これで北アルプス百名山コンプリート!(薬師岳・黒部五郎岳)


- GPS
- 50:42
- 距離
- 38.3km
- 登り
- 2,934m
- 下り
- 2,927m
コースタイム
- 山行
- 9:00
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 9:34
- 山行
- 9:32
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 11:27
- 山行
- 3:40
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 3:44
天候 | 晴れ(猛暑) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:折立⇒富山駅(30年活躍の古くて狭いバス3,500円、後半エアコンが故障した。そんな中2時間の乗車はキツかった。)、富山⇒東京 新幹線かがやき 11,450円、こちらは快適。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
折立⇒太郎平 樹林帯を抜けてからの小さい石を敷き詰めた道が所々荒れていて、意外と歩きにくい。浮石に注意。木道は気持ちの良い高原歩きができる。 太郎平⇒薬師岳 登り始めの沢登りっぽい急登を向けると沢の元に、ほんの少しの雪渓(軽アイゼン不要20mくらい)があって、それを過ぎるとなかなか厳しい登り。ここが肝なので、なんとか登り切ると薬師岳山頂に到着。テン場はないが、帰りにビールを買った感じでは、スタッフがよさそうな小屋だった。薬師岳往復は1時間半ぐらいだが、これも甘くない。ズリズリ滑りながらたどり着いた山頂からのビューは、それまでの苦労を吹き飛ばすものだった。 太郎平⇒黒部五郎岳 長い。往復9時間コース。涼しい朝のうちに距離を稼いだ方が体にいい。詳細は感想で。帰りは、太郎小屋が見えてから「左前方に折立から木道が、そして太郎平に向かう木道をまっすぐ歩きながら目をあげると薬師岳」の景色も素晴らしい。危険箇所は黒部五郎の肩からの下り。急でかつ不安定なので集中して下りること。 |
その他周辺情報 | <ランチ> 富山駅の土産物店が並ぶ通りにある。西町大喜という店で富山ブラックで塩分補給。とはいえ、かなり味が濃かった。並750円、小ライス120円。 <日帰りお風呂> 富山駅からタクシーで15分1500円/片道でいける「満天の湯」(730円)は広くて快適。往復のタクシー代をかけても行く価値あり。天気がよくて、内湯の窓が広く開放されていたり、露天も清々しく明るい感じで、富山に住んでたら1日中のんびりしていたい場所だ。帰りはタクシーを拾おうと思ったら流しのタクシーがほぼ走ってなくて、風呂上がりに汗だくになってようやく出会ったタクシーで何とか富山駅へ。帰りのタクシーは予約しよう。(富山地鉄(路面電車の方でない方)は頻度が足りないので、今回はパス。時間合えば利用価値あり。) |
写真
感想
今回は「忘れもの」を取りに行く山行だ。去年も折立から太郎平へ登った。薬師岳と黒部五郎岳にも行きたかったが、雲の平がメインで体力的にも休みの期間的にも難しくて、諦め、三俣蓮華岳、双六岳を経由して新穂高温泉に下山したのだった。この夏その「忘れもの」を取りに行く。
★都庁前~折立
夏山に向かうの都庁駐車場はいつも蒸し暑い。深夜でありながら30度は越してそうな蒸し暑さのなか、大きいザックの周りでバスを待っている登山者の熱気と登山者目的地ごとの受付場所を伝える声で駐車場はいっぱいになる。ビル内廊下の隅にザックをおろし、座りこんでいる竹橋の雰囲気とは違う。都庁前の方が明らかにあつい。ムッとくる感じは、東南アジアの夜のそれに近い気がする。少し遅れてきたバスに乗車すると幸いなことに隣がいなかった。それでも相当狭かったので、隣がいたらと思うとぞっとする。よく燕岳(中房温泉)の狭いバスに3回も乗ったものだ。今後は夜行は3列シート必須だな。何せ翌日は山なんだ。
★折立~太郎平小屋
予定より少し遅れて折立に到着。降り立った駐車場は、早朝から暑そうだ。避難小屋前の日陰ベンチでおにぎり、コンタクト装着をして、出発。ゆっくり目に歩き出したつもりだが、樹林帯の登りはキツく、10分もしないうちに汗が滴り落ちた。視界が開ける三角点ベンチでは、日陰がないが剱岳、大日三山、弥陀ヶ原の景色が素晴らしく、息を吹き替えす。帰りには、剱岳が見えなかったことから、視界はよかったのだろう。そこからアップダウンを繰り返し、広い草原の中を進む。道は石ころがゴロゴロしていて、歩きにくかった。斜度や距離はそこそこだろうけど、足元が不安定なせいでかなり疲れる。太郎小屋が見えたら、木道の足が少し軽くなった気がした。テントの受付は38番目。まぁ、あの混みようからすれば、早い方か。
★薬師岳
