南八ヶ岳縦走(阿弥陀岳〜赤岳)
- GPS
- 12:51
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,690m
- 下り
- 1,658m
コースタイム
美濃戸口6:40-7:30美濃戸-9:40行者小屋10:15-11:10中岳のコル11:15-11:45阿弥陀岳12:00-12:40中岳のコル-13:05中岳-13:35文三郎分岐-14:30赤岳14:50-15:20赤岳天望荘(泊)
【1/15】
赤岳天望荘7:25-7:35地蔵分岐-8:20行者小屋8:45-8:55中山展望台-9:10行者小屋-10:55美濃戸-11:35美濃戸口
【コースタイム概要】
美濃戸口〜行者小屋:3時間/行者小屋〜阿弥陀岳:1時間30分/阿弥陀岳〜赤岳:2時間30分/赤岳〜赤岳天望荘:30分/赤岳天望荘〜行者小屋:1時間/行者小屋〜美濃戸口:2時間30分
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
感想
初めての本格的な雪山登山(アイゼン・ピッケル必須)。最初は八ヶ岳赤岳のピストンを考えていたけれど、天気予報では1/14、15と高気圧が日本列島を覆い、どう考えても快晴の2日間。単なるピストンではもったいないので、阿弥陀岳〜赤岳〜硫黄岳を縦走することにしました。
【事前】
・今回の計画ルートは、
美濃戸口〜行者小屋〜中岳のコル〜阿弥陀岳〜中岳〜赤岳〜赤岳天望荘(泊)〜横岳〜硫黄岳〜赤岳鉱泉〜美濃戸口
の1泊2日。
・ルートについて調べていると、厳しそうなのは中岳沢(雪崩の懸念)、阿弥陀岳の下り、赤岳〜硫黄岳への縦走路。他の人のネット上の記録を見ると、まだ雪が少ないためそれほど難しくはなさそう。ただそれは1週間前の記録であり、その後冬型が強まって降雪もあったみたい。現地で降雪状況を確認することにした。
・赤岳天望荘を予約しようとホームページを見てみたら冬季の営業は12/21〜2/20。いざ予約しようと予約フォームのページへ移ってみたら営業は12/25〜1/10と書かれている。不安になって電話で確認してみたら12/21〜2/20が正しいみたい。予約を済ます。
【1日目】
・早朝、美濃戸口へと車で向かう。予定より遅れて、6時ちょうどに八ヶ岳山荘の駐車場に到着。
・駐車場の料金は500円/日。2日分1000円支払う。駐車券がコーヒー券になっていて、コーヒーを御馳走になれる。下山後にとっておくことにした。
・準備に思ったより時間をかけてしまい、出発は6時40分。すでに薄明るくなっていて、ヘッドランプは必要なかった。
・林道を美濃戸へと向かう。道は圧雪になっていて凹凸もない。スタッドレスタイヤの普通車でも走れそう。美濃戸まで車で行けばよかったと、ちょっと後悔。
・美濃戸口から40分ほどで美濃戸へ到着。その先の分岐では南沢方面へ進む。
・樹林内の登山道を行く。雪化粧した樹木の姿がとても美しい。
・美濃戸口から2時間20分ほどで行者小屋に到着。ベンチを設置してくれている。少し休憩し、装備を整える。トイレは100円。
・稜線を見ているとかなり風が強そう。粉雪が荒れ狂っている。予想天気図では等圧線は疎で、こんなに風が強いとは思っていなかった。まずは稜線まで上がってみてから判断することにする。
・行者小屋からほどなく分岐。周囲の雪の感じからも、ここ数日での降雪はそんなに多くなかったみたい。また、中岳沢への道にもしっかりトレースがついていたので、予定通り中岳沢経由で阿弥陀岳へ向かうことにする。
・ゆるやかに谷底を登っていく。やがて真正面に斜面が見える。この斜面が雪崩の元凶かと思いつつ雪の量を見ても、それほど多い感じはない。特に不安はない。
・行者小屋から1時間ほどで中岳コルに到着。その頃には風も収まっている。時々強めの風も吹くが、それほど強いわけではない。予定通り、阿弥陀岳へ向かう。
・間もなく階段。しっかりと出ていた。その上の鎖も結構出ている。
・それにしても、かなりの急斜面。高度感もある。何らかのはずみで滑り落ちると、どこまでも落ちていきそう。緊張感は高まる。難しいのは下り。これを下れないとなると決して登ってはいけない。試しに数歩下ってみる。アイゼンの効きもよい。山側を向いて後ろ向きに下れば何とかなりそう。自分なら下れると判断。そのまま登ることにした。
・コルから30分ほどかけて無事に頂上に到着。普段はあまり感じない達成感を、今回は感じる。恐怖感、緊張感が強かったからかな。それにしても晴天の下の大展望。大満足。風もほとんどない。
・頂上で展望を味わい、いよいよ下山開始。
・急斜面は後ろ向きに下る。やっぱり怖い。緊張感は高まる。足は思いっきり力を入れてキックステップ。右手はアイゼンのシャフトを雪に差し込む。三点支持には左手も必要。左手はそのまま雪に差し込む。しっかりとした支持にはならないが、体のバランスを整える位の意味はある。まぁ2.5点支持状態。実際、そこまでやる必要はないとは思うが、怖くてどうしてもそうしてしまう。慣れの問題。無駄に体力を使う。
