大菩薩嶺から滝子山へ 富士山は見えなくても満足な甲州アルプス
- GPS
- --:--
- 距離
- 25.8km
- 登り
- 1,422m
- 下り
- 2,554m
コースタイム
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 9:45
天候 | 晴れ→曇り→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
第1便は8:10発ですが、7:45に臨時便が出ました |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません |
写真
感想
奥多摩から瑞牆山、大菩薩嶺界隈は歩いたことがあるけれど、秀麗富嶽十二景の山々はひとつも訪れたことがありません。本当は、今年の冬は秀麗富嶽十二景に挑戦してみようと計画していましたが、疲労その他で自宅から少しでも近い奥多摩を選択してしまったのでした(レコは作成中)。
先月に黒川鶏冠山(こちらもレコは作成中)に登った際に、「甲州アルプス」というご当地アルプスがあることを知りました。その後、雁坂小屋の食飲研修で、秩父・奥秩父の山域が「東アルプス」と呼ばれていることを知りました。う〜ん、気になる。
調べてみると、上日川峠から縦走できるらしい。ただし、スタート時間が遅くなるため、私のようなノーマルハイカーでは、日が長い今の時期しか挑戦できない。どうしようか迷いましたが、挑戦してみることにしました。
問題は、コースをどうするか?上日川峠から石丸峠に進み、そのまま縦走すると、行程を若干短縮することができますが(小屋平スタートなら、さらに短縮可)、昨年閉まっていた介山荘でオリジナルバッジを購入したい。また、福ちゃん荘からの唐松尾根を歩いたことがないので、こちらも歩いてみたい。そんなわけで、大菩薩嶺を経由して縦走することにしました。
甲斐大和駅発の第1便のバスは8:10。このため、7:38着の電車で来る方が多いようですが、電車が駅に到着するなりダッシュを繰り広げる必要があるようなので、7:11着の電車にしました。さすがにこの電車はガラガラで、バス停に並んだのは、私を含めて4人。すぐに臨時便のバスが到着したので、乗車して待っていると、7:38の電車が到着したのか、あっという間に満席になりました。残念ながら乗車できなかった方は、次のバスへ。1本早い電車で来て良かった。そして、定刻より25分早く、7:45に臨時便が発車。スタートが遅いので、この25分はとても貴重です。
上日川峠に到着すると、駐車場はほぼ満車でした。大菩薩嶺は人気があるな…。準備をして出発です。
大菩薩嶺は過去3回登ったことがありますが、いずれも雪山ハイクができる時でした。夏道は初めてだったので、全てがとても新鮮でした。福ちゃん荘までユルユル登り、唐松尾根へ。ここまでは天気が良く、富士山が期待できました。
とても歩きやすい唐松尾根をサクサク登り、雷岩に到着すると、残念ながら富士山には雲がかかり始めていて、5秒くらい山頂の一部が見えただけで、すぐに雲の中へ。周りからも「あ〜あ」とため息のような声が聞こえてきました。雲の行方を眺めている暇はないので、大菩薩嶺へ。
相変わらず木々に囲まれていて何も見えない大菩薩嶺。しかし、百名山だけあって撮影渋滞が発生していました。ここでは写真を撮るのみですぐに戻り、雷岩をスルーして大菩薩峠を目指します。田んぼのような泥濘状態の道しか歩いたことがなかったこの区間は、まだ元気なこともあり、ルンルン気分で歩くことができました。
大菩薩峠でも撮影渋滞が発生していました。その後、お楽しみの介山荘へ。今回はきちんと営業していました。忘れずにバッジを購入すると、「東アルプス」の黄色いバンダナが目に留まりました。ここで小屋番さんと「東アルプス」談義で盛り上がり、長居してしまいました。
少し登って熊沢山を通過し、石丸峠へ大きく下ります。前方には小金沢山らしき山が見え、あそこまで登り返すのか…と少し気合いを入れます。石丸峠を団体さんが小金沢山方面に進んでいたので、結構人気のある山なのでしょうか。スタートから2:00で石丸峠に到着。大菩薩嶺を経由した割には、コースタイム的にそんなに遅れていない。何とか明るいうちにゴールすることができるかな?
石丸峠からは、いよいよ本番。小刻みなアップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げていきます。天狗棚山は少し開けていて、ここで休憩されている方もいました。ここから見える峠のような場所へ下ると、峠というよりはだだっ広い感じ。道から少し離れた場所に見事な一本松が生えていて、その下に標識らしきものが見えたので行ってみると、狼平と書いてありました。飛龍山と三条ダルミの間にも狼平がありましたが、こちらの方が規模が大きく感じました。
だんだんと倒木が増えてきて、あまり手入れされていない奥秩父のような雰囲気の道となり、登り終えると小金沢山に到着。初めての秀麗富嶽十二景ですが、雷岩の時点で富士山は見えていないので、さほどガッカリすることはありませんでした。標高2,014mの小金沢山。標高年だった2014年は、今年の雲取山のように盛り上がったのでしょうか?
