(過去レコ)甲斐駒ヶ岳→鋸岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 24.3km
- 登り
- 2,968m
- 下り
- 2,798m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
七丈小屋泊で鋸岳へ行く予定を立てる。
登りで七丈小屋に寄ると、若い小屋番二人があぐらをかき、向かい合って食事中だった。「今夜の宿泊をお願いします」と言うと、意外にも返ってきた返事は「こんな時間にそんなこと言わないで下さいよ」と。これにはびっくりした。
「鋸岳まで行って戻るつもりです」と言うと、「今からでは無理です。遅すぎます」
私は一歩引いて「じゃあ、行ける所まで行って戻ります」と言うと、
「4時までに入らないと食事はペケですからね」とのこと。
ペケとは何という語彙の貧弱さかと再び呆れる。
如何にも『泊めさせてやる』という高飛車な気持ちがありありとした応対だった。
後年、七丈小屋がいい小屋だというマスコミの情報を聞き、複雑な心境だった。
三ッ頭の先の鞍部で、飲みかけの水(約300ミリ)と家で作ったおにぎり一個をレジ袋に入れてやぶにデポする。この頃には第二高点まで行って引き返し、七丈小屋に泊まるつもりだった。
しばらくして考えが変わり、いっそのこと第一高点まで行って、釜無川林道を下り、タクシーで登山口まで戻ろうと思うようになり、タクシー会社へ予約する。
七丈小屋の対応に不信感を抱いていたのは事実である。
ところが、その後が大変な思いをすることになる。
三角点ピークへ着き、ここから直角に左下に真新しい踏み跡がある。
ルートは尾根の筈だと思い込み、猛烈なハイマツのやぶをかき分けて尾根を下る。
色褪せた目印も所々にある。
ルートが間違っていることに気付かず、釜無川林道が立入禁止なのでこのような荒れた道なのだろうと思っていた。
おかしいと感じたのは釜無川の対岸にも尾根があったこと。その時初めて道間違いに気付いたが、もう三角点ピークまでハイマツやぶをかき分けて戻る気力はなくなっていた。
この時季、夕方5時を過ぎれば道のないやぶ漕ぎはとてもできない。『遭難』の二文字が脳裏をよぎる。
左下に下れば釜無川の源流に下れる筈との思いから、猛烈な灌木&笹やぶ漕ぎで左下へ下る。
幸い、危険過ぎて降りられない岩場などはなく、運良く富士川水源標柱の少し上で登山道に出た。
このやぶ漕ぎの最中に、各ポイントの通過時刻や休憩時刻をメモしていた手帳を紛失した。したがって、この記録の時刻は写真の撮影時刻と記憶に依る推定時刻である。
GPSを持つようになったのは何年も後で、山と高原地図以外は何も持っていなかった。
釜無川林道を歩いていたら、沼津から来たという単独行に追いつく。
早く下るとゲートの監視員に見つかり、叱られるからと言ってゆっくり歩いていたという。
ゲート手前で電波が通じ、尾根で予約の電話をしていたタクシーを呼ぶ。
タクシーに乗ったのは18時20分。激疲労と睡魔で、車内では上体が倒れ掛かっていた。その夜は北杜市内のBHに泊まり、チェックインは20時を過ぎていた。
ひとつ間違うと遭難していたかも知れないデンジャラスな山行だった。
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