・鎖場まで何とか到着。左手はしっかりと鎖をつかみ、三点支持を確保。ほっとする。今度は油断しすぎないように注意する。
・途中で鎖もまた雪に埋まっている。掘り出そうとするが、深い。また緊張感を復活させる。この辺の気分の切り替えは、思ったより難しい。
・無事コルに到着。ほっとする。下りに40分かかった。登りが30分だったので、登りより時間がかかっている。
・その先の中岳超えは、ちょっとしたナイフリッジ、ちょっと急な斜面の下りとなっているが、全く恐怖感はない。普通に慎重に進む。
・中岳と赤岳のコルに到着。阿弥陀岳の下りでかなり無駄な体力を使ったせいか、疲れ気味。この先にジグザグな急登が続いているのを見ると、うんざりする。
・実際登り始めてみると、やっぱりきつい。かなり疲れている。風もそこそこ出ている。分岐の先、ルートは赤岳の南側に入り風もなさそう。なんとかそこまで行って休憩。よく考えると昼食を食べる間もなかった。軽くチョコレートを食べると元気になった気分になる。
・赤岳への道は、岩場だったり雪がついていたり。そんなに難しい感じはなかったがかなり急。立派な岩峰がたくさん見え、どれが目指す頂上なのかよく分からない。登山道をたどってひたすら登る。
・いつの間にかに頂上に到着。中岳コルより2時間弱。阿弥陀岳の時ほどではないが、それなりの達成感が沸き起こる。景色もよい。
・頂上直下に見える赤岳天望荘に向けて下る。ここも難しい所はなかった。
・15時20分、無事赤岳天望荘に到着。宿泊料金は宿泊+晩飯で8500円(朝食を食べる習慣がないため)。お汁粉をサービスしてくれていて、さっそく頂く。疲れた体に甘いものは嬉しい。
・部屋は個室を用意してくれていた。大部屋と違い、荷物を無造作に広げられるので楽。
・喫煙所は建物内にある。暖かい場所でタバコを喫えるのも嬉しい。喫煙所で会ったSさんと少し話をするが、彼も沢登りをするみたい。食後にゆっくりと話しをすることを約束。
・日の入りは16時50分ごろ。それほど寒くなく、日の入りをゆっくりと眺める。
・晩飯は17時30分から。バイキング形式。やっぱり疲れていたのか、たくさん食べる。ビール(350ml,500円)も購入。山小屋泊って、ほんと楽でいい。
・食後、Sさんパーティーに合流。食堂は19時で閉まるので、その後談話室に移って21時までいろいろと話す。会話もはずみ、とても楽しかった。Sさんは当初硫黄岳経由で赤岳天望荘まで来る予定だったが、いろいろとあって直接地蔵尾根経由で登ってきている。翌日は赤岳から阿弥陀岳を巡る予定だが、最初に横岳までピストンするみたい。朝、横岳まで一緒に行くことを約束して解散。
【2日目】
・5時半起床。外に出てみると、すごい風。かなり強い。天気図から予想していた天気とは大きく異なる。この辺りは高気圧の中心で、快晴、風も強くない、と予想していた。
・山小屋の人に話を聞くと、高気圧の中心は太平洋側にあり、日本海側に低気圧の前線が出来ているので、南風が吹いているとのこと。現在吹いている風も、天気図通り。日の出後、少し落ち着くかもしれないが、風はさらに強くなるだろうとのこと。
・悩む。風が強いといっても歩けないほどではない。とは言え、赤岳〜硫黄岳はそれなりに難しい所もある。果たして私に行けるか?よく分からない。分からない時は安全側の判断。地蔵尾根経由で下る事にした。
・前日約束していたSさんも、横岳はあきらめて赤岳越えするとのこと。
・荷物を整え7時25分に出発。地蔵分岐には10分ほどで到着。その頃には、朝よりも風が弱くなっていて再度悩む。が、またいつ風が強くなるのか分からない。やっぱり下る事にする。
・下り始めると赤岳に向かったSさんパーティーもこちらに来た。風が強いので赤岳登山はあきらめて、そのまま下るとのこと。
・地蔵尾根の下りもそれほど難しい所はなかった。急ぐ必要もないので、のんびりと写真を撮りながら下る。尻滑りにちょうどいい斜面もあり、時々尻滑りを楽しむ。
・赤岳天望荘から1時間弱で行者小屋に到着。
・Sさんパーティーとも再会し、時間があるので中山展望台まで行ってみる事にした。途中、2度目の日の出。屏風状に広がる山並み。とても美しかった。
・美濃戸口へと向かう。樹林の中の小道はやっぱり美しい。
・美濃戸から美濃戸口への林道は、時々ショートカットルートもあるので、それを利用。
・無事、美濃戸口へと到着。八ヶ岳山荘で駐車券を使ってコーヒーを御馳走になる。
初の本格的な雪山登山。雲一つない青空の下、たっぷりと雪山の魅力を味わってきました。
今回は強風のため、赤岳〜横岳〜硫黄岳の縦走路は断念しました。やっぱり経験不足。実際は行けたのかもしれないけれど、そう判断するだけの自信がありませんでした。
今後これから、いろいろと経験を積んでいきたいと思います。また、気象や雪崩についても、もっと勉強しなければいけないと強く感じます。
今回の登山で、私のフィールドがまた広がりました。今後も楽しみです。
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