ポンカウンナイ川〜トムラウシ山
- GPS
- 56:00
- 距離
- 36.5km
- 登り
- 2,292m
- 下り
- 2,243m
コースタイム
14日:天人峡-(2.5)-co780二股-(1)-co867二股-(1.5)-co930付近C1
15日:C1-(0.5)-大滝下-(1-)-大滝上-(2.5) -co1250 10m F下-(1-)-F上-(1.5)-co1480二股-(1.5)-小化雲岳-(2-)-ヒサゴ沼C2
16日:C2-(2+)-トムラウシ山-(2)-化雲岳-(2.5)-第1花園-(2)-天人峡
天候 | 14日:気圧の谷の中 霧雨 15日:高気圧圏内→弱い気圧の谷 晴れのち曇り 16日:高気圧圏内 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
14日
今回は、前々から行ってみたかったポントムラウシ川へ。
去年のこの時期は、雨で計画していた山行は流れてしまったが、今年は大丈夫そう。
函館からきたローションを加え、tentyo、どっこいの4人で天人峡を目指す。
天人峡に来たのはカウンナイを登った2年生の時以来で4年ぶりだが、もういで湯号はなくなってしまったので、公共交通機関はない。
とりあえず、到着したのだが、雨が降っているのでしばらく様子見。
今日は曇りの予報だったが、結局霧雨はやむことはなく、しぶしぶ入山する。
ちょうどカウンナイからワセダ沢へ行くという方々とタイミングが重なる。
カウンナイ川の右岸にかかっている林道を使っていく。
ポンカウン出合で、沢に出てしまったが、林道はちょっと行ったところの堰堤の先まで伸びていた。
林道にちょっと乗りなおして堰堤を超える。
相変わらず水のきれいな沢で、単調な河原歩きでも見上げれば大きな柱状節理の岩壁を望むことができる。
沢が屈曲する.687あたりに釜持ちの段差がある。なかなか趣がある。
それを過ぎるとちょっとした巨岩帯。
co740二股は滝で合流し、しばらく進むとco770の滝マーク。
巨岩の8mほどの滝。右岸のガレ場を巻くように登れる。どっこいのみ左岸直登。
しばらく単調な渓相が続き、.798二股が現れる。
本流の左岸は苔むした綺麗な岩壁となっているが、苔が生えてないところはきっぱりとわかり、この沢の増水具合を物語ってくれる。
やがて沢が狭まりゴルジュとなる。
ここからがこの沢の核心部の始まりだ。
まず最初はco740,co750にある滝マーク。函の中の2つの滝だ。
1つ目は5mの滝。
左岸のバンドなり中を行くなりで函を進む。右岸左岸ともに登れるが、左岸のクラックを使って登るのが楽だろう。
2つ目は左に曲がってすぐに現れる5〜6mほどの滝。
右岸を直登するのだが、最初の2mがつるつるで残置してあるアブミを使って登ることとなる。
そのあとは、スタンスは割合しっかりとしているが、ホールドは丸みがあって持ちにくいものが多く、高度感もある。
samoaが空身でリードして、ハーケンを打って後続も空身確保で登った。ザックは吊り上げ。
登ったところからのへつりは簡単だが、落ち口の上なので注意がいる。
ちなみにこの2つの滝は右岸から巻けるようだ。増水時や2つ目が登れないときはそっちを行くことになるだろう。
co865二股は滝となって合流する。地図上ではここのあたりの地形はゆるそうでテンバが取れそうだが実際にそんなところはない。
雪渓のかけらをみつつ、段差を超えた先にco880の滝マーク幅広クラックの2段滝(部内通称、要は函)が現れる。
この滝は直登はできなそうだが左岸の木の中を簡単に巻くことができる。
そのあとも2・3段差をこなしたのち、そろそろテンバを探す。
co900付近の5mの滝下によいテンバ(増水は不可)があったのでテントを張る。
晩御飯は先日作ったアイヌネギ餃子を使った餃子鍋。とっても美味。豊富にある酒やつまみを消費しつつ夜は更ける。
なかなか寒くて起こされることもあったが、トイレついでに見上げた星空は星座がわからないくらい素晴らしいものだった。
15日
今日は早出してヒサゴ小屋を目指す。
目の前の滝は右岸から適当に巻く。
するとすぐに15mほどのナメ滝が現れる。右岸から簡単に直登。
