白山・別山(別当出合〜南竜〜白山・お池巡り〜南竜〜別山〜チブリ尾根)
- GPS
- 56:10
- 距離
- 27.4km
- 登り
- 2,193m
- 下り
- 2,618m
コースタイム
8:15別当出合〜9:05中飯場9:20〜11:15甚之助避難小屋12:30〜12:55南竜道分岐13:15〜13:40南竜山荘〜野営場
●7月18日(日)
5:45南竜ヶ馬場野営場〜6:35アルプス展望台6:45〜7:35白山室堂8:00〜8:50御前峰9:25〜10:40大汝峰11:35〜巻き道合流点〜12:40百姓池〜13:25白山室堂13:50〜14:05エコーライン合流点〜15:10南竜山荘〜野営場
●7月19日(月)
5:45南竜ヶ馬場野営場〜6:55油坂ノ頭7:10〜9:45別山10:50〜11:05御舎利山〜12:35チブリ尾根避難小屋12:55〜15:40猿壁堰堤16:00〜16:25市ノ瀬
天候 | 3日とも晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
別当出合までは片道400円のシャトルバスを利用。 |
写真
感想
(文・1986marilyn)
6月初旬に歩いたばかりの加賀の白山に海の日の3連休を利用してふたたび登ることになった。
前回は残雪期、豊富な残雪が残る山稜をひとりで歩いたが、今回は盛夏期、ハイマツの緑と色とりどりのかわいらしい高山植物を求めて、広島のponちゃん、sarushippo、kazumiさん、pupuさん、こーすけさん、名東チームのmattakeさん、さらに東京から参加のみかさん、大阪?から参加のみかさんの友人達と歩くことに。
日程の都合でみんなは2日目に下山するが、mattakeさんと僕は3日目に別山まで縦走することにした。
<コース:別当出合→砂防新道→南竜ケ馬場(ケビン泊)→展望歩道→室堂→白山御前峰→お池めぐり→白山大汝峰→室堂→エコーライン→南竜ケ馬場(テント泊)→別山→チブリ尾根→市ノ瀬>
《1日目》 晴れのち時々曇り
mattakeさんと僕は午前3時に名東区のお宿マリリン前を出発、名古屋ICから名神道に乗り、米原JCから北陸道へ。
福井北ICで下りて、九頭竜川沿いにR416を東へ。さらにR157で「取立山」と「大日山」をつなぐ山稜を越えて白山の麓の町、「白峰」の集落へ。
ここから手取川沿いに県道を南へ進み、集合地点の「市ノ瀬」に6時半?頃に着く。
既に到着していたこーすけさん達の出迎えを受ける。久しぶりにみんなの顔が見られてにそれだけで十分にうれしい。
そのあとすぐにみかさん達も到着。
7時40分のバスで登山口となる「別当出合」へ。20分ほどで着いた。
天気は晴れ。天気予報より回復が早いようだ。
今日は「南竜ケ馬場」までの行程だ。8時15分、「別当谷」にかかる巨大な吊橋を渡って「砂防新道」に取りつく。
大勢の登山者に交じって広葉樹の森の中の急坂を登っていくと、9時過ぎに上の林道に飛び出した。「中飯場」と呼ばれるトイレのある休憩地点だ。水道から出る冷たい水で喉を潤す。
10分ほど休憩してから再び歩き出す。
右手の大きな谷のかなり上の方に「不動滝」と呼ばれる大きな2段?の滝がかかっているのが見えてきた。
かなり距離のある大きな滝をこんな風に見上げる景観は初めてのような気がする。
背後には白山の前衛峰である越美山地の「赤兎山」〜「大長山」の稜線が見えてきた。
登山道は急坂というほどではないが、樹木の背が高くないので、真夏の日差しが容赦なく登山道に照りつけてとても暑い。
さらに重荷も加わってmattakeさんと僕は絶不調に陥り、10分歩いては5〜10分休むという体たらくだ。
11時45分、ようやく「甚之助避難小屋」に着く。
小屋の前はたくさんの登山者でいっぱいだった。水道の蛇口から出る冷たい水に喉をうるおす。
