仙塩尾根北部/北沢峠〜仙丈ヶ岳〜両俣〜野呂川出合
- GPS
- 30:15
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 1,539m
- 下り
- 1,716m
コースタイム
北沢峠15:10→北沢駒仙小屋15:20
8/4
北沢駒仙小屋05:00→北沢峠05:20→三合目06:30→薮沢大滝ノ頭07:20→薮沢小屋08:10→馬の背ヒュッテ08:40 (給水)→仙丈小屋10:15 (給水)→仙丈ヶ岳11:00 (30分大休止)→大仙丈ヶ岳12:10→苳ノ平14:25→伊那荒倉岳15:00→高望池15:20→2499m独標16:10→横川岳17:10→野呂川越17:50→両俣小屋18:45
※伊那荒倉岳あたりでヒザに来てしまったのでだいぶペースダウンしています
8/5
(本来の計画では両俣小屋から尾根に戻り、三峰岳・間ノ岳経由で北岳山荘へ向かうつもりでしたが、ヒザの状態を考え予定を変更して下山)
両俣小屋08:15→野呂川出合11:15
天候 | 8/3 雨のち曇 (入山前は晴) 8/4 晴時々曇 (夜から未明にかけて雨) 8/5 曇時々晴 (下山後は晴) |
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過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
JRバス 伊那市駅→高遠 (510円) 伊那市営バス 高遠→仙流荘 (300円) 南アルプス林道バス 仙流荘→北沢峠 (1,300円、手荷物料200円込み) 復路 南アルプス市営バス 野呂川出合→広河原 (580円、手荷物料200円込み) 山梨交通バス 広河原→甲府駅 (2,000円、南アルプスマイカー規制協力金100円込み) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●出発前 登山届は長衛荘に用紙あり、入口脇のポストに提出。 北沢駒仙小屋でも受け付けてもらえるものの、用紙は置いていないとのこと。 ●北沢峠〜大滝ノ頭 危険箇所は特になし。 最初から急な登りが続きますが、数十分ごとに一合目・二合目・三合目…と平坦な場所が現れるので一息つけます。 ●大滝ノ頭〜仙丈ヶ岳 大滝ノ頭からは緩やかなトラバース道。いくつか沢の徒渉あり。 薮沢を渡って大平山荘からの道に合流してから再び登り。 馬の背の先から森林限界の上に出て、展望が開けます。 ●仙丈ヶ岳〜苳ノ平 仙丈ヶ岳から大仙丈ヶ岳までは、道自体は明瞭ですが、幅数メートルの尾根を通過する区間があり、強風時などは要注意。 大仙丈ヶ岳から下りていってしばらくすると、道の両側にハイマツがかなり生い茂ってきて、かき分けかき分け歩くことになります。 また、大仙丈ヶ岳から先はコースを通じてしっかりした道標がなく、ロープや目印のテープだけが頼りです。 ●苳ノ平〜両俣小屋 樹林帯で、途中の2499mの独標を除いては展望はありません。 その独標から下りるところに岩場があり、下る際は注意。 さらに、この区間は倒木が多く、乗り越えたりくぐったりして通過することになり、地道に体力を消耗します。 テープはちゃんと付いているので、見落とさない限り道に迷うことはないと思いますが、 そのテープが示す先が「本当にここを通るの?」と思ってしまうような道なので、その意味で迷うことはあるかも知れません。 ●両俣小屋〜野呂川出合 大部分が川沿いの林道歩きです。 小屋の先で熊の出没情報があるので熊鈴を携帯せよとのこと。 林道部分は、時折工事の車両が通ることがあるので注意。 野呂川出合のバス停には、本当にバス停しかないので、早く着きすぎると暇を持て余すかも。 ●コース全般について 北沢峠〜仙丈ヶ岳 (〜大仙丈ヶ岳) と両俣〜野呂川出合の区間は問題ないのですが、その中間はとにかくしんどいルートです。 何しろとにかく長い。特に北沢峠からスタートの場合はウンザリするほど長い。 上述のようにコース整備が必要最小限。 地形図にも載っていない偽ピークがいくつも出てきて精神的に疲れる。 通る人も多くない (まったくいないというわけではない)。 心してかかってください。 |
予約できる山小屋 |
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写真
感想
もともと「北岳に行ってみたいなあ」と、前から考えていたのです。
そんな中、昨年にkudaさんの記録
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-71505.html
を読んで「うおっ! 仙塩尾根面白そう!」と思ったのが運の尽き (?)
kudaさんに倣い、北沢峠から仙丈ヶ岳〜仙塩尾根〜間ノ岳〜北岳と回って広河原に下山、という計画を作成。
しかも20年ぶりのテント泊 (自分ひとりで全部背負うのは初) で!
