二年ぶりの槍穂高縦走「槍ヶ岳〜北穂〜奥穂〜西穂」記録用
- GPS
- 80:00
- 距離
- 25.7km
- 登り
- 3,366m
- 下り
- 2,266m
コースタイム
新穂高温泉 03:00
05:20 白出沢出合 05:25
07:43 槍平小屋 08:17
10:33 千丈分岐点 10:33
11:08 千丈乗越 11:30
12:41 槍ヶ岳山荘 16:00
17:07 槍ヶ岳山頂 17:17
17:39 槍ヶ岳山荘
8月12日
槍ヶ岳山荘 04:13
06:20 南岳小屋 06:43
09:18 北穂高小屋 09:43
11:41 奥穂岳山荘
8月13日
奥穂岳山荘 04:26
04:56 奥穂高岳 04:56
05:16 馬の背 05:21
06:02 ジャンダルム 06:08
07:19 天狗のコル 07:19
07:40 天狗岳 07:40
07:58 間天のコル 07:58
08:08 間ノ岳 08:08
09:36 西穂高岳 09:52
10:36 西穂高岳独標 10:36
11:17 西穂山荘 11:17
12:07 西穂高口ロープウエイ駅
天候 | 8/11〜13 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
新穂高ロープウエイ |
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高温泉〜白出沢出合 白出沢の出合まではダラダラの林道歩き。 途中、穂高平小屋へのショートカットの登山道がある。一部崩落。4番標識の場所 が取り付きの目印 白出沢出合〜滝谷出合 滝谷出合までは緩やかな石畳の登山道 滝谷出合〜槍平小屋 滝谷からの川の流れに阻まれるが50mほど上流に木の橋がある 次第に傾斜はきつくなるが、まだそれほどではない(楽勝) 藤木レリーフの先を登れば、前方遠くに槍平が見えてくる。 その頃から空も広くなって視界も開けてくる 槍平小屋〜千丈分岐点 斜度はかなりきつくなってくるが、なんとか頑張れる 千丈分岐点〜千丈乗越 カール状になっていて暑い。最後の急登はザレて歩きにくい 千丈乗越〜肩の小屋 西鎌尾根の稜線を歩く 歩きやすいのだが、傾斜がきつい 肩の小屋〜槍ヶ岳 クサリ、階段が要所にあり、余程のことがない限り安全 槍ヶ岳〜南岳小屋 一部、岩のトラバースがあるが、全般的にあるきやすい稜線歩きとなる 南岳小屋〜北穂岳小屋(大キレット) 最初の下りのルンゼが悪い。落石をさせないよう苦労する 長谷川ピークは信州側から飛騨側に乗っこす時要注意。 飛騨泣きは確実に通過すればまず大丈夫 飛騨泣き過ぎたルンゼは悪い。落石をさせないよう注意。ここの下りは苦労 する事だろう 北穂高小屋〜奥穂高小屋 全般的に安心して歩けるところはない チムニーを登るといきなり涸沢岳にでる 奥穂高小屋〜天狗のコル 奥穂までの登りはいきなり階段、クサリ場。三点支持で確実に通過 山頂まではキツイ登り。ゆっくり歩くよう心掛ける 奥穂から数分で両側がスッパリ切れ落ちた馬の背の下り。クライムダウンで 確実に通過する ロバの耳の取り付きまで、急な岩の下り。ここもクライムダウン。落石させ ないように注意。 ロバの耳の取り付きには右に降りる踏み跡があるが、そっちに行ってはいけない。 ○のマーキングを見落とさないよう登る前にチェックを入れる事 ロバの耳には二回トラバースがある。クサリが付いているので安心。 ジャンダルムは直登コースと飛騨側からのコースがある。その時の状況で選ぶ 天狗のコルまではずっと下り。落石をさせないよう注意して歩く。 天狗の頭〜西穂高岳 天狗の登りは垂直の岩登り。慎重に登る事。下りは更に慎重に下ること 15分程で天狗のピーク 天狗の頭の下りは滑り易い逆層のスラブ。ホールドが少ないなのでクサリを 持って登り降りする。 間ノ岳の下りはザレたルンゼ。浮石だらけで落石させないように注意。 行き交う登山者もいるのだが、危険箇所なので譲り合いながらも速やかに通過 するよう心掛ける。 赤石岳へのルンゼはクサリ場 このルート全般に言えるが、ホールドや足場がしっかりした岩だと思っても 浮石だったりするから注意しながら通過する |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