この先、牛奥ノ雁ヶ腹摺山までは比較的平らな道が続き、体力温存・回復を図るとともに、ストレスなく楽しく歩くことができました。ここも秀麗富嶽十二景ですが、もちろん富士山は見えません。ここで昼食とする予定でしたが、富士山が見えないことと年配の団体さんがこちらに向かっているのが見えたので、そんなに広くはないこの場所は混雑必至。あと1時間ほど頑張って、黒岳まで進むことにしました。
もったいないほど大きく下って、笹原に出ました。牛奥ノ雁ヶ腹摺山を目前にした先ほどの団体さんがとても辛そうな顔をされていたので、妙に納得。少し登り返して川胡桃沢ノ頭。再び奥秩父っぽい道となり、ちょっとした岩場のような場所を超えて、大峠への分岐からさらに登り返して黒岳に到着しました。
地味な感じの黒岳は、木々に囲まれて何も見えません。どうしようかな?地図を確認すると、そんなに離れていない場所に白谷丸があり、「南側に展望が開ける」と書いてあります。せっかくだから、ここまで進んでみようかな。「お腹空いたなぁ〜」とブツブツ独り言を言いながら進むと、10分ほどで白谷丸に到着。
おぉ、ここは凄い!これから歩く方面が見えて、まだまだ続く大きなアップダウンにうんざりしますが、この界隈の休憩場所としては最適でしょう。ここまで来て良かったな。パンを頬張りながら地図を眺め、まだ半分も進んでいないかなと思いつつ、でも一応予定通りに来ていることに安心しました。
昼食後、左方面に少しは離れた展望台のような場所に立ち寄ってみました。日差しを遮る木がないので、暑い日はうんざりするかもしれませんが、ここで休憩にするのも良いかと思いました。どれがラストの滝子山だろう?
湯ノ沢峠に向けて、悲しくなるほど大きく下ります。本来の登山道が崩壊か何かで通行止めになっていて、和名倉山のように笹を切り開いた歩きにくい急傾斜の迂回路を下り終えると、湯ノ沢峠に到着。だいぶ下ってしまったけれど、この先、大丈夫かな?避難小屋の偵察を楽しみにしていたのですが、残念ながら少し離れた場所にあるようでした。
少し登ると、食害防止用の扉が現れました。扉を通過すると、いかにも整備された感がある草原歩きとなりました。さらにいくつかの扉を通過すると湯ノ沢峠お花畑という標識がありました。お花の咲く季節はとても綺麗なのだろうな。このあたりからちょうど晴れてきて、日差しを遮る木が無くて暑かったです。
お花畑を過ぎると、また和名倉山のような道となり、大蔵高山に到着。もう半分は過ぎたかな?この時間でも休憩されている方がいて少し驚きました。みなさん、ゴールはどこなのだろう?
天気は晴れていても富士山は霞んでしまって見えないし、滝子山までは気が抜けないので、休憩せずに先に進みます。大倉高山からハマイバ丸までは、今回の行程で一番歩きやすかったです。ここで体力を回復することができました。
以前から気になっていた名前のハマイバ丸に到着。漢字で書くと「破魔射場丸」。かつて、ここで破魔打ち競技が行われたのでしょうか。ここでも霞んで富士山は見えず…。
途中にある標識にようやく「滝子山」の名前が出てくるようになり、またしても和名倉山っぽい雰囲気の道を通過すると、パッサパサに乾いた急下りとなりました。本当に乾燥していて、一歩踏み出すごとに砂塵が巻き上がります。おまけに、周りに生えている木は棘だらけで掴むことができず、慎重に下りました。今回の行程で一番面倒な下りでした。
下り終えて、登り返しながら大きな天下石、米背負峠を通過すると、滝子山への分岐にぶつかりました。すぐ上に大谷ヶ丸が見えているので、もちろん登って大谷ヶ丸に到着。よしよし、これであとは滝子山のみ。大きなアップダウンは、残り1回かな?