なにやらどんづまりのような様相を示してきたなと思ったら巨大な滝が迎えてくれた。
前衛5m、本体は30mはあろうかというco950の大滝だ。
5mの前衛を右岸から超え下まで行くとその迫力はなおさらだ。
しばし、大滝を楽しみいよいよ巻きに入る。
参考にした記録や、行ったことのある人の話によると岩壁にぶち当たるとかなり怖い思いをすることになるらしい。
岩壁にあたらないようにするためにはかなり大巻きをしなければならなそうだ。
先ほどの15mナメ滝の落ち口すぐ右岸の急な微尾根を登って行く。
最初の10mほど少し足元が心もとない感じだが、つかむものはしっかりしている。少し落石注意か。ちょっと踏み跡っぽくなっている。
左方にある岩壁を確認しながら途切れるところまで登っていく。上部で少し斜上もしたが大体100mくらいか。
岩壁の上を超えたところで、木が沢中に向かって伸びているところを選んで木やササをつかみつつ下っていく。
途中ガレ場があり落石には注意。最後まで、掴むものしっかりで滝上の近くにお律ことができた。
特に緊張してやばいということもなかったし、45分ほどで巻けたのでベストなルート取りだったのだろう。
核心の1つを終えてちょっとほっとする。
わかっていたことだが、晴れてはいるが朝方は日が沢中には差さずいささか暗い渓相だ。
それでも、ゴーロ帯の中に、ちょっとしたナメや3mほどの滝はちょいちょい出てきて楽しめる。
co1050〜1100から見える崖マークを確認して沢が右に屈曲するとおもに、沢は再び深いゴルジュとなる。このあたりの崖は高くなかなかの迫力だ。
少し行くとオーバーハングの滝が現れる。現在は岩が崩れた右岸からすたすたいけるが、かつては難易度の高い滝だったらしい。
残置のシュリンゲは見つからなかった。
大きな岩壁にすだれのように滴る水を眺めつついくとco1180に10mほどの滝が出てくる。滝上は青空のもと日が差していて気持ちをはやらせる。
滝すぐ手前の左岸の岩壁を登って、そのまま草付きを登って潅木帯の入って滝上にでる。
岩壁部分5m、草付き5mくらい。岩壁部分は多少の浮石に注意すればホールドスタンス豊富だが、草付きは足元がぼろぼろでつかむものも頼りない。
潅木をピンにザイルをフィックスして後続はゴボウで登る。
10mくらい戻った左岸からなら下から木を使って捲けそうだった。
ここを越えると待望の日差し。やはり暖かい。
このあたりの右岸は増水可のテンバだ。しばし休憩。
日差しの差すなか束の間の穏やかな渓相を楽しみながら進んでいくと、co1250にまたもや10mほどに滝が現れる。これも直登は厳しい。
1段段差を超えた、右岸の緩やかなフェース状を5mほど登っていき、ぶち当たる岩壁にそってバンド上を5mほどトラバって滝上に出れる。
ルートが曲がるところには残置のハーケンがあったので拝借する。
どっこいに空身でリードしてもらい、後続は登る部分はフィックスゴボウ、トラバース部分は確保で登る。ピンは木。
どっこいのザックはサモアが運ぶ。
フェース部分は探せばホールドスタンスは豊富。トラバース部分は、足元が滑りそうで怖いが探せばホールド等はしっかりある。
沢身に下すところは3mほどだが、ちょっと下りずらいのでそのままザイルで懸垂。
普通にクライムダウンもできる。
沢身に降り立ち上流を見上げると、そこからはナメナメナメ。
まさに天国。ミニ滝の瀬13丁とはよく言ったいものだ。笑いが止まらない。
ナメの感じも、苔の感じもいい感じ。
パシャパシャと心地よく進んでいく。
ナメもひと段落すると少しずつ源頭っぽい雰囲気となり、脇にちらほらと見えている植物たちも徐々に高山性のものに移行している。
co1400からの斜度が増す部分からは再び滝が現れる。
10m弱のものが多いがどれも簡単に上ることができる。
唯一co1450にある最後の3mの滝の左岸からの直登はムーブが大きく空身で行く。ザックは手渡し。tentyoのみ左岸から小巻きする。
これを過ぎると滝はなくなり、大雪の源頭らしい風景となる。小さい雪渓はいくつかあるが問題になるようなものはない。
小化雲岳も落とすべく、co1480二股は右をとる。
