八ヶ岳 / 大迫力の南八ヶ岳周回!
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- GPS
- 15:55
- 距離
- 16.4km
- 登り
- 1,553m
- 下り
- 1,538m
コースタイム
- 山行
- 5:09
- 休憩
- 3:04
- 合計
- 8:13
- 山行
- 5:15
- 休憩
- 2:22
- 合計
- 7:37
天候 | 1日目:ガス→雨 2日目:ガス→晴れ一時雹まじりの雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
美濃戸林道は普通車ならギリ行けるが、1回くらいは腹擦る覚悟はいる。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
地蔵尾根や赤岳〜横岳はクサリやハシゴが連続する高度感ある岩場だらけ。 しかし岩場に慣れている人なら難易度はそれほど高くはない。 |
写真
感想
今年のメイン山行は上で一泊、麓でもう一泊の夫婦二人での遠征ということになり、じゃあどこに行こうかといくつか候補を検討して八ヶ岳に行くことにした。
今まで遠征といえば北アルプスがほとんどで、八ヶ岳は初めてである。聞くところによると最高峰の赤岳を中心とする南八ヶ岳は、豪快でダイナミックな山容を望む大展望と、荒々しい岩稜帯のスリリングな縦走が満喫できるのだそうな。そりゃ楽しそうじゃありませんか。
堺を11時すぎに出発して名神、中央道を爆走。諏訪湖を眼下に望む諏訪湖SAで朝メシを食い、諏訪南ICから登山口の美濃戸へ向かう。
車高の低い車だと腹を擦ったり最悪スタックすることもあるという美濃戸林道、多少躊躇はしたものの、片道1時間および標高差200mワープの魅力には抗えず、カローラフィールダーなら何とかなるだろうと突入する。何箇所か凹凸が大きく前のバンパーを擦りそうな場所はあったものの、右往左往しながらどうにか無事に・・・途中一度足の下から「ゴッ」というとてもよろしくない音がした気はしたが、まあ聞かなかったことにしよう・・・なんとか突破する。やれやれ。
赤岳山荘の駐車場に車を停め、登山届を提出し7時すぎ登山開始。
まずは行者小屋を目指して南沢ルートを進む。とても美しい沢の流れを眺めながら、時には滝を高巻いたり、時には橋を渡ったり、時には水の中をジャブジャブと渡渉しながら遡行していく。晴れていれば谷間の正面に横岳を望みながら歩けるとあるが、残念ながら今日はガスが濃く稜線は見えない。
出発から2時間半ほどで行者小屋に到着。時間的には早いが腹が減ったので食事にしようと言うひるねに従ってかなり早めの昼メシにする。諏訪湖SAで買ったおにぎりをパクついていると、今まで周囲を覆っていたガスが晴れて横岳の稜線が姿を現す。おおお、これはカッコいい!写真や動画を夢中で撮影し、食べかけのおにぎりをもう一度手にしてニコニコしながら、いやぁ意外とこれから晴れるかもな〜なんて話している間にまあまあの雨が急に降ってきた。どないなっとんねん、変わりすぎです山の天気。
屋根のある場所に退避して雨が止むのを待つ。その間にレインウェアを装備して雨の中の行動に備える。しかし、行動を開始するとしてどこに向かうか悩む。元々の予定では、行者小屋から阿弥陀岳に登り、赤岳を経て今夜の宿である赤岳天望荘に至る計画だった。しかし、阿弥陀岳を経由しての赤岳天望荘までのCTは約3時間半、仮に雨中の行動となるとさらに時間はかかるだろう。そして肝心の阿弥陀岳はずっと濃いガスの中。苦労して登っても展望は期待できなさそうだ。
ということで、今回は阿弥陀岳はパスしてここから赤岳天望荘へ向かい、赤岳を往復する計画に変更した。行者小屋の目の前から稜線に向かって直登する地蔵尾根。ただでさえ初っ端からかなりの急登だが、ある程度上がって思わず「うへえ」とウンザリする階段にさしかかってからが表情をまた一変させる。クサリやハシゴが連続する岩場の急登。高度感がものすごい。さっきまでおにぎり食ってた行者小屋がはるか下に見える。まるでミニチュアだ。
行者小屋から約時間半ほどで稜線の地蔵の頭に出る。そこから赤岳天望荘はすぐだ。
小屋にチェックインし、部屋で荷ほどきをする。今年は個室のみの営業らしい。普段なら五右衛門風呂があるのだそうだが、今年はやっていないとか。話のタネに入ってみたかった。
こたつでお替わり自由のコーヒーを飲んだりしてしばしまったりした後、赤岳に向けて出発する。
