北ア・テン泊縦走5日間(雲ノ平〜黒部五郎〜双六)
- GPS
- 102:16
- 距離
- 58.7km
- 登り
- 4,223m
- 下り
- 4,490m
コースタイム
8:20折立 - 11:50太郎平小屋 - 12:10薬師峠キャンプ場(幕営)
【2日目】
6:20薬師峠キャンプ場 - 8:45薬師沢小屋 - 10:35アラスカ庭園 - 11:20祖母岳 - 11:45雲ノ平山荘 - 12:10雲ノ平キャンプ場(幕営)
【3日目】
7:10雲ノ平キャンプ場 - 8:20祖父岳 - 8:45岩苔乗越 - 9:55黒部川水源地標 - 10:30三俣山荘 - <トラバース道> - 12:30黒部五郎キャンプ場(幕営)
【4日目】
6:45黒部五郎キャンプ場 - <カールルート> - 8:20黒部五郎岳 - <稜線ルート> - 9:45黒部五郎キャンプ場10:35 - 12:20三俣蓮華岳 - 13:30双六岳 - 14:45双六小屋(幕営)
【5日目】
7:05双六小屋 - 7:35樅沢岳 - 8:10双六小屋(テント撤収)8:30 - 9:00黒百合ベンチ9:20 - 9:45花見平 - 10:15弓折岳 - 11:15鏡平山荘 - 11:45シシウドヶ原 - <小池新道> - 13:25わさび平小屋 - 14:30新穂高温泉
天候 | 1日目(8/18日):晴れ 2日目(8/19月):晴れ 3日目(8/20火):ガスのち雨 4日目(8/21水):雨のちガス 5日目(8/22木):曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
http://www.chitetsu.co.jp/?page_id=741 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■コース状況 【折立〜太郎平〜薬師峠キャンプ場】 ・危険個所なし ・迷う場所もなく、稜線上も木道が整備されているため歩きやすい。 ・薬師峠キャンプ場にはトイレとおいしい沢水を引いた水場がある。 【薬師峠キャンプ場〜薬師沢〜雲ノ平キャンプ場】 ・木道が濡れていると滑りやすい。 ・薬師沢は雨で増水すると通行困難になるらしい。 ・薬師沢小屋からアラスカ庭園までの岩の登りは急登かつ段差が大きいためなかなかハード。 ・薬師沢小屋に無料の水場有り。 ・雲ノ平山荘は天水に頼っているため水不足気味。キャンプ場の無料の水場を利用。(冷たくておいしい) ・雲ノ平キャンプ場のトイレは不具合があるらしくあまり清潔ではない。 【雲ノ平キャンプ場〜岩苔乗越〜三俣山荘〜黒部五郎キャンプ場】 ・危険個所なし。 ・視界が悪いと祖父岳のルートが若干わかりにくい。 ・三俣山荘〜黒部五郎キャンプ場に向かうトラバース道で雪渓を渡る箇所あり。 ・黒部五郎キャンプ場にも無料のおいしい水場があるが雨が降ると泥水が混じる。 ・黒部五郎小舎のトイレは清潔。 【黒部五郎キャンプ場〜黒部五郎岳(周回コース)】 ・カールルートは特に危険個所なし。 ・稜線ルートは痩せた稜線の岩場が続くため初心者向きではない。 ・稜線ルートから黒部五郎キャンプ場に向かう途中の登山道は雨が降ると沢になるため注意が必要。(まるで沢登りのようだった) 【黒部五郎キャンプ場〜三俣蓮華岳〜双六小屋】 ・危険個所なし ・双六小屋のテン場は広く、池などもありとても雰囲気がよい。 ・双六小屋にも無料の水場あり。 ・双六小屋のトイレは清潔。 【双六小屋〜鏡平山荘〜新穂高温泉】 ・危険個所なし ・シシウドヶ原の下の登山道で熊が横切ったという情報あり。 ■ドコモ電波状況 ○薬師峠キャンプ場 ×太郎平小屋 ×雲ノ平(ただし、雲ノ平山荘から高天原方面に向かった小高い丘の上のみ○) ×祖父岳 ×三俣山荘 ×黒部五郎小舎 ○双六岳 ×双六小屋 ○弓折岳 |
写真
感想
毎年恒例の長期休暇を使って雲ノ平を目指すことにした。
普段の土日や三連休では行きにくい場所を選んでいくと、自ずと自宅から遠い場所か山奥に絞られる。
「雲ノ平」は石川の自宅からは遠くないが「山奥」の部類になる。
日本最後の秘境と言われる場所はどのようなところなのか前からずっと気になっていた。
折立〜雲ノ平〜黒部五郎のコースは北ノ俣岳を経由すれば周回ルートもとれるが、せっかくなので双六岳経由で新穂高温泉まで縦走することにした。
1日目は薬師岳に登る時と同じく、折立から太郎平経由で薬師峠のテン場を目指す。
テン場の眺望はあまり良くないが、少し高台に登れば薬師岳はもとより水晶岳、黒部五郎岳、槍ヶ岳等を望むことができる。
ここから眺める夕陽も好きだ。
今回も天気が良かったので素晴らしい夕陽を見ることができた。
