あの大きい山に挑む 甲斐駒ヶ岳(北沢峠から) あの白い山に登る
- GPS
- 06:51
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 1,166m
- 下り
- 1,166m
コースタイム
- 山行
- 5:48
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 6:50
天候 | 早朝は展望があり素晴らしい風景を撮影することができた。しかし、途中からは眺望なし。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
仙流荘から北沢峠までは乗り合いバス(南アルプス林道は乗り合いバス以外は乗り入れられない) |
その他周辺情報 | 高遠温泉さくらの湯 400円(バス乗り場で100円引きのチケットがもらえる。) アルカリ性単純温泉 湧泉量毎分80リットル pH9.66 肌が非常につるつるする温泉だった。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
深田久弥氏は著書「日本百名山」の中でこう書いている。
「甲斐駒ケ岳は名峰である。もし日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落とさないだろう。」そして、花崗岩とその岩が崩れてできた砂で構成される頂上付近をほめたたえているのである。
確かに、この真白の頂上は独自的で、しいて挙げるのであれば鳳凰三山の地蔵岳への登り、日向山山頂付近くらいであろうか。日向山は「山頂のビーチ」と呼ばれている。そういうことであれば、甲斐駒ケ岳は「天空のリゾートビーチ」ということになるのかもしれない。
台風が梅雨前線を吹っ飛ばしたおかげでこの土曜日、関東から日帰りで行ける地域はほとんど晴れの予報だった。最初は新潟の山に行く予定だったが残雪が多いという情報に接し、かねてから行きたいと思っていた甲斐駒ケ岳に変更する。しかし、甲斐駒ケ岳が代案というわけではなく、ずっと行きたいと思っていた山行予定の一つをこなすということである。
職場を定時に出て、自宅に戻り車を出す。三浦半島にある自宅から、各地への高速道路は遠い。いままでは中央道と言えば、下道を相模湖まで走ってから乗るか、藤沢まで走り新湘南バイパス・圏央道からアクセスするかだ。ドラプラで検索すると、横横・保土ヶ谷バイパス・東名・圏央を経由して中央道が一番速いと言う。今回はそれにしてみる。なるほど速い、17時36分に自宅を出たのに19時台には談合坂SAで夕食を摂っている。ちょっと高いが時間的にはお得である。よって、予想外の21時台にバス乗り場仙流荘近くの道の駅に到着して車中泊となる。
夜が明けた、4時に携帯電話の目覚ましが鳴る。トイレを道の駅ですまし仙流荘に向かう。4時半ごろ到着、荷物を整えバス乗り場に並ぶ。もう結構な行列を作っている、自分は21番目であった。その後もどんどん人が来る。あるホームページに「7月の土曜日は5:15発のバスが出る」という情報が流れていたらしい、それを見た人たちもいて。「バスは出ないのか??」と口々に話している。そこでバス会社の方に声をかけると「今日の始発は6時5分です。」ということ。しかし、バス停に大行列ができ、人があふれてきたこともあり、急遽早目のバスを仕立てていただいたようだ。5時40分ごろ、私は1台目のバスに乗り込む。
この山域、25分の差は大きいと思う。6時35分に北沢峠に到着した。
甲斐駒ケ岳、東日本を中心に「駒ケ岳」と呼ばれる山がたくさんあるが。この山はそれらの山の中で一番高い。まさに「駒ケ岳」の王者である。「駒ケ岳」はやまに「馬型」が現れるからその名がつけられた山が多いが、ここはそうではない。甲斐国誌によると山頂に「馬型権現」を祀ったことからこの名前が付けられたとされている。
なお、深田久弥氏により日本百名山に選ばれているほか、新・花の百名山、新日本百名山、山梨百名山、日本百景に選ばれている。
北沢峠からはいったん下り、長衛小屋から本格的な登山道に入る。長衛小屋は、竹沢長衛が最初に立てた小屋で2013年度からこの名前に変更された(前は「北沢駒仙小屋」)。
