(過去レコ)笠ヶ岳〜三俣蓮華岳〜槍ヶ岳〜奥丸山〜中崎山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 45.3km
- 登り
- 4,450m
- 下り
- 4,442m
コースタイム
- 山行
- 12:54
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 14:13
- 山行
- 8:52
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 10:17
天候 | 2日とも快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
体育の日を含む三連休だが、土曜はどこも天気が良くなかった。
12日は関東甲信越ともに良い予報だが、11日に良いのは山梨と中信〜南信。
関東も北部は良さそう。中ア南部の藪を縦走しようと思って越百小屋に電話すると、完全予約制で、もう泊まれませんと言われる。
色々思案した結果、九州以外の百名山で唯一展望のないままの笠ヶ岳と、雨の中を歩いた西鎌尾根の歩き直しに行くことにする。
新穂高の無料駐車場には夜中の1時半頃に着いたが、係員が二人いて、駐車場は満杯なので、鍋平高原南部の無料駐車場へ行くようにと言われ、道順が書かれた地図を渡される。
行ってみると広い駐車場はがら空きだが、30分ほど余計に歩くことになりそう。
鍋平は諦め、温泉街の有料駐車場を右に見て、左俣林道を奥へ入っていると、路上駐車している車が何台かあり、そこに停める。左俣谷に架かる橋の手前だった。
1時56分にスタート。車で走行中、標高の高い平湯付近は霧雨だったが、新穂高は満天の星空。半月だが月明かりが少しあり、山にはガスが掛かる。笠新道入口まで丁度50分。4時半頃の疎林の中では月明かりで穂高連峰の黒いシルエットが見える。
この付近は雑木林だが、針葉樹林帯では3ヶ所で、先日の台風で倒れた巨木が道を塞いでいる。
4時40分頃、穂高の稜線に三つの山小屋の明かりが見える、と思ったが、標高が上がると、二つは星で山小屋の明かりは西穂山荘だけだと分かる。
2200m付近から雪が現れるようになったが、稜線までで多い所でも数cm程度。昨夜降ったのだろうか、雪の中に靴跡は全くない。
よく晴れていて5時20分にはライト不要となる。少し風があり、寒くて上着を着る。5時55分、立入禁止のある杓子平の旧道分岐に着いた時、快晴の空のもと、笠ヶ岳が淡いモルゲンロートに染まり始める。
稜線の抜戸岳分岐に着き、写真を撮っていたところ、中年の単独行が縦走路南側から上がって来る。昨日の朝は好天だったが午後から曇り、夕方はみぞれだったらしい。
その場所のすぐ下が縦走路で、雪の中に何人かが弓折岳方面へ向かった靴跡がある。
笠ヶ岳山荘へ着き、出発の準備をしている人から何時に上がったのかと聞かれ、2時と答えるとびっくりしていた。今日はこれから新穂高へ下るという高年のカップルに、天気が凄くいいので勿体ないというと、しきりに頷いていた。人それぞれに事情があるだろうから仕方あるまい。
山荘着は8時を過ぎていたが、頂上へ行って来たのか、まだ出発していない人が数人いた。11分で笠ヶ岳の頂上に立つ。過去二回は濃いガスで展望は全くなかったが、三度目にしてパーフェクトな展望。
富士山の中腹の右半分は甲斐駒に隠れていたが、富士山そのものはよく見えている。白山も中アもよく見える。4〜50mはあろうか、南北に細長い頂稜の北側に木造の祠、南側に三角点がある。30分間食事をしたりして壮大な山岳展望を楽しむ。白粉をまぶしたように雪化粧された山々で、アイゼンは全く不要だ。
8分で山荘に戻り、そのまま弓折岳へ向かう。当初、今日の予定は鏡平山荘か双六小屋泊りだったが、この調子では三俣蓮華岳まで行って来てから双六小屋に泊まれそう。三度目にして初めて笠ヶ岳からの展望を堪能し、今回の山行の二つ目の目的は晴天で西鎌尾根を歩くこと。
新穂高温泉への分岐から抜戸岳頂上までは10分丁度。
双六小屋までの縦走路は前方に2667mピークを眺める手前で、尾根から外れて東側への急な下りとなる。
石柱を立てたような奇岩の秩父岩を右に見て、のどかな雰囲気の小平地である秩父平に下る。何人かが三脚を立てて槍を撮っている。さらさらと水も流れており、時間の有り余る山旅ならば、終日寝転がって槍を眺めていたいと思う居心地のいい所だ。
秩父平から緩やかな上りとなり、大ノマ岳へ。縦走路は頂上より20〜30m下を通る。大ノマに山頂標識はないが、展望は大変良い。大ノマ乗越は標高約2457mで、笠ヶ岳〜双六小屋間の最低鞍部だ。
南西側眼下に雪渓はないが、今は歩かれていない小池新道へ下る道形が見える。
