富士山山頂結婚式(村山古道)
- GPS
- 32:24
- 距離
- 52.6km
- 登り
- 4,401m
- 下り
- 2,085m
コースタイム
- 山行
- 6:23
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 6:52
- 山行
- 9:56
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 10:59
- 山行
- 8:53
- 休憩
- 5:17
- 合計
- 14:10
天候 | 快晴か曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
熱中症に注意! |
予約できる山小屋 |
|
感想
どうせ一生に一度なら、富士山の山頂で結婚式を行おうとは、「ヤマヤ」なら一度は 考えることではないでしょうか。
富士山の山頂は浅間大社奥宮と久須志神社(こちらも浅間)があり、そのどちらでも神前式が可能です。
我々は、7月23日(月曜日)に、富士宮口の山頂にある奥宮で挙式いたしました。
富士山頂では年間数組から20数組程度が挙式すると言われています。今年は何組かわかりませんが、この日の挙式は我々だけで、そして今年、正装をもって挙式した最初の組だそうです。
さて、これも「ヤマヤ」なら一度は考えることかはわかりませんが、どうせ登るなら海から歩いていこうと考えました。
海からルートは主に3つあります。
・富士市公式の3776ルート。
・富士山最古の修験道村山古道。
・富士山頂往復マラニックのルート。
自分で組み合わせを考えれば無限大ですが、主にこの3つを使う人が多いでしょう。
なかでも一番楽しめそうな、村山古道を選びました。
村山古道は昔歩いたことがあるのですが、今は地図をスマートフォンに入れておけるので、迷いやすいエリアも安心です。
夫婦の現住所が北海道と九州、休みを取れる期間と、夫婦の遅い方の歩くペースを考慮して、2泊3日の日程を組みました。
1日目は9時スタート。
連日の酷暑による熱中症は死者を出すほど。
幸い静岡は気温が低い方なのですが、それでも最高気温33℃程度まであがりますし、アスファルトの照り返しはきついものがあります。
熱中症対策として講じたことは以下の3つ
・ハイドレーションをまるごと凍らして背中に入れておく。溶けたらロックアイスを入れる。
・傘。
・水に濡らしたタオルを首にかける。
上の2つはほとんど無意味でした。なぜなら今回は荷物が多いせいでザックが大きく、背面パッドに厚みがあり、冷気がほとんど伝わらなかったのです。
そして傘は、面倒だということで、結局さしませんでした。
1泊2日程度のスピード登山なら凍らせたハイドレも使えるのですが、今回は重量がふえただけでした。まぁ冷たい水が飲めたのはよかったかな。
鈴川の海岸についたのが9時ごろ。
父と叔母に見送りにきていただきました。
叔母にはフラワーシャワーを用意していただきました。
細やかに始まった私達の旅が、少しばかり
華やかになりました。
スタートしたのが9時15分頃。
既にかなりの暑さ。
本当はもっと早くスタートしたかったのですが、初日はスケジュール的に仕方ありません。
途中で3776ルートや村山古道を歩く人に出会いましたが、彼らも暑さ対策大丈夫でしょうか。
序盤は海岸から工業地帯で、コンビニが暫くありません。昔あったサークルKは、今はありません。
とはいえ修験道で、東海道と重なる部分であり、道の途中途中に神社仏閣が散見されます。
工業地帯を抜けると吉原商店街。
ちなみに、富士市は私が15歳から数年住んでいたため、とても馴染みがあります。
昔よく通っていた、コットンマートという手芸屋により、店主さんに数年ぶりの挨拶と報告をいたしました。
写真にもあげましたが、参列者してくれた友人の親戚がやっているフルーツ店にて生ゼリーを食べ、熱中症から回復。
同級生のお父さんが勤めている陽光という眼鏡屋にも寄ってご挨拶、お父さんのほうは不在でした。
昔、私が住んでいた舞台上に、私の妻が登場するという、エモーショナルな場面が続きました。
東名高速道路をこえると、お店も一気に少なくなります。
茶畑などがみられる、静岡ではよくある山腹風景です。
新東名をわたるところにあるバローというスーパーマーケットが今回の最終補給予定地点です。
バローで3日分の食料を買い込み、ザックに入らない分は手提げにもったり、ザックの外にくくりつけて歩きます。
以前はあった最終コンビニローソンは、閉業して日焼けサロンになっています。
しかし、その道路向かいに直売所があり、そこでおにぎりやプリン、ブルーベリーを買うことができました。
