遥かなるトムラウシ 歩いても歩いても 本峰は遠く
- GPS
- 12:56
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,557m
- 下り
- 1,539m
コースタイム
- 山行
- 11:34
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 12:55
天候 | 晴れのち豪雨・雷 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
新得町から65kmほど運転、3分の1はダート カーナビに従うと、途中で細い右の林道を選択されるがそれは間違い。そこには「登山口は左」という看板を信じよう。 短縮登山口はドコモのアンテナがあるのでバリバリ4本立った。 |
その他周辺情報 | とにかく一番近い道の駅を検索して20時には寝てしまった。 |
写真
感想
この夏はトムラウシ山に行こうと決めていた。コースタイム12時間、今年の北海道での挑戦です。今回の北海道遠征を決めたのはいいが天気が持ちそうなのはこの日だけ、それ以外の日には雨が降るという事前の予報をもとに、遠征すぐにトムラウシに行ってしまおうというのだ。そう、メインディッシュを早速食べてしまおうとしたのだ。
トムラウシとは「緑色の苔があるところ」という意味のアイヌ語で、山もそうだが、そこを源流とする「トムラウシ川」の様子を示していると思われる。「大雪山の奥座敷」「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」とも言われており、どこから登っても遠い山だ。
また、気象条件が厳しく、夏季であっても天候が悪化すれば凍死してしまうこともある。2009年の7月にツアー客などが低温により8名が凍死した「トムラウシ山遭難事故」は記憶に新しい。
昔は、大雪山から入山しトムラウシ温泉までを2泊3日で縦走するコースで登られることが多かったということだが、短縮登山口ができてからは、ここからピストンで日帰りを目指すハイカーも多くなっている。
そんな中、短縮登山口からのピストンであったが、それにしても長かった。午前中は湿度が高く身体中の水分が搾り取られるようだ、タオルを何回も絞り、荒い呼吸を繰り返しての登りだった。「ここでやめたら楽だろうな」「もう、帰ろっか」「これ以上登ったら絶対熱中症になるわ」と思いながらよたよたと登って行った。
コマドリ沢出会で大休憩、ここを下ってきた人から「雪渓の所からは涼しい風が吹いているよ」という言葉で、「せっかく来たんだから登ってこよう」とモチベーションが再び上がった。
確かに風は吹いていた、そして森林限界を越えると爽やかな風が吹いていた。花もたくさん咲いていた、自分のやる気スイッチが再び入っていく。岩場ではナキウサギの声を聞きながら登る。ナキウサギの姿を撮影することはできなかったが鳴き声を聞いただけでもテンションが上がる。
トムラウシ公園までいったん下ってからゲキ上りが待っている。尾根沿いに行けば楽そうなコースがあるようにも見えるが、まあ国立公園だし。その下りも、上りも基本的に岩場である。
トムラウシ公園の先にある小ピークで、必要ようなものをサブザックに入れて大きいザックはデポした。前を行く5人組もそのようにして登っている。ここでペースを上げないと日没までに下山ができないと踏んだのだ。
ここからはペースが2割ほど上がったような気がする。しかし、山頂分岐からはまた呼吸が乱れ、足が上がらない、10分位登っては岩に座って呼吸をとることを繰り返して少しずつ標高を上げていく。下りの登山者がこう言う「あと◯分だから頑張って」「山頂は人が多いからもう少し休んで入れ替わりを待ったほうがいい」「いやあ、本当に人が多いなあ。」
そんなことを聞きながら着実に標高を上げていき、登り始めから7時間を超えて山頂に到達した。達成感と虚脱感と「ああ、また帰るのか」「登り返しが2箇所あるなあ、大変だなあ」と言う複雑な思い、「多分ここにこのコースで来ることはないだろうなあ。」という気持ち。
