78.飯豊山「東北へ還れ!」川入から入山 三国小屋泊
- GPS
- 19:03
- 距離
- 24.3km
- 登り
- 2,183m
- 下り
- 2,124m
コースタイム
- 山行
- 6:17
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 6:23
- 山行
- 12:05
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 12:37
天候 | 一日目:曇り? 二日目:晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
帰りはタクシーを利用 川入キャンプ場〜山都駅 6990円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
御沢〜横峯にかけては急坂が続きます。 三国岳手前の剣ヶ峰の岩場は注意! 特に雨天時は滑りやすくなるようです。 行きは秀峰水で一本立てる時にストックやポールをしまって出発した方がいいです。 御秘所も岩場がある難所ですが、剣ヶ峰の岩場と比べると短く感じました。 |
その他周辺情報 | 登山後の温泉はバスやタクシーを使ったため入りませんでした。 今回のようなハードな登山の後のご褒美でこそ温泉に行ってみたかったよ。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
行動食
調理用食材
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
シェラフ
エアマット
|
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備考 | チョコレート買い忘れた ソフトシェルやダウンジャケットは必要なかった その他使ってないアイテムが多かった |
感想
第78座 「東北へ還れ!」
今回の飯豊山登山を決めたのは、6月にクルマの車検を乗り越えて恵那山の登頂を果たした頃であった。
早速、飯豊山に近い会津若松のホテルを予約しようとしたが、この時期は満室。仕方がないのでさらに南に離れた郡山のホテルを予約した。7月に白山の登頂を済ませた直後に切合小屋の予約。山都タクシーへの問合せなどをして準備を進めた。
今回の山旅は久々に青春18きっぷを使う。でも尾張一宮から山都まで約700キロを鈍行で行くのは辛いということで行きは名古屋から新宿まで夜行バスで行くことにした。8月4日の夜に出発して5日の早朝、新宿から青春18きっぷを使って郡山に向かうことにした。途中、須賀川で途中下車して観光した後に郡山のホテルに早めに入った。前以て宅配便で送ったザックや登山靴を受け取って部屋でパッキングを進めた。
8月5日、4時に目覚めた僕は6時52分発会津若松行の電車に乗った。会津若松から乗り換えて山都に着いたのが8時43分、8時50分発の登山バスに乗って川入に向かった。
9時35分頃に川入に着いた。もう時間もない。早速スタートすることにした。御沢小屋跡にある三本の杉の木のところにある祠で安全に登山が出来ますようにと祈ってから登山を始めた。
序盤は飛ばさないよう心掛けながら登っていたのだが、延々と長く続く登り坂で早くも僕の心は挫けようとしていた。
「もう降りようかなぁ〜」
取りあえず、峰秀水という水場まで頑張ろうと歩を進めた。雲取山だって白山だって、降りたい帰りたいと思いながらも登頂を果たしているではないか! そんな弱気でどうするんだ! 登れ! 登れ! そう思いながら登って行った。
峰秀水という水場に着いた。見るからに冷たくて美味しそうな水が勢いよく流れていた。取りあえず2〜3杯飲み干した後に半分ぐらいの水量になっていたハイドレーションを満タンにして、止めは顔を洗った。気持ちが良かった。よし、これで復活だ! ここからだ、これからだ! と思って重いザックを背負って出発した。
三国岳まであと少しというところで急峻な岩場が見えた。ここを登るのと目を疑ったが登るしかないと覚悟を決めて岩場に挑んだ。疲れながらも剣ヶ峰を通過。この日は晴れていたから良かったけど、雨だったらヤバかったかも知れない。やっとの思いで三国岳避難小屋に着いたのが16時だった。
切合小屋まで2時間で仮に歩を進めたとしても18時頃と日没まで間に合うかどうか微妙なところだった。小屋の管理人と相談した結果、小屋はまだ余裕があるということで、この小屋に投宿する決断を下した。ここで自分のスマホから切合小屋の管理人に小屋の予約のキャンセルをして、心が落ち着いてから宿泊料を支払った。
