【天地讃頌】御小屋山・阿弥陀岳・中岳・赤岳・横岳・硫黄岳・赤岩ノ頭【夏一号・八ヶ岳作戦(甲47.3)】
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- GPS
- 09:23
- 距離
- 19.5km
- 登り
- 1,834m
- 下り
- 1,834m
コースタイム
天候 | 晴れ一時曇下山後雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:阿弥陀岳及び赤岳直前の急登。硫黄岳近辺の浮石。帰りの虻。 下山後の温泉:八ヶ岳山荘 |
写真
感想
まず、私を暖かく迎えていただいた山々と大空に感謝の意を表する。
次いで、私にお声がけいただいた多くの方々に感謝の意を表する。
最後に、心ならずも殺傷してしまった虻二匹に哀悼の意を表する。
ハイライト
仝羮屋尾根から阿弥陀岳の肩直前の登りは結構しんどい。ロープが助けになる。
阿弥陀岳から硫黄岳は標高差がそれほど無いためか、上り下りが続くもそれほど苦ではなかった。
23戮隆箴譴賄卦い好かったこともあり危険を感じなかった。
げ爾蠅狼泙任發覆掘∧發やすい。
ゥ▲屬脇浴して汗を流した直後はついてこなかったように思う。
Ε▲屬墨咾砲箸泙蕕譴燭蠅靴燭、噛まれることは無かった。
Дーミンは以前に試しに5〜6時間使った後、電池を変えずに今回使ったのが失敗。1山行1セットけちけちせずに使うこと。
┐箸砲く運が良かった。ありがたし。
さて、八ヶ岳である。今の季節は本屋に行くと表紙や特集にドデンと載っているのが必ず目につく。今年の夏は八ヶ岳だなと鼻息を荒くして雑誌をながめるが、梅雨真っ盛りとあって週末はどこも雨模様。最初は晴れていても後には崩れる。そのような状況下、悶々とした日々を送っていた。
9〜10の天気も週間天気予報ではずっと曇りで降水確率40%。この週末も駄目かと思いつつ、8日の21時頃にネットで山の天気予報を見てみると、曇り時々晴れと好転している。これはひょっとして行けるかもしれないと思い、一緒に行く予定のヒロシ氏に出発準備をするようメール。
車の手配等明日の準備についていろいろ考えているところにヒロシ氏から体調不良のため行けないと連絡あり。高山で結構な距離を歩くことから単独行動は不安だったが、思い立ったが吉日である。その分準備を入念にして決行することとした。
9日は移動日である。ラジオが関東甲信の梅雨明けを報じていた。強い夕立を浴びながらメルヘン街道を西進。雨上がりの展望台等から雲を被る八ヶ岳を眺め、赤く染まる西の空に翌日の好天を確信した。道の駅小淵沢に宿泊。
10日。
2時50分に起床し美濃戸口へ向かう。朝食を腹に詰め込み当初4時出発の予定のところ、3時50分に出発。駐車料金は後払いである。
ここでガーミンのオレゴン450TCを起動。中長距離だとルート作成が面倒臭いのと高山における危機管理のことを考え先日即決で購入。この機種を選んだ決め手は稼働時間。とにかく十数時間動くものでないと話にならない。というわけで今回はガーミンの初陣でもある。感度は良好。御小屋尾根から行くには日の出前で暗いうえに木が生い茂ってなお暗い別荘地の中を行かねばならない。早速大活躍だ。
御小屋山は御柱山とも言い、御柱祭で有名な所である。諏訪大社奥社も鎮座まします、ゆかしき山なのである。
歩き始めとしてはちょうど良いなだらかさ。蜘蛛の巣と虫達の熱烈な歓迎を受けたが、気にしない、気にしない。いつの間にか服に毛虫がついていても気にしない。暗いとは言え夜明け前。足をひっかけるような木の根や岩等のトラップもなく、ライト不要。容易に歩くことができる。
