アルプス最後の百名山制覇へ! 涙雨の南アルプス南部縦走
- GPS
- 34:35
- 距離
- 47.7km
- 登り
- 5,341m
- 下り
- 5,518m
コースタイム
- 山行
- 5:12
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 5:35
- 山行
- 7:11
- 休憩
- 3:10
- 合計
- 10:21
- 山行
- 9:04
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 9:46
- 山行
- 7:48
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 8:13
天候 | 1日目 曇り時々晴れ 2日目 風雨 3日目 雨 4日目 霧雨→曇り→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
行き:東海フォレストバス臨時便 臨時駐車場6:50発→椹島7:55着(東海フォレスト系列小屋泊を条件に3000円支払う ※支払い金は小屋宿泊料金に充てられる) 帰り:井川観光協会バス 畑薙大橋13:50発→臨時駐車場14:10着 |
コース状況/ 危険箇所等 |
臨時駐車場で登山届を提出 帰りは下山届を出しました 下山に使った茶臼小屋〜ウソッコ沢間は九十九折れになったかなりの急登です 雨で土が濡れていると滑りやすいので注意が必要 |
その他周辺情報 | 畑薙臨時駐車場より車で5分白樺荘で入浴(大人:510円) 井川オートキャンプ場向かいのおでん屋さんで軽く食事 美味しい静岡おでんでした |
写真
感想
去年行けなかった荒川・赤石岳にようやく登ることが出来ました。
今回は思い切って3泊4日荒川・赤石岳プラス百高山に入っている、千枚・大沢・兎・上河内も抑えようとアプローチも長い事から一気に済ませようと計画を立てました。
前日までの天気予報が良くなく一時は好天率の高い飯豊山への転進も考えましたが、4日間なんてまともな日程を作れるのはこの時期一回しかないチャンスのため雨を覚悟の上で決行することにしました。
畑薙夏季臨時駐車場から東海フォレストのバスに乗ると他にも沢山登山客が乗車し椹島へ向かいます。
1日目の予定は無理せず千枚小屋まで。1年ぶりのテント泊装備ということで慣れないザックの重みに耐えながら長い樹林帯が続く山道を登る。
雲が多く陽射しも少なめなので思ったほど暑くなく体力の消耗を抑えられる。途中同じバスに乗り合わせた方々と追い抜いたり追い越されたりを繰り返す。また下山される方たちともよくすれ違った。
見晴台まで来たが残念ながら先の峰々はガスに覆われており見ることが出来なかった。
駒鳥池を過ぎると小屋も近いが急登が続き右ひざの上の辺りの筋肉が攣り始めるが何とか小屋にたどり着いた。到着時間もほぼ計画通りで一日目の行程を終えた。
小屋で受付を済ませテントを設営、山メシ作りをゆっくりと楽しんだ。
筋肉痛となった個所は湿布がなかったので代わりに雪山装備の残り物のカイロがあったため一晩充て続けていたら翌日は何ともなかった。
2日目、朝は雲は多いものの富士山や笊ヶ岳をはじめとした東方面の山々を見ることが出来、幸先よくスタート今日は主稜線を縦走するためまずは千枚岳へ。
高度が上がるにつれ視界も広がるが、逆に麓からガスが上がってくるのも確認できた。千枚岳に着き北側の眺望を確かめるも塩見は見れず蝙蝠岳のみ見えた。
千枚岳を後にし悪沢岳へ向かう途中で雨が降りだす。一時的な雨で済んでほしかったが、この雨は翌日の未明まで降り続き足取りを重くした。
悪沢岳(3141m)登頂。区切りのよい70座目の百名山。ここで後から来た名古屋のソロの男性Hさんと出会い2日間行動を共にすることとなる。
中岳へはザレ道を下って行き登り返す。登りきると避難小屋が立っておりここで雨宿り。小屋内でコーヒーを頂き他にも休まれている方も見えたのでご主人も交えて山談義。
その後も雨風の中、中岳・前岳・荒川小屋に着く頃には衣類の中まで濡れ靴内もぐしょぐしょに。ここで大休止。小屋の食堂で甘酒を頂いたりカップ麺を食べたり冷えた体を温めようとするが震えが止まらない。
結局一時間強居てしまい宿泊予定の百瞭胸海硫箸泙任療着時間が厳しくなってきた。ここの小屋は16時までに受付をして夕食を頼まないととんかつが食べれないのでそれまでに着く必要がある。
出発の準備に手間取りそうなのでHさんに先に行ってもらい後を追いかけて小赤石手前で追いつく。