ゆるりとした登山道を登ってゆくが、30分くらいで岩場が現れる。3mくらいの岩場(ロープあり)を越えたのち2mくらいの岩が連続する場所となる。ここは、氷河期に岩が凍結と融解を繰り返してできた岩場である。それらを乗り越え、仙水峠に到着する。山高原地図1時間半を1時間で来た。
山梨側から見ると、本当に聳え立って見える甲斐駒ケ岳。韮崎から長野方面の国道20号線や中央自動車道から素晴らしい景色を見せてくれる。当然その姿は昔から崇め奉られ当然修行者たちの山となっている。
開山は1816年とされているが、聖徳太子が登ったという伝説も残されており、とにかく昔から知られている山なのである。そして、ユニークなのは、山頂付近が花崗岩でできており、それらが崩れてまさに白砂なのである。隣の日向山は「山上のビーチ」と呼ばれる、そうであればこの甲斐駒ケ岳は「天空のリゾートビーチ」である。
その様子は仙水峠から見事に眺めることができる。そこから駒津峰までコースタイム1時間半だ。
駒津峰までは、急な岩登りである。足元は1m程度の岩が連続する。1歩1歩を大きくとり、時たま木や岩をつかむ。植物ないかなと探しながら1時間15分かけて駒津峰に達する。
眺望はここまでだった。仙丈ケ岳、北岳、間ノ岳、アサヨ峰、鳳凰三山などの南アルプス北部の山がまぶしい。それ以外の山は見えなかった。朝一(テント場から4時代から)から登ったのであれば富士山も見えたのだという。残念ながらもうガスがかかり始めている。
ここで、甲斐駒から下ってきた登山者がいた「いやあ、速いですね。」と声をかけると「邯佑ら4時に出てきた、仙丈ピストン予定。」と言いあっという間に去っていかれた。
岩尾根を下り、急な下りを3か所こなし六方石に達する。どう見てもひし形だな・・・と思う。その先が分岐である。直登コースと巻き道コース、今回は巻き道コースでの往復を選択する。直登コースに10名ほどの団体が入ったこともあり岩場待ちが結構あるだろうと思っての判断、まあ、自分のポリシーとしては「初めての山はできるだけ楽な道で登る」ということもある。
巻き道コースは最初の岩場をクリアすれば後は砂地を登るのみ、摩利支天への道も考えたが駒津峰で話した登山者の話「いやあ、変なとこ踏むと一気に下まで落ちるらしいよ、危険危険」で、止めてしまった。
途中、下っているテン泊装備の女性に話しかける。「七丈小屋に泊まってきたの、黒戸尾根、楽しかったわよ。」
そう、北沢峠からのルートがなかったころ、この山にとりつくには竹宇駒ケ岳神社から登る黒戸尾根ルートである。標高差2200mを越え、山と高原地図での往復コースタイムは14時間を超える。次はここを行ってみたいと思うが、どうだろうか・・・。朝4時ごろ出発で行けるかどうか・・・。まあ、来年以降ですが。
「ああ、あと10分くらいだよ。」下ってくる登山者に励まされ、山頂方面を見ると登山者がたくさん見えた。「そうか、あそこか」と思い、足を進める。黒戸尾根からのルートと合流するときに丁度登ってきた登山者が、満面の笑みを浮かべている。「ああ、感動が違うのだろうなあ。」話を聞くと、4時に登り始めて6時間20分だという。今の実力では無理だが、そのうち行ってみたいルートになった。
で、山頂である。ようやく到着した、4時間半のコースタイムを3時間40分で来れた。しばし休憩、いろいろ撮影、ここでポカリスエット900mlがなくなった。後はアクエリアス1.5リットルだ。水を飲み尽くしたと電話をしている登山者がいた、そうかここは携帯電話通話圏内なのだと思う。水については・・・仙水小屋に下ればうまい水があるよ・・・と。
一気に頂上を下り始める。白砂の道、ここはタイムが稼げる。半分走っている私の後ろから熊鈴が聞こえてくる。立ち止まり私は横に逃げる。「ははは、2時間で登ってきました。コースタイム0.3です!!」と一言残しその方は下に走っていかれた。
そして、この日の甲斐駒ケ岳は人が多く入っていた。下りでは20人程度の団体を4つやり過ごす、その度に5分程度かかる。人気の山なんだよなあ。
