富良野岳-旭岳2021


- GPS
- 19:06
- 距離
- 70.4km
- 登り
- 4,914m
- 下り
- 5,087m
コースタイム
- 山行
- 2:02
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 2:09
- 山行
- 15:40
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 16:49
22:00 十勝岳温泉凌雲閣
23:20 富良野岳
00:30 上ホロ
01:00 十勝岳
03:50 オプタテシケ山
04:40 双子池(水)
07:20 三川台
08:30 南沼(水)
13:20 白雲避難小屋(水)
14:00 北海岳
16:00 旭岳
17:05 旭岳ビジターセンター
天候 | 高曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
06:45-08:20 羽田-旭川(ANA4781) 09:54-10:51 旭川空港-旭岳(いで湯号) 11:00 旭岳にkon車デポ(着替え積む) siro車で白銀荘へ 13:00 白銀荘着, 風呂, 食事, 仮眠 -- 21:15 白銀荘起床, 支度, 凌雲閣まで運転10分 22:00 行動開始(凌雲閣に車残置) 7/3(土) 18:00 旭岳下山 18:30 東神楽町 花神楽(風呂) 19:30 旭川市内ビジホ泊, 反省会 本当は東川町のゲストハウスが良かったが現在休業中(7/4) 7/4(日) siro,kon組は凌雲閣で車を回収して解散。 07:00-07:54 旭川駅-旭川空港(いで湯号) 08:55-10:40 旭川-羽田(ANA4782) |
写真
感想
毎年恒例、十勝大雪へ。なぜこれをやるのか。楽しいからやる。無雪期にトレーニングを続けるモチベーションを保つためでもある。と言ってもこれが終わっても雪が降るまで3ヶ月以上ある。体力維持のためにトレーニングは続けなければならない。今回のメンツはkonさん、siroさん、僕。タカ先生は息子氏発熱のためDNS. 家族優先でどうぞ。去年は風樽2や無限羊蹄を1本やってからの挑戦だった。今年は風樽2を何本やったか覚えていない。無限羊蹄を僕は2本、konさんなんて3本もやっていた。言うまでもなく仕上がりはビンビンだ。今回は五体満足、腹八分目で気持ちよくフィニッシュできるだろう。
金曜有給。梅雨本番の本州から北海道へ。羽田はANA旭川便が1日3往復していて助かる。名古屋は旭川便が無いので大雪山へ行く時は千歳でレンタカーを借りてからなので苦労した。旭岳に車デポしたら白銀荘で風呂入って仮眠。真昼間なので全然眠れないが、それは何度もやってわかっている。横になって目を閉じて休むだけで十分。あくまで仮眠だ。眠ろうとして焦ると疲れが取れない。
21時に支度をして22時に凌雲閣を出た。まず十勝連峰を突破する。闇の中でも花は美しく咲いていた。ハクサンイチゲ、ツガザクラ、チングルマが見頃だ。出発時は満天の星空だったがところどころ猛烈に霧が濃い。文字通り五里霧中。夜パートの核心部は間違いなくここだ。霧の砂礫地帯のコツは踏み固められて硬いところを歩く。足元が柔らかくなると夏道を外れているのですぐに戻るように。オプタテでスッキリ霧を抜けて朝が来た。遠くにトムラウシが見える。素晴らしい空の色だ。オプタテ東面のお花たちは太陽の光に照らされて朝露で輝いている。美しい。双子池へ下りる北斜面は雪渓。固くて滑るので緊張する。この時期は結構な長さ・幅の雪渓が出ているはずだが今年の雪渓はいつもの半分以下の長さだった。例年この時期は出ている双子池の水場は雪の下に埋まっていた。笹をかき分けて雪の下の水流から補給した。双子池では1組のパーティが野営していた。
本ルート最大の難所、双子池-三川台の激藪は昨年"NPO法人かむい"によって笹刈りされたらしい。どのくらい刈られたのだろうか。ドキドキしながら突入してみると、あの背丈以上あった笹は綺麗に刈り払われていて超快適だった。足元の見えない泥沼が見える、ジャンプ回避できる。走れる。最高。これは大変だっただろうなあ。お疲れ様でした。ここで時間とエネルギーとメンタルをガリガリ削られるところだが、それがない。今日は早く下山できそうだ。後半の笹・ハイマツゾーンは笹だけ刈られてハイマツは手付かずだった。ハイマツもかなり邪魔だがそれでも以前のミックスに比べたらだいぶ快適だ。今回は短パンで抜けたが、後半(三川台側)は笹の切り口が長めに伸びているのでスネに刺さる。短パンでの通過はおすすめしない。長ズボン、カッパ、タイツ、カーフカバー、脚絆等を準備するとよい。
三川台に到着するとさっきまでの青空がいつの間にか高曇りに。そして夏らしいガスが湧いてきた。ここからは晴れたり曇ったり。霧雨もパラつく。直射日光ギンギラギンではないので涼しくて快適だった。南沼でしっかり休んでリフレッシュしたらトムを踏んでいこう。歩いてきた十勝岳は遥か遠くに、そして目指す旭岳も遥か遠くに見える。もう難所はない。鳥の囀りを聞き、高山植物に癒されながら広大な大雪山をてくてく歩く。後半戦の厳しい登り忠別岳も、やたら長くて飽きてくる高根が原も今日はおしゃべりしながら楽しく通過。ウルップソウ、コマクサがわんさか咲いていて癒された。新しくなった白雲小屋で最後の水を補給したら北海、間宮、旭岳を登ってフィニッシュ。ここまで18時間5分。