小池新道を右に分け、7月下旬〜8月上旬には満開のお花畑だったであろう花見平は、今は荒野さながら。
午後1時前に双六小屋に着き、宿泊手続き後サブザックで三俣蓮華岳へ。前方に広大な双六岳の頂上一帯が見える所まで上がった時、広範囲にガスが掛かり始め、山頂では展望なし。
丸山頂上も広々とした高原状で、山頂を示す標識等は見当たらず。三俣蓮華岳ではガスが消えていて展望が良く、赤茶けて崩壊の進む硫黄尾根が凄まじい。
双六小屋へは巻き道ルートで戻る。
【二日目】
双六小屋の朝食は5時半。
昨日は14時間余りも歩いたので、夕食時は疲れ過ぎて食欲がなかったが、今朝は疲れは回復していたのでお代わりをする。小屋から樅沢岳までは丁度20分、快晴で素晴らしい展望。この山がこれ程までに絶景とは全く意外だった。槍〜穂高は逆光で暗いが、双六岳や鷲羽岳は筆舌に尽くし難い絶景。
山頂標示が二ヶ所にあり、両方合わせて15分いた。
その後、緩やかなアップダウンを繰り返して左俣岳へ。山頂は縦走路から1〜2分の近さだったが踏み跡はない。道標もないが、周辺にこの山より高いピークはなく、高度計で頂上であることを確認する。
ここも展望が良く、間近に見る硫黄尾根に凄惨さを感じる。
好天の三連休だというのに人が少なく、この時季はみんな涸沢に行くのだろうかと思ってしまう。途中の数ヶ所に鎖があったが、手を触れることもなく千丈沢乗越に着く。乗越には槍ヶ岳から戻って来るので、サブザックに食料等を入れ替える。
やや急だが、好展望でザクザクの道を軽荷で軽快に歩く。今回はストックを持参していたので、槍ヶ岳山荘直下の岩陰にデポし、山荘東側の広場へ上がる。
千丈沢乗越からのコースタイムは1時間50分だが、35分しか掛からなかった。立ち止まることなく穂先へ向かう。
前方に中年の単独行が先行していて、下り専用ルートを上がっている。声を掛けたら、『誰もいないから構わない、上りルートには凍結している所がある』という。それなら、ということで私も下りルートを上がり、途中でその人を抜く。
肩ノ小屋の広場から9分、びっくりしたことに誰もいない槍ヶ岳頂上に着く。
快晴で展望はパーフェクト。八ヶ岳と南アとの間に富士山、笠ヶ岳の彼方に白山もよく見えている。追い抜いた男性も間もなく登頂したが、三人目は上がって来ない。
昨日、笠ヶ岳から眺めた薬師岳は真っ白だったが、今日、槍から見ると雪は可成り解けている。白馬、白馬鑓、旭岳は黒い部分は全くない真っ白だ。
立山もよく見え、山肌は消え残りの雪で斑模様。剱は富士ノ折立の奥に頂上部分が僅かに見えている。穂先から10分で肩ノ小屋脇の広場へ下る。
さて、次は奥丸山だ。山荘脇のヘリポートから少し下で、デポしていたストックを回収し、千丈沢乗越へ下る。
乗越から南側への急な下りはあまり歩かれてないような状況。飛騨沢へのルートを左に分け、山地図では赤破線の中崎尾根に入る。
登山道は刈り払いされていて歩きやすく、所々に槍〜穂高側が草地となった所があり、そこからは3000m級の膨大な岩だらけの稜線を見上げる。
鞍部から120mほど登り返して奥丸山へ着く。数人が先行していて食事中だった。
ここから見上げる西側は笠ヶ岳より、抜戸岳から弓折岳への稜線の方が大きい。
約350mも高いので、まるで壁のようだ。南岳新道が急降下している左側に、上から下まで瓦礫で埋め尽くされている南沢がよく見える。
滝谷の上部は垂直の絶壁、蒲田富士は大きな台形の山容で、奥丸山は北アルプス南部の核心部を見上げる素晴らしい展望台と言えよう。
登山地図の赤線ルートが直角に右折する所には、直進する方向に”新穂高”方面の表示があり、手書きで“”難路“”と書き加えられている。
ちょっと覗き込んで見ると刈り払いされていて悪路とは思えず、登山口にはこちらが近いだろうと判断し、中崎山へ向かう。
地図には全く表示されていないが、ルートは明瞭。1816mピークには大丸山と書かれた表示が有り、穂高側の展望が良い。
中崎山からは笠ヶ岳側がまずまずの展望、笠見平には朽ちたベンチがある。
地図にルートが出てない中崎尾根の下りでは、他の登山者には会わないだろうと思っていたが、登山口近くまで下った所で中年のカップルに追い付く。
この中崎尾根ルートは昔はよく歩かれていたようだが、桟道や梯子は朽ち果てて役に立たず、更に道が曲がりくねっていて時間が掛かる。
結果論だが、尾根途中から右折してわさび平へ下った方が速かったかも知れない。
一般道との分岐に難路と手書きされている意味が、実際に歩いてみて分かった。
左俣林道へ下った地点には”中崎山”と大きく書かれた登山口の道標がある。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する