空が白んできたところで御小屋山に達し、徐々に木の枝の隙間から遠景が見え始める。御小屋尾根からまず見えるのは雲海に浮かぶ南アルプスと権現・編笠方面。雲海が下方に広がっているのを俯瞰するのはこの上なく気持ちが良い。何度も足をとめカメラを向けるがカメラや手の回りに虫がたかる。画像が若干傾きがちなのは恐らくそのせいだ。
不動清水で美味い美味いと水を補給した後、いよいよ本格的な登りに入る。阿弥陀岳まで距離が800mで標高差400m、距離600mで標高差300mと2m進むごとに1m上るというハードさ。ロープをつかまないと少々しんどい急な登りをよじ登ったが、そこはまだ肩の部分で山頂はさらに上だった。
午前7時、阿弥陀岳登頂。ありがたや。ありがたや。山小屋出発の方々が結構来ているのではないかと思ったが、男性2人1組だけだった。御小屋尾根を下ると言うので下る道を教え、その後暫く山頂からの360度の展望を独占。遂に来たなぁと実感する。早起きは得ですな。
赤岳への稜線を見下ろすと三々五々と登ってきている。阿弥陀から降りるに際しては落石を出さないよう細心の注意を払っても細かい落石が生じる。登ってくる人に何とか迷惑をかけずに済んだと思う。対向者接近の際は立ち止まって道を譲るのが肝要である。子供が頑張っているのに「パパはもう駄目だぁ〜。お前たちだけ行ってこい」と言っている父親がいたが、こういう時こそ親父の背中を子供たちに見せたいものである。まだ朝の8時であった。
中岳をさくっと超えて、八ヶ岳最高峰赤岳の麓まで来る。「でかっ!」と思わずつぶやく。どれだけ凄い傾斜なんだ?屏風のように威風堂々と聳え立っている。太陽がまだ山の向こう側にあるために黒々として、その感じが威容を否応にも増す。それでも登るんですがね。
しかし、見た目とは裏腹にそれほど辛くはない。登る前は頭が痛くなったらどうしようとか、ヘロヘロになって倒れたらどうしよう等と考えたものだが、実際登ってみると身体も早く高地に慣れ、休み休み歩いていることもあって、サクサクと歩ける。自分でも不思議なくらいだ。体調や気温等も関係してくるのだろうが雲取山や4月末の都県境横断の方が辛かったように思う。
直前の岩の急登鎖場にはカラビナ講習中の数十人のグループがいた。「先に行きますか?」と訊かれたが、この時点で当初想定より1時間半早かったこともあり「急がないので」と岩に腰をおろす。私の後ろにいた男性も「山頂まであと少しなので」と山野草の写真を撮ったりしていた。ちょうど小腹が空いたので南アルプス、阿弥陀岳方面を眺めながらエナジー補給をする。非常に好い天気で、ずっと眺めていても飽きない。ピークハントでもなし、あくせく進むこともあるまい。
鎖場を上りきると山の東側の大地が姿を現す。秩父山塊と陽光を反射してキラキラ光るビニールハウス群が綺麗だ。
赤岳山頂に至り、山神にご挨拶。よくぞここまで来たものだ。日も昇り空はいよいよ青く、山は鮮やかなり。
横岳から硫黄岳の稜線を眺め、本日最も注意すべきコースと気を引き締める。
赤岳から一旦下る。一度、人のいない方向だが、コロッと石を落としたら、落石が落石を呼び、かなり下まで砂利が落ちていった。体が固まる。それ以外は軽やかに、かつ、慎重に昇り降りできた。
地蔵仏分岐から先は当分の間エスケープルートはない。東方から接近する雲と行く手に広がりつつある黒雲を見やるが、まだ行けると判断。硫黄岳を目指して一歩踏み出す。近くの人が聴いているラジオは雑音もなくクリアな音声で、雷の発生はまだ先だと思われた。東も西も見渡せる横岳は岩場続きのゴツゴツした尾根で趣が変わってこれまた楽しい。高度感は物凄くあるが恐怖感はない。天候が悪かったり、風が強かったりすると、また様相を変えるのだろうが。つくづく幸運だと思う。
