仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳 〜気まぐれな女王とピラミッド〜
- GPS
- 29:00
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 2,350m
- 下り
- 2,351m
コースタイム
9:00 長衛小屋(北沢駒仙小屋)
↓
9:15 北沢峠
↓
10:45 大滝頭(五合目)
↓
11:50 小仙丈ヶ岳 [2864m]
↓
13:05 仙丈ヶ岳 [3033m](昼食)
13:50 出発
↓
14:10 仙丈小屋
↓
14:55 小仙丈ヶ岳
↓
15:30 大滝頭
↓
16:25 長衛小屋分岐
↓
16:30 長衛小屋
【7月14日(日)】
4:40 長衛小屋
↓
5:10 仙水小屋
↓
5:40 仙水峠 [2264m]
↓
7:15 駒津峰 [2740m]
↓
7:55 六方石
↓(直登ルート)
8:55 甲斐駒ヶ岳 [2967m]
9:40 出発
↓(摩利支天側のルート)
10:35 六方石
↓
11:15 駒津峰
↓
11:50 双児山 [2649m](昼食)
12:35 出発
↓
13:35 北沢峠
↓
13:54 長衛小屋
天候 | 【7月13日(土)】仙丈ヶ岳 曇り→雨→晴れ→曇り→雨 強い西風 【7月14日(日)】甲斐駒ヶ岳 曇り→雨→曇り→晴れ→曇り→雨 強い西風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
500台ぐらい駐車可 3連休初日のため、5時30分到着時点で8割が埋まっていました。 【バス】南アルプス林道バス 仙流荘から北沢峠まで1時間弱。料金は片道で1,300円(荷物代200円含む)。 始発は6時ですが、混雑時は早めに出発してくれるようです。 下山時も増便してくれていたのか、時刻表にない時間でも人数が集まれば出発してくれました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山道】 ★仙丈ヶ岳 北沢峠からの登山道に危険個所はありません。 藪沢ルートは残雪が多いため通行止めでした。大滝頭から馬ノ背ヒュッテの登山道は通行可能です。 ★甲斐駒ヶ岳 駒津峰〜山頂は岩場の上り下りが続きます。直登ルートではストックをたたみ、両手を開けた状態で歩いたほうが安全でしょう。 摩利支天側のルートは花崗岩のザレた斜面のため滑りやすくなっています。 【山小屋】 ◆長衛小屋(旧:北沢駒仙小屋) 綺麗な山小屋で、トイレも綺麗。水場あり。 テント場は100張を超えるテントが並びました。河原のため石がゴロゴロしていますが、整地すればフラットになります。ペグが刺さりにくく、紐は岩に結びました。 ◆仙丈小屋 仙丈藪沢カールの直下に建つ山小屋。水場あり。 仙丈ヶ岳のバッチを購入しました。 ◆仙水小屋 テント場は10張ぐらい。水場あり。 トイレは一般開放していないようです。 ◆長衛荘 北沢峠にある山小屋。もうじき山小屋の名前が変わります。 甲斐駒ヶ岳のバッチを購入しました。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
2013年、最初のテント泊は南アルプスの長衛小屋で。
梅雨明けが早かったので晴天を期待したが、山の天気は人の想像を遥かに超えることを勉強した2日間だった。
仙流荘に到着した5時半、空模様は曇り。バス待ちの列に並ぶこと1時間、28人乗りのバスで北沢峠へ。到着後、長衛小屋へ。既に多数のテントが張られている。幸いフラットな場所が見つかり、足元の石を移動して設営。今回のテントはダンロップのVS20。これまではモンベルのステラ3だったが、軽量化目的で購入したもの。テント場では初めて使用する。7月下旬、8月の縦走で使用する際、何が不便かを見極めるテストでもある。
★★ 仙丈ヶ岳 ★★
13日は仙丈ヶ岳を目指す。登山歴で4座目の3000m峰。
「南アルプスの女王」と言われる美しい山だが、登りは曇り、そして雨と西風で、目指す山頂は全く見えない。女王様は恥ずかしがり屋さんなのかな?
