向けて歩く。黒百合ヒュッテから斜面を少し登って、天狗ノ奥庭という溶岩台地と天狗岳を眺めたら、唐沢鉱泉へ向けてついに下山。
駐車場に着くと、僕の折り畳み自転車が悪戯を免れて残されていた。観音平までは、茅野駅まで下りて電車+徒歩にするか、山麓をトラバースして観音平の入口から徒歩にするか迷ったが、体力が残っていたのでトラバース+徒歩にした。観音平の入口の近くに喫茶店があったので、自転車とザックを置いて軽身で歩けた。結局車の回収には4時間近くかかったが、喫茶店で山行の余韻に浸りながら食べた白桃ソフトクリームが美味しかったので良しとしよう。
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