テント設営して、コーラを飲んで少し休憩したら、薬師岳へ向かう。最終日にとも思ったが、その日が体調、天気共にいいと限らないので、登ってしまうことにする。まずは沢に取り付く。登ってる人は少ない。沢の終わりの頃にすれ違った登山者に声をかけられた「ここ、すごかったでしょ、急で。びっくりしちゃうよねー」「そうですね、ということは、ここからはなだらかに・・」「そうはいかないわよー、アップダウンありですごいのよー、覚悟して。」あそこで覚悟できてよかった。そう思えるほどの急登もあった。薬師岳山荘で一休みして、薬師岳山頂へ。道はザレてて、滑りながら登る感じになり、かなり登りにくい。すぐ近くに見えるようだが、時間かかるのは、このせいか。古い避難小屋が見えたら頂上はすぐそこ、と思ったらここは頂上ではない。その先に薬師像が祀られている祠がある、そこがほこらだ。そこに向かいトラバース道をあるいていると、祠のまわりに集まっている人がホワイトベースの乗組員に見えた。「僕には帰る場所があるんだ」
下りは、薬師岳山荘で買ったビールのことを目指してピッチを上げて下りた。後半の沢のところ以外は。沢の途中で冷水で顔を洗う。その時は生き返るがまた暑くなる。
★黒部五郎岳
朝3:00のアラームで起床。いつもながら慌てて止める。じゃがいもスープ、メロンパンスティック、コーヒーの朝食。向かいのテントは慌ただしく片付けて4:00に発った。こちらは少し出遅れて4:15テン場発。太郎小屋発は4:45まぁ、許容範囲だ。
だいぶ明るいので小屋からはヘッデンなしでスタート。木道を黙々と歩く。去年、雲の平に向かった分岐は左に行かず、まっすぐ。しばらくは白山を右に見ながらのコース。ありがたや~。朝焼けに白山、凄くありがたく感じる。雪渓を巻きながら北ノ俣岳山頂へ。ここからの眺めが素晴らしかった。写真と目に焼き付けて先へ。今日は9時間コース、長いのだ。そこから激しくアップダウンを繰り返す。
帰りの時間は、多少遅れても15時に間に合えばいいでしょー、と軽く考えていたが、そうでもない。暑さがある。涼しい早朝のうちに距離を稼いでおいた方がいいのだ。早出早着、山の原則が身にしみた。
遠くに黒部五郎岳を見ながら歩いていた。それほど脅威は感じてなかったが、近づくとそれは戦意喪失させるのに充分な急登だった。すれ違う人に聞く。「あそこからどれくらいかかりました?」「1時間くらいかな」登りならそれ以上かかるということだ。
行くしかないので、急登を登り始める。ズリズリ滑りながら不安定な道を登る。昨日の薬師岳も強敵だったが、今日の黒部五郎岳もなかなかだ。「一歩一歩歩き続ければ必ずつくから」田部井先生の言葉が浮かぶ。そうだ、焦ることはないのだ。
歩き続け黒部五郎岳の肩に着いた。なぬー、肩かよー。山頂はそこから15分程度ゴーロ岩を登ったところだ。山頂にたどり着くと…カールが素晴らしい。黒部五郎小屋、雲取山荘、槍ヶ岳、双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳、今まで登ってきた北アルプスキャストが勢ぞろいだ。去年の薬師沢から雲取山荘までのキツい登りを思い出す。色んなことがあったなー。登ってくる途中、まだ元気があるときに2014年の槍ヶ岳から順に思い出してみた。槍ヶ岳のあとは、その年の西穂高岳だった。今思えば、よく行ったなー。そのあとは残雪の立山、後立山連峰は立て続けに行った。合間に乗鞍岳、焼岳、笠ヶ岳、常念岳…色々登ったなー。その集大成が今日のこの日。あれから経験は積んだけど、体力とか事前準備とかまだまだ反省だらけだ。真摯に山に向き合うことの大切さを改めて感じた。
さて帰り道は、下りだー、と喜んでる間も無く、昨日の疲労蓄積が足にきてるのと暑さでグダグダの下りに。つまづいたり、よろけたり。かなりの頻度で休み休み下りた。途中でズボンの下を外してから、少し調子が出てきて、太郎小屋に着いたのは、13:40、キッカリ9時間かかった。
小屋に着いたら、と決めていた太郎ラーメンと生ビール、そりゃあ、うま~!その後、翌日のバスの時間を前倒し変更した。新幹線は、前の時間は全て満席で変更できなかった。翌日ギリギリまで満席だった。テント場に戻り、小屋で買ってきたモルツ片手に忘れないうちに山行記録をしたためた。この日のテント連泊受付は43番目。
★折立までの下り
ぐっすり寝たのか、スマホ目覚ましで4時に目がさめた。シュラフでウダウダしてたら4:47、お、と思ってすぐに起きて、朝食を食べる。オニオンスープと昨日の残りのパン。のんびりとテント撤収して、余裕で太郎小屋へ。通り過ぎようかと思ったが、売店から見えたパック牛乳が美味しそうでザックをおろす。
6:55太郎小屋発。下り一辺倒で楽勝か、と少しでも思った自分が浅はかだった。木道はいいが、ガレた道を歩き続けるのはかなりしんどかった。1時間ごとの休憩も後半は頻度があがって、15分程度歩いたら立ち休憩するほどに。10:04折立にたどり着いた。自販機の炭酸飲料は売り切れていた。下山後には炭酸が欲しくなるのだ。
バスに乗車して富山駅に向かう2時間の旅にしては、座席が狭い。そして、富山の街に入ってからは、エアコンが止まった。。。聞けば30年使っているバスだという。折立への道は狭いから、このサイズしかないとのこと。いやいや、富山駅行きのあとにきた新宿行きのバスは新しかったぞ。
富山駅で富山ブラックでたっぷり塩分補給して、タクシー往復で「満天の湯」へ。さっぱりしたら新幹線で帰路の途へ。あつ~い充実の週末は急速にクールな現実へと戻る。
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