駒津峰への登り返し、なかなかである。それを超え休憩。もう12時近い。でも、この時間に登ってきている人も多い、同じバスに乗ってきていた人もちょうど登りで到達していた。テントに時間がかかったのかな。
帰りは、双児山経由の登山道で下る。下りではこちらのほうがコースタイムが短いのだ。ハイマツの道を行き、双児山を越え、つづら折りの道を下る。双児山を越えて20分くらいに最後の登山者とすれ違う。いまからで大丈夫かなあ??と思う。
ここからは単調な道、細かい石が敷き詰められているので滑りやすく走れない。スピードは稼げない。ゆっくりと下ってくる。13時のバスに間に合うかと思ったが残念ながら間に合わなかった。下山してバス停を確かめる。ああ、15時のバスか・・・。
本日は、朝食をとっていない。駒津峰でおにぎり、山頂でサンドウィッチを食べたのみだ。山小屋があってそこでは昼食が摂れるということで楽しみにしていたのだ。しかし、もう昼食はやっていなかった。仕方がないので「こもれび山荘」の名物の「ブルーベリーマフィン」と「コーラ」で昼食とする。
伊那市営バスが停まっている、28人そろえば仙流荘までのバスが出るという。私は12番目、どんどん下山者が来る。甲斐駒から、仙丈ケ岳から・・・。待っているときに隣になった長野県民の方といろいろな話をする。そして「常念岳」を勧められた。「絶対楽しめます。」とのこと。そして14時ごろ臨時のバスが出た。1時間ほど揺られて仙流荘へ。このバスの運転手がまるで「尾木ママ」(風貌もしゃべり方も)でした。
その後、温泉に入り、高速道路経由で自宅まで。小仏トンネルの渋滞があったがあとはスイスイで21時台に自宅に戻ることができた。飲み食いしたものは写真コメントの通りです。
それにしても、甲斐駒ケ岳、名山でした。風景、眺望、花など素晴らしい登山体験になりました。いつか、黒戸尾根を登ってみたいと思った1日でした。
aiさん
こんばんは
さすが日本の十名山の山ですね。高山も良いですね
aiさんの感想を読んで、私も行ってみたいと思うが、どうだろうか・・・
hamburg
HBさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いい山でした。白砂のユニークさは日本中で何か所あるんだろうと思いました。花は少ないよという本もあったのですが、そこそこあったような気がします。
HBさんはたぶん、ここ行けます。私でも行けるのですから。
最初は黒土尾根からではなくて北沢峠からがいいと思います。巻き道コースか直登コースかは、その都度判断ってことで・・・。
aideieiでした。
甲斐駒ケ岳・・・もう25年以上も前に登ったきりです。
登りは北沢峠から(その前に広河原から林道を歩きました)。
下山は黒戸尾根で・・・長かったとの印象だけが残っています。
さて、さすがに大人気の山域で・・・すごいハイカーなんですね。
バスに乗るのも一苦労だ
でも、登山口で既に2000m超なので、絶対標高差1000mもないので、意外に登り易い100名山なのかもしれません。
我が身を振り返れば、最近、2000mを超える山に登ることが減ったなぁ・・・と思います
隊長
yamabeeryoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
黒戸尾根、今回の登山で強く印象付けられました。そこから来る人みんな顔が輝いているんです。
日本屈指の急登なので、そこをクリアしたらあんな顔になるんだろうな・・・と・・・。北沢峠からだと、登りやすい百名山かなと思いますが、岩場のきつさはそれを割り引きますね。北沢峠から仙丈ケ岳の方が楽、甲斐駒の方がきついと思いました。
バスは、多分5時台のバスがあるという偽の情報があったため人が多く集まったのかなと思っています。
aideieiでした。
おこんばんは〜🎵
今回は甲斐駒でしたかぁ (≧∇≦)b
それにしても素晴らしい景色だこと!
昨年、黒戸尾根を登ったのですが、果たして笑顔だったのだろうか?
さて、私は週末に仙丈ヶ岳に登ろうと考えております (*^^*)
帰路のバス、登山者が溜まると出発とはナイスシステム!
私も尾木ママのバスに乗りたいなぁ!
aiさまのレコで益々週末が楽しみになりましたです!
