大峰山周回(天川川合~八経ヶ岳~大普賢岳~山上ヶ岳~天川川合)
- GPS
- 21:15
- 距離
- 50.1km
- 登り
- 3,032m
- 下り
- 3,028m
コースタイム
- 山行
- 5:59
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 6:49
- 山行
- 11:41
- 休憩
- 3:07
- 合計
- 14:48
- 山行
- 1:20
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:20
天候 | 1日目:林道出合付近からガスガス。八経ヶ岳・弥山付近は強風。 2日目:快晴 3日目:晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
日裏山〜明星ヶ岳間、阿弥陀ヶ森〜小笹ノ宿間は倒木が多く、登山道から逸れる場面あり(写真20-23,73)。 稚子泊〜国見岳に短い崩落個所あり(写真65)。 |
その他周辺情報 | 弥山小屋は11/11宿泊分で今シーズンは閉業とのこと |
写真
感想
2泊3日で大峰山に行ってきました。
百名山を調べると、「大峰山」では最高峰の八経ヶ岳と、修験ゆかりの山上ヶ岳の両方が述べられている…ということで、天川川合を起点に大峰山脈周回を決定。
山小屋の位置や温泉地を考慮の末、反時計回りルートに決めました。
天川川合には近鉄+奈良交通バスでアクセス。「洞川温泉・みたらい渓谷散策きっぷ」は洞川温泉センターも割引になるので、使わない手はありません。人気らしく、下市口からの始発バスは、臨時便含めて満席になりました。
◆1日目 曇→ガス、強風
天川川合〜(栃尾辻コース)〜明星ヶ岳〜八経ヶ岳〜弥山小屋(泊)
1. 天川川合〜栃尾辻
杉林の中を歩く気持ちの良い登山道です。道標も多く、迷うことは無いでしょう。途中の鉄塔では視界が開け、みたらい渓谷を眺望できます(写真6)。栃尾辻の避難小屋は元に戻っていました。
2. 栃尾辻〜明星ヶ岳
栃尾辻を過ぎると、全体的に勾配が緩やかになります。カナビキ尾根分岐一帯は道が広く、分岐直後は取付が不明瞭です(写真13,14)。ガスが濃いと迷いますが、看板などを頼りに100m程進むと、再び登山道が明瞭になります(写真15)。
頂仙岳付近はスギゴケが美しい道です(写真17,18)。高崎横手分岐では、狼平の方へは行かずに日裏山の方へ進みました。日裏山〜弥山辻間は特に倒木が多く、左右に迂回する場面が多々ありますが、逸れすぎないように注意しました(写真20-23)。
3. 明星ヶ岳〜弥山小屋
弥山辻まで出ると倒木はおさまります。明星ヶ岳は弥山辻から5分程なので、是非足を延ばしたいところ。山頂のトウヒの立ち枯れは大台ケ原を想起させます(写真25,26)。
弥山辻へ戻り、ようやく辿り着いた八経ヶ岳!修験の山らしく、ケルンには木札と錫杖がありました(写真27,28)。視界が良ければ、大台ケ原が見えるそうです。(逆に、大台ケ原の大蛇瑤らも、八経ヶ岳を含む大峰山脈が見えます。相互の地点から山を同定するのも楽しそう。)
八経ヶ岳山頂から30分程で弥山に到着。弥山神社に寄ってから弥山小屋へチェックインしました。今季は11/11宿泊分にて閉業で、ギリギリでしたが15名程宿泊していました。非常に綺麗で居心地の良い山小屋でした。
◆2日目 快晴
弥山小屋〜行者還岳〜大普賢岳〜山上ヶ岳〜洞川温泉(泊)
4. 弥山小屋〜行者還岳
