【紅葉の稜線を行く】大鳥池〜以東岳〜大朝日岳
- GPS
- 22:45
- 距離
- 39.2km
- 登り
- 3,226m
- 下り
- 3,039m
コースタイム
- 山行
- 2:36
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 2:43
- 山行
- 8:42
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 10:25
- 山行
- 6:24
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 7:51
天候 | 24日:雨時々曇りのち曇り 25日:晴れのち曇り 26日:晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特になし |
その他周辺情報 | 下山後は五百川温泉へ |
写真
感想
2年前のGWに端から端まで縦走した朝日連峰。
その時のメンバーだったnampoさんが、9月の後半の飛石連休で紅葉縦走を企画してくれた。これはいかねばということで参加。
今回のルートは大鳥池の方から入山し、以東岳を越えて大朝日を目指す。
以前の縦走で、竜門小屋でご一緒したhemhemさんからお話を聞かせてもらった朝日軍道の前半を歩くことができる。
朝日軍道は、かつて、置賜の上杉の領地から庄内の飛び地領に行くには、最上領か村上領を通るしかなかったことから、朝日連峰を越えるルートが必要となり、かの直江兼続が、修験僧の間道を拡張する形で1年余りで作った道。
庄内の酒田城を最上氏に落とされ、関ヶ原の仕置きで上杉領が減らされた後はすたれてしまった道で、機会があれば是非とも歩きたいと思っていたルート。
こんなに早く機会が巡ってくるとはと喜びつつ、台風崩れの低気圧の動向に頭を抱えながら連休を迎えた。
23日 目指せ山形
本来であれば今日から入山。しかし、明日の午前までは雨予報なので入山を1日遅らせて、のんびり北陸を走って山形を目指す。
富山で寿司を食ったり、道の駅で夕陽見たり、鶴岡でシャインマスカット買ったり、お蕎麦と炉端焼きを味わったりと下界を満喫する。
天気は明日の午後以降は回復、土日は晴れと行幸だ。
道の駅みかわで祝杯をあげて沈。
24日 あれ午後の晴れ間は?
今日は少し回復を待っての行動予定なので、「向日葵」という喫茶店でモーニング。
バナナジュースやブドウをおまけしてくれてアットホーム喫茶店だった。
時折降る雨にやきもきしながら大鳥登山口に向かう。
朝日屋旅館に回送用に車のカギを預ける。どうやら結構な数のパーティがすでに以東小屋を目指しているとのこと。
確かに駐車場にはなかなかの数の車が止まっている。
到着時には雨だったが、準備しているうちに雨は止み、空も明るくなる。
回復に胸を躍らせる?いやいや、これまで散々煮え湯を飲まされているので、半信半疑で出発する。
キバナアキギリやカメバヒキオコシが咲き乱れる赤川沿いの道を進んで行く。
さすが東北、美しいブナが林立していると思いながら歩いているとポツリポツリ。
最初は樹林内ということもあり気にならなかった雨だが、冷水沢の吊り橋を越えるころにはザーザー降りとなり、樹幹流まで見える始末。
これはこれで、森は生き生きとしていいのだが、そんなに気温も低くないので雨具をきて歩くのは苦行。
H原さんから傘を借りたsamoaは割と快適だった。
そんなこんなで、七つ滝沢の吊橋を渡り、七曲の急斜を雨に打たれながら登る修行感あふれる行動をこなして大鳥池に辿り着いた。
目指す以東の稜線は当然ガッスガス。雨もあんまり止む気配もない。
タキタロウ小屋の親父は、以東小屋へ結構上がっていったし混むと思うからお勧めしないよと来た。
みんなで協議の結果、今日はここで行動終了とし、明日、竜門に入り、明後日大朝日にアタックして下山を目指すこととする。
泊まることを伝えると親父は嬉しそうにしてくれた。
同じく、以東小屋をあきらめた3人と2階に泊まることになった。直登コースは増水して登るどころではなかったようだ。
2階の仕切りの中をのびのび使わせてもらい、Zakkiさんの作る美味しいアテをつまみながらだらだら過ごす。
時折、稜線が顔を覗かすが、結局はすっきり晴れず。
晩御飯のサーモンクリームシチューでおなかが膨れ暮れなずんできたころに、晴れ間が出てくる。
カメラを片手に大鳥池のほとりに行くと、ぼんやり赤づいた以東が湖面に美しく反射し得も言えない風景となっていた。
今日無理くり稜線を目指していたら出会えなかったと思うと儲けものだ。
稜線は赤くなっているように見え、明日への期待も膨らむ。
焼けたと思ったらまたガスってしまう気まぐれな以東に少し不安に思いつつ床についた。
25日 いざ錦秋の稜線へ
今日は気合を入れて2時半起き。空は快晴!