2年振りの槍穂高縦走。
そして自分自身もこの2年間殆んど山に登っていなかった。
歩いていた時期ならいざ知れず、殆んど歩いていなかったから不安だった。
結果からいえば、上々の歩きができたのではないか。
10日の夕方、新穂高温泉にある深山荘の登山者無料駐車場に車を停める。
露天風呂にも入り、宴会をした。
予定通り3時に歩きだす
しかし、連れの体調がおかしい。
どうも、昨夜の宴会で飲み過ぎたのが原因とのこと。
どうしてもペースが上がらないので、途中で連れの荷物の一部を担いて歩く。
お盆のこの時期、山小屋の混雑が予想されたのでテント泊で臨んだ。
思った通り、どこの小屋でも布団一枚で二人だった。
しかし、普段からテント装備を担がない私もゆっくりとしか歩けない。
陽も高くなり気温もそれにつれて高くなってきた。
千丈乗越から肩の小屋までの西鎌尾根ではかなりの急登で、これには堪えた。
それでも、歩いていればいつかは着く。
やっとの思いで槍ヶ岳山荘に着いたのは12:40で、直ぐにテントの申し込みを
したら「本日は一杯になりました」と言われポカンとした。
心の中で「じゃ何時ならいいんだよ?」と言いかけたが、言っても改善され
ないだろうから止めた。
他のパーティーは殺生ヒュッテに下って、テントを張るグループも数多くいた。
連れは相変わらず調子が悪く、南岳のキャンプサイトにも歩けないという。、
仕方なく、ここの小屋泊まりとしたが、別料金で小さいながらも個室を用意
してくれた。
これには助かった。その夜はストレスなく熟睡することができたのだ。
槍ヶ岳の登頂も混んでいた。
13時前には到着し、空いてきたら登ろうとしたけど、その列が少なくなる事が
なかったので、とうとう業を煮やして16時に登り始めたが、結局登るのに
一時間以上掛かってしまった。
降りるにも時間を費やし、往復2時間近く掛かったのだ。
やはり、槍ヶ岳の登頂は北鎌尾根からに限ると思ったのだ。
次の朝、4時15分に出発し、南岳小屋を6時35分にでる。
大キレットのザレたルンゼを下ったら、梯子までダラダラ渋滞している。
ざっと20人くらいはいそうだった。
梯子以降は少しづつ抜いてペースを保った。
しかし、各パーティーのリーダーは殆んど後ろを見ていない。
その後ろから、別のパーティーが近付いてもお構いなしである。
あと、気になったのは10人くらいで歩いているパーティーがいくつかいたのには
驚かされる。
何を好き好んで大所帯で難ルートを歩くのか?全く意味がわからない。
危険な場所で擦れ違うのも時間が掛かるだろうから危険度もグッと上がる。
ペースを守って歩きたくても歩けないのは迷惑だと思った。
せめて分散して歩いてもらいたいと思う。
長谷川ピークは信州側から飛騨側に乗越す時にクライムダウンで慎重に降りる。
登り降りの登山者も常に交錯するので、配慮も必要。
飛騨泣きも同様だが、その上にあるルンゼは悪い。落石をさせないよう細心の
注意が必要とされる。
そのうち北穂高小屋が見え隠れしてくる。前半のゴールは近い。
しかし、理由は解らないが、前日の同じような場所で100m滑落して男性が一人
県警ヘリで救助されるも亡くなっている。
大キレットは最後まで油断は禁物である。
北穂高小屋で、行動食と水分を補給し、30分ほどで出発
北穂高岳から涸沢岳までのルートもあなどれない。
慎重に歩こう。
ドームを過ぎてスラブ状の鎖のついたチムニーがある。
探せば足掛かりも、手掛かりも有るのだが、一本のクサリを掴んで上り下りする
のでここはいつも渋滞個所となる。
私は登りだったが、最低コルから梯子までの下りは、石がザレているので慎重に
下った方がいい。
最後、チムニーを登れば突然涸沢岳の山頂です。
穂高岳山荘は昼前に着いたので、テントサイトはどこでも張れた。
因みにこの日、かなりの数のテントの登山者が登ってきた。
テントサイト以外にも小屋前の広場やトイレの横や張れそうな所、全てを解放して
いた。
事実小屋のHPを見ると、「今まで張れなかったことはないので安心してくれ」と
書いてあった。
ここのホスピタリティーは凄いな。
少なくとも槍ヶ岳山荘とは違う。
見習ってほしいよ。
次の日、4:26分に穂高岳山荘をでる。
出だしはいきなりのクサリと梯子の岩場。
