上高地から前穂、奥穂、そして穂高岳山荘へ
- GPS
- 09:53
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 2,190m
- 下り
- 714m
コースタイム
- 山行
- 8:36
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 9:42
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
北アルプス縦走。
初めての北ア。初めての小屋泊。
本年のメインイベント。
今年、ムキになって山に登っていたのは、この登山のためだ。数えたら、今年5月以降23回も登っている。山の大小はあるにせよ。
23回中9回は米っちょと。すべては北アに向けてのトレーニング。徐々に難易度を上げていく、完璧なプランニング。さすが米っちょだ。
おかげさまで、無事に行ってこられました。
素晴らしかった。登山者の誰もが「北アルプス♡」と言う理由が分かった。
大満足の3日間。
大満足の反動で、帰宅後、気が抜けて何もやる気が起きないのが唯一の困りごと。
一緒に行ったのは、米っちょと西村くんと、といういつもの3人。
「いつも」と言っても、実際に3人揃って登るのは、2年ぶり2度目。2人で登ることは何度もあったけれど、3人はなかなか揃わない。今回の山行にあわせて、皆がスケジュール調整しての勢揃い。
そして今回は、同行メンバーがもう3人。みんなのアイドル長田真理子のご主人。その友人が2人で計6名だ。
「あれが真理子ちゃんのご主人かぁ」
「そう。サトルさん」
「真理子ちゃんはああいう人が好きなんだね」
「寡黙な人だよ」
「へー」
「亀ちゃんと正反対」
「はぁ?」
そんなこと聞いてねーし。長田、結構オレのこと好きだし。
そして、よく誤解されるのだが、ぼくは無口な方だ。
あっ、いま失笑が聞こえた。
うむ。確かに「無口」は語弊がある。しかし、そうかと言って、自分から話すタイプでもないのだ。
これは本当のことで、ぼく自身、そのことに気が付いたときは結構びっくりした。あ、オレ、ネタを振ってくれる人がいないときは黙ってるんだ、って。
今回は総勢6名。
5人が代わる代わるネタを振ってくれる。
キメるのはオレ一人。もう、気分はズラタン。ズラタン・イブラヒモビッチ。
「オレはカメダだが、お前らは誰だ?」
そんなカンジ。
今回はなかなか調子が良かったよ。
亀田バズーカ炸裂。行けるところまで亮的緩和。
皆で、遙か彼方の稜線に人が見えるかどうかで盛り上がっている。
「えっ、どこですか?全然分からないなぁ」
「ほら、あそこのちょっと膨らんでいるところから少し右に行った」
「うーん…」
「…」
「あっ、あそこだ。見えます。おおっ、あの子結構カワイイですね!」
これ、結構ウケたし。
特に初対面の3人にウケてましたよ。
サトルさんも
「カワイイって(笑)」
みたいに、反芻しながらウケてたからね。
もちろん、長い付き合いの二人にも全力投球でしたよ。
「ねえ、西村くん。あの尖った山、なんて名前かな?」
「うーん、なんだろうねぇ」
「ああ、あれは槍だよ」
「いや、亀ちゃん、槍ヶ岳じゃないよ」
「あの山の名前はわからなくても、槍ヶ岳じゃないことは分かる」
「へー」
「テキトーだなぁ。じゃあ、あっちの山は?」
「槍」
「いや、亀ちゃんに聞いてないし」
「しかもいま、見もせずに答えたよね」
「ホント、テキトー」
「だいたい、槍ヶ岳いくつあるの?」
「そりゃ、槍は三本でしょ」
「はぁ?」
「なにそれ?」
「三本の槍。カメノミクスだよ」
「…」
「……」
いやこれ、結構なギャグですよ?山の名前を質問したところから「カメノミクス」に着地してるんだから。相当高度。およそ3,000メートルくらい?
「なんだよなんだよ。こっちがオモシロいこと言ってるのに、お前らときたら」
「なにその、ウケないのは客が悪い的な言い方は」
「ちっ」
てなわけで、そこからはしばらく、お口ミッフィー。黙って歩く。
二人とも徐々にペースが落ちていく。
ほらみろ。初日は下らないことを言った方が良いんだよ。初日は登りばかり。つまり、下らない。
山小屋に無事到着。
明日は、二手に分かれる。
ぼくらは、北穂高岳へ。涸沢岳から北穂高岳へのルートは難度E。これは最高難度だ。文字通りの断崖絶壁。
サトルさんたちのルートは、E難度のさらに上。ランク外。国内最難関コース、泣く子も黙るジャンダルム経由の西穂高岳。
「明日、サトルさんたちが行くのって、なんて名前だっけ?ジャンヌ・ダルクじゃなくて、ジャン・バルジャン?」
「ジャンダルムだよ」
「それってどういう意味?」
「フランス語で衛兵って意味らしいよ」
「えーっ!へぇ〜」
すまない。つまらないことを言ってしまった。
いや、イチローも言ってるじゃないか
「4000本のヒットを打つために、8000回以上の悔しい思いをしてきている」
って。
ぼくだって、いつもいつもオモシロいことを言えるわけじゃない。
「ぷぷぷっ」
「ぶわっはははははっ」
ええええっ。ウケてる。ウケてるじゃん。
今回の山行で一番ウケたギャグがまさかの、これ。
正直、ちょっと傷ついている。
そんなぼくの気持ちも知らず、夜は更ける。
我々登山部は、写真部でもある。
ぼくはNikon。米っちょはCanon。西村くんはSONY。皆、ご大層なカメラを担いで登っている。
夜景撮影の開始だ。
夜景撮影と言えば、米っちょ。昼間忙しい米っちょは、夜な夜な夜の街へ繰り出しているそうだ。奈良井宿で撮った夜景は、テレビで紹介されたほど。
一方、西村くんは、初めての夜景撮影。
米っちょがレクチャー。設定やコツを、惜しみなく教えている。
「米っちょ、やさしいよね」
「うんうん」
ただし、やさしいやらしい一字違い、ということをご存知だろうか。
ここに、徳島の山ガールが登場する。
思い出していただけるだろうか。ぼくが滑落しかけた、あの西駒登山で出会ったのが、その彼女だ。穂高岳山荘で働いている。
今回の隠された目的のひとつは、彼女に会うこと。
そんな彼女が、夜景撮影に登場だ。
すっと近づく、米っちょ。
レクチャーをはじめる。
「あのヤロー、「奥手だから」とか言いつつ、いきなり奥の手を出しやがって」
標高3,000メートル。見える光は星の瞬き。カメラ片手の山ガールと、ファッションモンスターのヤサ男。
恋、始まりますか?
K子さん、安心して下さい。同行者はぼくと西村くん。不動のKYツートップ。一瞬たりとも、二人きりにはさせません。むしろ西村くんが一瞬二人きりになっとる。うん、でもこっちはno problem。事故はない。
無事故に感謝しつつ、ぼくらは眠りについた。
瞬殺。爆睡。
(翌日に続く)
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