指定された場所でシュラフやエアマットを拡げて、缶ビールとカップラーメンを買って夕食を外で食べた。そのままの流れで自分で担いで来た日本酒を呑んでいた。呑んでいる最中に、計画通りに行かなかったことと、自分の甘さに情けなくなって涙が流れていた。ここから飯豊山を眺めたが、あまりにも立派な山容で、あそこまでたどり着けるのだろうか? 不安が一層強くなった。
8月6日、3時頃に起きて外へ出た。月は沈んで満天の星空が見えた。オリオン座も沈もうとしていた。こりゃいい天気になりそうだと思った。東の空がオレンジに染まる頃には次々と宿泊者が起きて来た。朝食作りに入る人もしたし写真を撮る人もいた。そして僕はここでご来光を見ることが出来た。日が昇るのを見届けた後の4時50分、飯豊山に向かって出発した。
実をいえば前日のうちに、管理人のご厚意でアタックザックを借りることが出来て、空荷に近い状態で飯豊山に挑むことが出来た。空はほぼピーカン、いい登山が出来そうだ。いきなりハシゴがあったものの無難に登山が出来てるなと感じた。6時25分に切合小屋に到着。管理人に昨日泊まれなくてごめんなさいと謝罪した。逆に管理人から飯はまだか食ってくか? と言われて、この暖かい言葉に胸が熱くなる思いであった。しかし、僕は腹はさほど減ってなかったので、お気持ちだけでも頂戴しますと言った。
切合小屋からしばらく歩いたら、雪渓が横たわっていた。踏み跡がハッキリしていたので無難に通過した。そして、昔の登山者が草鞋を履き替えたという草履塚というところを通過。しばらく歩くと急激に降って行く鞍部(コル)や急峻な岩場を見下ろすことが出来た。鞍部は姥権現、急峻な岩場は御秘所と名付けられていたところであろう。
姥権現まで降って、ここで一本を立て、御秘所と呼ばれる難所に挑んだ。しかし、昨日の三国岳手前の剣ヶ峰の岩場と比べると短く感じて無難にクリア。また再び降って御前坂というところに着いた。僕の腕時計の高度計は丁度1900メートルを示していた。あと200メートル、頑張ろうと目の前のピークを眺めながら思った。
そのピークの山頂部には石垣が組まれており、それを目指して上へ上へ登って行った。石垣のところまで来ると今度は平坦になった。しばらく歩くと本山小屋に着いた。ここは帰りにたっぷり休むとして、先を進めることにした。その先には、またピークがあって、山頂部には数人の登山者が立ってるのが確認出来た。僕は咲き頃のイイデリンドウを見ながら、あのテッペンを目指した。
8時55分、飯豊山山頂に到着。これで百名山78座目となった。弱音を吐いたり、悔し涙を流しながらも何とかたどり着いたという感じだった。空は晴れているものの、雲や霧が多くなっているような気がした。記念撮影をして下山を開始。本山小屋に戻って、コーラで乾杯。バッチもゲット。来た道を戻る形で11時5分に切合小屋に到着。この頃になると霧で遠くが見えない天気となった。
12時45分に三国岳避難小屋に到着。管理人が「お、早いじゃないか」と言った。小屋の中でパッキングをして、借りたアタックザックをお返しして、お世話になった管理人にお礼を言って、13時25分に出発した。
ポールはザックのサイドポケットに収納。剣ヶ峰の岩場も何とか通過。峰秀水で一本を立てて、ここからは降りが続くのでポールを伸ばして出発した。横峰からは急激な下り坂が続くので膝の負担が半端なく感じた。上十五里、中十五里、下十五里と一本を立てて、17時30分に川入キャンプ場に着いた。僕の周りには大量のアブが嫌になるくらいに飛び回っていた。
ここからスマホでタクシーを呼んだ。温泉に入りたかったのだが、この日のうちに郡山のホテルまで戻らなければならないので断念。ここで汗を拭いてTシャツや下着は着替えたがズボンは替えないままで汗臭いのが気になったが、乗った電車の乗客が少なかったため他の乗客に敬遠されたりドン引きされなくて助かった。
郡山のホテルに着いたのは22時頃。部屋のユニットバスのシャワーを浴びて汗を流して、やっと今日の登山が終わったなーと感じた。
今回の登山は初日の登山開始時間がくて計画通りに行かなかった。
(最初から切合小屋ではなく三国岳避難小屋泊で計画すれば良かった)
剣ヶ峰の岩場を甘く見ていた。
50リットルザックの中身は結局使わなかった(食べなかった物)アイテムが多過ぎた。
今考えれば以上の反省点が浮かび上がったが、想像以上に手強かったな飯豊山と思った。
その反面、イイデリンドウをはじめ、多くの高山植物と出会うことが出来て良かったと思えた今回の山旅であった。
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