nampoさんの鮭雑炊でおなかを満たしそそくさと準備をして4時出発。
いきなり三角峰の急登を登る。朝一なのでゆっくり目。案外寒くない。
稜線に近づくと空が白んできて、望む稜線には錦が散りばめらているのが分かる。
三角峰をトラバースして稜線に飛び出すとちょうど日の出。
遥か彼方には鳥海と月山が見え、雲海の向こうから朝陽が昇る。
行く先の稜線が朝日に照らされるが、赤く映えるのは朝陽のせいだけではない。
緑のバックにパッチワークのように錦が散りばめられ、これから歩く道に心躍る。
オツボ峰に差し掛かると、大朝日と2年前に歩いた稜線を一望できる。
桧塚から天狗角取山を越え狐穴まで1日で歩きとおした記憶がよみがえる。遠かったなぁ。
ここから本当に天国にような紅葉稜線の闊歩。下を見下ろせば大鳥池。
写真を撮りすぎてペースが上がらない。そしてにやけも止まらない。マーベラス!
思い思いに歩いて以東岳に辿り着いた。
見下ろすと紅葉の斜面の向こうに大鳥池、向かう稜線には円錐形の大朝日が、そして月山方面から続く稜線はかつて歩き通した稜線。まさしく朝日のど真ん中といえるピーク。
思い思いに写真を撮ったりして満喫する。
さて、先に進もうと降り始めると、これまで雲海だった雲が稜線に流れ込んでくる。
以東岳を振り返ると早くもガスに巻かれそう。
狐穴までも時折美しい紅葉が続くが、小屋に着くころには薄いガスに巻かれてしまい、以東は見えなくなってしまった。
狐穴も前回の縦走で2泊お世話になった。小屋番はいなかったが、相変わらず水は滾々と湧き出ていた。
さて、気を取り直して竜門を目指す。
途切れ途切れのガスは、三方境くらいまで登ると岩井又川方面は晴れるようになる。
荒々しい相模山がひと際目立つ。
この辺りから竜門までの紅葉は最盛期、寒江山までの登りは時折視界がすべて赤くなるほど。
のんびりのぼって、寒江山でも休憩。ここを過ぎると少し地質が変わる気がする。
そうこうしているうちにまたガスがあがってきてしまう。
ガスの中に浮かび上がる紅葉を楽しみながら竜門小屋まで。
小屋の中に入ると、小屋番の石川さんが「おっ、あの時の!」という顔で迎えてくれる。
ある意味最大のご褒美だ。
前回の縦走でお世話になった思い出深い小屋。またここにこれてよかった。
まだスカスカな2階の角に陣取ったら、ビールを譲っていただき外のベンチで宴会!
