雲ノ平〜祖父岳〜水晶岳〜三俣蓮華岳〜黒部五郎岳〜北ノ俣岳
- GPS
- 78:33
- 距離
- 54.6km
- 登り
- 4,131m
- 下り
- 4,122m
コースタイム
07:50折立〜09:15三角点09:15〜10:21五光岩ベンチ10:21〜10:58太郎平小屋11:15〜11:30薬師峠キャンプ場(幕営)
●8月16日(木)
05:42薬師峠キャンプ場〜05:58太郎平小屋05:58〜07:37薬師沢小屋07:37〜09:28アラスカ庭園09:28〜10:10雲ノ平山荘10:24〜10:42雲ノ平キャンプ場(テント設営)12:29〜13:19祖父岳13:27〜13:58岩苔乗越13:58〜14:07ワリモ北分岐14:07〜14:38水晶小屋14:38〜15:17水晶岳15:29〜15:59水晶小屋16:04〜16:34ワリモ北分岐16:34〜16:41岩苔乗越16:41〜17:21祖父岳17:21〜18:09雲ノ平キャンプ場(幕営)
●8月17日(金)
07:27雲ノ平キャンプ場〜07:49雲ノ平山荘07:52〜08:06雲ノ平キャンプ場08:06〜09:02日本庭園09:02〜10:06黒部源流碑10:06〜10:51三俣山荘11:13〜11:50三俣峠11:50〜12:06三俣蓮華岳12:08〜12:39巻き道合流12:39〜13:32黒部五郎キャンプ場(幕営)
●8月18日(土)
04:31黒部五郎キャンプ場〜06:35黒部五郎岳(朝食)07:37〜09:06赤木岳09:06〜09:46北ノ俣岳09:46〜11:09太郎平小屋(昼食)11:49〜12:22五光岩ベンチ12:22〜13:09三角点13:14〜14:24折立
天候 | 8月15日(水):雨→曇り時々晴れ/小雨 8月16日(木):曇り→晴れ 8月17日(金):晴れ→ガス/小雨 8月18日(土):快晴→ガス |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
7:00頃頃到着時の駐車率は7〜8割程度。お盆の時期のためか平日でも混雑してました。 また折立ヒュッテ手前を右折した400m先に臨時駐車場も用意されていた。 ●有峰林道(1,800円) 通行時間は6:00〜20:00 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 折立での登山届け提出場所はなし。登山届けは太郎平小屋で提出することが可能。 折立にはヒュッテ(休憩所)、トイレ、自動販売機あり。 【温泉】 白樺ハイツ(日帰り入浴600円) 【コース状況】 ●折立登山口〜三角点 この日スタートは雨。 グチャグチャ&水が流れる登山道を黙々と進む。 しかし、登山道は整備が行き届いているので案外歩きやすい。 徐々に雨脚も弱まり三角点に到着するころには止んでくれた。 ●三角点〜太郎平小屋 三角点から、小ピークを1つ過ぎると一気に森林限界を超え視界が開け始める。 振り向くと有峰湖がキレイに見える。 また、この日は天気が悪いながらも視界が利いて、日本海から能登半島まで見られることができた。 この辺りから勾配は緩やかになり、木道や石畳などたいへん整備された登山道となる。 ●太郎平小屋〜薬師峠キャンプ場。 前回訪れたときよりもお花の数は減っていたが、相変わらず気持ちの良い登山道。 お花畑の真ん中の緩やかな木道をしばらく歩くと短い下りとなり、 下りきったところが薬師峠キャンプ場。 ●太郎平小屋〜薬師沢小屋 太郎平小屋から少し歩くとすぐに雲ノ平方面と黒部五郎方面との分岐。 分岐から一気に下り、沢に到達しそこから薬師沢小屋へ至るまでは整備された木道がメイン。 雨の降った後などは木道が滑りやすいので注意が必要。 ●薬師沢小屋〜雲ノ平 薬師沢小屋を過ぎるといきなり吊り橋。吊り橋を渡るといきなり垂直のハシゴ。垂直のハシゴを降りるといきなり滝と今までの登山道とは状況が一転。滝を横切ると高天原方面との分岐。 分岐を過ぎるとかなりの急登。これがずっと続くとつらいなぁと思いながらしばらく登っていると 急ではあるものの登山道は落ち着き始める。樹林帯の岩ゴロの道を黙々と歩く。 ようやく登山道が緩やかになってくると木道が現れる。木道をしばらく歩くと再び樹林帯に突入。 樹林帯過ぎるともう一度木道となり雲ノ平の末端のアラスカ庭園に到着。 ●雲ノ平〜祖父岳 雲ノ平はほぼ全登山道が木道となっている。 雲ノ平キャンプ場から祖父岳へのショートカット道が使うことができず、迂回する必要有り。 祖父岳と三俣方面への分岐からはガレ場の九十九折の登山道となり、 登りきるとケルンがたくさん点在した広い頂上に到着。 ●祖父岳〜ワリモ北分岐 ハイマツ帯を下り途中にちょっとした岩場とハシゴもあるが、 岩苔乗越までは稜線を緩やかに下っていく道となる。 岩苔乗越からワリモ北分岐までは、300m程度の九十九折の登り返しとなる。 ●ワリモ北分岐〜水晶岳 ワリモ北分岐からはトラバース道をしばらく進み稜線に合流。 ここからしばらくは、前方に水晶岳、西側に雲ノ平と薬師岳、東側に野口五郎、 そして振り返ると鷲羽、ワリモの姿が見られる緩やかな登りの気持ちの良い登山道に。 