沢型を詰めていくのだが、次第にはっきりしなくなり、時折軽くササをこぐ。
たくさん入っている鹿道を使いながらいき、だいぶ右よりのほうを回り込みながら、小化雲のコルを目指していく。
エゾコザクラ、ジンヨウキスミレ、ミヤマリンドウなどの花が咲き乱れている。
ふと目をやると、黄色いじゅうたんが目に入ったので近づいてみるとミヤマキンバイノ大群落だった。
コルに近づくと背の低いハイマツが邪魔してくるが、気合で超えて稜線へ。
砂礫が広がる稜線はコマクサとメアカンキンバイ、イワブクロの楽園だった。
できる限り踏まないように気を付けて登っていき、荒涼としたなかにぽつんと立つ三角点を発見。
小化雲のピークだ。あいにく低いガスに覆われよい展望とは言い難いが、切れ切れと見える稜線も悪くない。
なにより、ポンカウンを詰めてここに立てたという充実感がいい。
ここから適当に縦走路に出るが、ツガザクラやチングルマの大きな群落を横切る。
三峰山沢の時もよかったがそれを上回る規模のお花畑。この時期にここにこれてよかった。
足元の花々を癒しの糧にしつつ、化雲までのだるい登りをこなし、クタクタの状態でヒサゴ沼へ。
ハイシーズンなので当然小屋はいっぱい。テントも溢れかえっている。なんとか場所を見つけてテントを張る。お疲れ様。
なかなか寒いのでテントの中でご飯。今日はレトルト。
昨日の寒さで寝不足気味ですごい眠いが、外の夕焼けはほんのり紫できれい。
石狩岳なども見えて懐かしさなどもこみあげてくるが、あらがえない眠気にすとんと眠りに落ちてしまった。
持っているものをすべて着こんだら寝ることはできた。
16日
今日は、トムラをアタックして天人峡を目指す。
朝焼けとともにヒサゴを出発。分岐点までの間、石狩、ニペ、ウペが綺麗に望むことができる。いつかまた訪れたい山々だ。
分岐点に荷物をデポしてトムラアタックへ。
この道を歩くのも4年ぶりだ。ぐんぐん標高を上げるうちに後ろのほうには表大雪の山々が見渡せる。
日本庭園のあたりのお花畑ではイワイチョイが花を咲かせていた。
久々のロックガーデンも荷物が重いとさほど苦にはならない。
残雪期よりは水量が減ったかもしれない北沼を経て、おおよそ3年半ぶりのトムラピークへ。
4年最後に強化合宿で縦走した十勝連峰も一望できるし、日高や阿寒、増毛といった遠い山々も一望できる。どこも一度は踏み入れた山々。
北海道に来て6年にしていろんな山にいったことを実感できるいいピークだった。
あとは来た道を引き返す。あとからあとから人が登ってくる。ちょっと早めに出てよかった。
デポ地に到着して休んでいると、上から「なっちゃ〜ん」との声が。
なんと、tentyo母が現れた(ドラクエ風?)
この連休で旭〜トムラに縦走しているという話だったが本当に会えるとは。
母娘の感動の対面の第一声は「あんたなんて格好してるの!?」だった。
しばし歓談ののち、スッパイマンとこちらの余ったお酒を交換して別れる。
山のなかで知人にあうのはほとんど初めてだったのでびっくりした。
あとは、3度目となる天人峡下山。だるさがわかっている分ちょっと気がめいるが、昨日も通ったポンカウンあたりのお花畑は相変わらず素晴らしく、今日は展望も加わってなおさら気持ちがいい風景をとなっていた。
第2花園以降はいつもの沢化した状態。そんなだるい道を歩いていると、大学の同期のA谷くんと遭遇。調査のフィールドなので会うのは不思議ではなかったがまたもや知人にあったのでびっくりだ。
第2・第1花園はちょうど初夏と夏の間の時期に来てしまったようで花は少なめで残念。
この下はけっこう荒れてるよとヒサゴの人の話だったが、いつも通り倒木が数本あるだけ。
本州やほかの表の登山口にから入った人から見ればひどいほうなのかもしれない。
滝見台を経て、33曲りもしっかり数えて天人峡に到着。まさに夏といった日差しだ。
温泉に入り、旭川で慰労の焼き肉。スポンサーのtentyo母に感謝。札幌への帰途についた。
久々の2泊3日の山行で疲れは否めないが充実していて、この時期の大雪を満喫できる山行だった。
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