今後村山古道を歩く人は、こちらを当てにしても良いかもしれません。
もしやっていなかったり売り切れていたとしても、少し横にそれたなら、別のコンビニがあるはずです。
村山浅間神社へ近づくにつれ傾斜がきつくなってきます。
寄るような施設もないので、淡々と歩を進めます。
村山ジャンボに到着したときには汗だくでした。
この1日で体中の水分が一回転したのではないかと思うぐらいです。
村山ジャンボはスポーツ合宿の施設で、村山古道を歩く登山客については特別に個人宿泊を受け付けてくれます。
素泊まり5400円で食事はつきません。
年間50名以上が宿泊するそうですが、ビバーグしたり、ノンストップで歩く人もいるでしょうから、村山古道を通して歩く人は年間100名ほどいるのでしょうか。
こちらの施設、合宿のある日は湯船にお湯をはり入れますが、合宿がないとシャワーのみです。
この日は野球少年が合宿にきており湯船にお湯がはられていましたが、少年たちが「流れるプール」を作っており、結局入れず。
少年たちがあがったあとのお湯は汚く、やはりシャワーだけと考えたほうがいいかなというところ。
あまり情報にありませんが、合宿用の洗濯機はあります。洗剤は確認しませんでしたが、二層式の洗濯機があるので、脱水して干してやれば、シャツぐらいなら次の日着られるでしょう。
トイレはとてもキレイです。
この日、御殿場口から富士山に登った知人がやってきてくれました。
村山浅間神社の大杉の前で撮ってもらったツーショット写真は宝物です。
2日目、計画では6時スタートの予定ですが暑さを避けて4時15分ほどのスタート。
ここは勝手に出発して良いとのことで、登山者にとって勝手がよく助かります。
村山古道の序盤は蒸して暑いので、涼しい時間帯に標高を稼ぐべきです。
人工林と林道のエリアがしばらく続き、最初の区切りは天照教者。
そしてまもなく富士山麓山之村。標高1000m。
ここには自動販売機があり、妻がソルティ・ライチを購入。
警備の方に断って、トイレを借り、水をいただきました。
2人で合計10リットルを汲み、きっちりパッキングをしなおして出発。
ここから下山までに使用した水の量は2人で7リットル程度、足りなくなれば山小屋で買えばいいという状況で、こんなに重くする必要はありません。
それはわかっていたのですが、余分に持ちました。余った水は参列者にわけるつもりでしたし、そうしました。五合目2400mから登る人が飲む水を1000mから担ぎ上げるという、酔狂な話です。
スカイラインの周遊区間を横切り、参列者の乗っているであろうバスを見送ります。
15分ほど休んで出発したのが10時ごろ。
計画より2時間近く早くでたのに、この時点で貯金をほとんど消費しています。
少し焦りもありました。
しかし、登りが急になるにつれ、ペースは順調に。
平地と比べ、コースタイムのほうが甘くなっているようです。(我々にとって)
このあたりで、村山古道を歩くツアー団体客と合流しました。
最初は先行させましたが、ほどなく追い抜きました。
上り坂のほうが調子がいいみたいです。
おかげで合流時間に間に合うペースで順調に刻んでいけました。
人生の半分以上を知っている、そして山仲間である友人と合流し、六合目で妻の友人らとも合流し、新七合目へ。
ここから先は、登山初心者のペースにて。
新七合目で宿泊することは周知しており、この日は我々含め9人の関係者が宿泊しました。
富士山へ登頂するのはこれで22回目だったかと思いますが、山小屋へ宿泊するのも、山頂で御来光をみるのも初めてです。
営業小屋自体、宿泊するのは珍しく、テント場のない山小屋で仕方なく泊まったことが2度ありました。
たしか南アルプスの赤石避難小屋(名前は避難だが営業小屋)と、北アルプスの水晶小屋(狭くて最悪)。
富士山の山小屋はギューギューすし詰めのイメージでしたが、翌日が月曜日だったのと、下の方で広いところだったからか、快適でした。
寝台所みたいな半個室風の小部屋で、コンセントと電灯まであり超快適。
翌日山頂郵便局から発送するために、お茶の入ったはがき(500円)を購入しました。
これはここでしか売ってないかもしれませんので、新七合目で必ず購入してください。
この日の、日の入りは綺麗でした。
影富士のようなものもみられました。
3日目。1時半出発。
もう少し遅くても御来光には間に合うのですが、妻の友人らのなかで早い人なら間に合う程度の、この時間に出発。
幸か不幸か雲がかったあやふやな御来光で、いくらかの人が間に合いました。
もやっとしていましたが、山頂御来光には違いないということにしておきましょう。