樹林帯を抜けてハイマツ帯に入ると、なんとなくライチョウの気配が漂う。しかし嵐のせいか、まったく姿を見ることがなかった。抱卵中で忙しいのかもしれない。
小仙丈ヶ岳に着いても天候は回復せず。しかし仙丈小屋分岐あたりでガスが消えて頂上が見えた。仙丈藪沢カール上の稜線を歩いて登頂。山頂付近は白、赤、黄、紫などの高山植物で彩られていて美しい。
頂上から仙丈小屋へ向かう。わずかに残る雪渓を越え、仙丈藪沢カールの下を歩く。小屋から見上げるカールは素晴らしい。小屋で仙丈ヶ岳のバッチを購入し、甲斐駒の雄姿を見るために登ってきた道へ登り返す。
登り返しは結構きついが、頑張ったご褒美に甲斐駒のピラミダルな姿を見ることが出来た。北岳・間ノ岳の稜線も見たかったが、こちらはずっと雲の中だった。
登りは北沢峠からだったが、下りは二合目から仙水峠登山口に出られるルートを選択した。
長衛小屋のテント場に戻ると、午前中よりテントが増えている。この時点で雨が降ってきたので早々にテント内へ。しばらく強く降ったが、弱まったのを確認して水を補給。そして夕食。その頃、隣テントの子供の歌声が響く。
明日は早めに出発したいので20時過ぎに就寝。
★★ 甲斐駒ヶ岳 ★★
3時に起床。目覚ましより30分前に目が覚める。せっかく早起きしたので、朝食を済ませて、出来るだけ撤収準備をしてから出発。その頃、隣テントの子供は「もののけ姫」を熱唱中。
樹林帯は川沿いを歩く。丸太の橋を2回渡るが、昨夜の雨で濡れていて滑りそうなので慎重に歩を進める。30分で仙水小屋に到着。森の中のテント場は満杯だったようだ。小屋から先は岩礫の登山道となる。仙水峠からは甲斐駒・栗沢山・地蔵岳が見える。去年の6月に登った地蔵岳はオベリスクが目立つ。
仙水峠からは駒津峰までは急登で、約500mの標高差がある。シャリバテ気味になり、かなりつらくなったのでクリフバーで栄養補給。朝食が足りなかったのかもしれない。
駒津峰に着いたとき、展望はなく、風が強い。早々と撤収する人が見られるが、ほとんどが山頂へ向かう。もちろん我々も。
巨岩の続く道を登ったり下ったり、そして六方石から直登ルートを選択。ゴツゴツした岩をつかんで登ること1時間、花崗岩の山肌を歩き、いつのまにか山頂に着いた。ガスで視界がなかったため、頂上付近まで気付かなかった。
山頂は広く、たくさんの登山者で賑わう。時々雲が切れて仙丈ヶ岳が姿を現すと、カメラを持って撮影しようと盛り上がる。わずか数秒のため、カメラを構えた時には雲の中に隠れてしまう。
「あーあ…」
「うおお!」
「あー…」
この繰り返し。登山者の一体感が実に面白い。
コーヒーを飲んで頂上を後にする。下山は摩利支天側の白砂の道。燕岳や鳳凰三山と同じ花崗岩なので、奇妙な形に風化した岩が面白い。下山中は天候が回復して、仙丈ヶ岳・鳳凰三山・塩見岳など南部の3000m峰、そして富士山までが見渡せる。この日の女王様は機嫌が良くなったらしい。北岳、間ノ岳の頂上付近だけは雲が掛かっていて、ごくわずかな時間しか山頂が見えなかった。幸い富士山と北岳を一枚の写真にできたので満足した。
六方石で直登ルートと合流し、登りと下りがすれ違いになるのでかなり混雑する。特に駒津峰付近の岩場は一人しか通れないので待ち時間が長い。上と下で声を掛け合って進めた。
駒津峰からの下山ルートは双児山を経て北沢峠へ。
双児山の頂上付近で昼食とする。駒津峰でお湯を注いでおいたアルファ米を主食として、マテ茶鶏の缶詰、そしてスープという贅沢な山ご飯。食後はもちろんコーヒー。
体力回復したので北沢峠までの下山は軽快。2日間の登山の最後なので足に疲れはあるが、充実した登山となったので会話しながら楽しく下りてくることが出来た。
北沢峠に着いて、長衛荘で甲斐駒のバッチを購入。
テント場に戻り、そそくさと撤収して北沢峠に戻る。バスは人数が集まり次第の出発となっていたので、待ち時間がほとんどなく乗車できた。
仙丈ヶ岳も甲斐駒ヶ岳も天候の変化が激しく山行に苦労したが、両方とも登頂できた。快晴とは言えないものの、周辺の名峰を見渡すことができた。やっぱり登山は面白い。
【ダンロップ VS20】
デビューとなった新テント。
素材がポリエステルのため、雨水をほとんど吸収せず、渇くのも早く感じた。
フライシートの紐が短いのでペグにうまく掛からなかったのがマイナス。そこは伸縮性のある紐に替えて使おうと思う。
2人用のため荷物を広げることができないが、エアマットを隙間なく敷くことができたので寝るときは快適。
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