また、横岳は多くの登山者と会話した尾根でもあった。話題は雲行きや出で立ちについてだが、「仕事帰りですか?」と言われたのには大爆笑。私が私のスタイルを貫くのは、こういう会話を楽しみたいからというのもあるかもしれない。それと、他人の振り見て我が振り直せと言うが、他人に見られていると思うと、それだけシャキッとする。
横岳最高峰まで来れば、後はそんなにかからない。黒雲が近く、尾根にガスが迫って、「雲が出てきましたねぇ」と話すわりには一滴も雨が降らない。そうこうするうちに硫黄岳山荘を過ぎて硫黄岳の直前まで来たところで、今まで雲が覆っていたのが嘘のように再度太陽が我々を照らす。ただひたすら驚嘆、脱帽するのみ。
カラコロと乾いた音を立てる石を踏みしめて硫黄岳を登り、広く伸び伸びできる硫黄岳山頂で本日最後の青空を楽しむ。遠方では雲がモクモクと立ち上っているが、太陽が燦々と照り輝く此方では青い空に映えてまた良し。赤岳近辺は雲に覆われてしまったが、まだ全体が隠れているわけではない。天気と私の山行がパズルのピースの如くぴったりとはまったということだ。
噴火口は見応え十分だが、火口の縁に陥没している箇所があるので要注意だ。下手すると縁が崩れて火口まで真っ逆さまだ。
赤岩ノ頭まで来て、もう少し先に行こうかとも思ったのだが、オレゴン、携帯電話共に電池残量があと僅かになっていたこと、山と空を十分満喫したことから、足を伸ばすことなく、当初予定通り赤岳鉱泉に降りる。
昼も近くなり陽射しが熱いなと感じたところで、草木生い茂る下山道に入る。暗くなく、暑くなく、急でない下り道。最後に負担が膝にグッとくるのではないかと恐れていたが、そんなこともなく歩きやすく快適な道中だった。
赤岳鉱泉以降は北沢沿いに進む。終盤に沢沿いの道を持ってきたのは正解だった。気持ちが安らぐ。
堰堤広場を過ぎてからはアブが気になり始める。でかいので非常に目につく。これは想定外だった。自然と歩みが速くなる。美濃戸山荘を過ぎてからはさらにペースアップ。走ればアブを振りきれるかと思ったが、駄目だった。
12:45、小雨がポツポツ。雨が降ればアブをやり過ごせるかと思ったがそんなことはなく、八ヶ岳山荘までアブと同行。
終わった〜と思ったところで雷鳴が轟き本格的に雨が降り始める。この雨ならやり過ごせると思い、駐車料金の請求書を持って八ヶ岳山荘に飛び込む。しかし、駐車料金は山荘でなく、下のプレハブへ。
料金を払って一旦車へ。タオルを取って山荘にて入浴。雷がゴロゴロ鳴り、大雨がザアザア降る中、ゆったりと汗を流したのだった。山荘を出ると雨はやみ、再び陽光が照っていた。こんなに恵まれて良いのかしらと思うほどのタイミングの良さである。
車に戻り着替えた後、何か飲みたいと思って外に出たところ、再びアブに取り囲まれ、車中にアブが入ってバスとぶつかりそうになったり、アブを殺傷してしまったりとなったのが唯一遺憾なことであった。何か飲食したい時は入浴後山荘内でか、現地を離れてからのほうが良い。
家に帰るまでが遠足。眠くなる前に帰ろうと高速に乗る。前方で稲妻が落ちるのを眺め、ワクワクしてしまったが、遂に自分も雷と豪雨の中に突入。前が全く見えない。結局高速道路は豪雨と事故で二進も三進も行かなくなり下道を眠さに耐えて帰ったのだった。無事に無言の帰宅をできたことを感謝したい。
〜おしまい〜
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