大谷ヶ丸から直接滝子山へ行けるようですが、道が怪しかったので少し戻って、先ほどの分岐から滝小山へ。なぜかここから先は踏み跡が薄くなり、ガスで真っ白の時や薄暗くなって以降には歩きたくない道でした。慎重に少し登って大きく下り、登り返すと目の前に道が現れてT字型にぶつかりました。途中で分岐なんてなかったような?これはどちらに進むのだろう?地図を見る限り、左方面に進むはずなので、とりあえず左方面へ登り終えると、滝子山を示す標識がありました(ここが地図上のアモウ沢乗越でしょうか?)。
コンドウ丸方面への分岐を通過し、登り返しが始まります。これが最後の登りかな?アメンボだらけの鎮静ヶ池を通過し、見えてきた尾根まで登ると、そこは山頂ではありませんでした。右方面に進んで、岩場っぽい箇所を超え、やっとラストの滝子山に到着しました。狭い山頂からは、当然富士山を見ることはできませんでしたが、これまで歩いてきた方面を見ることができただけでも満足でした。
さて、下山です。標高1,620mの滝子山から460mの初狩駅まで、1,160mも下らねばなりません。16:15だからコースタイム通りにあるいても、ゴールは18:55。何とか明るいうちにゴールできそうだな。
鎮静ヶ池との分岐を通過すると、三角点がありました。さらに進むと、男坂と女坂の分岐にぶつかりました。いつもなら迷わず男坂を選択しますが、面倒な下りで時間がかかると嫌なので、女坂を選択。
少し傾斜が急な九十九折りの道を下ります。ずっとロープがあって、疲れているときは安心して下ることができると思います。結構下ったはずだけれど、まだかな?と下り続け、檜平に到着。ここで男坂と合流します。ここまでの距離と傾斜だと、男坂はどのような道だったのだろう?
檜平が最後のエスケープ地点でしたが、明るいうちに舗装路に出られることがほぼ確定したので、予定通り藤沢方面へ。途中で立河原経由で初狩駅に進むことができる分岐にぶつかりました。立河原?地図にない地名だな…。25分早く初狩駅にゴールできるのは魅力的だけれど、おそらく面倒な道だろう。
「尾根を外す」という地図の表記通り、左方面へ進みました。女坂よりもさらに急な九十九折りの下りが続き、膝に違和感が出てきた頃に下り終え「最後の水場」と書かれたベンチに到着。この餓鬼岳っぽい名前に釣られて偵察に行くと、大きなタンクがあって地図の表記通りに「手洗い用」と書いてありました。「水場」と書いてあると、「飲み水」と期待するだろうな…。ベンチに戻って最後の休憩をとりました。
ここから先は、傾斜が緩くなったので助かりました。沢沿いを渡渉しながら進み、林道を経て藤沢の集落に到着。あとは舗装路をテクテク歩いて初狩駅に到着。ゴールとなりました。
残念ながら、高尾方面行の電車は7分前の18:18に出たばかり。次の18:50まで、ホームのベンチからデーンと見える滝子山を眺めながら「あそこを下ってきたのか…疲れるわけだな」と今日の行程を振り返ったのでした。
今回はご当地アルプスのうち、甲州アルプスに挑戦しました。標高が高い場所を歩くので、アップダウンがあってもそれなりに楽しく歩くことができました。同様にアップダウンが多く、体力トレーニングと割り切らねば歩きたくない飯能アルプスと比べると、甲州アルプスはおススメです。
私のようなノーマルハイカーの場合、小屋平バス停スタート、初狩駅ではなく甲斐大和駅をゴールとすれば、夏至の前後の日が長い時期以外でも気軽に挑戦することができるので、天気が良い日に富士山を眺めながら歩いてみるのはいかがでしょうか。
また、正式には、甲州アルプスは黒川鶏冠山から滝子山までを指すらしいので、残る丸川荘と六本木峠間を今年中にも繋いでみようと思います。あとは、最後の下りで膝に違和感があったこと。筋力が落ちていることが明らかになったので、夏山シーズンに向けた課題となりました。
こんばんわ。
同じ日に、やや短いコースを歩いていました
多分、大蔵高丸で抜かれたと思います
富士山は観えませんでしたが、気持の良い日でしたね。
大蔵高丸で数名の方が休憩されていましたが、その中のおひとりでしたか。
秀麗富嶽十二景の山なのに富士山は見えないし、明るいうちにゴールしたかったので通過してしまいました。
湯ノ沢峠以降は静かな歩きとなってしまったので、少し休憩してお話すればよかったと滝子山あたりで反省したのでした。
梅雨入り後の割には湿気が少なく、たまに冷たい風が吹いて気持ちよく歩くことができましたね。
そうです。
その中の一名です(笑)
そこから、初狩駅迄は、誰とも会いませんでした(笑)
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