当初の計画では
・初日は北沢峠から仙丈小屋まで
・2日目は仙塩尾根を下りて両俣まで
・3日目は尾根へ登り返し間ノ岳経由で北岳山荘まで
・4日目は北岳に登頂し下山
という予定だったのですが、ネットで仙塩尾根のコースを調べると
「仙丈ヶ岳から両俣まで5時間前後で行ける」という情報もあって、
じゃあ大丈夫かなと思い、思い切って北沢峠から両俣までを1日でまとめることにしました。
(今になって思えば、これがそもそも大間違いだったのですが…)
北沢駒仙小屋に乗り込み、翌朝、予定通り北沢峠からスタートしますが、何しろテン泊装備を担いで登っているので全然ペースが上がらない。
すぐに乱れる呼吸を、スポーツドリンクを口に含んで静めているので、ハイドレの中身がどんどん減っていきます。
これは初めから予測済みで、給水のために小仙丈ヶ岳経由でなく水場のある馬の背・仙丈小屋方面へ進んだのですが、
早くも馬の背ヒュッテの手前でハイドレが空になってしまうほどでした。
それでも、途中で出会う登山者の方々と会話を楽しみ、道端の花々を愛で、馬の背から先は展望も開け、
仙丈小屋周辺ではライチョウも見たりしつつ、なんとか仙丈ヶ岳に登頂。
山頂到着時点で、目標コースタイムからはすでに2時間近く遅れていたのですが
「あとは基本的に下るだけだから」と、そのまま仙塩尾根に突入。
しかし、初めて歩く仙塩尾根はまるで万里の長城のごとくに、私の前に立ちはだかるのでした。
大仙丈ヶ岳から先、行けども行けどもハイマツの中の道が続き、「いつになったら樹林帯に入るのか…」とやきもきすること数度ならず。
2時間くらいしてようやく樹林帯の道になれば、今度は倒木の嵐。
またいだりくぐったりするだけならまだしも、図ったかのように胸や腰の高さで横たわっている木も次から次に出てきて、
短い足を必死に上げて乗り越したり、ザックを引っかけつつ腹這いに近い体勢で通過したりと、まさにフィールドアスレチック状態です。
しかも思いのほかアップダウンの多い道で、地図に名前の出ているピーク以外にも断続的に登り返しが現れ、精神的にも辛いのなんの。
そのせいかどうか分かりませんが、伊那荒倉岳のあたりから次第に左ヒザの状態が悪くなり、登り下りでひねると痛むようになってきてしまいました。
おかげで、ただでさえ遅いペースがさらに遅くなり、尾根から両俣へ下る分岐点の野呂川越に着いたのは18時近く。
18時半くらいから林の中がだいぶ薄暗くなってきて、ヒザの痛みに呻きつつも大急ぎで下ります。
沢沿いに出て平坦な道になってからは無我夢中ですっ飛ばし、何とか真っ暗になる前に両俣小屋に到着。
小屋番の星さんから「夏山だと思って無理をする人が多いのよねー」と、軽くお叱りの言葉を頂きました。
もし元気ならば、翌日はまた尾根に戻って間ノ岳〜北岳山荘と歩くはずでしたが、
ヒザの状態も考え、今回は無理せずに日程を切り上げ下山することに。
すでに他のお客さんがみんな出てしまった後から、ゆっくりのんびり両俣を出発。
林道を歩いて野呂川出合のバス停へ向かいますが、予定より早く帰ることになって気持ちが切れてしまっているのと
単調な道なので途中で飽きてしまったのとで、ついつい緊張感のないだらだら歩きに…。
ともかくもバス停に到着、広河原経由で甲府駅へ下り、無事に帰宅しました。
まとめると
・計画自体がそもそも無茶 (やはり仙丈小屋で泊まっておくべきだった)
・自宅を出発の時点で約13kg (水含まず) と、荷物がちょっと重すぎた
・今履いている軽登山靴ではテン泊装備の重量を支えるには力不足かも
と、反省点のいろいろあった山行でしたが、いい経験になりました。
今後に生かしたいと思います。
もっとも反省点だけではなく、少なくとも予定ルートの3分の1くらいは歩けたわけだし、運良く好天に恵まれたし
(実際、途中で会った方によれば、数日前から山に入っているがずっとグズグズな天気で、この日になってやっとすっきり晴れたとのこと)、
花はきれいだったし、ライチョウも見ることができたしで、これはこれで良しとしましょう。
間ノ岳と北岳は次の機会に…ということになりましたが、まあ山は逃げないし、首を洗って待っていてもらいます。
最後に、今回お世話になった方々にこの場を借りてお礼を。
まず両俣小屋の星さん、ありがとうございました。ぜひまた伺いたいと思います。
仙丈小屋手前から大仙丈ヶ岳あたりまで付いたり離れたりだった、ZERO POINT (だったかな?) のザックのお兄さん、ありがとうございました。
その後先行されたきり追いつけませんでしたが、何とか両俣に着けましたので安心してください。
両俣への下りの途中で私に追いつき、翌朝のテン場でお話をさせていただいた
相模原から2人の息子さんと来られたお父さん、その節はありがとうございました。
大滝ノ頭で最初にお会いし、仙丈ヶ岳の山頂では写真を撮っていただき、さらに偶然にも下山後に甲府駅で三たび出会って
帰りの電車をご一緒させていただいた川崎労山のお二方、どうもありがとうございました。
ヒザはもうだいぶ快復しましたので安心してください。
またいつかお会いしましょう!
なお、元サイズの写真は
http://photozou.jp/photo/list/74507/4878813
で公開していますので、「写真小せーよ!」という方はそちらへどうぞ。
コメント
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Yasuharuさん、こんばんは
仙塩尾根(別名:馬鹿尾根だったけ?)お疲れ様でした
以前、高望池で水場に行った時に、虫の攻撃に遭ったのを想い出しました
花の名前は以下と思われます。
高山植物5 モミジカラマツ
高山植物6 ヨツバシオガマ
高山植物8 タカネグンナイフウロ
高山植物15 イワベンケイ
はじめまして、コメントありがとうございます。
alpsdakeさんも仙塩尾根経験者でしたか。
確かに、とにかく虫の多いコースでした!
馬の背ヒュッテの水場に立ち寄った時も虫が大量に寄ってきて
ザックや水筒に止まるのを振り払いながら給水していました。
やっぱり花が多い場所は仕方ないのでしょうね。
高山植物の名前を教えていただきありがとうございます。
さっそく反映しておきます。
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