赤石岳に到着。日本アルプスに鎮座する日本百名山27座を乗鞍岳を皮切りに17年かけて達成することが出来ましたがそんな余韻に浸る間もなく小屋の到着を優先に山頂を後にします。
今夜はHさんと同じグループで申し込む事を前提に自分が先に下り小屋へ向かいます。体は冷えててもスタミナは残っているので快調に下り15時20分に小屋に到着、2人分受付をしますが、夕食に関しては本人がこの場にいないとダメということで仕方なく待つことにします。その間ストーブで暖を取りながら冷えた体を温めたりして待つこと30分、15時55分ごろにHさんが到着し無事に夕食をオーダーすることが出来ました。ちなみに間に合わなくても他のメニューは注文することが出来ます。
3日目起床時には雨は上がっており他の登山者は次々と出発してゆきます。
今日は聖平小屋までの予定。当初の計画では茶臼小屋泊りまでの計画でいましたが前日に計画変更しました。
私たちも遅れ気味に6時にスタート、まずは大沢岳を目指しますが山の中腹辺りから雨が降りだします。岩峰の大沢岳、ご飯を盛ったような山容の中盛丸山、小兎岳、そして兎岳と言葉で書くのは簡単ですがアップダウンの繰り返して進んでゆきます。途中大学のワンゲル部と思われる若い子やソロの女性、親子・・・色んな方たちとすれ違いました。
一旦兎岳避難小屋で軽く食べ再出発、しかしまだここで行程の半分で聖平小屋まではまだ4時間もかかります。聖岳までは大きく下って登り返す意地の悪いルートとなります。
前日に比べれば風は無風で雨も降ったりやんだりですがそれでもすでに全身ずぶ濡れ辛抱の稜線歩きは続きます。
ようやく聖岳山頂一歩手前まで詰め寄った時ケガをします。
斜面から平坦地に変わった時ちょうど足元にあった石を越えようと足を運ぶもうまく運べず体が前に傾き始めストックで支えるも背中のザックが重しとなり額を石にぶつけました。
気も動転し仰向けになり額に手を当てていると血が付いてるように見えました。起き上がろうにもザックが重くて立てない。何とかベルトを外しHさんの手を借りて起き上がります。Hさんも冷静に対応してくれて額の方は擦り傷程度でコブが出来た程度。あと左手の親指の付け根を軽く擦りむき出血しました。少し休んで落ち着きを取り戻し雨も降っていたので手当はせず登山を再開します。
その後聖岳に着くまでの間不甲斐ない自分に涙が止まらなくなりました。
そして9年振りの聖岳に到着、周囲は誰もいません。山頂に着いたときには雨も止んでいました。この先は下りだけですが1時間はかかります。ゆっくりとしたペースで下って行くとだんだん周りの景色が見えだし空には陽射しも見えました。
そして無事に聖平小屋に到着、3日目の行程を終えました。
雨は再び17時ごろから降りだし深夜まで降り続きました。
4日目、Hさんは最終目標の聖岳を登頂を果たしたため聖沢へ下山です。
自分は昨日のケガも大事には至らず、目標を果たすため茶臼岳へと足を進めます。
歩き始めから霧雨が続きます。
まずは上河内岳へは山腹を北東側へと巻きながらやがて稜線上に出ます。ところどころ植物もあり快適な道が続く。南岳を越えたトラバース道のお花畑の中雷鳥親子に出会う。
上河内の肩に着き空荷で上河内岳を往復、バスの時間もあるので先を急ぐ。
だんだん下って行き稜線を外れ広々とした亀甲状土の草原を通過再び登り返し広々としたザレ場の茶臼分岐点に着く頃には霧雨も止み少し青空も見えた。分岐点からは空荷で三百名山茶臼岳を往復、ザックを回収し茶臼小屋へ。
茶臼小屋で息を整え下山開始急坂を下りながら横窪沢小屋その先もさらに激急坂が続き足の裏が痛くなり始めペースも次第に落ちて行く。
13時50分に畑薙大橋を出発するバス便を予約している為時間に合わさなければ1時間半の林道歩きを強いられる。
ウソッコ沢避難小屋を通り過ぎ沢から離れると山道の登りに入り長いトラバースをへてようやく畑薙大橋にたどり着く。
長い吊橋は個人的に絶叫マシン並みの恐怖を感じた。通るのは1回だけでいい。
バスには間に合い再びHさんと合流。その後も温泉・食事までご一緒した。
因みにHさん、下山中に前を歩いていた登山者の滑落に遭遇、滑落された方は急斜面に生えたたった1本の木に引っかかている所を救出されたそうです。逆に木のないところ落ちていたら・・・谷底へ100mあまり滑落の可能性もあったわけです。
こうやって身近な所で事故が起きたり自分も運が悪ければ登山どころではなかったので、改めて登山は危険なスポーツだなと再認識しました。
人生の中で他の事でもそうですがあまり調子に乗りすぎると痛い目に遭うことよくあるので気を付けないといけませんね(気を付けても避けられない事もありますが)
