奥多摩湖〜大菩薩峠〜河口湖
- GPS
- 20:20
- 距離
- 69.2km
- 登り
- 5,588m
- 下り
- 5,251m
コースタイム
- 山行
- 8:39
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 9:15
- 山行
- 10:03
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 10:57
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・全体的に落ち葉でわかりにくい箇所あり ・米沢山〜笹子峠:所々鎖場や両側が切れた場所あり、落ち葉と組み合わさると怖い ・笹子峠〜清八山:破線ルートだが、しっかりとした道がある。女坂は木の根っこを掴みながら登る感じ(下りの方が恐そう)。一箇所結構な崩落個所あり |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
カメラ
地図(大菩薩)
コンパス
笛
筆記具
保険証
水(2LTRパック)
ハイドレーションチューブ
ファーストエイドキット
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
シュラフ
マット
時計
非常食
朝夕食
行動食
ロールペーパー
ツェルト
細引き
ペグ
ストック
キャップ
帽子
替下着
日焼け止め
食器
アルコールストーブ
アルコール
|
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感想
2020年11月22日(日) :晴れ
奥多摩を一通り歩いたなぁ、と思ってマイマップを見たら、すぐ隣の山塊に真っ白なキャンバスが広がっていた。このところ低山というと体力作り目的の山行が多く、また空き時間も少ないため、近くて気軽に行ける所が多かった。その積み重ねが密な奥多摩と周辺にあるそれ以外のエリアというマップができたようだ。奥多摩を出よう。そして、未知の山野を歩こう。ここからあそこまでの距離感を脚で感じよう、というのが今回の動機だった。義母様のおかげでできた自由な3日間、本来であれば真っ白な立山を滑っている予定だったが、私の足は落葉の大菩薩に向かっていた。
最寄り駅から始発で山に向かう。奥多摩行きの青梅線、鴨沢行きのバス、いずれも始発は何年ぶりだろう。そんなに昔のことには思えないけれど、たぶん8年ぶりくらいだ。目覚める前から頭の中でオレンジレンジの「SUSHI食べたい」が流れていてとても嫌だ。深山橋でバスを降りる。テント泊装備を持ってそうな登山者は多くいたが、おそらくほとんどは雲取山だったのだろう。ここで降りたのは私だけ。8月に登った大寺山に取り付く。落葉樹の葉が落ちたおかげで、稜線から目指す山頂の仏塔が見えた。白く輝いていてまぶしい。鹿倉山の稜線から雲取の稜線が良く見渡せた。
大丹波峠に3台ほど駐車されており、そこにいたオレンジベストの方とお話する。北側の斜面で猟をしているそうで、行き先を聞かれた。そこから中指山まではハンターの方が稜線にいて、北側の斜面からは犬の鳴き声が聞こえる。誤って撃たれないか少し不安だった。追分からノーメダワの間はどこか歴史を感じる道だった。途中にあった石積みの竈のようなものはなんだったのだろうか(中に何かが安置されていた)。炭治郎も炭を売るためにここを歩いたのだろうか、などと妄想しながら所々落ち葉をかき分けて歩いた。
フルコンバに向けた最初の登りで落ち葉の吹き溜まりがあり、なんと太腿くらいまであった。そこから大菩薩峠までの間もどことなく古道の雰囲気がある。峠からは歩き出しの尾根と仏塔、奥多摩湖が見えた。水の残りが1リットル以上あることを確認して人の多い峠を離れる。ここからはグンと人が減るが、笹原の広がる景色は素晴らしい。その合間に朽ちた森のある感じは、どこか奥秩父の植生に近い気がする。当初大鹿峠あたりでの幕営を予定していたが湯ノ沢峠に変更し、変わる光景を噛みしめながら歩いた。
湯ノ沢峠は避難小屋もバイオトイレも素晴らしかった。少し下ったところで水も汲めるので、この辺りでは数少ない快適な天場だと思う。コロナ禍だからか、避難小屋だからか、小屋利用者はおらず、それぞれがテントを張っていたので、自分もツェルトを張った。久しぶりのアルコールストーブは不完全燃焼で目が痛い。生煮えのペンネにカルパスと豆、ソースをかけたものを流し込んだ。夜半地震と鹿の来訪があり、遠くのテントから「オラぁ」と怒鳴るような声が聞こえた。エアマットとモンベル#3で暖かかったが、結露はすごかった。ツェルトはしんどい。
2020年11月23日(月):晴れ〜曇
なんとなく目が覚めて4時前に起床。寝ているのか起きているのかわからない感じでよく眠れなかった。ウマーメシ(カレーメシの一種)に期限切れのアルファ米を足して流し込む。水を1.5リットル強汲んで5時過ぎに出発。大蔵高丸は眺望のある山のようだが、残念ながらまだ暗く、甲府と首都圏の夜景と富士山のシルエットが少し見えただけだった。途中歩きながら写真を撮り、少し小高いところで陽が出るのを15分ほど待った。その結果、予定より30分早く出たマージンを使い切り、その後、CT比0.5で計算したタイムに遅れることになる。
大鹿峠までは快適な下りでスピードが出たが、依然として予定より遅れており少し焦る。お坊山までの登り325mがツラく、笹子峠でのリタイヤが頭を過ぎる。米沢山あたりでクエン酸を摂取して少し回復するも、その後の鎖場は岩に落ち葉が乗っていて少し怖い。笹子峠で膝に手をついてしばし思案する。峠には東から風が吹いている。ここで下りたら後悔しそうだし、時間も体力もまだ残っていること、行く先が案外しっかりした登山道(山と高原地図では破線)であることを確認し、行くことにした。ただ、余裕はないのでここで一眼をザックにしまう。
その後は、狭い稜線をアップダウンしながら小ピークで方向を変えて次のピークへ移るような感じで進む。やや単調だが、ここはここで今までと雰囲気が違って楽しめる。今回の核心と思われた女坂は、根っこを掴みながら慎重に登った。下りの方が恐いだろうと思う。また、清八山直下に至るまでに一箇所恐ろしい崩落箇所があった。清八山の手前に出ると目指す三つ峠山が直線上に見えて、いよいよ終わりを感じられる。ここからもエスケープは出来るが、ここまで来たら行くしかない。
御巣鷹山までの最後の登りは300mで、2日目の登りとしては一番長かったと思う。登りながら日航機墜落事故のことを考えたが、あれは御巣鷹の尾根で現場は群馬だったようだ(下りてから調べた)。三ッ峠の山頂で残りのアルファ米を食す。ここで食べないと下山後確実に捨てるからだ。富士山は雲に隠れてもう見えない。四季楽園のテラスから岩場を見る。クライマーはいなかった。また、ここでほぼ水が切れたので、自販機で300円の炭酸飲料を買って飲んだ。
あとは快適な下り。疲れたし、日没も近いので巻けるピークは全部巻いた。下山後は駅前の天ぷら屋さんで天丼を食す。天丼も美味しいがてんやがあればてんやでも良い気がした。それよりも味噌汁が荒れた胃に染みた。長い充実の2日間だった。これで冬への準備は終わった。
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