【北方稜線からの剱岳♪ヤマレコ仲間とsanpo69さんの百名山達成をお祝い】
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- GPS
- 55:31
- 距離
- 29.7km
- 登り
- 3,123m
- 下り
- 4,793m
コースタイム
- 山行
- 4:40
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 5:36
- 山行
- 7:05
- 休憩
- 2:34
- 合計
- 9:39
- 山行
- 5:22
- 休憩
- 2:41
- 合計
- 8:03
天候 | 9/21 朝から快晴、ずっと晴れ 9/22 午前中晴れ、昼ごろ高曇り、午後2時ごろから稜線はくもり 9/23 朝のうち晴れ、午前中は稜線から曇り始め午後は中層以上はくもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
sanpoさんありがとうございました 上市から立山までは富山地方鉄道で移動(1,080円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【剱沢雪渓】 気温の高い日に歩いたため、雪が程よく緩んでいてアイゼンは履かなかったが 午前中の早いうちは凍結していると思われるためアイゼンの使用をためらわない方がいいです(前爪のあるほうが安心と思います) 【真砂沢テン場】 真砂沢ロッジが休業中(補修工事)でテント場も終了しています 午後3時くらいまでに真砂沢に到着した登山者は全員、小屋主の佐伯さんから二股での幕営を指示されました 3時以降に真砂沢に到着した登山者は真砂沢での幕営を許可されたそうです 今シーズン真砂沢で幕営考えている方は要注意です 【小窓雪渓】 大滝が見える雪渓の取り付き点から雪渓の最上部までクレバスはありません キックステップで登れないことはないですが、前爪付アイゼンがあれば楽に登れると思います。早朝は凍結しているためアイゼンマストです 小窓のコルまで真っ直ぐ登りつめると踏み跡に出ます。あせって左のガレ沢や草付きに取り付くと踏み跡と合流するまで難儀します 【小窓の王手前の小雪渓】 小窓から見て手前の雪渓には雪はまったくありません 奥の小雪渓は幅5mくらい残っていて距離はわずかですが、相当な急傾斜のため、滑落=アウトです。慎重な足裁きが必要です。 特に凍結している場合はアイゼン、ピッケルマストです 【三ノ窓】 テントは5張くらいは張れるスペースがあります。池ノ谷側に張ると朝日を受けないため、テントを乾かしてから出発しようとするとタイミングが合いません 水場は三の窓雪渓を降って左に見える尾根のさらに左側の下部にあるそうです(富山県山岳警備隊の方が教えてくれました) 【池ノ谷ガリー】 想像以上に岩屑だらけ、とにかく一歩一歩が岩なだれを起こすといっても過言ではない 前後に人がいる場合は上からの落石と下へ落石起こさないよう注意 個人的には北方稜線で一番いやなところ 【池ノ谷の頭へのスラブ】 下からだと右のスラブを登る、程よくガバがあって登りやすい 真ん中の岩溝を登りたくなるが、中ほどに岩がせり出していて行き詰りました 【長次郎の頭】 北方稜線を本峰への登りルートとした場合、長次郎のコルへ回り込むトラバースルーとがわかりにくい 私は結局一番上まで登りつめて池ノ谷側へ回り込み、長次郎の頭のピークから降った フイックスロープがあるがちょっとしょっぱい降りになる |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
ここからだと前剱の方がでかく見えますね
標柱は2999mに訂正してあります、GPS測量のおかげでこれが正確な値らしいです
おしいなぁ、あと3000mに1mなんだけど、でもそこがまたいいんですよね
感想
先週果たせなかったsanpo69さんの百名山達成
23日に早月尾根からリベンジされると伺い、これは再参戦しない理由はない
3連休は山のお許しも出たし、うまい具合に天気も持ちそう
かねてからチャレンジしたかったのが北方稜線
sanpo69さんの百名山完登に合わせられれば、私としても言うことなし^^
一応、23日に馬場島のスタートから合流するプランも残しつつ、メインプランは北方稜線で
【1st Day】
3連休初日の立山駅、早朝5時にはすでに始発のケーブルカーの切符を求める登山者で列が出来ている