百名山のアルプスはこれで一区切りしましたが、残りの百名山もぼちぼち進めて、岐阜百山を片付けたら百高山中心に過去に登って眺望のなかった百名山も絡めて再訪したいと思います。
コメント
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syousanさんお久しぶりです
南アを回られたんですね〜
少し前に行った聖がなつかしいー
あいかわらずの素晴らしい料理の写真を見ていたら
なんと転倒・・・
御無事で何よりです
お互い安全登山で山を楽しみましょう
岐阜100山制覇を楽しみに待っております
(当方ただいま46座です)
ueharuさんお久し振りです
去年果たせなかった荒川・赤石に登ることが出来ました
実はueharuさんの聖岳のレコで「ウエルカムフルーツポンチ」の存在を初めて知り3日目の行程の楽しみの一つとなっていました
山旅で疲れた体に甘みと喉越しの良さが気持ちまで生き返らせてくれます
山の目標と食い気を大事にしながらこれからも頑張って行きます
こんにちは。
2日目に抜きつ抜かれつさせて頂いたガール(とはとても言えませんが・・)です。
雨の寂しい道中、お二人に声をかけて頂いて励まされました。ありがとうございました。
お二人とも無事トンカツに間に合われたのですね。(笑)気になってたので、ほっとしました。
次回は、聖〜光方面にも行ってみたいですが、記録を読ませて頂くと荒川三山辺りよりも更にきついコースのようですね。次回は、天気の良い時に行きます。(笑)
では、岐阜百名山(?)&日本百名山制覇も頑張って下さい!
Meme315さんコメントありがとうございます
Memeさんも無事に下山されて何よりでした
こちらもあの状況の中なんとか(百瞭兇悄忙間に間に合わすことが出来ました
またほんの少ししかご一緒できませんでしたが山での出逢い楽しめました
聖から光までは人少なく派手さはありませんが静かな山旅を楽しむことが出来ます。今度は の日に是非歩いてみてください
また良かったら今後のレコ ものぞきに来てください
返信ありがとうございます。では、勝手ながらフォローさせて頂きます。次の山旅レポートも楽しみにしています!
syousan、こんばんは!
レポ待ちに待ってました! 笑
このルートを一発で全部回ってしまうなんて、本当に凄いですし、当然そのハードさ故にいろいろなことが起こりますが、それも山の一部ということで、本当におめでとうございます。
コースタイムを見ると、負傷された3日目が、やはり明らかに苦闘の跡が見え、まずは無事に下山・帰宅されたことがなによりですが、その苦しみの中で当日を乗り越えられ、さらに翌日も予定のルートを踏破された頑張りに、山男の真髄が見えるような気がします。
これほどハードなルートを計画されていながらも、美味しい山飯を準備されているところもさすがだと感心させていただいています。
アルプスの百名山は終了ということですが、日本百名山達成に向けての遠方遠征・岐阜百山の達成、そして目標にしていらっしゃる悪天百名山の再訪など、今後ともご活躍を楽しみにさせていただきます。
本当におつかれさまでした!!
espritさんこんにちは
余りにも年数のかかりすぎた(笑)アルプスの百名山ようやく終結しました
去年のespritさんのレコの赤石岳からの美しいご来光が強烈に印象に残っており、触発されて去年の同時期に計画するも腰痛で頓挫、あれから1年待って行程も思い切って延長して天候には恵まれず不運(不覚)もありましたが最後まで決めた目標をあきらめず十分にやり切った感がありました
山飯作りも型にとらわれず自分の思いのまま伸び伸びと作って食べて楽しむスタイルは自分の個性だし、山というフィールドの上で(場所にもよりますが)なくてはならない楽しみの一つとなっております
百名山にしても百高山にしてもespritさんの後を追うばかりですが、今後も目標あっての登山なので頑張りたいと思っております
荒川三山と赤石岳おめでとうございます!
3泊4日のロング疲れたんじゃないですか。
でもそれ以上に充実したんでしょうね
3日目のケガ。不甲斐ないなんて。
誰にでも起こりうることと感じて拝見しました。
そんなこと言ってたら僕なんて毎日泣いてないていけないです
残りの日本と岐阜の百名山頑張ってくださいね!
お疲れさでした〜!
タムさん、コメントありがとうございます
今回は気合を入れて4日間日程を組みましたがこれが限界、色んな意味で
ケガも軽傷で済み運も良かったです
残りのW百山も頑張ります
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