79.鹿島槍ヶ岳「夏のかけら」柏原新道ピストン
- GPS
- 29:40
- 距離
- 23.8km
- 登り
- 2,522m
- 下り
- 2,519m
コースタイム
- 山行
- 6:16
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 7:21
- 山行
- 6:45
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 8:27
天候 | 一日目:曇りと霧 二日目:晴れのち霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
信濃大町駅〜扇沢駅:1360円 扇沢駅〜大町温泉郷:1010円 大町温泉郷〜信濃大町駅:530円 ※ちなみに信濃大町駅〜扇沢駅往復は2500円ですが、帰りに温泉に入りたかったので往復では買いませんでした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
柏原新道:概ね整備されていて登りやすいのですが、ケルン周辺とアザミ沢の上あたり? が片側が切れ落ちてる道が細いという難所があり。そのポイントに来たら、注意を呼び掛ける看板があるので解ると思います。 種池山荘〜冷池山荘〜布引岳〜鹿島槍ヶ岳南峰:特別難所はないです。ストックやポールをしまってよじ登るような場所はないです。 南峰から北峰へ、八峰キレットを通って五竜岳を登るルートに魅力を感じたのですが、岩登りに自信がなかったので柏原新道ピストンを選択しました。 |
その他周辺情報 | 登山後の温泉は大町温泉郷 薬師の湯を利用。大人700円ですが、冷池山荘に(種池山荘にもある?)割引券が置いてあるので、それを使って500円で入浴しました。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
携帯
時計
タオル
ツェルト
カメラ
ポール
三脚
充電器
熊鈴
|
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備考 | ボディペーパー(顔が洗えなかったので)、ソフトシェル(意外に寒かった) |
感想
第79座 「夏のかけら」
今回、鹿島槍ヶ岳を登ろうとしたのは、昨年は幌尻岳登山の成功を優先させたため、日本アルプスの山は登れなかった。今年は一泊二日で登れる日本アルプスの山はないものかと検討した結果、この山に決まった。
ここでも青春18きっぷを利用して往復することにして、9月1日、仕事が終わった後に一旦帰宅。風呂だけ入って、バスで尾張一宮駅に向かって、ここから青春18きっぷの4回目のハンコを押してもらった。電車を乗り継いで23時30分頃に松本に着いた。駅から少し離れたファミレスでスマホの充電も兼ねての夕食。24時間営業かと思いきや、2時までだったので1時半頃に店を出た。結局のところ駅のコンコースで数人の登山者が休んでいたので、僕もそこで少しでも休むことにした。
9月2日、改札口のシャッターが開き始めた。電光掲示板に4時35分発のムーンライト信州が来るのを確認して、これに乗ることにした。その分、信濃大町駅に早く到着することになり、予定より早く登山が始められるぞと喜んだ。5時13分に信濃大町駅に到着。6時15分発の扇沢駅行のバスに乗って、6時55分頃に扇沢駅に到着した。
扇沢駅の水場で水を補充して、7時10分頃に出発。予定よりも約1時間早いスタートとなった。車道を降って行って15分ほどで柏原新道登山口に着いた。ここから本当の登山スタートだ。この登山道は約50年前に当時の小屋のご主人が独力で作っただそうで、登ってみて「あ、歩きやすいな!」と感じた。道中、危険な個所は注意を促す黄色い手書きの看板があったり、退屈しないようにという配慮なのか? 「モミジ坂」から始まって、「駅見岬」「包優岬」「アザミ沢」など要所要所で名前が付けられており退屈しなかった。
「鉄砲坂」という胸突八丁な登り坂を登り切ると森林限界を越えて、種池山荘が見えた。11時5分に種池山荘に到着。少し早いがホットコーヒーと塩ラーメンを作って食べて、11時45分に爺ヶ岳に向かって出発した。その南峰の山頂直下でライチョウ4羽を見た。僕はしばしの間、写真を撮ったり眺めたりしていた。今回の山旅が幸先が良い予感をここで感じた。
しかし、爺ヶ岳はガスで覆われて「五里霧中」の状態で歩かねばならなかった。何か息が苦しく感じた。高山病か? でも高山病だったら、頭が痛くなるはず。大丈夫だと言い聞かせながら進んだ。そんな中、南峰、中央峰の山頂を踏んで、冷池山荘を向かって降って行った。いつまで降るんだろうと思いながら降って行った。14時15分に冷乗越に到着。ここまで来れば、山荘までは目と鼻の先と思って歩を進めた。そして、14時30分に冷池山荘に着いた。今回は予定通りの場所に無事に着いてホッとした。