山頂写真を撮影し、昨日に引き続き19Bも出してやり、近くの女性に「可愛い!」と叫ばれ、「よかったな19B、この旅の中で洗濯してやろうな。」と思った。月寒あんぱんを食べ、私は山頂を辞することにした。
下はもちろん上りよりも楽である、呼吸が乱れることもなく淡々と下っていく。トムラウシ公園からの登り返しも休憩することなく登り切った。そして、前トム平で給水、さらに下ったところで雨が降り出した、雷が鳴り出した。とりあえず森林限界から樹林帯に入りたく、樹林帯に入ってから雨ガッパとザックカバーを装着した。デジカメはザックの奥底に仕舞う、過去に同じ機種を濡らして買い直したことがあるからだ。
樹林帯を下りながらも雷が次々と鳴っている、そして近くに落雷が次々と。光が見えてから1秒で山を切り裂くような音が響く、思わず両耳を押さえる。コマドリ沢の増水も始まる。コマドリ沢横の登山道は樹林がない、木の下で静岡から来た方と雨宿りをする。時々雹も降ってくる、頭に当たると雹って痛いのね。
雷も危険だが、増水したコマドリ沢を渡らなければ駐車場には辿り着けない。相当な増水の中、岩伝いに移動したりするがどうしても移動がままならず右足をポチャしてなんとか対岸に2人たどり着いた。これからくる下山者はさらに水が増えたのであればどうなるのかわからないが、とりあえず即席ペアは安全地帯に逃げ込めたと言えよう。
ここで、150mの登り返し、「ゆっくり行くから追い越して行っていいからね」と一言伝え先行する。しかし、後からは追い越されることはなかった。微妙にこちらの方がペースが早かったと思われる。
150mを登り切って仕舞えばあとは基本的に下りになる。雷の音はするがもう遠いと思った。雨も降ったり止んだり、あとは岩の登山道が濡れていることに注意をして下っていく。だんだん暗くなってくる、ここは北海道だ日没時刻も本州よりも早いはずだ、いつヘッドランプを取り出すか考えているうちに、短縮登山口分岐となった。
どうやらヘッドランプを使わずに済みそうだ、5時代早々に登山口に到着。明日登るとに詳しく聞かれる、「4時半ごろに出発してこの時間ですか?」「いやあ、私遅いですから」「3時ごろにヘッドランプで出発している人もいましたよ。」「でも、雨が降ったあとだし滑るかもなあ?」
後でヤマレコに記録を見てみると、0.9〜1.0とのこと。どれだけ快速な人が集まっているのだと思う。
さて、車に戻ってからも大変だ。一番近い新得町の市街まで60km以上ある。その林道も数台とすれ違う、きっと次の日に登る人たちなのだろう。新得市街に来てももう食べ物屋さんはやっていない。「寶龍」と言うサッポロラーメンのチェーン店が20時までやっているだけだ。でも、小学生の時家の近くに支店がありあまりおいしいと言うイメージがなくパスした。でも、どうしても時間がなかったら食べていたかもしれない。
結局、一番近い道の駅に向かい、セイコーマートのパスタを購入し食べ、ビール1本で轟沈した。侍ジャパンの野球の決勝戦の結果も気になったが、8時ごろに寝てしまった。
短縮登山口からのトムラウシ往復、楽しさと辛さ、どちらが大きかったのだろうか。無事に戻って来れた今となっては楽しさや喜びがおおきいが、もう一度来年に行きたいか?と言われると考え込んでしまう。
深田久弥は、大雪山からテントなどで泊まりながら縦走して楽しんだという。きっとそのコースの方が楽しみが大きいと思われる。大雪山連峰の風景が凄すぎると思うのだ。それは、テント泊・避難小屋泊のスキルを身につけないと行くことができないコースだ。自分が行くことができるかどうかは難しいなあと思った。
朝から雨でなくてよかったです。
私もaiさん同様、もう一度行きたいかと問われたら未だに考えてしまうお山です。5年前に辛い思いして下山したからです。
なにわともあれ無事下山ホッとしました。
次なるお山は?