日の出が4時半過ぎで、挙式のため控室に入るのが8時で、かなりタイムラグがあるのですが、その間に登ってきた人、来てくれた人と会話していると、あっというまでした。
8時から先は、もう忙しく、もっと段取りを細かく決めて、進行役を頼んでおいたほうが良かったかなという反省もありつつ、なんとなくで良いところに落ち着いて、自然で良かったなと思うところもあります。
9時頃から神事。
三三九度、誓いの言葉、指輪交換、玉串奉納など。どれも初めてでした。
9時半頃に終え、こんなにカメラを向けられることは初めてという体験をし、外の鳥居前で、記念撮影をしたり、参列者に持ってきてもらった花を集めてブーケを作ったり、お姫様抱っこをして、一旦解散。
時間のあるメンバーは残り、そのままの衣装でお鉢めぐりをしました。
お鉢めぐりは楽しみすぎというぐらい時間をかけて、ちょっと下山の時間が心配でしたが、みんな満足してくれたようで良かったです。
山頂で再び記念撮影。記念撮影からお鉢巡りまでゆっくり使えたのは平日だったからで、休日は写真撮影1時間待ちだったそうです。
平日に行ったことでこれなかった人が多かったのですが、山小屋のこともあるし、休日に挙式はやはり現実的ではなかったなと思うところです。
お鉢を巡ったら、大急ぎで衣装から着替え、パッキングをしなおします。
神社の方から記念品をいただきましたが、ただでさえ満タンなザックにそれを詰め込むのは大変でした。
特に富士宮観光協会さんからの夫婦湯呑。富士山頂から下山する人に割れ物を渡すのか!
結局、割らずに担ぎおろせたので良かったですが。
そもそも結婚式で割れ物をあげてはいけないというのもあるそうですね。
湯呑自体はいい色、いい形で、良い仕事していました。
下山は御殿場口からプリンスルートから、夫婦と旧友の3人で。
須山から水ヶ塚に直接おりようかと思いましたが、下山バスの時間を考えて富士宮五合目で終えました。
結婚式モードのときはあまりものを食べることもできず、りんごを頬張りながら下山。
りんごなんて持っていくから重いんですけどね!
宝永山の高さまではあっというまにおりました。
速すぎと山頂方面から苦情をいただきましたが、それについてくるのはさすがです。
宝永山山頂へは、なぜかダッシュで競走に。
雲の流れをゆるりと眺めて再出発。宝永山からの下山は登山客も多いのでゆっくりめ。
御殿庭方面に少し降りて、樹林帯をトラバースするように富士宮五合目に戻ったところ、お鉢めぐり前に下山した妻の友人らと再会することができました。
体力のない初心者で、頑張って登ってくれて、本当にありがたい。
体力のある登山仲間も、集まってきてくれて本当にありがとう。
やりたいことを全部詰め込んだら、自然と良い式になりました。
日取りが一週間ずれていたら台風でだめだったかもしれないし、3日間暑かったけど雨には降られず、本当に運がよいことでした。
私は山が好きだけど、山もそれなりに私のことを思ってくれているのかもしれません。
シートゥサミットの結婚式がローカルの岳南朝日新聞の記事になりました。
「奥宮神職によると、夫婦とも鈴川海岸から3日間をかけ、徒歩で山頂に辿りつき、ドレスなどを持ち込み正装で式を行ったのは珍しいという。」
神職さんにコメントとったんだ…。
コメント
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どうぞ お幸せに〜🎉🗻🎉
ありがとうございます〜
さすがの「やまやさん」スケールが違いますね。
海抜ゼロからのスタートと歩荷さん並みの荷物( ̄▽ ̄)
3日連続での好天は山の神さまからのお祝いですね(^。^)
重ね重ね、ご結婚おめでとうございます。
に、しても22回も登頂( ̄▽ ̄)って半端ない(^_^;)
私は5回登りましたが、完登は3回お鉢巡り2回、山頂レーダーが鎮座してた時代。
温暖化の影響で山頂の雪は激減ですね(^_^;)
世界遺産登録後にも一度、見違える程綺麗な登山道になりました。
昔はゴミが多かった( ̄▽ ̄)
私は「やまや」じゃないので、ほどほどにしておきます(^。^)
ありがとうございます。
私が富士山にたくさん登っているのは、昔住んでいるところが近かったからですよ。たまたまです。
今年は暑さのせいか、特に雪が少ないように思えます。
とても素敵なレコでした。
いつまでもお幸せに。。。
mimiyanさん
一緒に登ってくれる人が見つかりました。
ありがとうございます。
おめでとうございます。素晴らしい結婚式でしたね。富士山の名に恥じぬよう、日本一の夫婦になってくださいね。
ありがとう、がんばります!
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