とはいえ、紅葉のピークには少し早いせいか思ったほどの列ではない
6時の始発はとれなかったが6時10分の臨時便が確保できた
今日は剣沢までの予定なのでむしろ早すぎるくらいだ、雷鳥坂をのんびり登っても十分すぎる時間がある
高原バスで1時間程度睡眠をとっていざ室堂へ、天気は最高、真夏と違って暑くもなく山歩きにはベストシーズン
気持ちよく雷鳥坂をハイクアップ、ゆっくり登っても10時前には別山乗越に到着した
このままだと剱沢には10時には到着する、このままテント張ってまったりしてもいいのだが、もう一つ先の真砂沢までいける時間だ
目の前の剱岳にも惹かれるものがあったが、翌日以降の行動に余裕を持たせるためにも真砂沢までいくことにした
真砂沢ロッジは今年雪崩の被害があって、8月下旬で小屋の営業は終了していることは知っていた
剣沢の山岳警備隊で、真砂沢での幕営の可否を訊ねると、たぶん大丈夫だろうと、ただトイレや水は作業者優先になるので一応一声かけてくださいとのことだった
真砂沢に到着してみるとテントが一つだけ張ってある、小屋にいたご主人の佐伯さんにテント張らしてくださいと声をかけると
「昨日でテントも終わり、もうダメだよ」
えー、そうなんですか、がっくりと肩を落としこれからどうしようと思案する
剣沢へ戻るのもなんだし、池の平までだといけないこともないけどちょっとハード
そしたら佐伯さんが
「二股に張っていいよ、沢の水汲めるしトイレは穴掘ればいいから」
うー、闇テンはちょっと抵抗あるけど、まぁ許可得てるんだから闇ではないか
と自分を納得させて二股へ
二股は吊橋の手前にいくつか張れる場所があって、たぶん過去にも張ったんだろうなというくらいきれいに整地された場所がある
一番平らでいい場所を確保し、早速テントを設営する
後からも続々とテント泊が来られて、結局7張りの一大テント村となったのでした
この日は雲ひとつない月明かりの下、二股から見上げた夜の三の窓雪渓が印象的でありました
【2nd Day】
2日目も朝からいい天気、この日は池の平までの予定なので、ゆっくりと準備する
テントが乾いてから出発したかったのだが、あまり遅すぎるのも格好悪いのでそこそこに撤収して6時半から仙人新道を登る
3年前に登った時はガスガスで三の窓雪渓も裏剣もまったく見えなかったのだが、今回はバッチリ
特に仙人新道の中腹にあるベンチからの眺めと言わずもがなの仙人池からの裏剣は圧巻
これを見にわざわざ大勢の人が訪れるというのも納得の景色だ
池の平小屋へ着いたのは午前9時過ぎ、まだまだ時間はある
濡れたテントを乾かすのにちょうどよい、テントを張って池の平山を空身で往復する
コースタイムは往復2時間10分なので高をくくっていたのだが、なかなかどうしてこの登山道、急傾斜で手ごわいのだ
そして行けども行けども山頂が姿を現さない、ハクサンボウフウのお花畑の中を直線的に突き上げる登山道、もうくたくたになって狭い山頂に到着
ピークからは裏剣と池の平山北峰から赤ハゲ、白ハゲ、毛勝三山と続くスカイラインが素晴らしい
ちょっと高曇りぎみだったのが残念だけど、遠くには後立山連峰もずらりと見えるナイスビュー
考えてみればここは北アルプスで一番山深いところ、すごいところに来たもんだ
池の平山からテント場に下山すると時間は12時、さてどうしよう時間はまだ早い
ここでまったりしてもいいのだが、三の窓でも幕営は出来る
特に気温の高い日中に小窓雪渓とその後の小雪渓をクリアしておけば、明日の早朝に凍結した雪渓を歩くリスクは減らせる
こんなことを考えて三の窓まで歩を進めることにする
大急ぎで乾いたテントをザックに詰めて池の平を後にする
ここからは鉱山道でかつては一般登山道だったが今はバリエーションルートの扱い
あまりに転落事故が多いので、逆にトラロープを張るのをやめて一般登山者が入り込まないようにしているのだとか
そんな鉱山道を進み小窓雪渓に取り付く、対岸に見える大滝が素晴らしい
午後1時頃は北方稜線から小窓雪渓に降ってくる登山者が続々とやってくる時間帯
三の窓の幕営の状況を確認すると、一張りだけで後は見えなかったとのこと
安心して三の窓を目指すが、この辺からガスが湧いてきて視界が悪くなる
小窓雪渓を登りつめたたところはちょっと迷いやすい、コルまで登りつめればよかったのだが、先走って左に入り込んでしまい踏み跡が見つからず手間取ってしまった
小窓の頭から小窓の王までのトラバース区間は岩場に踏み跡が錯綜しているので注意がいる