まだ、真っ暗だが、マーキングを辿ればそれほど難しくはないだろう。
30分ほどで奥穂高岳山頂。
二つのパーティーが西穂へ向かって歩いている。
後ろの、8人ほどのグループが途中で止まったので、その間にパスした。
馬の背の下りは以前歩いた時よりも傾斜がそれほでもないように思った。
それでも、ここの通過には気を使う。
クライムダウンで慎重に下る。
ロバの耳。
取り付きは右に巻く踏み跡が見える。
しかし、マーキングは左上の岩に付いており、ルートの確認はいつでもしなければ
ならない。
ここは二回トラバースする。
畳岩の頭に立つと、これから登る天狗の頭、間ノ岳、西穂、焼岳、乗鞍岳の
雄大な眺めが稜線上に一望に見ることができる。
そこから天狗のコルまでの下りはそれほど悪くない。
天狗のコルの登り出しは垂直の壁。
クサリは付いているが、使わない方が安全に登れる。下りはかなり難しそう。
天狗の下りの最後は逆層スラブと言われる滑り易い下り。
足掛かり、手掛かりが少ないので、ここでは鎖を使って上り下りしたほうが
良いかもしれない。
雨が降ったらかなり厄介なことになることは容易に想像できる。
8月8日
天狗の頭付近で男性が滑落死している。
掴んでいた岩が剥がれて、そのまま落ちたのが原因らしい。
確かにこのルート、しっかりしたようでグラついてる岩は無数にあった。
また、とうてい動かないだろと思う位大きな岩も動いたりするから、慎重の上
にも慎重をきたして歩かねばならない。
私は連れにもそのような岩があったらその都度知らせながら歩いた。
亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
間ノ岳の下りのルンゼはガレ場で非常に悪い。
ここで反対側から登ってくる登山者とすれ違いの場面も増えることだろう。
お互いの落とした落石でケガをするかもしれないし、自然に落石もあるだろう。
また、ルンゼ状なので、落ちた石は歩いている所に自然と集まってくるだろう。
ここは迅速に慎重に通過すべき危険箇所なのだ。
西穂高岳で年配のご夫婦に逢った。
間ノ岳のルンゼで大きな落石があったと言っていた。
今さっき下ってきたところだ。
私は山影に居たのか全く気が付かなかったが、誰か登山者が歩いていなければ
よいのだが、やはりあそこは要注意だ。
奥穂高岳から西穂高岳までのこのルートは、要所要所で歩く前にマーキングを
目で辿り、ルートの確認をする。
よもやの道間違い、道迷いは浮石や転倒などで滑落の恐れがあるので慎重に
歩くべきである。
途中、小屋がなく行動時間も長くなるので、疲労や熱中症などにも注意
したい。
なにしろ落ちたら助からない、奈落の崖の連続です。
また、ここを歩いている人達のヘルメットの装着率が半分ほどなのには驚く。
もし滑落しても助かる確率も上がるので是非ともしてほしいと思う。
最近、奥穂や槍ヶ岳あたりでも有償で小屋が貸しているらしく、それは良い
ことだと思った。
このルートではそう感じなかったが、大キレットや槍ヶ岳山頂部の歩きに対して
その山のスキルに技術が合っていない登山者が何人かいらした。
他人が言うことではないが、もっと身近な山からやられたほうが良いのでは
ないかとおもう。
仮に、そのご本人が滑落して他の登山者を巻きこんだとしたら、お互いに悔む
ことだろう。
自分もそうならないよう気を引き締めていかねばならない。
引き締めると言えば、今回写真の数が極端に少ない。
前回このルートを通った時は、1000枚以上画像を撮ったけど、今回は200枚
ほどだ。
一応、一眼レフも持って登ったが、今回は景色よりも歩きや、体調をを重視
した山行なので、必要としなかったかもしれない。
西穂高岳まで歩くとかなりの登山者とすれ違う。
早く風呂に入りたかったので、西穂山荘はパス。
12時過ぎにロープウエイ駅に到着した。
その時間だから登山者は殆んどいない。
いるのはきれいな服を着た観光客と臭い体臭をさせた我々だけだった。
ロープウエイの中では心なしか人が遠巻きにしていたように思う
以前のように頻繁に山に行けないと思う。
これからは、少しずつだが、山を楽しみたいと思う。
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