その後、登山道は斜度を上げ水晶小屋に到着。 水晶小屋を過ぎると平坦なハイマツ帯の道となり、頂上直下からは岩稜帯に。 岩稜帯に入ると少し危険な箇所も所々あるが、注意すれば大丈夫。 ●雲ノ平〜三俣山荘(黒部源流経由) まずは祖父岳との分岐から三俣方面に進むと祖父岳を巻く平坦な木道となる。 途中、日本庭園があり西側に黒部五郎や雪田をずっと見ながらこの木道を進んでいく。 木道が終了すると同時にぽっかりと広がった場所が現れ、ここで雲ノ平とのお別れとなる。 しかし、この場所からは正面に槍穂連峰と三俣蓮華岳がドーンと姿を現し、 新たなエリアに突入したことが実感できる。 ここをを過ぎるとハイマツのトンネルとなり、トンネルを抜けると正面に三俣山荘、 眼下には黒部源流を見ることができるガレ場となる。 ここから一気にガレ場を源流まで九十九折の急登を下る。源流からは三俣山荘までは登り返しとなる。 ●三俣山荘〜黒部五郎小舎 三俣山荘から三俣蓮華岳までは標高差約300mを一気に登る。 途中の三俣峠からは双六小屋への巻き道あり。 三俣蓮華岳から黒部五郎小舎までの前半は稜線の緩やかな下り。 晴れていれば槍穂、笠、黒部五郎、北ノ俣、水晶、鷲羽などが一望できる素晴らしい稜線歩きが楽しめる。 後半は岩ゴロの急登を急下降。赤の三角屋根がかわいらしい黒部五郎小舎に到着。 ●黒部五郎小舎〜黒部五郎岳(カールコース) 黒部五郎小舎からしばらくは樹林帯を進むと、広い高原のような場所に出る。 この辺りがカールの底か。ここから周りは岩と沢と草原などカールのメルヘンチックな風景を 楽しみながら岩ゴロの道を進んで行く。 カールを抜け、カールの縁から急登を一気に稜線まで上がり、 北ノ俣岳との分岐である五郎の肩まで稜線の岩場の道を進む。 五郎の肩でザックをデポし、15分ほど岩場を登ると山頂に到着。 ●黒部五郎岳〜太郎平小屋 五郎の肩からはガレ場を下り中俣乗越へ。中俣乗越から赤木岳(山頂は巻く)までは、 小さなアップダウンを繰り返しながらハイマツ帯の登り返し。 赤木岳から北ノ俣岳までは緩やかな登り 北ノ俣岳を過ぎるとすぐに神岡新道との分岐があり、その後木道が現れ始め、 下りとなり、えぐれた古い登山道に沿って木道が付けられた中を、左右に移動しながら下る。 北ノ俣岳と太郎平の鞍部からは再び緩やかな登りの木道となり、太郎山の頂上辺りから太郎平まではすぐ。 |
写真
感想
■8月15日(水)
折立の駐車場に着くまで雨は降っていなかったが、
出発準備をしているといきなり大降りに。
ヒュッテの休憩所で様子を見ている人も多数。
キャンプ場の炊事場で雨宿りしながら、上下レインウェアとザックカバーを装着して
雨が止むことを願いながら思い切ってスタート。
だんだんと小降りになり、太郎平小屋直前から青空まで見え始め、テンションが一気に上がる。
天気が良ければ一気に雲ノ平まで進む予定だったが、
薬師沢からの登山道の洪水が心配だったため、
少し早いけど本日は薬師峠キャンプ場までとした。
キャンプ場の受付と飲み物購入は14:30からなので、
太郎平小屋まで戻ってビールを買い込んでテント設営。
結局この青空は長続きせず、時々小雨がパラつく天気で、
テントに出たり入ったり何度も繰り返す感じに。
■8月16日(木)
3:30頃起床。この日の行程は雲ノ平までゆっくりと朝食と撤収し、
6:00前に歩き始める。
この日も青空を見ることなくスタート。
でも昨日と違い雨が降っていないだけで気持ちもラク。
薬師沢までまでは快調に進み、薬師沢小屋を過ぎいよいよ本日の核心の雲ノ平までの登り返し。
残り6食+予備1食分の食料&テン泊装備に加えて、
この頃より時おり日差しが出るようになり雲の平までの急登が堪える。
ようやく登山道も緩やかになり始め、いよいよ雲ノ平エリアに突入するも周りはガスガス…。
雲ノ平山荘でテン泊の手続きとビールを買い込みテン場へ。
この日も午前中には設営が終了し、「これから夜までヒマだなぁ」と思っていると、
なんとみるみるうちに晴れてきて、目の前に立派な水晶岳の姿が。
明日の天気がどうなるか分からないので、天気の良い今日のうちに
サブサックに最低限必要なものだけ詰め込んで水晶岳を目指すことに。
祖父岳からは目の前に鷲羽とワリモ姿がドーンと現れ衝撃的。
残念ながらこの日は槍穂、黒部五郎はガスの中だったが、祖父岳からの眺望は一級品。
水晶の山頂直下で子どもを5匹連れた雷鳥に出会うことができた。
やんちゃな子どもはまだまだ警戒心が乏しく
好奇心から自分のすぐ近くまでやってきてくれた。
そしてそれを心配した親がピイピイ鳴きまくっていた。
また、おもしろかったのは親の雷鳥が動くたびにしきりに落石(小さい石だけど…)を起こしていたこと。
有峰林道にも「カモシカなどによる落石に注意」という看板を所々で見られるが、
動物も落石を起こすのね…。
祖父岳への迂回路でも雷鳥と遭遇。こちらはお一人様。
18:00過ぎに雲ノ平のキャンプ場に戻り、真空パックされた地鶏の炭火焼を肴に、
キャンプ場の小さい沢で冷やしておいたビールをプハー。最高!