宿泊の手続きを済ませて、スタッフに部屋を案内してもらった後、早速明日の登山の準備に入った。まずは水の確保。50リットルザックからハイドレーションを取り出して、給水所で給水(有料。宿泊者は1リットル無料券がもらえる)してもらって、部屋に戻って、30リットルザックに水を満たしたハイドレーションをセット。必要なモノを詰め込んでパッキング終了。着替え、乾燥室で濡れた衣類を干したり、着替えたり、必要なくて小屋にデポするモノは50リットルザックに詰め込んで、やるべきことは全て済ませた。
2階の談話室で生ビールを買った。談話室は人が一杯だったので、1階の自炊室で呑んでいたのだが、寒くて生ビールを呑み干した後にグラスの返却がてら談話室に戻った。ここでは担いで来たパウチパックの日本酒を呑んでいた。同席のお母さん方と山の話で盛り上がってしまった。酒に酔っている分、上機嫌&多弁になってしまったらしい。これも山小屋泊の醍醐味よね(笑)。
夕食を頂いた後、そのまま寝床へ直行。そのまま寝てしまったらしい。夜中目を覚ました時に寒気がしたので、風邪をひくかもしれないと思って、布団をかぶって我が身を暖めながら寝た。
9月3日、3時頃本当に目を覚ました。寒気は去ったようだ。外の様子はどうなんだろうと静かに外へ出たら、霧が晴れて満天の星空が夜空を埋めていた。これならご来光が見られそうだと思った僕は登山の準備を始めた。3時30分頃になると宿泊者もスタッフも起き始めて、おのおの準備を始めて慌ただしくなって来た。僕は朝は弁当を頼んでいたので、受け取り開始時間の4時を過ぎてから弁当を受け取って4時25分に暗い中、山荘を出発した。
ヘッドライトの明りを頼りに登って行くと幕営地に着いた。そこではテントが多く張られており、テントが明るくなってるのもあったし、撤収中でテントを畳んでいる人もいた。さらに先を進んで行くと空が明るくなって剱や立山の山並みが見え始めた。先を見ると布引岳や鹿島槍ヶ岳南峰の山肌に星のような数個の明りが上を目指して動いてるのが確認出来た。僕はご来光に間に合うか? と思いながら布引岳を目指した。この時点でこの気候に慣れたのか? 昨日感じた息苦しさは全く感じなかった。むしろ、気持ちが良く感じた。
5時20分頃、布引岳に着いた。ご来光は既に太陽が完全に出た後だったが、何とか間に合ったのかな? と思いながらそれを眺めていた。あとは鹿島槍ヶ岳の最高峰の南峰へ向かうのみと歩を進めた。剱や立山を眺めるとモルゲンロートに染まっており、その下には「影鹿島槍」とも言おうか? 鹿島槍の大きな影があった。それを眺めながら南峰を登って行った。
6時15分頃、鹿島槍ヶ岳最高峰、南峰に到着した。これで百名山79座目となった。北の方向を見ると五竜岳、その向こうには白馬の山並みが見えた。五竜岳は未踏なので、いつかは登るぞと誓いを新たにした。南に目を向けると本家の槍ヶ岳が見えた。そして富士山も見えた。僕は槍や富士山を眺めながら弁当を食べた。弁当の中身はちらし寿司だった。寒さに震えながらゆっくり食べた。
6時45分頃、南峰を後にした。北峰には向かわずに布引岳に向かって下山した。ここでは多くの登山者とすれ違った。八峰キレットに挑むのだろうか? ヘルメットをかぶって山頂を目指す登山者も多く見かけた。僕はこの人たちが勇ましく感じた。幕営地はテントは数張しかなくて、7時50分に冷池山荘に着いたのだが、人はほとんどいなくて、スタッフが廊下をホウキで掃除していた。僕は乾燥室にデポしておいた50リットルザックを持ち出して、50リットルザックにパッキングし直して、8時30分に出発した。
冷乗越を過ぎて、振り返ると冷池山荘があんなに遠く見えた。行きに見れなかった風景だ。前を見ると爺ヶ岳が霧がかかっていた。また霧か〜。と思ったが雨が降らないだけマシだと思って歩を進めた。巻き道を使って、南峰を過ぎた山頂直下で、左手に持っていたポールを突こうとした足元にライチョウがいた! 思わず立ち止まった僕は前へ向かって逃げるライチョウを見ながら安堵した。もう少しで天然記念物様をポールで串刺しにするところだった。ここでは2羽見ることが出来た。
10時に種池山荘に着いた僕は、これなら昼ぐらいには扇沢に着きそうだと確信した。柏原新道をたどって、12時50分頃に扇沢駅に着いて今回の登山は無事に終わった。着いた直後、水場で水をがぶ飲みして顔を洗ったのだが、久々に顔を洗えて気持ちが良かった。
13時30分発の信濃大町駅行のバスに乗って、大町温泉郷で途中下車。薬師の湯という公衆浴場で汗を流して、そこで呑んだ生ビールが美味しく感じた。でも、これからは信濃大町から地元の一宮までの長い帰還の旅が残ってる。何とか今日中に帰れるといいなぁ〜、帰れるんだろうか? 何とかなるだろう。そう思いながら生ビールを呑んで過ごしていた。
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