赤岳へは岩場につぐ岩場の連続。高度感のある危険箇所はそれほどはないものの、雨が降ったら特に下りは苦労するだろうなあと思われる。
今年は営業休止中の赤岳頂上山荘に着いたら山頂は目と鼻の先となる。
14:15、八ヶ岳主峰の赤岳(2,899m)登頂。
すぐ西には登頂を断念した阿弥陀岳があるはずなのだが、やはりガスに覆われてお見えにならない。特に急いでもいないので山頂でしばらく粘ってみることにした。
しかし赤岳の山頂から見る阿弥陀岳への道はとんでもない急坂だ。道というよりこりゃ崖ですよ崖。こんなとこを登ってこようとしてたのか。
ガスは風に流されて下界から登ってきたかと思えば、時には晴れて時折周囲の景観が見渡せたりする。しかしすぐそばにおいでになるはずの阿弥陀様はお姿を顕わされそうにない。30分くらい山頂で待ってみたが、やがてガスが濃くなってきてちょっとヤバそうな感じがしてきたので、諦めて小屋に戻ることにする。
小屋に着いて10分ほどで大粒の雨が降ってきた。危ない危ない。
2日目。硫黄岳まで縦走の日なので晴れていることを期待したが、小屋の周囲は真っ白け。まあ降ってないだけマシか。
7:15赤岳天望荘を出発。まずは横岳へと向かう。クサリやハシゴが連続する岩稜帯を歩くので、ストックは脇差スタイルにしてしまっておく。
地蔵の頭を通過してしばらく行くと巨大な岩にかかる朱色のハシゴが見えてくる。横岳の核心部の始まりだ。一枚岩のルンゼの登りを突破して甲府側から諏訪側へ移ると今度は目の眩むような断崖のトラバース。
鉾岳の下にちょっと突き出た展望台みたいなとこがあったので先端まで行ってみる。え、ちょっと待って超高いんですけど。めっさ怖いやんけ。手すりのない大蛇瑤澆燭い覆發鵝
ガスは完全には晴れないが、時々部分的に晴れて高度感を小出しにしてくる。逆に怖いんですけど。
とはいえ、岩場そのものの難易度はそれほど高くはなく、スタンスもホールドも豊富なので、ビビらずに身体を立てて三点支持さえ守っていれば安全に通過できる。
8:55、CTに大幅に遅れながらも横岳・奥ノ院(2,829m)に到着。強烈な高度感の瘦せ尾根や、下が切れ落ちてる度では本家剱岳にも負けていないカニの横ばいなどを経て今日の核心部を終了する。
台座の頭というのだろうか、赤い砂礫の広く丸い稜線に出ればもう険しい岩場はないのでストックを出してもかまわない。てかザレザレの下り坂になるのでストックがあるなら使った方がよい。
ジグザグの急坂を降りきったところにある硫黄岳山荘で飲み物を買って少し休憩。英気を養って目の前の巨大な硫黄岳へと向かう。
だだっ広い硫黄岳の斜面。ルートを見失わないようにだろうか、ケルンが山頂に向かって点々と立ち並んでいる。そのケルンをつないで歩くように、敷き詰められた赤い岩くずを踏みしめながら登っていく。
10:25、硫黄岳(2,760m)登頂。爆裂火口の迫力がものすごい。これは生で見れてよかった。
南から眺めるとたおやかな山容なのに、反対側はこんな荒々しいことになっているとは。しばし山頂部を散策し、爆裂火口の大絶景を満喫する。
かなりゆっくりして下山開始。すると、今までなかなか晴れてくれなかったガスが徐々に晴れていき、赤岩の頭にさしかかるころには阿弥陀岳から赤岳、今日歩いてきた横岳から硫黄岳までの稜線がその姿を現した。もう下山するという最後の最後に南八ヶ岳はその素晴らしい眺望を我々に見せてくれたのだ。
赤岳鉱泉で昼メシを食って美濃戸へ向かう。空がゴロゴロと不穏な音を立てていたのでヤバいなと思っていたら、なんと雹まじりの雨が降り始めた。レインウェアの上からでもバッツンバッツン当たってめっさ痛い。さっきまで清らかな流れを見せてくれていた北沢、あっという間に濁流に。橋とか桟道超怖い。足滑らせて沢に落ちたらまず助からんぞコレ。
もし渡渉とかがあって先へ進めない状況になっていたら赤岳鉱泉へ戻らんとアカンなあと思いながらもどうにか堰堤に到着し林道に出る。この頃には雨もやみ、無事に美濃戸へと下山する。
いやー楽しかった八ヶ岳。沢あり岩あり火口ありでバラエティに富んでいて飽きさせない。展望は今回はやや残念だったが、それでも最後にその姿を見せてくれてよかった。
下山後は諏訪湖に宿泊し、諏訪五蔵を巡って日本酒を買いあさり、鰻の白焼きと信州蕎麦を食って帰阪する。
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