どこが正解というわけではないが、踏み跡が怪しくなったらすぐにもとの位置に引き返して周囲を見回すと大体正しいルートが見えてくる
有名な小雪渓は幅が5mくらいしか残っていなかったが、おそろしく急傾斜で滑落すればアウトのところ
雪が緩んでいる時間だったので安定していたが、早朝だと緊張するところだと思う
小窓の王の肩に出ると池ノ谷側に回りこみ、これまた有名な発射台を降る
急なザレ場で時間がかかるが一歩一歩慎重に降るとそこが三の窓
なるほど小窓の王とジャンダルムにはさまれた狭い空間、そこに段々畑状に幕営サイトがある
翌日のテントが濡れていることも考慮して、朝日の当たる三の窓側に張ることにする
三の窓から見える後立山の眺めが素晴らしい
三の窓には事前の情報どおり大型テントが一張り、どうやら張りっぱなしのようでクライマーのものと思われた
5時ごろ食事をしているとガチャガチャとテントの住人たちが帰ってきた
盛んに無線連絡をとっている内容を聞くとどうやら富山県山岳警備隊の訓練パーティらしい
さすが岩登りのメッカ、ある意味最高に安心できるお隣さんであります
この日も夕方にはすっかり晴れ渡り、夜には月明かりに照らされた小窓の王が印象的でありました
【Last Day】
三の窓まで進めていたおかげで今朝はゆっくり出発できる
テントを乾かし7時に出発、同じく今日下山だという山岳警備隊の皆さんに、もし困っていたら助けてくださいと言い残して三の窓を後にする
出だしの池ノ谷ガリーはまさに岩の墓場、ボロボロの大小の岩がいつ果てることもなく崩れ続けている
一歩一歩が岩なだれを起こすので気が気でない、こんなところに長く立ち止まるべきではない
苦しいが急いで池ノ谷乗越まで這い上がる
反対側に長次郎谷右俣が見えたところで池ノ谷ガリーは終わり、池ノ谷の頭に向かって岩壁を登る
赤ペンキで矢印がしてあるので登り口は迷わないのだが、問題はどこのルートを登るか
事前の情報で右側のスラブを登るのが登りやすいのだが、すっかり舞い上がってしまったのか真ん中の岩溝に取り付いた
ここは中ほどまで行くと岩が出っ張っていて行き詰る、身をもってそれを体験し、少し下がって右を見るとなんとも登りやすいスラブ
スタンスもガバもしっかりしていて快適に登れた
登り詰めたところが池ノ谷の頭、ここでようやく剱岳本峰が姿を現した
この角度から見る剱岳はもちろん初めてだが、別山乗越からのハンサムな剱からくらべるといささか不格好だ
ここから先は本峰を見ながらの稜線歩きとなるため気分もいい、池ノ谷の陰々滅々とした雰囲気とは逆に明るく陽気な剱岳となる
長次郎雪渓が恐竜の化石のようにわずかに残っている、今シーズンの長次郎谷は終了したが来年ここを詰めるチャンスがあればチャレンジしてみたい
長次郎の頭を巻くルートはよくわからず、結局頭から回り込む一番困難なルート取りになってしまった
長次郎のコルたどり着くと本峰はここから指呼の先、20分ほど急傾斜な岩場を登りつめると、大勢の人が山頂にいるのが見える
ここまでくればもう安心、危険の少ない(ここまでとはという意味で)岩場を一歩一歩踏みしめながら三角点のあるピークに到着した
ついに北方稜線コンプリートだ、いっぺんに緊張感がほぐれた
【エピローグ】
山頂に到着したのは9時過ぎ、例のTシャツを着て皆さんを待つ
しばらくすると見覚えのある方がピークに到着、URUさんだ!
URUさんに続いてsanpoさんの百名山登頂を祝おうという仲間が続々と登ってこられた
先週ご一緒したmipoさんももちろん登ってこられた
先頭のURUさんは早月尾根を4時間46分で登って来られたというから驚き、すごい健脚です
kuniyanさん、satoyamaさん、nabekaさん、kazamaruさん、shun914さんとは今回がはじめて
でもレコを通じてお互いのことは知っている間柄、初見でありながら初めてではない感じ、さすがヤマレコ
ここからはsanpoさんのレコに譲ります、感動の百名山達成のレコはこちら
↓↓↓↓↓
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コメント
この記録に関連する登山ルート
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こんにちわ。yoginsと申します。
池ノ平小屋と三ノ窓と本峰下と色々会った者です。
どうやら無事頂上で合流出来たようですね。
風邪はひかずに済みましたか?