弥山で御来光を見たかったのですが、時間の兼合いで日の出の2時間前に出発…代わりに、満天の星空の下を歩きました。この日は月明かりが薄く、星の密度は体感で街中の5倍程ありました!一方で、登山道は階段を含む急な下りです。特に木道は凍ると滑りそうでした。
一ノ峠〜天川辻は気持ちの良い笹道が続きます。一ノ峠付近では少し視界が開け、御来光を拝めるので、夜更け時にここを目指すのも手でしょう(写真40)。
行者還避難小屋を越え、水場直後の急登を過ぎると、山頂方面と七曜岳方面の分岐に出ます。行者還岳山頂はここから10分程度。三角点の奥へ進むと鉄山、修履山を一望できました。
5. 行者還岳〜大普賢岳
行者還岳を過ぎると、徐々に道が険しくなってきます。七曜岳の手前から岩場や梯子、鎖場が出現し、体力を奪っていきます。七曜岳山頂は大きな岩場であまり寛げませんが、素晴らしい眺望が待っています(写真61,62)。
七曜岳〜大普賢岳は時折激しいアップダウンを伴う、コース中で一番の難関でしょう。特に大普賢岳手前は高所感のある岩登りなので、厳しい場合は一旦北西の道でピークを巻き、山上ヶ岳方面から登頂すると良いと思います。なお、稚子泊直後の鎖場に1m程度の崩落個所がありました(写真65)。
大普賢岳山頂は広く、展望も良いので休憩におすすめです(写真69,70)。私を含め、ランチを取っている方が数名いました。
6. 大普賢岳〜山上ヶ岳
大普賢岳を越えると、道は再び穏やかになります。途中、登山道に似た沢の流路跡が数回横切るので、間違えないように注意しました。阿弥陀ヶ森付近も道が広いですが、テープを目印に歩けば女人結界門に辿り着きます。
阿弥陀ヶ森を過ぎた辺り〜竜ヶ岳まで、再び倒木の多いゾーンがありました(写真73)。日裏山同様、左右に大きく迂回する場面もありますが、すぐに登山道に復帰できます。苔が美しく、水量が豊富な沢に沿って下ると、直に小笹ノ宿です。不動尊が祀られており、テン泊に良さそうな平地でした。
〜少し小話〜
小笹ノ宿を越えた辺りで、山上ヶ岳方面から来た親子に道を尋ねられました。レンゲ辻へ行きたいそう。分岐を過ぎている事を伝え、山上ヶ岳まで一旦戻ることになりました。
随分歩きやすくなった道を往き、山上ヶ岳の大峯寺へ到着。戸閉式後なので扉は閉じていましたが、たいへん立派な御堂がありました(写真76)。ここで改めて親子にレンゲ辻への道を伝え、互いの無事を願って別れました。
7. 山上ヶ岳〜洞川温泉
陽も傾きつつあったので、急いで洞川温泉を目指して下山します。整っており迷うことのない道ですが、大普賢岳付近の岩場が関節に堪えたようで、洞辻茶屋付近では、左足が完全に曲がらなくなりました…。
それでも何とか清浄大橋まで辿り着くと、レンゲ辻から下りてきた親子に偶然の再会!ご厚意で、洞川温泉センターまで車に乗せて頂きました。お陰様で、故障した脚で50分歩くところを、車でスイスイ5分。本当に、ありがとうございました!
ぬるめの温泉でじっくり心身の疲れを癒した後、洞川温泉に一泊しました。
◆3日目 晴
8. 洞川温泉〜天川川合
近鉄下市口駅8:18発の特急に間に合うために、始発バスに乗るべく天川川合まで徒歩で行くことに。終始舗装道路でしたが、夜更けや朝靄がかかる山、沿線の紅葉を楽しみながら歩くと、案外すぐに天川川合に到着しました。
◆総括
初めての本格的な縦走で、長時間の歩行は心身共に消耗しましたが、出合った方々の優しさに支えられ、無事達成することができました。
世界遺産でもある大峰山。景観もさることながら、修験の雰囲気に心が洗われる山脈でした。
次は、大峰奥駈道全踏にチャレンジしたい!
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