ちょうど単独のランナーが登ってきて凄い速さで降りていった。あの人についていったら旭岳から下まで1時間で下りれるんじゃないか?ということで僕だけ彼についていくことにした。まーじで速いです。下りなのに心拍数が今日一番上がっている。しかし脚は問題ない。18時間歩き続けて、まだこんな力が残っていたなんて自分でも驚きだ。自衛官の男性は僕と1つ違い。いろいろと共通の話題があって楽しく下りてきた。「単独だったら絶対こんなスピードで下りないよ〜」と言うと「僕もです」と言っていた。ホントか? おかげで下山はちょうど1時間。頑張れば本当に1時間で下山できるんだな。面倒な下りを速く楽しく抜けることができて感謝です。駐車場で突っ立っていると蚊の猛攻を受ける。ビジターセンターは17時に閉館しているので逃げ場なし。その辺を小走りして蚊に追いかけられながら2人を待った。2人とも下りてきたら逃げるようにクルマに乗り込み東神楽の温泉で汗を流して旭川のホテルで反省会。飲み屋やってないからね。翌朝僕は旭川空港から羽田へ帰ってきた。明日は仕事だ。
今年は前を牽くsiroさんが中々良いペース。konさんは何度も4~50kmの山行で補給のコツを掴んだようでメンバー誰も最後までタレることなかった。2人とも去年とはまるで別人だ。たくさん練習してよかった。20時間近く歩く時は士気を上げるためにもおにぎりや大福を3個持っていったほうがよい(双子池、南沼、白雲で1個ずつ食べる)。次回はそうしよう。ずっと砂糖水も飽きるので味変も考えておくように。
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双子池-三川台を速く快適に抜けることができたのはNPO法人かむいのみなさんのおかげです。ありがとうございました。本当にありがとうございました。このルートは通常2泊以上の行程となる。入り口と出口が異なるため年間を通して歩く人はかなり少ない。しかし十勝連峰と大雪山をつなぐ山行はとても達成感があり、初めてであれば一生の思い出になる。道内道外、全国各地の岳人のみなさん。ぜひとも大雪山を北から南まで思いっきり縦走してください。みんなでたくさん歩いてこの素晴らしいルートを保全していきましょう。
彼らの笹刈りの記録はこちら。
https://www.npokamui.org/activity-report/771/
遂にこの日がやって来た。
去年は皆んなに迷惑をかけた悔しい記憶しか残っていない。
甲子園の借りは甲子園でしか返せない!
この言葉を胸に秘め、食生活や減量に取り組み、フッタルや羊蹄に通い続け失敗と改善を繰り返し、自分に厳しく過ごしたつもりだ。
この練習で成長したのか今回は最後まで電池が切れる事が無く、景色やお花を楽しむ余裕もありボロボロにならずに無事ゴールする事が出来て感無量だった!
これで去年の借りは返せたと思った。
シロさんパクさん今回は参加出来なかったタカさん、沢山の刺激ある練習会と本番を一緒に過ごせた僕は本当に幸せ者です。
皆んなありがとう!!
今年も大人のインターハイ、十勝大雪グランドトラバース1dayが開幕。
ん⁉去年こんなの一生に一度やればいんじゃねって言ってなのにwhy⁉
まぁパッキンパキに過去最強の自分まで仕上げたので行くしかない!!
タカは諸事情により急遽DNSとなりとても残念だが、彼の思いも背負って3人で凌雲閣をスタート。今年も僭越ながらペースメーカーを務めさせて頂く。特に入りはキツ過ぎず、タルくないシャキとしたペースを作らなけばならないので重要な任務である。
まずは富良野岳に到着しスタートラインへ。
十勝岳からは恒例の特濃ガスに見舞われ、この状況で深夜の真っ平らな砂漠は普通的に考えて遭難レベルだが、普段から暗闇山行が当たり前の僕達の敵ではない。迷いなく高速で駆け抜ける。
美瑛富士コルでガスは無くなりオプのシルエットが見えた。オプの山頂から美しい朝焼けでマンダム。
ここから見る旭岳は絶望的に遠いが、燃えるような朝焼けと同じく、心を燃やし自分を信じて行くしかない。
双子池で休憩したら極悪な笹地獄に足を踏み入れるが、笹どもは完全に駆逐されまさにモーゼの十戒。かむい様の多大なる労力と偉業に報いるべく皆んなでここを沢山歩き続けようぜ!
延々と歩き続けて三仙台に着くとトムは見えず周囲は再び特濃ガスに包まれ寒い。しかし南沼に近づくとブァと霧が晴れて神はお見捨てにならなかった。
トム山頂でまだ半分、見える旭岳はまだまだ遠いが五色岳〜忠別岳〜高根が原と突き進む。北海岳まで来ればみんな疲れ果て、足は鉛の様に重たく全部痛くて、満身創痍で普段はどうって事ない緩い登りでさえ急登に感じてしんどい。
しかし誰一人弱音を吐かずに上を睨み付けてペースを落とす事なく足を前に出し続ける。本当に強いパーティだと思った。最後の裏旭を唸りながら登り切って最後の旭岳に到着し感無量。
パクは山頂で会ったお兄さんと降りたので、最後まで怪我しないようコンさんと慎重に下って無事ゴール‼ ガッチリと固い握手を交わした。
いつまで続けるか分からないけど、今年も花達が1番輝く季節に仲間達と大雪山を思う存分歩けてプライスレスで決して忘れる事の無い一生もんの思い出作りが出来ました。
Special thanks パク、コンさん
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