■8月17日(金)
朝から晴れ。この日の行程は黒部五郎小舎まで。スタートもゆっくり。
三俣山荘まで鷲羽経由か黒部源流経由かで迷うが、
祖父岳〜ワリモ北分岐までは前日の水晶往復で既に2度通っているし、鷲羽も以前に登ったことがある。
そして何より晴れの雲ノ平をもう少し堪能したい、
ということで黒部源流経由のコースととることに。
祖父岳の巻いて三俣方面に向かう道から見える黒部五郎がすばらしい。
木道が終了すると広場が現れ雲ノ平とお別れとなるが、
ここから一転、今度は正面に槍穂と三俣蓮華岳がドーンと姿を現し、インパクト大。
3日目にしてようやく槍の穂先と対面することができた。
このコース、エリアとしてのメリハリがあり、
黒部源流に下るまでは登山道もほぼ平坦だし、本当に良い。
その後、三俣山荘でひと休み。
komemameの足が痛み始めたのでテーピングで応急処置し復活。
一日どのピークも踏まないというのも何なので、ショートカットルートは使わずに、
三俣蓮華岳山頂経由で黒部五郎小舎へ。
この日は三俣蓮華岳から黒部五郎小舎までの区間で計3羽の雷鳥と遭遇。
こんなにたくさんの雷鳥と出会うと「はい、またですか」
という気持ちになりちょっと贅沢な感じ。
黒部五郎小舎のテン場に到着し、テントを設営しようとした瞬間夕立が降り始め、
止んだかなと思うと再びザアザア降る。そんなことを幾度か繰り返しようやく落ち着く。
15:00頃より早々にさんま缶とペンネの夕食を楽しみ、
明日の最終日は早出なので18:00頃には眠りについた。
■8月18日(土)
2:00起床。満天の星空。
今日の好天も確信しながら周りになるべく迷惑にならないように静かに撤収。
しかし、カールに生息しているというクマがコワいので結局4:30過ぎに小屋を出発。
カール直前で日の出を迎える。
雲ノ平も素晴らしかったが、黒部五郎のカールも負けてはいない。
というか雲ノ平を上回る素晴らしさかも。黒部五郎カール最高。
山頂からは360度の大展望。
槍穂、笠、乗鞍・御嶽、水晶、鷲羽、薬師岳、剱・立山、白馬三山を
見渡すことができ、まさに見てよし登ってよしとはこのことだと実感。
自分のこれまで登った山の中でもかなり上位に入る山となった。
五郎の肩で絶景を眺めながら小一時間遅めの朝食をとる。
北ノ俣岳方面のこれから歩いていく稜線を眺めていると
「この稜線が今回の縦走の最後なんだ…」とちょっと寂しい気持ちに。
最後の稜線歩きは一歩一歩かみしめながら歩こうなんて殊勝なことを思うが、
北ノ俣岳を過ぎてからは結構長さを感じウンザリ。
太郎山付近でまたしても雷鳥と遭遇。子ども連れと単体2羽。
「またか…」といちおうカメラを向けておく。
しかし、薬師岳が進行方向正面の北側に見えた時は、
ぐるりと一周して戻ってきたことを実感。
太郎平小屋でひと休み。ラーメンを食べたりテーピングを巻き直したり、
折立までの最後の下りに向けた準備を整える。
下り始めるとゴロゴロと鳴り始め、樹林帯へ急ぐ。
(この雷が槍付近に落ち亡くなってしまった方がいたことを後から知る)
最後の下りでkomemameの足の痛みがヒドくなりゆっくりペースで下る。
しかし最後の最後、komemameに蜂がしつこくまとわりつき、「キャー」と叫びながら、
どこにそんな力が残っていたのかというくらい信じられないスピードで
1kmくらいをあっという間に駆け下り、気がつくと登山口に到着。
白樺ハイツで温泉に入りサッパリした後、
魚津に寄り道してお寿司を食べて帰路につく。
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