と、その前に今回、朝日に来たもう一つの目的、今年の5月にさっき通過した寒江山で亡くなった大学のワンゲル部の先輩の追悼を行う。
あんな山屋になりたいと思う先輩の一人、願わくばまた一緒に山にいきたかった。
いつかまた北の山なみでと、都ぞ弥生を一人歌いビールをあおる。届いけばいいのだけど・・・。
湿っぽいのはちょっとにして、宴会開始。基本ガスだが時折、晴れ間っぽいの見える。
みるみるお酒は進み、ぐでんぐでんにないつつもご飯は次々と供給される。
仙台麩の卵とじ丼、サバのトマトにパスタ入り、最後はパエリアと豪華三本立て。
そんなこんなで日も沈みかけ、さすがに寒くなってきたので小屋に撤退。
「こんな寒いのにずっと外にいる、そんなおバカは素晴らしい」とお褒め?いただく。
1階は1階で地元の山岳会の方々で大盛り上がりのようだ。山岳会で小屋を持つというのはなんとも楽しく、羨ましいなと大学時代小屋を管理していた身として思う。
2階もなかなか人も増えた。外で存分に楽しんだので、中でのお酒はそこそこに小屋ノートに落書きをして沈。
26日 錦と雲海の大朝日へ
3時起きのはずがちょっと寝坊して3時半。
行きの黒田SAで買ったエビ出汁ラーメンを食す。うまし。
出発するころには5時ですでに明るくなってきている。昨日寝るときはガスガスだったが、空は少し曇りがちで足元には昨日よりも広大な雲海が広がっている。
スタートからいきなりの登りだが、のんびり進んで行く。
御来光は雲に阻まれちょっと焼けたくらいでいまいちだったが、明るくなってくると、それを補って余りある素晴らしい紅葉が迎えてくれる。寝坊した甲斐?があった。
紅葉を思い思いに楽しみながら西朝日へ。
振り返ると昨日登頂した以東だけはすでにはるか後方。果てしなく広がる雲海から月山と鳥海がちょこっとだけ頭を出している。
大朝日の方に目をやると、大朝日の両翼に広がる稜線を今まさに雲海が越えようとしているところで、雲が滝となってこちら側に流れ込んできている。
特に小朝日ところの雲海が朝陽と相まって幻想的だ。
素晴らしい景色を横目http://auctions.yahoo.co.jp/にちょっとめんどくささを感じつつ中岳を越える。
もう目の前には小屋を備えた大朝日のみという景色。
GWには広大な雪原だったところはえぐれた擂鉢地形になっていて、お花畑の残り香が。
あれだけの雪が積もっていたんだと改めてうならされる。
ひと踏ん張りして朝日小屋。昨日は40人泊だったとのこと。
荷物をデポしてピークアタックに向かう。身軽なのであっという間にピークへ
飯豊が迎えてくれる。磐梯山や蔵王あたりもかろうじて雲海から頭を出している。
かつて歩いた葉山方面が雲海の中に沈んでいて見ることはできないのでちょっぴり残念。
ピーク写真を撮って歩いてきた稜線に満足しながら小屋へ引き返し。
小屋で少し長めに休んで下りに備える。そうこうしているうちに小朝日岳は雲海に沈んでしまう。
ケルンで振り返るとどっしとした大朝日が見送ってくれる。
名残惜しいが標高を下ろし雲海の中へ入る。続々と人が登ってくる人に雲海の上にでますよと声をかけながら進む。
標高を下ろしてからも意外と紅葉が進んでいてこれまでにはなかった橙や黄がガスの中から浮かび上がりいい感じ。
展望がないのは分かっているが、やっぱりいかなきゃということで小朝日岳を目指す。
分岐からは激登りで3日には応えるが、紅葉のトンネルに励まされながら登る。
当然ピークはガッスガス。古寺鉱泉側分岐からアタックしたほうが楽かもしれない・・・。
気を取り直して古寺山の登り返しをこなし、そのあとはハナヌキ分岐まで一気に標高を落とし、そこからはだらだら下り。
標高を下ろすと雲海の下に出て、尾根上にも巨大なブナやヒメコマツが林立し、ときおり真っ赤なナナカマドの実が視界を彩る。
最後も激下りで古寺鉱泉へ。ちょっぴり不安だったnampoさんの車も果たしてきちんと回送されており一安心だ。充実の縦走だった。
下山後は、五百川温泉へ。なんと入浴料150円。
車から降りるとちょっと太っちょなコーギー2匹が出迎えてくれて癒される。
汗を流した後は、しめくくりの冷たい肉蕎麦なんかを食して、長い長い京都への帰路についた。
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