上の方を見上げると既にガスに覆われているようだ。南には大きな「別山」がガスの中に見え隠れしている。
おにぎりなどで腹越しらえを済ませて12時半過ぎに出発。
少し北に水平にトラバースしたあと、右に曲がって登って行くと、13時に「室堂」と南竜ケ馬場の分岐点に着く。
樹々の背はすっかり低くなり展望がいい。足元にはいつの間にかお花がいっぱいだ。
みんなは少し休むと先に行ってしまったが、今日の行程は南竜ケ馬場までのあとわずかで、ここまで来れば急ぐ必要はどこにもない。
mattakeさんと僕はゆっくり休んでから出発した。
高山植物のかわいらしいお花が彩る登山道を、正面に別山を眺めながら、ほぼ水平に進んでゆく。
室堂につながる「エコーライン」との分岐点を過ぎると、山上に広がるオアシス、南竜ケ馬場が見えてきた。
残雪の残る沢を渡り、小さな湿原?の中を歩くと「南竜山荘」に着いた(13時40分)。
受付の横に缶ビールを見つけたので何のためらいもなく1本あける。冷えてはいなかったが最高にうまい1本だった。
今夜泊まるケビンは南竜ケ馬場の一番端にある。
小さな沢を渡り、雪田を登ると広いテント場に出る。この先に僕たちの泊まるケビンがあった。
時刻はまだ2時半前なので、別山へのルート上にある湿原の方へ散歩に出かける。
湿原の北側には白山南面の大きな台地の山腹が広がり、その先に白山の山頂が少しだけ頭を出していた。
木道の両側にたくさんのお花が花を咲かせていて、黒ユリを見つけたときには歓声があがった
時刻はまだ2時半前なので、別山へのルート上にある湿原の方へ散歩に出かける。
湿原の北側には白山南面の大きな台地の山腹が広がり、その先に白山の山頂が少しだけ頭を出していた。
木道の両側にたくさんのお花が花を咲かせていて、黒ユリを見つけたときには歓声があがった
夜中トイレに起きると、雲がほとんどなくて、きれいな夜空が広がっていた。
満点の星空に天の河がはっきりとわかった。こんなにきれいな星空を見たのは久しぶりで興奮してしまった。
《2日目》 晴れ
今日はいい天気になりそうだ。
各自朝食を簡単に済ませる。
別棟のケビンに泊まっていたみかさん達は暗いうちに既に出発したようだ。
今日は「展望歩道」から室堂を通って「白山御前峰」にまず登る。それからお池めぐりをしながら「白山大汝峰」に登る。
男性軍はmattakeさんと僕の今夜のためのテントを張るので、女性軍には先に出発してもらった。
男性軍は5時45分頃に出発し、展望歩道にルートを採る。
朝のさわやかな空気を感じながら、湿原の中に続く木道を進む。振り返ると南竜ケ馬場の眺めが素晴らしい。
登山道は灌木帯に入り、東側の崖沿いに登ってゆく。樹間から東に中部山岳が見え始めた。
6時半過ぎに「アルプス展望台」に着く。女性軍は先に行っているようだ。
その名のとおり展望は抜群だ。北アルプスをはじめ、「乗鞍岳」、「御嶽山」など中部山岳がすべて一望のもとだ。
さらに登ってゆくとほどなく傾斜がゆるやかになり、ハイマツの広がる「室堂平」の一角に着く。
6月初旬に登った「平瀬道」を合わせて、広大な台地につづく登山道を西に進むと室堂に着いた(7時30分)。
先行していた女性軍と合流、大休憩ののち、8時に御前峰の山頂に向けて出発。
何度もだんだん目の下になってゆく別山と室堂平を振り返りながら登ってゆく。
8時50分に白山御前峰の山頂(2702m)着。6月5日に続いての第2登だ。
今日も快晴、360度の大展望だ。東の飛騨側には素晴らしい雲海が一面に広がっていた。
足元には白山大汝峰との間に美しい山上湖も見える。
前回6月の時は残雪のため、池めぐりも大汝峰登頂も果たせなかったが、今日は大丈夫だ。
9時25分に山頂を後にする。北アルプスのような稜線を北に向かい、火口に向かって急坂を下ると火口の底にある「油ケ池」に着く。
とても静かで落ち着けるところだ。
さらに北にコブを越えて進むと東側の崖の上にある「翠ケ池」に着く。