また何処かで会えたらよろしくお願いします。
こんにちは
こちらにもありがとうございます
北方稜線ピストンなんてもうもう驚きでした
22,23日と要所でお会いできて心強かったです
頂上で無事sanpoさんたちと合流できました
踏破できたアドレナリンのせいなのか、風邪引く余裕もなく下山できました(笑
自分的には早月尾根の下山の方が膝に厳しかったです
またどこかでお会いできるといいですね、よろしくお願いいたします
北鎌に続いて劔・北方稜線、しかも今回はソロ!お見事です!!
そしておめでとうございます。
「仙人池に映る裏劔」や「ダイヤモンド鹿島槍」、とてもキレイですね
「チンネ、三ノ窓の頭、八ツ峰の頭」なんか、岩ヤさんには涎もんでしょうか
自分にはまだまだ敷居が高いですが、少しでもこんな素敵な景色を
見てみたいものです
sakuraさん、いよいよガチャガチャ類必要になりそうですね
9月の2回目の3連休はお天気に恵まれて「うやらましキラキラ
sakuraさんのはうらやまし、というかいつか行きたいなぁというか。
そもそも剱岳に行ったことがないのでまずはノーマルルートで頑張ろう
写真もどれも美しいですね。そしてやっぱり北アルプスは毅然として厳しい。
かっこいいレコありがとうございました
niiaiさん こんにちは
お天気に助けられてなんとか行ってこれました
ああいう岩場なルートは天候次第で気持ちが変るというか、ガスに巻かれるととたんに弱気の虫がでてきますね
でも青空の下の稜線歩きはとても気持ちが良かったです
ガチャガチャ類はとても使いこなせません〜
kamehibaさん コメありがとうございます
3連休はどこもお天気でよかったですね
妙高も素晴らしいブルースカイでしたね
北方稜線は北鎌とはまた違った厳しさがあって、やはり大変なルートでした
憧れだっただけに踏破したときは素直にうれしかったですね
剣岳はやっぱりいいお山でした、いいお天気の時にぜひ登ってください〜
どっかで見たような顔だったのはそのせいでしたか。
みんな考えることは同じなんですかね。
『雪風』のヘルメットと、冬は鶏冠帽かぶってるんで見かけたら声かけてくださいな。
yoginsさん
雪風のヘルメット、印象的なので忘れませんよ〜
2度あることは3度ある、またお会いできますね、きっと(笑
小窓雪渓を登られる単独の男性!sakuraさんだったとは!
少し離れていたしヘルメット姿だったこともあり、気付きませんでした。
むむむ!超残念!
爺鹿島のときに「またどこかでお目にかかれたら」ってコメントしたのに、会えても気付かなかったんじゃ意味なーい!しくしく。
北方稜線、精神すり減らしながらの下りでしたが登りも大変そうですね。発射台下りるのは、ウーン。ガリーも、ウーン。
でもこういう話ができるのも、通った者の特権ですかね。
仲間に支えられたおかげです。わたくしめも何とか歩けました。
お互い貴重な経験ができましたね。
北方稜線を経ての剱岳山頂はまた達成感が違うのでしょうね。sanpoさんの百祝いとあらばなおさら!
充実の連休でしたね♪
会えてても気づかないんじゃ意味ないですよね
てか、小窓雪渓登ってるときはもういっぱいいっぱいで、とても余裕が無かったんです
室堂スタートの時も時間ちょっとずれてただけで、ニアミスだったようです、ヤマレコ仲間って結構こういうこと多くて、後であー!ってなりますね
発射台もガリーもすごかったですね、百聞は一見に如かず
なにごとも体験してみなきゃですね
sakuraさん レポ気付くの遅れました
北鎌尾根をご一緒した時に『来年は北方稜線を行ってみたいんですわ!』って、言ってたから来年なんだなぁ!って思ってたら、今年行ってるやないですか
この先、何処に行けば良いんですかね?
よくTRI-HIさんと話すんです
BMさん 毎度でーす
もう、なんか行けるうちに行っちゃえって、勢いで登ってきました
8月のお盆休みから1カ月も山に行けてなくてエネルギーがたまっていたようです
だんだんバリルートとかに行くようになったんですけど、次は長次郎雪渓詰めるか、源次郎尾根で登るかなんてよく考えますよ
北穂の東稜とかもどうですか?
それか超ロングな縦走でしょうか
あ、
TJARがあるじゃないですか〜
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