2日目はいよいよ雲ノ平を目指す。
天気は良い。
せっかく登ってきたのに一旦薬師沢まで下ることになる。
薬師沢から雲ノ平までの登りは大きい岩をひたすらよじ登る、苦行に近いルートとなる。
眺望も全くない。
2時間ほど登るとようやくアラスカ庭園に至る。
そこからは全くの別世界。これがまさしく雲ノ平だった。
針葉樹のアラスカ庭園を抜けると奥日本庭園となり植物の背丈が短くなるせいで一段と眺望が良くなる。
四方を名だたる山々に囲まれているこの光景はまさしく絶景だった。
近くには水晶岳、黒部五郎岳、祖父岳、北ノ俣岳が、少し遠くには薬師岳、立山、槍ヶ岳、笠ヶ岳など・・・これだけの山々に囲まれる場所は他にないだろう。
この日は平日ということもありほとんど人と会うこともなく、そのせいで秘境が更に神秘的に見えてくる。
この世に自分一人しかいないような錯覚に陥る。
祖母岳のあるアルプス庭園に登ると、この場所が世界の中心であるかのような気分にすらなってくる。
雲ノ平キャンプ場は雲ノ平山荘の先25分程度の場所にある。
祖父岳の麓にある広いキャンプ場だ。
黒部五郎岳を眺めながらの幕営は最高だった。
水場の水も冷たくてとてもおいしい。
ただし、夕方からは雲がかかり夕焼け、朝焼けは残念ながら見ることができなかった。
3日目はガスだった。
本来ならば朝早く雲ノ平キャンプ場を出発し、水晶岳と鷲羽岳に登る予定だったが、眺望が全く望めなかったのでパスすることにした。
祖父岳の山頂を目指していると、途中思いがけない出会いが待っていた。
岩の隙間から小動物が顔を出す・・・オコジョだった。
肉眼で見るのは今回が初めて。
すばしっこくて写真に収めるのも難しい。
自分のストックに興味があるのか、ストックによじ登ろうとしてくる。かわいい。
警戒心だけでなく、好奇心も持ち合わせる森のアイドルにすっかり心を奪われてしまった。
岩苔乗越から鷲羽へ登らずに黒部水源地標を目指して一旦沢を下りる。
途中の水場で飲んだ沢水・・・まさしくこれが黒部川の源流だ。
気分が乗っていると水の味もおいしくなる。
その後三俣山荘からトラバース道を経由して黒部五郎小舎へと向かった。
黒部五郎小舎では贅沢に?ラーメンをいただくことにする。
小屋の外でのんびりラーメンを食べていると、空から雨が落ちてきた。
先にテントを張ってしまうべきだった・・・と反省するももう遅い。
急いでテントを張るべくカッパを着たものの一瞬でずぶぬれに。
この日は夜から翌朝にかけて断続的に雨が降り続き、テントの中でひきこもる生活を余儀なくされた。
4日目は黒部五郎岳に空身で登ってからテントを撤収して双六岳を目指す予定となっていた。
しかし相変わらずこの日も天気が悪い。
雨も降ったり止んだり・・・
黒部五郎に登るべきか最後まで悩んだ結果、予定通り登ることにした。
黒部五郎をパスして双六小屋に向かうと早く着きすぎてしまうことや、黒部五郎のカールを一目みたかったことが決断の理由だ。
黒部五郎のカールは噂通りの素晴らしいスケールを見せつけながら独特の雰囲気を漂わせていた。
ガスで眺望がなくてもこの雰囲気・・・いつか絶対にまた来よう、そう誓った。
稜線は風雨が強く、カッパを着ていなかったら低体温症にすらなる危険性があった。
天気が悪いので当然人も少ない。
稜線ルートは前日からの雨で沢と化し登山道とは思えない光景となっていた。
所々にある石をステップにしながら何とかキャンプ場まで戻ったが、靴の中はすっかり濡れてしまっていた。
テントを撤収した後は三俣蓮華の山頂を経由して双六岳へと向かう。
どのピークもガスで眺望がないのは全く同じだった。
標識がなければどこにいるのかすら忘れてしまいそうだ。
双六小屋に到着すると濃い霧も段々収まり燕岳等も望めるレベルになっていた。
ただしやはり気温は低くテントの中にひきこもる生活が2日連続で続くことになった。
5日目はいよいよ最終日、下山の日だ。
相変わらず視界は良くないが雨は降らなさそうだった。
あわよくば槍穂の稜線が見えないものかと樅沢岳を踏んでみるもガスで何も見えず。
期待すると大抵裏切られることになる。
弓折岳へと向かう途中も時折見せる青空に期待をしながらも槍の頭を見ることはなかった。
鏡平からわさび平へ向かい、最後の林道を歩き切ると懐かしい?新穂高ロープウェイが見えてきた。
雨に降られながらもこの目で雲ノ平の絶景を見ることができ、そのスケールを目の当たりに出来たことはとても貴重な経験となった。
水晶、鷲羽をはじめ今回眺望がなかった山にはまた近いうちにリベンジしたいと思う。
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