美しい緑色の池の向こうに北アルプスが見えるという素晴らしいところだ。
西にコブを越えて「皿ノ池」の脇を通り、北に進路を変えて大汝峰に向かう。
岩混じりの急坂を登りきると傾斜が緩やかになる。
これから下山するというみかさんとすれ違いに挨拶を交わす。
10時40分に白山大汝峰の広い山頂(2684m)に着いた。
あまりの気持ちよさに思わず歓声を上げる。
御前峰に比べると人が少なく、穏やかでとてもゆっくりできる山頂だ。
東側は雲海の上にさらに雲が湧いていて北アルプスはもう見えなかったが、御前峰と剣ケ峰、翠ケ池をはじめとする山上湖の眺めが素晴らしい。
山頂の北側からは白山の北に続く諸峰、富山県の人形山などもよく見えた。
ランチタイムのあとこれから下山するこーすけさん達と別れて、mattakeさんと僕は北に向かって11時40分に山頂を後にした。
ハイマツの海の中を「四塚山」と「七倉山」を正面に見ながら下ってゆく。
すれ違う人も少なく静かで素晴らしい眺めだ。
鞍部に着いたところで大汝峰の西側の裾を廻るトラバース道に入る。
白山の西面に広がる大きな斜面と渓谷、そして振り返ると「四塚山」と「七倉山」の眺めが素晴らしい。
鞍部に戻って南に進み、室堂には遠回りになるが途中にお花畑があるというルートに入ると「百姓池」という小さな池の脇を通る。
下り坂を少し行くと登山道の左側の緑の斜面にお花がいっぱいに広がっていた。
お花畑が終わるとハイマツとシャクナゲの中に平坦な道がつづく。
白山南面の大きな雪渓を横切ると室堂へ着いた(13時35分)。
それにしても今日も暑い。思わずきんきんに冷えたなっちゃんを飲まずにはいられなかった。
13時50分に室堂を後にして南竜ケ馬場に戻るためにエコーラインに入る。広大で平坦な台地上の湿原?に続くとても気持ちのよい木道を進む。
振り返ると白山が実に雄大な姿を見せていた。南竜ケ馬場に下る手前には小さいが美しいお花畑もあり目を楽しませてくれる。
登山道はやがて下り坂になり、明日の目的地である別山とそれにつづく尾根道を眺めながら南竜ケ馬場へ急いだ。
15時10分に南竜山荘に着く。
テント場は色とりどりのテントで一杯になっていた。
簡単な夕食を済ませ、夕焼けを見てから早々に眠りに着いた。
《3日目》 晴れ
今日はいよいよ別山までの縦走と登頂後に長大な「チブリ尾根」の下りが待っている。
テントの撤収にかかる時間を考えてまだ暗いうちに起床する。
外に出てみると白山につづく暗闇の斜面に点々と明かりが見える。既に暗いうちから登り始めている人が何人もいるようだ。
朝食を素早く済ませてテントの撤収にかかる。テントはこーすけさんに借りたものだが大量の朝露でビショビショだ。乾かす間もないのでそのままザックに突っ込む。水分のおかげでザックがさらに重くなる。
5時45分に南竜ケ馬場を出発する。
湿原を抜けて、「赤谷」へ向けてくだる。途中雪渓が登山道に覆いかぶさっているところがあり、通過に少し難儀する。
赤谷を渡るといよいよ「油坂」の登りにかかる。南竜ケ馬場から見るとたいへんな急坂に見えていたが、途中までジグザグに道が切ってあるので登りにくくはない。上部には残雪が登山道を隠していて、間違ってスリップでもすれば左側の谷底まで一気に滑り落ちてしまうだろう。今年のGWにこーすけさんが残雪でいっぱいのこのルートを歩いているがさぞかし危険な場所であったにちがいない。
慎重にここを抜けるとひと登りで「油坂の頭」に着いた(7時過ぎ)。
北には雄大な白山、南には別山に続くデコボコの稜線、東には雲海と巨大な「別山谷」とその支谷の展望が素晴らしい。
10分ほど休んでから縦走路を進む。
東側は所々で切れ落ちていて慎重に通過する。ハイマツの海はなくなったが、登山道の脇のあちらこちらに高山植物がかわいらしいお花を咲かせていた。
7時半前に昔、石室があったという「天池」と呼ばれるお花に囲まれた小さな稜線上の池に着く。
