胎内川本流から二ツ峰
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- GPS
- 80:00
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 1,531m
- 下り
- 1,526m
コースタイム
8/13 C1発(6:00)→作四郎沢出合(8:30)→胎内川上流の連瀑帯→坂上沢右股Co930C2(12:45)
8/14 C2発(6:00)→二ツ峰(11:00〜11:30)→胎内尾根下降→奥胎内ヒュッテ(23:45)
天候 | 8/12 晴れ 8/13 晴れ 8/14 曇り時々雨のち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
秋には新設ダムの試験湛水が始まり貯水池に水沈してしまう胎内川下部ゴルジュ帯から本流筋を遡行、飯豊主脈から外れた静かな頂二ツ峰に登頂し、すでに廃道となって久しい胎内尾根を駆け下りた。高校以来懐かしの飯豊の谷筋、パートナーはかつて日高直登沢を伝授し、今は逞しく自立した後輩達。
8/12 早朝頼母木(たもぎ)川沿いの林道から工事用トンネルを経て、試験湛水直前のダム堤体上流側に降り立つ。好天続きで減水しているからか、下部ゴルジュは泳ぎもへつりも楽ちんで、延々と続く側壁の艶めかしさを愛でながら快適に通過できた。浦島の廊下をジャバジャバと泳ぎ、本流が北に屈曲するあたりから団子の河原。胎内尾根・池平峰を経由して沢まで降りてきた釣師3人組とすれ違う。滝沢を越え魚影濃くなり、与兵衛沢付近まで釣るなら適地。団子河原を過ぎ西俣沢出合を越えると、俎板をおっ立てたような10m滝が出てきて上流側の滝場が始まる。事前に胎内川といえば下部ゴルジュの印象が強かったのだが、実際その核心は本源沢過ぎたあたりから断続的に出てくる函滝の処理にあった。派手なモノこそ無いが5〜10mの釜滝で微妙に登れたり登れなかったり。ズタズタの雪渓もからんでくる。いったん捲きの判断を誤ればかなりの大高捲きとなるだろう。西俣沢出合から本源沢出合までザイルを出して直登した滝×1、雪渓くぐり泳ぎシャワークライム×1、側壁ザイルで這い上がり懸垂下降の滝×2、雪渓くぐり×2箇所。この日は本源沢出合手前の雪渓跡にC1。流木も豊富にあり、流れ星を数えながら久しぶりの焚火に寛ぐ。
8/13 2日目本源沢出合を過ぎた屈曲部にズタズタの雪渓。奥に10m+5mの直瀑が懸かり登れそうにないので雪渓上から直接右岸壁にザイルを伸ばし、そのままトラバースして連瀑上へ。途中に敗退用の古い残置ハーケンあり。その先8mの滝は古いリングボルトが右岸スラブに打たれていてA0で越えた。作四郎沢を過ぎると最近の岩盤崩壊で出来た人工ダムが出現。そこから坂上沢左股出合まではザイルで10m滝の直登2回、20mハング滝左岸から捲く。いつの間にか岩相が砂泥互層から花崗岩へと移り、滝の形状も変わってくる。坂上沢左股が細い滝となって合流してきて、本流筋の右股へ入る。最初の10m滝は右岸カンテ状から微妙なバランスで滝上までトラバース、その先5〜8mの函滝が続き、ザイルを出して側壁を捲くこと2回。坂上沢右股Co930の時点ですでにお昼を回って、この先良い天場が無さそうなので行動を打ち切る。天気も良くて何もしない午後、焚火の周りで思い思いに贅沢な時間を過ごす。
3日目は思いもよらぬロング行動となった。坂上沢右股の天場の先には登れない10m級連瀑帯があり、ザイル出して左岸の急な草付を登ってトラバース+10mの懸垂で連瀑帯の上に降りる。ここで核心は終了。あとは慎重に地図読みをしながら二ツ峰の西尾根1500m付近に這い上がった。藪漕ぎ20分で頂上。三角点だけがポツンと残る素朴で良いピークだった。
下りは廃道となって久しい胎内尾根を一気に下降する。台風がらみの雨雲もかかってきて雷鳴と時折強い雨。実際滝沢峰から上部の尾根は、藪を漕いでいる時間の方がはるかに長かった。五感を研ぎ澄まし、登山道の名残を探し当て乍らジワジワと高度を落としていく。結局、時間読みは大幅に外し、とっぷりと日が暮れてから池平峰に辿り着いた。夜は雲も流れて一面の星空。正面に煌々と輝く三日月と大接近の金星めがけてヘッドランプの明かりをたよりに微かな踏み跡を辿っていく。途中、尾根を外して登り返しもあり、放心状態で奥胎内ヒュッテまで辿り着いたのは夜中の0時近くだった。
なんとか条件に恵まれ、内容の濃かった3日間の沢旅。今年ダムに沈んでしまう胎内川最後の完全遡行となったのかも知れない。
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