北海道のお天気あまりよろしく無いようなのでお気をつけてね
tanamari
トムラウシ、なんとか登りましたが、午前中は猛暑、午後の雷雨とタフな1日でした。
確かに風景はきれいだし、固有種などお花もきれいだし、蝶もたくさんいるし。
それでもキツかったなあ。
でも、短縮登山口ができてから日帰りでもこの山を楽しむことができるようになった。十分に恩恵はいただいたなあと思いました。
今はもう雨が降っています。数日間は雨模様の予定、どこか歩けないか考えながら過ごすことにします。
aideiei(北海道)でした。
結構岩々のお山なんですね〜
トレランシューズで行こうかと思ってましたが
しっかりしたヤツの方がいいのかもしれませんね〜
でもスピード重視だとな〜、などと色々考えさせられました
今回の北海道は、トムラウシを目的にしていました。無事に登り、戻ってくることができてホッとしています。
コマドリ沢出会いから上は基本岩ゴーロの登山道で、蓼科山とか金峰山とかの岩ゴーロがずっと続く道です。岩から岩に移っていく道もたくさんありました。
ダブルストックが私の場合は役に立ちました、ストックが便利なところと手をつかったほうがいいところを使い分けていくのが良いと思います。
そして、やはり交通機関で行く人にとっては登山口まで到達するのが大変だと思います。そこをどうするか考えないといけないと思います。
今回はしばらく北海道は雨が続くこともあり、トムラウシに登れたことで花丸としたいと思います。
コロナが終わりましたら、みんなでまた会ってお話ししたいですね。
aideiei@北海道でした。
最短トム行ったのですね??登頂おめでとうございます🎊
これで百名山92ですか素晴らしいです😆最短とか言いつつ日帰りではなかなかに手強い😫雷、雹そして沢の増水など💦難関突破しての無事帰還何よりです😂
私の回りでもこの夏この「最短」でトムラウシ行った方がいます
「木妻隊」のechinaceaさんは旦那さん、百名山挑戦中の娘さんと3人で🎶
雨飾山頂で出会った御仁は北海道百名山9座一気獲りを目論んで?(いずれもYAMAPフォロワーさん)みんな凄いなー😂
行っても行っても山頂が近づかない😫という印象は同じだったようです😅それだけ遥かな、雄大な山域なのでしょうね、ここは…
いつか、行く山…体力があるうちに行っておきたい?レコありがとございました😹
いつぞやの北海道キャラメルロシアンルーレット(笑)@A食堂、楽しかったですね😆
ちりめん隊だれも実弾(ジンギスカン味)当たりませんでしたよね😁
いつかまたあんな風にみんなで集ったり飲んだりお喋りしたりできますように〜😹
お疲れ様でした🍛
最近、岩手山とか百名山をよく登っておられるなあと思って記録を見ておりました。一体今年は何座登られるのでしょうか。
北海道は、オリンピックが終わったら急に冷え込み今は13度しかありません。汗を搾り取られたトムラウシがもう昔のようになっています。
また、昨日は特に南部で大雨で大変でしたが、今いるところはまあ何とかです。
ヤマレコでは私と同じ日にトムラウシに登った記録が2件出てきましたが、YAMAPを見ると10数件出てきましたね。やはり、内部の人口が違うのでしょうね。本当に強者揃いのトムラウシという感じで自分がこの日では一番速度が遅かったのではないかと思われます。
半分以上は岩の登山道でタフです。手足使って上り下りしなければならないところも多数です。ぜひ、体力があるううちに行ってみてください。
最短で行ける登山口から登ったが記録は長いaideieiでした。
そうですか、あの日、あの道を歩いていたのですね。そして、3人組は私のすぐ前を歩いていた方です。私が雨具を装着する間に一気に下っていかれました。
水は2リットル+濾過した1リットル使いましたね。何と言ってもエキノコックスが、。
本当に丸一日かけて登る山、いや、テント泊で登る山なのでしょうか。あの、雷雨の中どうしたのか気にはなっていました。
でも、まあ、登って帰ってこられたのでもいい思い出です。また、いい山に登りたいですね。
aideieiでした。
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