やせた尾根が続いていたのに、突然尾根が少しだけ広くなって、おまけに水を湛えた池まであるなんて実に不思議なところだ。
再びやせ尾根を進み、大きなコブの急坂をジグザグに登りきると、またお花に囲まれた小さな池に出た。
尾根を東側に乗り越っすと東側がこれまでの崖ではなく、ゆるやかな緑の斜面に変わり、お花に囲まれた小さな池がまた現れた。
ここら先は痩せ尾根の上に続く登山道ではないようだが、アップダウンはいくつもあるようだ。
所々にお花畑が広がる緑の稜線をゆっくりと休憩しながら進む。
重荷の上にこの暑さと果てしなく続くようなアップダウンに体力に劣る僕はすでにヘロヘロだ。
9時半に別山の手前のピークである「御舎利山」と別山の鞍部に着く。もう別山は目の前だ。
二つの山頂をつなぐハイマツ混じりのゆるやかな稜線をわずかに下って登ると、9時45分に別山山頂(2399m)に着いた。
縦走路はさらに南の「三ノ峰」(2128m)に続いているが、ここから大きく高度を落とすために、縦走路と別山の南斜面の大きな谷の眺めがとても素晴らしい。山頂に着いてからしばらくすると南側からガスが上がってきて南側の展望を塞いでしまったので僕たちは幸運であった。
1時間ほどラーメンで昼食をとりながら白山山頂からの雄大な眺めを楽しんだ。しかし最後にチブリ尾根の長い長い下りが待っているので、名残り惜しいが10時50分に山頂を後にする。
縦走路を進んでいると西側からガスが湧いてきて、御舎利山に着く頃にはすっかりガスに包まれしまった。
11時10分に山頂を後にして長い長いチブリ尾根の下りにかかる。ハイマツの海の中、石ころでガラガラの滑りやすい直登路を下ってゆく。
尾根が広くなるとハイマツが消えて、灌木の茂る山腹をジグザグに下る。
やがてルートは尾根を外れて左(南)側の山腹へ(「山と高原地図」のルートの表記は間違っている!)。
右手の尾根上に見える岩稜の部分を山腹道で通り過ぎるとルートは再び尾根上に戻る。広く緩やかな尾根道の下りに変わるとやがて平坦な所に立つ「チブリ尾根避難小屋」に着いた(12時35分)。
20分ほど大休止してから再び下りにかかる。
背の低い樹林帯の中の平坦な登山路をしばらく進むと、突然尾根の左(南)側斜面に草原が広がるところに出た。
登山道の両側にはピンク色の大きな山ユリ?ササユリ?がいっぱい咲いていて驚かされた。
こんな素晴らしいお花畑があるなんで知らなかったのだ。
草原の下方にはダケカンバの森が広がっていた。
尾根道はいったん下りになるがまた平坦な道になる。
ブナが現れるようになると登山道は尾根を外れて、右(北)側の山腹をくだってゆく。
白山有数のブナの森と言われるだけあって実に規模の大きい森だ。
ゆっくり楽しみたいところなのだが、途中でハチを驚かしてしまったのか、しつこく付きまとわれてじっくりと楽しむことができなかったのが残念だった。しかしおかげで駆けるように下ったのでコースタイムをかなり短縮できたのは不幸中の幸いか。
途中の水場で冷たい沢の水を飲み、一休みしてから再び歩き出す。
ここからがまた長かった。暗い樹林帯の中をどこまでもトラバースが続くのだ。
15時40分に林道にようやく飛び出す。
精も根も尽き果てたので再び腰をおろしてしまう。しばらくしてから思い直して重い腰を上げて残りの林道をくだり、16時25分に「市ノ瀬」にたどりつくことができた。
こうして僕たちの長い長い白山〜別山縦走の素晴らしい山旅は終わりました。
今回の山旅で白山の雄大な景観に改めて感動させられるとともに、
別山への縦走路とチブリ尾根に予想をはるかに超えるたくさんのお花が咲いていたのは驚きでした。
そして夢は白山以北の縦走路、別山より南の縦走路へと広がっていくばかりです。
一緒に歩いたくれたみんなありがとう。
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