充実の山行、お疲れさまでした〜 (´▽`)ノ
kazu5000さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
黒戸尾根経験者がここにいたか・・・と・・・。今度A食堂で会ったときに教えてください。私みたいな鈍足者でも行けるかどうか伝授ください。
仙丈ケ岳、いいと思いますよ。最高のシーズンです。仙丈と言えばやはり花、花三昧の山です。チングルマも咲いているのではないかと思います・。
帰りのバスの運転手、バス停に待っているときに色々話しかけてくれる内容から、顔、話し方まで尾木ママでしたね。気持ちよい運転手でした。運転も上手で「急」なことがなかったですね。
aideieiでした。
黒戸尾根 僕も挑戦してみたいのですが
結構細いとこ あるみたいですよねー
暗い中歩くのが趣味のYMO-kazuさま好みの道 ですよね
名山登頂成功 おめでとうございます
cyberdocさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
最初は一番楽なルートで登頂して、2回目からいろいろなルートを考えることにしています。今回は一番楽なルート、次は黒戸尾根かなと思っていますが、どうやら結構きつそうで・・・。
kazu5000さんにご教授いただく予定なので、一緒にご教授いただきましょうか。
岩場でもひるまない足が欲しいなあと思いました。
aideieiでした。
aideieiさん こんばんはー
個人的に 行ってみたいのですが いけてないお山シリーズ の一つなのです 甲斐駒、。
公共交通機関だとなかなか行き難いのです。
でも レコ拝見し
行きたさ 倍増になりました。
tsui
tsuiさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
甲斐駒、素晴らしかったです。公共交通機関で行くのは大変と聞いています。東京を深夜に出て朝一で黒戸尾根にとりつくバスがあるとかないとか。東京を深夜に出て仙流荘に朝一で来るバスがあるとかないとか・・・。それらを活用するしかないでしょうかね。1泊すれば簡単なんでしょうけどね。
でも、本当に素晴らしいお山でしたよ。
aideieiでした。
aideideiさん今晩は〜
良いですね〜なんかスケールが違います。
北沢峠には40年近い昔に、この林道が開通してすぐ自転車で行った事を思い出しました。雪の残る峠に着いた時は登山者に冷たい目で見られたなぁ
大人気の山はいろいろな人達が様々な形で楽しんでますね。そろそろ遠方にもくり出したくなりました
subaru5272さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
甲斐駒ケ岳、素晴らしかったです。この日は多く人が入っていました。団体さんもかなり入っていました。本当に人気の山ですね。
高尾界隈の雰囲気も好きですが、日本全国ではそれこそたくさんの雰囲気を感じる山があります。私はそれを感じたくて7月8月は結構広範囲に繰り出しています(毎年)。
aideieiでした。
aiさん お疲れ様でした、昨年行きましたが、登り返し嫌ですよね😊
霧で見えなくて、直登で、登っちゃいました、雷鳥に逢えました👏👏
レコ見て、アサヨ峰行きたい気分アップしちゃいました⤴でも梅雨だから、天候次第ですね😜
でも土曜日も、日曜日もあつかったですね🤗
水1.5L消費しました😳
仙水峠の手前のガレ場で、朝真っ暗で、迷ってる人結構居られました👀
甲斐駒って、見ても、登っても、良い山ですよね、好きです、。
良いレコ見せて頂きました👌
でわ、、続けて100名山
muttyann
muttyannさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いかに早く取り付けるか、というのが私にとっては大事なポイントです。北沢峠に一番早くつくとなると仙流荘からの1番バスをなんとかキープする。そのために前日の運転が増えるのは仕方がないことと思っています。
当日、芦安の方に帰るという人はタイムリミット13時台と聞きました。テント泊で朝一で出られないときついです。
今回甲斐駒登り、以前に仙丈に登っているので、次はアサヨ・・・。どうしても1泊が必要なコースだなと思っています。
昨年muttyannさんが登ってから慎重に「自分でも行けるか・・」ということを検討を始めた山でもあります。きっかけを作っていただきありがとうございます。
昨年秋、スポーツ膝で行楽シーズンを棒に振りました。その分、この夏、名山をいくつか登っていきたいと思っています。
まずは、3連休、どこかに出没します。
aideieiでした。
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